未来の花   作:ZANGE

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第20話
Side: 沙代


幕間 本当の言葉
本当の言葉 壱


みんな、殺された・・・

ひめじまさんは許しても、わたしは許さない・・・

 

 

 

あの後、ひめじまさんと一緒にみんなを埋めてお墓を作った。

時間がなくて、文字の入っていない板を立てただけのお墓が七つ。

 

朝、村の人が来て、話をした。

 

「こんな血まみれになって、何があったんだ?」

 

だから、ぐるぐる巻きになった方を指差して、伝えた。

 

「あの人は化け物。

 みんなあの人が、みんな殺した」

 

でも、村の人と一緒に見た時、あの化け物は消えてしまっていた。

 

それから、事情を聞くと言われて、

ひめじまさんが連れて行かれてしまった。

 

ようぎしゃ?

どういう意味?

分からない。

 

みんな、身寄りなんていない。

ひめじまさんは、大人の話が終わったら帰ってくる。

 

そう、思っていたのに・・・

 

 

 

日が沈んでも、ひめじまさんは帰って来なかった。

 

その夜。

一人の夜は、とても怖かった。

なんでひめじまさんは帰って来ないんだろう?

 

もう一度、鬼が来たらーーー

今はひめじまさんも、誰もいない。

 

私も、みんなみたいに・・・

みんなみたいに動かなくなる!!

 

物音を立てると、鬼が来るんじゃないかと怖くなって、家の端っこの方でじっと静かに座っていた。

ぜんぜん眠れなかった。

 

長い、長い夜が明けた。

次の日、別の村の人がやって来て告げた。

 

「沙代ちゃん。

 もう安心して良いよ」

 

どういう意味だろう。

そう思っていると、その人は続けた。

 

「悲鳴嶼は捕まった。

 だから、もう安心して良いんだよ。

 ひとまず、この寺から離れて・・・」

 

ひめじまさんが捕まった!?

 

「え・・・いぁ・・・」

 

声が!?

声が出ない!!

 

「ぃぇ・・・いぁ・・・」

 

ダメ、ちがうの・・・

そうじゃなくて、ひめじまさんが、なんで・・・

 

「よしよし・・・

 よっぽと怖い目に遭ったんだね。

 でももう大丈夫。大丈夫だよ」

 

ちがう・・・ちがう・・・

だれか、ひめじまさんを・・・

ひめじまさんをたすけて!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯はおいしかった。

お布団も暖かかった。

よく眠れた。

 

でも、声が出なかったから、

誰もひめじまさんの事を教えてはくれなかった。

 

そんな時、家の外から立ち話が聞こえて来た。

 

「おい、聞いたか?

 子供達が殺された寺の話・・・」

 

「ああ、本人は鬼が出たと言っていたらしいが」

 

「鬼なんかどこにもいなかったと聞いたぞ」

 

「生き残った小さな子供がかわいそうだ・・・」

 

「念のため、墓を掘り起こしてみたら、本当に子供たちは殺されていたらしい・・・」

 

「結局、犯人は誰なんだ?

 鬼なんて本当にいるのか?」

 

「伝承の話か。分からん。

 少なくとも知り合いに見た者はいない。

 しかし、事実として子供たちは殺された。

 生き残った子は、みんなが殺されたのを見ていたらしい。

 今は声も出なくなっているそうだ・・・」

 

「かわいそうに・・・

 よほど怖い目に遭ったのだろう」

 

「このままいけば、悲鳴嶼が犯人。

 という事になるのか?」

 

「金目のものも残っていたし、盗人の仕業でもないらしい。

 それに見つかった時、悲鳴嶼は全身血塗れだったそうだ。

 他に容疑者がいないとなれば、そうなるだろう」

 

「子供たちを引き取っていたのは、

 わざわざ殺すためだったのか?」

 

「怖いな・・・」

 

「ああ。だが、今は大旦那様の座敷牢にいる。

 そう怖がることもないさ」

 

「しかし、目も見えない人間が、

 わざわざそんなことをするかね?」

 

「相手が子供なら、目が見えなくても・・・」

 

「まるで鬼だな・・・」

 

 

 

 

 

気付いたら、村の人の家から抜け出していた。

 

走って走って、走り抜いた。

 

どこを走ったのか分からない。

気付いたら夜になっていて、みんなのお墓の前にいた。

 

『みんな、お願い!!

 ひめじまさんをたすけて!!!』

 

 

 

「おい、そこの子供。

 沙代、と言ったか。

 行冥はどこへいった?」




沙夜が一人で夜を過ごす間、村の大人たちはビビってました。

猗窩座の活躍により、村人にも疑念を抱く人もチラホラ。
しかし証拠がないので・・・
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