未来の花   作:ZANGE

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第97話
Side: ???、悲鳴嶼


柱合会議 陸

破壊殺(はかいさつ)乱式(らんしき)!!」

 

一見隙間なく放たれる猗窩座(あかざ)の拳撃を、無傷でやり過ごす人間がいた。

 

「ハハハハハハ!!

 炭十郎(たんじゅうろう)!お前には何が見えている!!

 その眼、その力が至高の領域なのか!?」

 

全ての攻撃がいなされたにも関わらず、心底楽しそうに、まるで望んだ時が訪れた子供のように、邪気たっぷりに猗窩座は笑う。

 

笑いながらも、次々に繰り出される技の冴えは変わらない。

 

術式展開(じゅつしきてんかい)ーーー

 破壊殺・羅針(らしん)!!」

 

雪の結晶が舞うと共に、猗窩座の感知能力が拡がり。

 

「破壊殺・空式(くうしき)!!」

 

空中から拳撃の波動が連続で放たれ。

 

砕式(さいしき)万葉閃柳(まんようせんやなぎ)!!」

 

その拳は大地を割り。

 

脚式(きゃくしき)流閃群光(りゅうせんぐんこう)!!」

 

虚空への連続蹴りから攻撃が飛び。

 

「破壊殺・鬼芯八重芯(きしんやえしん)!!」

 

両拳から放たれる計八発の拳撃が広範囲を吹き飛ばす。

 

炭十郎と呼ばれた男は、その一つ一つが必殺の一撃を、まるで未来が見えているかのようにいなし、最小限の動きで避け切っていく。

 

数百年の鍛錬が、研鑽が全て通用しない。

絶望的な現実を目の当たりにしながら、猗窩座は笑みを深めていく。

 

「ハハハハハハ!!

 素晴らしい!素晴らしいぞ!!

 もっと全力を出せ、炭十郎!!」

 

両腕をだらりと交差させ、両脚を踏み締める姿勢からーーー

 

終式(ついしき)青銀乱残光(あおぎんらんざんこう)!!!」

 

同時に百発もの乱れ打ちが放たれる。

避けることなど不可能な、嵐の雨粒のような拳撃。

 

「約束を果たすまでーーー」

 

彼は視る。

ただそこに、そこしかないという場所へ、するりと身を滑り込ませた。

 

猗窩座の腕が斬り飛ばされる。

 

その男は人間の身でありながら、全くの無傷。

それどころか、猗窩座の首に美しいまでの一太刀(ひとたち)を入れていた。

 

「見事だ・・・」

 

まさに首の皮一枚。

死と隣り合わせの状況でありながら、仰向けに倒れこんだ猗窩座の表情は晴れやかだった。

 

「・・・いい気分だ。

 炭十郎、このまま首を斬れ」

 

「嫌だ」

 

「斬れ」

 

「嫌だ」

 

「・・・何故だ?

 鬼狩り共へ報告すれば、ゆうに家族が一生暮らせるだけの褒賞を貰えるぞ?」

 

「・・・身に過ぎたお金は毒にもなる。

 それに貴方が死ねば、炭治郎が悲しむ」

 

「・・・クッ、ハハハ!!!

 そうか、炭治郎が悲しむか!!

 アハハハハハハハハ!!!」

 

悠久の時を生きる鬼は、何か憑き物が落ちたような表情で、いつまでも笑い続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あの猗窩座を倒した人間がいるらしい」

 

その言葉を発するまでの葛藤、疑念、柱としての責任。

それら全てを考慮しても、お館様がいらっしゃる今、伝えておくべきだと思った。

 

その結果は劇的だった。

 

「・・・は?」

 

「真ですか?」

 

「馬鹿な!?」

 

騒がしくなった場を収めたのは、やはりお館様(やかたさま)だった。

 

「それが事実なら、とても興味深い話だね。

 しかし、彼の鬼はまだ生きている・・・

 行冥(ぎょうめい)、その情報は誰から聞いたんだい?」

 

「猗窩座自身からです」

 

「「「!?」」」

 

「そうか。それならきっと、事実なんだろうね」

 

「「!?」」

 

おとがいに手を当て、思考を千里の外に巡らせていたお館様が口を開く。

 

「・・・そのような御仁がいるなら、私が直接会おうと思う。

 皆も、その方とは絶対に争わないようにね」

 

「「「!!???」」」

 

こうして、ただでさえ人外魔境を支える多忙な隠達へ、この広い国から猗窩座を倒した人間を探す任務が新たに加わったのだった。




仕事が変わって電車に乗る機会がなくなり、ちょっとした隙間時間が全滅しておりました。

やっと鬼滅のアニメが観れたので、モチベを回復しつつ。
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