仮面ライバーNewジオウ(二次王)   作:ぱんどら組長

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《対抗の熱き力》

「ふぅ…何とか倒せましたね…っと」

そう言いながら私、いや変身解除したから『僕』、だね。慣れって怖い…

変身解除した僕はとても気になってた事をシュバルツに聞く。

 

「そのライブウォッチいつから持ってたのさ?」

当然、雪花ラミィライブウォッチの事だが、出会ってから数日経つが使っているところを見たことがなかった。それ故に気になる。

 

「あー…、この間オレが1人で冬将軍と戦ったって話は覚えてるよな?」

たしか2人で冬将軍と戦う前に遭遇して戦ったと聞いていたのを思い出す。

 

「普通1人じゃアイツに歯が立たないのはわかるだろ?なんであの時生き残ったかと言うと、アイツの懐に一撃入れたらこのウォッチがそこから落っこちてきたんだ。」

なるほど、その戦いで手に入れたという訳か。

 

「ウォッチを落としたらアイツ逃げてったんだよなー。そんで命からがら助かったってワケ。」

シュバルツが生き残れた理由もわかったがまだ知りたい事はある。

 

「なんで今までそのウォッチの力を使ってこなかったのさ?狩りにも使えたんじゃないの?」

僕は月ノ美兎と甲斐田晴のウォッチを最大活用してるからこその疑問をぶつけた。

 

「いや…オレって、殴る蹴るとか近接攻撃が好きでな…。遠距離攻撃だったこのウォッチは性にあわんかった。と、言う理由で使う事がなかったから忘れていた。」

コイツはウォッチの多様性を知らないのか…?

 

「あのさ…氷とかの力が使えるなら色んなこと出来るんじゃじゃないの?例えば…かくかくしかじか」

 

「…そ、そんな事ができたとは考えた事なかった…!」

やっぱりアホの子だわこの人。

 

「って気づいたら腹減ったし眠い!」

 

「そこの燭台の火を貰って肉焼いて食べなよ。こっちもすることあるからさ。…あとこんな砂まみれのとこで寝ないでよ?」

あーい、と気の抜けた返事を聞き流しながら目的の物へ近づく。

 

「モニターさん、このゴーレムのコアってどれくらいの価値かなぁ?」

床に砂と共に落ちていた割れたゴーレムのコアを近くに浮いていたモニターさんに差し出す。

 

『…大きさは普通より少し大きいですが純度は中の下ですね。火の魔力の力がほんのり感じられます。まぁ新しいゴーレムのコアを作ることがあったら素材として使いましょう。』

なるほど、さすがモニターさん。1発で分かるとはすごい。

 

「ほいひゅひお、へあへのふふあほほば?(おいニュジオ、目当てのブツはどこだ?)」

 

「食べてから言いなさいよ、待ってるからさ…」

 

~数分後~

 

「ふぅ、食った食った…で?お目当てのお宝はどこだよ?」

これでもかという量の肉をたった数分で食べ終えたシュバルツが聞いてくる。確かに見当たらないな…

 

『多分あの壁の向こう側だと思います。壁は隠し扉になってますね。』

 

「じゃあ早速、見に行くか…」

そう言いながら壁を押すと回転扉のように開く。その先にあったのは、2つのライブウォッチだった。

 

「2つか…じゃあ僕はこっちかな?」

 

『ドーラ!』

これはドーラライブウォッチか…

 

「オレはこっちって決めてたからこっち!」

 

不知火(しらぬい)フレア!』

シュバルツは不知火フレアライブウォッチをとったようだね。

 

「よーし!帰って冬将軍との戦いに向けて作戦会議だ!」

ガッツポーズをしていたらシュバルツが一言聞いてきた。

 

「ニュジオ、ここになんか書いてないか?」

シュバルツが指差すところにはなにか文字が彫られている。

 

「えーと…[日本語字幕]…」

 

 

〈汝の戦いに幸あれ。〉

 

 

 

遺跡から外に出る時、色々な事を思い出した。

 

〔あとアイツ人工物を極端に嫌うんだよ。〕

人工物を嫌う…

 

〔暑いな…〕

雪原なのに雪の降らない暑い地域…

 

〔ウォッチがそこから落ちてきたんだ。〕

何故か冬将軍が持っていたウォッチ…

 

〔壁は隠し扉になってますね。〕

レーダー機能がないと分からない程の隠し部屋…

 

そして炎の力を持つウォッチ…

 

入り口を抜けて帰る時、ふと、まだ見てなかった石碑の文を見てみる。

 

〈レデク研究所〉

 

ここは研究所だったのか…

 

そして下手な彫られ方をした小さな文を見つける。

 

〈やっと 気づいた?〉

 

 

 

「おーい!ニュジオ!さっさと帰ってゆっくりするぞー!」

 

「…うん、わかったー」

僕はシュバルツに追いつくように走る。

 

決して後ろを振り向かぬように。微かな笑い声が聞こえなくなるように。

 

僕は背中に多くの視線を感じながらただただ前を向いて帰路を走る。

 

 


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