短め。 そしてクラフターが空気……。
後半、少し日記ネタを混ぜつつ。
その真偽は不明ですが……。
「リムルさんはシズ先生と共にS組の先生になって貰います」
未だに会話は続く。
時計を見る。 もう夕暮れだ。 急にソワソワしてくる。
サバイバル生活から続く危機感からだ。
「シズ先生が辞退して以来、後任のいないクラスがあります。 そのクラスの生徒が例の5人の子供達です」
「後任がいないってのはどういうことだ? 学校として無責任すぎるだろ」
ここまで武装村人が展開する大都市だ。
モンスターは滅多にスポーンしないだろうし、出没しても即討伐される。
それでも頼り切りには出来ない。 己の安地は確保したい。
照明も十分とは言えないし、アイアンゴーレムも見当たらないのだから。
「返す言葉もありません。 ですが英雄シズエ・イザワの後任というのは荷が重く……」
「比べられちゃ敵わんってことか? だからってなぁ」
「引き受ける者がいなかった理由は、それだけではないんです」
なら間借しよう。 ベッドはある。
いや待て、決断には早い。
取り敢えず耳長村人が運んで来た丸くモコモコした食べ物を食し落ち着こう。
口に入れる。 甘味が幸福感に置換されていく。
美味い。 外の薄皮を破れば甘い白液が溢れ出し、口一杯に幸せが広がった。
また新たな発見をしてしまった。 是非クラフトのレシピを知りたい。
食のレパートリーが増えるのは大歓迎だ。
「リムル、私が話した事覚えてる?」
「寿命の話か」
「うん。 教え子の推定余命は1、2年。 そうなってしまう理由は……」
「簡素化された召喚術式。 その弊害……」
「そう。 この方式だとスキルを獲得していない子供たちが喚ばれてしまうの。 そして本来スキルへ還元される大量のエネルギーは行き場をなくし……」
「やがてその身を焼き尽くす、か」
ここでクラフトした料理だろうか。
いや違うか。 どちらにせよ今、この創作物を捜索する訳にもいくまい。
再度透明化すれば良いのだが、シズの側をホイホイ離れる気が起きない。
そこまで本来の目的を放棄出来ないのだ。
何故我々が遠方の国家にまで出張ったか、何故この地に起立しているのか忘却してはならない。
「どうやら把握している様子ですね……そうです。 不完全召喚された子供達は、その殆どが5年以内に死んでしまいます。 シズ先生の後任がいない理由がお分かりでしょう。 皆、責任を持てないのです。 あの子達は…………理不尽に喚び出され、死を目前に控えた勇者のなり損ないなのですから」
「少し違うよ」
「え?」
突然のシズによる否定発言。
顔を上げる創造主。
顔一杯に白液がついた不快感も忘れ、シズを見た。 いつになく真剣で、されど笑顔だ。
実に力強い。 脆弱な顔をしていたシズは、とうに死んでいる。
「あの子達は死なせない。 その為に戻ってきたのだから」
「ですが解決策は……」
「俺もシズさんに同意だ。 それに」
「……それに?」
「コイツらがいるからな」
また皆して此方を見る。
モコモコを食べた事を責めているのか。 先程の耳長にも恨めしそうな視線を向けられたし。
だとしたら伝えてくれ。 思いつつも創造主はお辞儀した。 低姿勢になれないほど頑固な生き方はしていない。
「理不尽で、意味不明で、制御不能で、理解困難で、無邪気に好き放題して俺らを困らせる連中だけど……シズさんの時の様に、肝心な時には側にいて救ってくれる。 そんな存在だと信じているから」
「私も信じてる。 だからこそ、ついてきて欲しいと願ったの。 皆と一緒ならきっと……って」
微笑まれた。 許してくれたか。
「……問題を把握しながら、そこまで信用されているとは。 弟子である僕も間に入る余地は無さそうですね。 正直、羨ましい限りです」
「ところで話変わるけどさ。 ユウキとシズ先生は師弟関係だったんだろ? どんな事していたんだ? 隙あらばどこからでもかかって来いみたいな?」
「……朝布団を引っ張り返されて起こされて、ご飯は質素倹約から肉は無し、下着は自分で洗う件を尋ねられ、部屋を掃除された時はベッドの下にあった本を机の上に纏められて……あ、すいません……涙が」
「お、おう……泣いとけ」
「そんなに厳しい事だったかな……?」
とはいえ。 これはいつかモコモコをクラフトするか、代用品を渡そう。 忘れたら御免。
シズさんもいますし、学園編どうしよう(汗。