寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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イングラシアにin(密入国)していく創造主。
リムル達は駅から徒歩移動中。

細々とだけど進めねば……。
シズさん絡みはね、ホントね……
分からない(殴。


イングラシア王国
81.隠密と入国


 

 

「あそこはアトランティスの首都、ポセイドニス?」

「イングラシアでやす旦那」

 

 

リムルと一時分別したクラフターは、地下を元気に掘り進めていた。

先頭は地図を左手に、右手にツルハシ、時にスコップに切り替えて掘り進む。

後続は松明を付け照度が下がるのを防ぐと同時に先頭以上に座標位置に気を付けている。

 

 

「なんにせよ凄い都市だ。 ロードオブザリングみたい」

「よく分からないが、魔国も凄いじゃないか」

「ありゃファンタジー要素が無いから駄目だ。 アイツらの道具は原始的で、その癖魔法みたいな事をしているのに様式は何故か現代風! 夢も希望もないし救いも無いんだよ!?」

「皆が皆じゃないよ?」

「そうだな、SFを地下に作っているしな!?」

「え、えと……国を繋ぐ道中には楽しげな巨大絵画があるじゃないのぉ」

「冒険者用の施設が建て難くなるので許さない」

「……撤去が必要なら、私から伝えておくから」

 

 

目標は円形都市への侵入。

ブラマイ系において珍しい1列隊形が続く。 基本的に1人で松明もツルハシもスコップ作業も済ませられる創造主だが、今回は密入国が目的だ。

危機管理の観点から見て侵入路は複数か1つかで軽く議論して、1つになる。

その為、この様に1列組んで都市を目指しているのだ。

面倒だが仕方ない。 穴の数だけバレやすい。

発見されたら掘り返されそうで嫌だし、元を辿られて駅を荒らされても困る。

掘って掘り合う関係が許されるのは創造主同士の戦闘時くらいで勘弁して欲しい。

 

 

「そんな彼らでやすが、どうやって入国する気でやすか?」

「考えるのも悍ましい」

 

 

我々に非は無い。 故にこの様な入国をされても非難される謂れなし。

仕方ないね、とクラフターは開き直った。

 

 

「穴をひたすら掘って領土圏に入るって」

「無謀よぉ」

「地下鉄見て、まだ言える?」

「彼らはそれが"普通"なんだよ」

「「すんません」」

「お前らが謝る必要は無い。 謝らせたいのはアイツらだ」

 

 

いざとなれば各々がその辺から潜れば良い。

退路が潰れても作り返すのがクラフター。

どうせ駅や線路の座標は変わらない。 それ目掛けて進めば合流出来る。 何も問題無い。

もし破壊されでもしてたら、やり返す。 我々に先制攻撃して来る時点で慈悲は無い。

 

 

「地中から出て来ても騒ぎになる気しかしない」

「最悪、全力で無関係者を装うでやす」

「合流しようとする筈だから無駄だぞ」

「……既に西方聖教会の敵かも知れない」

 

 

何にせよ、戦闘は本望ではない。

区画分けの為に設けられている大規模水路の底から侵入する。

水底ならば発見され難い筈だからだ。

その後は装備一式を外し、透明化ポーションで地上に浮上。

そうして街中を闊歩。 シズ達と合流予定。

 

 

「ナニソレ?」

「唯一神ルミナスを拝めるルミナス教の組織なのよぉ」

「宗教か。 俺には関係ないな」

「いや気を付けた方が良いぜ旦那。 魔物の殲滅を教義としているから、正体がバレたら聖騎士団の討伐対象になっちまう」

「彼らは対魔物のエキスパートなんでやす」

「なんてったっけ……聖騎士団の団長」

 

 

地図を見た。

よし。 この上だ。

 

現在地が水を示す青色と自身を示す白印が重複しているのを確認。

するとクラフターは一気に階段状に掘っては上り始める。

後続は看板や土ブロックを用意。 来たる水流止めに備えた。

 

 

「…………ヒナタ。 ヒナタ・サカグチ」

「そうそう」

「……シズさん?」

 

 

やがて水が噴き出てきた。

流されるも、すぐさま看板やら梯子やら土で水流を止める。

松明が何本か流されたくらいの被害に留めた。 この手の事は慣れているクラフターだ。

横着せず冷静に対処すれば良い。 溶岩もそうだ。

かつての新人の頃とは心構えが違う。 流され溶かされ全ロストした経験は無駄にしない。

 

 

「あ、あー……でも魔物の殲滅が教義なら、アイツらは教会と敵対しないんじゃ?」

「見た目が人間でも明らかにヤベェ奴なら捕まえようとしてくると思うでやす」

「というか既に騒ぎを起こしてるらしいじゃないのよぉ」

「やることなす事、普通じゃないから魔素の有無関係無しに魔物認定してる可能性はあるぜ」

「えぇ……」

 

 

装備を外し透明化ポーションを飲み透明化。 浮上。 効力が切れる前に潜伏先を考えつつ、シズ達を見つけねば。

 

 

「……で、入国審査の為に門まで来たが」

「警備の数が多いね」

「この分だと内側も厳しそうでやす」

「おのれアイツら! 助けたいのか妨害したいのかどっちだよ!?」

「悪気が無さそうなだけに余計タチ悪いのよぉ」

「仮面をしっかり被っていてね。 魔素が漏れたら気付かれるよ」

 

 

こうして創造主は遂に入国を果たした!

念願成就の瞬間である。

歴史と秩序は常に壊れている……いや、変化している。 作り変えられているだけだ。

なんなら新規参入に優しい世界であるべきだと創造主は天を仰いだ。

 

 

「入国審査を突破した後の方が難しそうだ」

 

 

この国は排他的思考でいけない。

もっと見聞を広め、常識の殻に籠らない事が肝要ではないだろうか。

少なくともこの国の都市は立派なのだから、我々と意見交換しても良い気さえする。

そう思いつつ創造主は水中に簡易拠点を建設した。

何にせよ行動しなければ先に進めないのだから。




中々進みません……。
はてさて、この先どうなるのか……。
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