俺は戦うことが好きなのではない、勝つのが好きなのだ 作:nyasu
悲しいことに、一回デュエルしてから誰もデュエルしてくれなくなった。
おい、デュエルしろよ!(懇願)
しかし、現実は非情である。
俺が何したってんだよ!何、デュエルじゃないだとソリティアだって?
それはそう、否定は出来ない。
「このままじゃ、金が……」
王の右手の栄光、この優勝賞金が欲しいのだ。
おっ、待てよ、優勝賞金が欲しいといえばあの人がいるじゃないか。
良いことを思いついた俺は城に向かった。
城の入り口にはスターチップを入れて開く扉があり、黒服の人が立っている。
うむ、磯野に似てる気がする。
「野球しようぜ!」
「おい、お前ずっといるらしいじゃないか。交代の時に聞いたぞ」
「何、同じ人じゃないのか!?」
「ずっと立ってるわけ無いだろ」
不審者を見る目で俺の事を見る門番の黒服。
というのも、俺は初日から数日の間ずっとここにいたからである。
しかし、それも終わりだ。
なぜなら、俺の待ち人が来たからだ。
「なんだぁ?おい、どこの誰だか知らないがどきな」
「アンタ、スターチップを10個集めたんだろ。俺のレアカードを賭けるからデュエルしろよ!」
「それが人に物を頼む態度かよ。なるほどな、参加者の一人だって訳だ。だが、そんな面倒事はしないぜ」
そう、俺が待っていた人物とは俺と同じ優勝賞金が欲しいバンデット・キースである。
通称、トムに負けた人デースである。
そうかそうか、君はそういうやつなのか。
「負けるのが怖いのか、トムに負けた人デース」
「おい、今なんて言った?」
「アンタ、飛び入り参加だろ?チクっても良いんだぜ」
「チッ、どこでそれを……まぁいい気が変わった。テメェは一度ぶっ殺してやらなきゃな」
勝ったな、ガハハ。
俺の挑発にまんまと引っ掛かった。
これで、俺が参戦出来る。
「さぁ、キースさっさとデュエルしようぜ」
「面倒だがデュエルしてやるぜ、待っているのは地獄だがな」
「なら、地獄でお前に勝つ!」
「このガキぃ!俺のターンドロー!」
な、なんだと!?
こいつ、先にドローしやがった!
「フフフ、さぁ覚悟しな。元全米チャンプのキース様が最強デッキで相手してやるぜ。俺のターン、まずはこいつを守備表示で召喚するぜ」
しょ、召喚と言いながら裏側で伏せるだと!?
それは守備表示で召喚ではない、裏側守備で伏せるだ!
お前、ジャッジ呼ぶぞ!ジャッジキルされたいのか、貴様!
「終わりだな、俺のターンドロー!魔法カード苦渋の選択を発動!」
「なんだそのカードは、自滅じゃねぇか!その成金ゴブリンを俺は選択するぜ」
《苦渋の選択》
自分のデッキからカードを5枚選択して相手に見せる。相手はその中から1枚を選択する。相手が選択したカード1枚を自分の手札に加え、残りのカードを墓地へ捨てる。
「成金ゴブリン発動、俺は手札を一枚引く。手札よりサンダー・ドラゴンを捨てて効果を発動。サンダー・ドラゴンをデッキから2枚手札に加える。天使の施しを2枚発動、サンダー・ドラゴンを全て墓地に、処刑人マキュラと硫酸の溜まった落とし穴を墓地に捨てる。処刑人マキュラの効果発動、コイツが墓地に捨てられたターン、俺はトラップカードを手札から使うことが出来る!」
「トラップカードを伏せずに使えるだと!?なんだ、そのインチキ効果は!」
《成金ゴブリン》
自分はデッキから1枚ドローする。その後、相手は1000LP回復する。
《サンダー・ドラゴン》
星5 光属性 雷族
攻撃力1600 守備力1500
このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから「サンダー・ドラゴン」を2体まで手札に加える。
《天使の施し》
デッキからカードを三枚ドローし、その後手札から2枚捨てる。
《処刑人マキュラ》
星4 闇属性 戦士族
攻撃力1600 守備力1200
このカードが墓地へ送られた場合このターン、カードのプレイヤーは罠カードを手札から発動できる。
