「ん……?」
シュバルツはまだ眠たげな目を少し開けて呟いた。
そこにはこちらを心配そうに見てくる1人と1システムがいた。
「お、やっと起きたか…!心配したよ、まったく…。」
と安堵の表情を見せ、Newジオウが言う。
『どうやら聖なる炎の治癒効果はしっかり作用してるようですね。』
こちらは装飾が豊かになった補助システムが傷を調べている。
「おい、オレ達…勝ったのか?」
「勝った、大金星だよ!でもシュバルツが寝ちゃったから僕の勇姿が最後まで見られなかったみたいだね。」
「あの炎がなんか暖かくてな、久しぶりにゆっくり眠れた気がしたぜ。」
「いや、さすがに戦闘中眠られると困るんだが…。」
『ごもっともですよ』
戦が終わり、やっと気の抜けた会話ができるようになり自然と笑みがほころぶ。
「ところでシュバルツが寝てる間に、性能が向上したモニターさんにお願いしてたことが終わったんだよ。」
「…?」
『私から説明をさせていただくと、冬将軍との戦いの前に、ニュジオ様から、戦後に冬将軍の記録を解析して欲しいと言われていました。幸い冬将軍はコアの様な“コレ”を落としていたので、解析は簡単でした。』
と、補助システムは手に持っている綺麗な雪玉を見せる。
『前に言ったように本来、地域の情報から得られてた冬将軍のデータからは冬将軍はゴーレムですがゴーレムコアは無いと、されていましたが、代わりに落としたのがこの[将軍の残雪]です。』
と、さらに補助システムは解説する。そして、
『私の推測からしてこれは、聖なる炎の力によって救われた冬将軍の魂みたいなモノだと。』
「「救われた…?」」
Newジオウとシュバルツは同時に声を出す。
『ええ、まぁまずは私が見所を編集した冬将軍の記録をご覧下さい。』
補助システムの画面に映る冬将軍の記録。それはある種の日記のようなものだった。
雪と魔力から作り出され、殺戮を繰り返す日々。そして
謀反を起こすために1人の男から貰った《狂戦士化》という呪い。謀反を起こすがサンドゴーレム亜種の力によって敢え無く研究所から逃げる事となった事。
そして、暴走に飲み込まれ、長い年月、さまよい続けた事。
『―冬将軍の最後の意志、それは自分に出来る事である、
「…なんだよ、あんな凶暴な野郎なのにそんな事考えてたのか…。」
「まさに“やるせない”って言う感じだね…。」
そしてNewジオウはふと考える。
「いつか生まれ変わらせてやれるなら、次は〈壊す〉んじゃなくて何かを〈守る〉存在にさせてあげよう。
それが僕にできる唯一の弔いだよ。」
そう言って[将軍の残雪]を優しく撫でた。