寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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シズ先生が生きているので、リムル達は副担任という立場に。
生徒紹介は飛ばしてますが後書に改めて紹介。
ピク●ン風コメントは日記等参考。


87.学舎と子供達

 

 

「えー……俺の名前はリムル=テンペストだ。 シズ先生の副担任となる。 あとコイツらも」

 

 

落ち着いた後、自己紹介の流れになる。

仕切るはリムルだ。 隣にシズが起立する。 我々も真似て横並び。

子供達は正面に整列する机に着席。 傾聴の姿勢にクラフターは関心し頷いた。

 

 

「副担任、多過ぎでは?」

「ゲイル君、それはそれだ。 皆も積もる話があるだろうけど、簡潔に説明するぞ。 シズ先生は君達の為に旅に出て、皆を救う方法を探していたんだ。 その道中、俺やコイツらと出会い君達の話を聞いてな。 協力する事にした」

「ということは……」

「いや、まだハッキリと救う方法が分かった訳じゃない。 だけどキッカケは得たからな、こうして君達の前に姿を現したって事」

 

 

背の高い金短髪とリムルがハァンと鳴き合う。

クラフターも併せて頷く。 そうだ。 学ぶ姿勢は大切だと。 会話内容は分からんが。

続けてシズが声を上げる。 此方は聴き取れるので良い。

 

 

「みんな必ず救うから。 私がこの人達に助けられたみたいに」

 

 

その件は現在進行形である。

シズは救った。 これからもだ。 今度は目の前の子供村人の番に変化しただけ。

取り敢えず修理した剣を返却しておく。

我々が精錬した鉄インゴットも使用したから、耐久値は上がった。 今度は石を斬り付けた程度で折れやしない。

 

 

「あ、直ってる!? ありがとう!」

 

 

戸惑われる事なく喜ばれた。

ウム、と頷く。

連邦の村人も皆こうなら良いのに。 善意に対して最悪青筋を浮かべられるとか理解不能である。

 

 

「……まぁ、なんだ。 コイツらは作る事にかけては並々ならぬ情熱があるんだ。 ただシズ先生としか会話が成り立たないみたいでな、他にも意味が分からない行為もすると思うが慣れてくれ」

「それ、大丈夫なんですか?」

「悪意をもって接しなきゃ大丈夫だ。 ケンヤ君みたいな事をしなきゃね」

「うっ……いやそれは……」

「ケンヤ。 もうしちゃ駄目だよ」

「……分かったよシズ先生」

 

 

ついでに先程の件を咎めるシズ。

躾は大切だ。 だが優し過ぎではないか?

我々の時は最悪半殺しの刑にするのに。 子供だから仕方ないね、と納得しておくが。

 

 

「剣は没収しないでおく。 しても新しくなるだろうし」

「そんな何本も用意出来ないって」

「そうじゃなく、コイツらが作って渡しそうだって意味」

「お金持ちかしら?」

「ユウキお兄ちゃんみたいな感じかな?」

「違う。 いやある意味そうかも知れんが……鉱物的な意味で」

 

 

だが先程の鉄剣はエンチャントの類が付加されていない。 にも関わらず燃えて見えた。

という事は初期シズの様に自らが生み出したフレイムか。

村人独自の能力……それまた多様性に富む。 羨ましい限りだ。 我々は苦労してエンチャントしたりドーピング強化するしかないから。

 

 

「急に窓辺で空を見上げてるよ」

「こういう奴らだ。 最初は慣れないだろうが、仲良くする様に」

「何かあったら私に言ってね。 言い聞かせておくから」

「し、シズ先生が言うなら安心だな!」

「そ、そうね! ビシッと言ってくれるわ!」

「鬼だよぉ……悪魔だよぉ……」

「ごめんなさいごめんなさい……その時は私じゃ何も救えないから……」

「皆震えてる!? 何をしたんだシズさん!?」

 

 

時々寒気がする。

雪原バイオームでも氷河の下でも、高高度にいる時でさえ感じないというのに。

最近はシズ独自のスキルだと疑っている。

初期の頃は燃える乙女だったのに。 今や氷の乙女。

 

 

「ところで、なんでシズ先生の仮面をリムル先生が付けているのですか?」

「ああ……街中に苦手な人がいてな。 借りて素顔を見られない様にしているんだよ。 そうだな、教室なら取っても良いか」

 

 

リムルが仮面を取る。

改めて並んでみると、やはりシズそっくりだ。

悪食なのは似てないが、寒気を覚えさせてこないところは良心的。

 

 