「手札抹殺発動、手札を捨てて同じ枚数引くぜ。俺の勝利の方程式は揃った。手札より、現世と冥界の逆転を発動」
《手札抹殺》
手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれ自身が捨てた枚数分デッキからドローする
《現世と冥界の逆転》
自分の墓地のカードが15枚以上の場合に1000LPを払って発動。お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキと墓地のカードを全て入れ替え、その後デッキをシャッフルする。
「既に15枚以上手札を捨てたことで達成しているのでデッキと墓地を入れ替える」
「お、俺のデッキが5枚になっただと!?」
「俺のターンはまだ終わりじゃないぜ。カードを伏せ、魔法カード太陽の書を発動する。オープン、モンスターカード!サイバーポッド!」
《太陽の書》
フィールド上に裏側表示で存在するモンスター1体を選択し、表側攻撃表示にする。
《サイバーポッド》
星3 闇属性 岩石族
攻撃力900 守備力900
フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。その後、お互いにデッキの上からカードを5枚めくり、その中のレベル4以下のモンスターを全て表側攻撃表示または裏側守備表示で特殊召喚する。それ以外のカードは全て手札に加える。
「デ、デッキが……カードが無い」
「そうお前のデッキはドローして召喚した状態だった。つまり5枚の手札だったがそれを捨てさせ、それがデッキになっていた。そのデッキもサイバーポッドにより5枚ドローで0になった。つまり、後は分かるな」
「次のターン、俺はドロー出来ない……」
「フフフ、その通りデース!ミィの勝ちデース!ターンエンドだ」
「このデュエルは無効だ!俺はドローしない、だから負けてない!」
な、何!?テメェ、そんなのってないじゃん。
嘘だろお前、このまま逃げるのか。
俺は魔法カードと偽って墓荒らしを発動したりしないんだぞ!
月だって破壊しないし、海月がいるから電気無効とか海で選択できないとか飛んでるから当たらないとかもないぞ!光と闇が合わさりブルーアイズは腐るとか、そもそも首が3つあるからそれぞれに攻撃力があって3回倒さないと場から墓地に行かないとか、死者蘇生は不完全で何故か首一つだけ3000とか、俺はライフの分だけ下がるぞ、死んじゃうんだぞぉとかそういう脅しもしてないのに貴様ぁ!
「どうするつもりだ!」
「ノーカウントだ!ノーカン!ノーカン!」
「あっ、待てぇい!」
走り出すバンデット・キース!
そのまま扉を開けるつもりらしい、させるか!
俺はデッキからカードをドロー!そして、それを投げる!カードがバンデット・キースの背中に刺さる!
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ドロー!モンスターカード!ドロー!魔法カード!ドロー!魔法カード!」
「ぐわぁぁぁ!?ぐわぁぁぁ!?ぐわぁぁぁ!?」
「悪いが、お前が逃げるのをやめない限り、俺はカード手裏剣をやめないぜ」
「ど、どういうことだ!?」
門番の黒服が困惑する。
その視線の先は、背中からカードが刺さって血を流すバンデット・キースに注がれていた。
痛そう。
「ソイツを捕まえてくれ、俺のスターチップを盗んだんだ」
「何!なんてやつだ」
「おい待て、なぜ信じるんだ!」
「それもそうか」
「盗んでなければ逃げる必要はない!よって、ソイツは嘘を付いてるぜ!」
「なるほど、それもそうか」
黒服に説得コマンド発動、遊戯王は言ったもんガチ、はい勝ちー!
血だらけのバンデット・キースに黒服が蹴りを入れて意識を奪ってからスターチップを回収してくれた。
ケッ、デュエリストの風上にもおけないやつだぜ。
「おいおい、コイツ銃なんて持ってるぜ」
「本当だ、これは報告しなくちゃな」
「デュエルマッスルを鍛えて出直すんだな」
「なるほど、デュエリストってすごい」