この状況はまずい。
僕を囲んでジリジリと責めよってくるゴブルフ達。これってヤンキーにやられることとまったく同じじゃないか…(体験したことないけど。)まずはここから脱出せねば!
うおおおおぉと掛け声を出し前に進みながら変身。この際変身ポーズなんてとってる暇はない。前進しながら変身するため、僕の前にいるヤツはいきなり僕が横に360度回転し出して突っ込んで来るため避ける。まず前進しながら変身完了、配信開始。多少群れとも離れることも出来た。ここからはこれに限る…
「ふぅ…逃~げるんだよぉ~ッ!」
敵前逃亡。これしか無かったしこのセリフが言いたかったのもある。僕は走り出した。だがその瞬間目の前に三体程のゴブルフ達が回り込みそのうちの一体が腹部に右ストレート。こっちが相手方向へ走っていたからダメージも増す。「なんだよその速度…」腹部を抑えながら背後にステップを取る。が、それを意味するのは他の八体程のゴブルフの元へ戻るということ。戦闘なんてここに来るまで、した事はあまり無かった。というかそれは戦闘とは言わない、ただの一方的な攻撃。中学生の時に虐められてたことを思い出す。
もうこの戦いは昔の事をフラッシュバックさせられる。
地面に仰向けにされて、蹴りをいれられながら昔の事を思い出していた。突如腹部を勢いよく踏まれ、現実へ戻る。
もう駄目なんだね…僕。
視界に入る満月を見ながらそう思う。満月に映る兎。こっちの世界にもあるんだなぁ。そう思いながら頭がボヤーっとしてくる。
『やっぱ雑魚だったなー』『なんの配信かわからんのだけど』『乙乙W』
脳内でコメント欄が表示されている。
配信終了か…
こっちの世界でも、僕は変われなかったようだ…
『VTuberたる者コメント欄の見逃しは厳禁ですよ。』
目を覚ますと、そこは黒い空間、大きく映るコメント欄。
ああぁ、ここ記憶の中的な?走馬灯かな?
コメント欄の近くに女の子がいる。女子高生かな?ぼやけて見えてよく分からないけど驚きはなかった。
『ほら、よくコメント欄見て。』
そう言われて素直にコメント欄を見る。何となく僕がリンチされてる時のだと感じた。
馬鹿にしているようなコメントが沢山並んでいる。でもよく見てみるとぽろぽろと応援の言葉もあった。『負けるな。』『勝手に終わるなよ』『ここで男見せてみろよ!』
ちゃんと応援してくれた人いたのか…
『しっかりと見えたでしょう?VTuberは皆さんの期待に応える仕事なんですよ。それがたった数人でも。』
女の子はそう言い何かを僕に手渡し言う。
『わたくしの力託しましたよ。さあ立って、皆さんの期待に応えてくださいよ?』
ぼやけていた顔が鮮明に映る。それは何度も僕を励ましてくれていた存在の一人だった。
「あ、あなたは―ッ」
目を覚ますとゴブルフ達にリンチされていたところだった。体力は無いに等しい。だが左手にある新しいウォッチから気力が送られてくる。
僕は思い切りウォッチのボタンを押した。
『
いやー、最初に出すVの方誰にしようかめちゃくちゃ悩みました。けどやっぱりこの方を前提に書いてみるととてもしっくりきますね。新人Vの主人公を頼もしく見送るのはやはり適任だとワテクシ思いました。