「なんとなくシズ先生に似てる」

「実は姉妹なの?」

「あはは、違うよ」

「いやしかし……中性的ですね」

「男なのか女なのか」

「先生なのになんで小さいの?」

「てか大人なのか?」

「とっちゃんぼーやじゃないのぉ?」

 

 

生徒が本調子を取り戻しつつある。

愉しげなハァンが室内に響く。 元気で結構。

 

 

「なにそれ呪文?」

「いい年なのに子供っぽいおじさんの事だよ」

「先生っておじさんなの!?」

「そういえばオッサン口調だよね」

「ああ見えて実は30代後半だったりするのよきっと」

「わははは! キメェ!」

「……………」

 

 

リムルが蹲ってしまった。

震えている。 シズの能力に当てられたか。

 

 

「あの……リムル先生大丈夫ですか?」

「……ちょっとだけ時間をくれ。 俺にここまでのダメージを与えたのはお前らが初めてだ……」

「リムル、元気出して? ほら私も……ね?」

 

 

初日から涙あり寒気あり笑いあり。

実に濃縮された1日だ。

後はクラフトをスパイスにすれば完璧だ。

創造主達は皆を見て微笑んだ。




自由学園S組 生徒紹介・メモ
アリス・ロンド
リムルメモ:
おしゃまで泣き虫意地っ張りのお姫様。
ゴーレム使い。 今は可愛い人形を動かすだけだが、将来は化けるかも?
シズさんメモ:
ケンヤにちょっかいを受けて喧嘩する事も。
けれど今の境遇でも、しっかり自分を保っていられている。
この子は私なんかより何倍も強いんだね。
クラフトメモ:
ゴーレムを操る金髪ロング。
上品で生意気な印象。
ただし、自らクラフトせず他者から譲受したゴーレムを使用する。
作り方を教えれば、将来はその手に特化したクラフターになるかも知れない。
……アイアンやスノーを教えてみよう。

ゲイル・ギブスン
リムルメモ:
さすが最年長。 皆のお兄さん的存在だ。
放つ魔力弾は強力。
礼儀もあり、皆を想う気持ちは本物。
シズさんメモ:
旅立つ前、最後に話したのがゲイルだった。
皆の事をお願いした後、辛かったな。
でもまた会えて……本当に良かった。
良く背が伸びた話をしたけれど、また大きくなったかな。
すぐ私と同じになるね。
クラフトメモ:
他と比較して落ち着きがある。
金短髪。 背も高く分かりやすい。
大玉を発射する攻撃が出来る様だが、跳ね返せるので対クラフター戦には向かない。
……ワイヤートラップを教えてみるのも手。

クロエ・オベール
リムルメモ:
絵本が大好き。 意外性に富んだ娘だな。
魔法も見事。 内側から見る水の檻は綺麗だ。
シズさんメモ:
大人しい子だけど、容赦の無い一面も。
時々この子がわからないな……。
クラフトメモ:
本が好きな黒髪少女。
大人しくか弱そうに見えるが魔法は強力。
エンチャント本を渡せば、更なる発展を見せてくれそうだ。
我々は教員であり生徒である。
教えられる事も多々ある。 垣根を意識しない事だ。
互いを尊重する寛容な姿勢が求められる。
空間を共有する学舎での時間は大切にしたい。

リョウタ・セキグチ(関口良太)
リムルメモ:
大人しいけど、目の付け所はひと味違う。
狂戦士化の肉体強化は凄い。 けど意識がないのはマイナス。
シズさんメモ:
様々な事に興味を持つのは、とても良いこと。
……ある時、元の世界と此方の世界の光景が違うのか気の所為なのか確かめる為に元の世界に戻りたいと呟かれた時は……心が締め付けられる想いだったな。
クラフトメモ:
黒短髪。 様々な事に興味を示す。
クラフターの素質は勿論、研究分野に於いては秀でた者になるかも知れない。
教え甲斐がありそうだ。

ケンヤ・ミサキ(三崎剣也)
リムルメモ:
シズさんに憧れて、使い慣れない炎を扱っていた様子。
目指すは英雄。 やんちゃな剣士だ。
シズさんメモ:
英雄のなり方を尋ねられた時、誰かの為の何かが出来る人が英雄なんだと教えた。
その時、何故かスライムを倒そうと考えていたみたいだけど……リムルは悪くないし大丈夫だよね?
クラフトメモ:
剣も使うし、ブレイズの様な攻撃を出来るがシズ程ではない。
剣を扱うなら、修繕やエンチャントを知り得て損はない。
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