弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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前回のタイトル間違えて投稿してたァァァ!!!
…ええ、ハイ。第99話です、お楽しみください


第99話 詰み3手前

米軍基地 医療棟前にて…

 

 

「ガギッ、ギギッ…!!」

「っ、ふん!」

 コンクリートを粘土細工のように抉り取る爪の一撃をガラティーンで逸らし、返す刃で肩部を斬る

 …やはりか

 

 

 妖精騎士の時点で彼女に勝る騎士は妖精園に居なかった、その彼女が(兵器化されているとはいえ)竜としての姿で立ちはだかっている以上ちょっとやそっとじゃダメージにもならないらしい

 茨木童子がやったように翼のような鱗や甲殻のない場所なら通るかもしれないが…

 

 

「メリュジーヌ、今のテメェに意識があるのかどうかは知らねーけどな、私達にはもう躊躇してる余裕はねぇんだ!これ以上邪魔すんな!」

「できればもっと違う形で会いたかったわね!」

 

 

 レガリオさんの魔術はもちろんバーヴァン・シーのフェイルノートや伊吹童子の草薙も殆ど効いていない、全員で掛かっても彼女を倒すには至らないだろう。──ならば

「レガリオさん」

「…分かってるよ、妖精騎士()()()()()

 

 

 流石は我がマスターであり伴侶、どうやらわたくしの言いたいこと、考えていることはお見通しのようですね

「伊吹大明神、バーヴァン・シー、ここは私が食い止めます。今すぐにここから離れなさい!」

「はぁ!?…っておい!レガリオ!?降ろせ!」

 

 

 直後レガリオが有無を言わさずバーヴァン・シーを担ぎ上げて離脱、やや困惑した伊吹童子もそれに続く

「待て…おい…バーゲストっ!!」

 背中に聞こえる彼女の声に振り返ることなくガラティーンを構え直す

 

 

「ギ、ギギィッ!ガガ…!」

「歪な再会であるが…今度こそ決着を付けようか、メリュジーヌ」

 陛下、ガウェイン卿、どうか私に

 

 

 護る力を。

 

 

 

 

 

「降ろせっつってんだレガリオ!私の命令が聞けねぇってのか!」

 ガスガスと背中を叩いて暴れるバーヴァン・シーを宥めながら走る

 

 

「──いくら貴女の命令でも今だけは聞けません、あのまま全員残ってもメリュジーヌは倒せない」

「んなことはお前より分かってんだよ!今の状況もメリュジーヌの強さもな!1人でどうにもならないんだから全員でなんとかするしかねぇだろ!」

 

 

「分かっています」

「分かってない!妖精園でメリュジーヌがどれだけ強かったか知らないくせに!バーゲストが殺される!」

「殺させません」

「──え?」

 

 

 担いだ彼女が落ちないように支えつつ急停止し、決断する

「伊吹童子」

「っと、なにかしら?」

「お願いします、バーヴァン・シーを守ってください。…私は戻ります」

「ちょ、ちょっと!?」

「ん、言っても聞かなそうな頑固なカオ!仕方ないわねー、終わったらお酒奢ってよ?」

「ええ、樽で用意しときますよ」

 

 

「ちょ、やめ──」

 言うが早いか伊吹童子に彼女を託してUターン、バーゲストの元へ

 倒すにしても足止めするにしてもバーゲストが宝具を使わなければ不可能だ。そのためにできることは周囲の人間の避難誘導、彼女の宝具を使うのならもっと避難の範囲を広げる必要がある。それと──

「…理性の肩代わり」

 

 

 伊吹童子に彼女を任せるのは少しだけ不安だったがこっちはこの世界で僕にしかできないことだ

 よし、戻ろう

 

 

 

 

 

「レガリオ!あなたまで!?」

 追いかけようにも伊吹童子の尻尾に巻き取られて動けない

 あなたまで死んでしまったら──

「さ、行くわよシーちゃん!」

「待ってって「聞いて、この先貴女の力が必要になるの」

 

 

 50年前の尊大な態度でも飲んだくれのフザけた態度でもなく伊吹童子が言う

「異郷の魔術師…いいえ、モルガン・ル・フェから妖精騎士の名を着名し魔術を受け継いだ貴女にしかできないことなの」

「なんであなたがそこまで知って…それに私にしかできないことって?」

 

 

「あなたの言う通りアルビオンは2人だけでどうにかなる相手じゃない、だから私達は私達にできることをして2人を護るの

 いい?魔術師バーヴァン・シー。…私達で影月ちゃんを倒すわよ」

 

 

G地区 オフィスビル跡地にて…

 

 

「『プリモ・アモーレ』!!…はっ、はっ、バーサーカー…!」

「喚くな!シャドウサーヴァントを片付けろ、綱とファクターに寄せ付けるな!」

 30秒前まで繋がっていたアヴェンジャーとの通信は途絶え、彼女が押し留めていたであろう大蛇が中心部…つまりこの場所に向かって来ているのは魔力の反応で分かる、コヤンスカヤの元に辿り着いた沖田も死にかけている

 

 

 こうなってしまった以上彼方を殺す以外の突破口は無い、無いのだが──

 彼方を中心に円形に広がった空間の中の2人に対する疑問。

 何故姿を現した?

 

 

 新撰組とその他戦力を囮に機を伺い、不意打ちで彼方の首をはねる。サーヴァントとコヤンスカヤの妨害が激しくチャンスが無かった故に姿を現していなかったが何故今になって…

 もう戦力も時間も無いのは分かるがここまで堂々と姿を晒せばコヤンスカヤは全力で潰しに来るぞ…!

 

 

「またレールガンが…!」

「ファクターっ!」

「ぐァっ…!!」

 

 

 サーヴァントでも無い彼が避け切れるはずも無く磁場によって放たれた弾丸は彼の脇腹を抉り取った

「ファクタ「構うな!あいつは()()()()()()!綱を守れ!」

 

 

 何箇所かの急所ごと抉られ、膝を突く彼はどう見たって致命傷であり魔法でも使えない限りもう助からないことは明白だった、が

 綱に狼狽えている様子はない、こうなることが分かった上で出て来たのなら何か策があるはずだ

 

 

「全新撰組隊士に告ぐ!綱に敵を寄せ付けるな!…斎藤、ここの指揮を頼む!」

「そりゃいいですけど副長は?」

「沖田を助けに行く、俺1人で良い」

 これ以上戦力は裂けられない

 

 

「………分かりましたよ、こっちは任せてください」

「ああ、助かる」

 行くべきじゃないのは分かっている、もちろん斎藤の奴も。間違いなく俺を始末するための罠だろう、それでも助けられる可能性を無視して見捨てることはできない

 

 

 …だがな、甘く見るなよ

 現界してから覚えたモールス信号を頼りに彼へ連絡を取る

「俺の首はそう安くは無いぞ」

 

 

 

 

 

………出て来た

 

 

 鬼殺しのセイバー、渡辺綱。今のところ私を殺し得る唯一の英霊。だがこうして相対している以上斬られることはない、どれだけ速く動いたとしても。どれだけ重い一撃だとしても。彼自身に鱗の防護壁をすり抜けて斬る力は無い

 そして斬るという行動上、確実に草薙の間合いに彼は入る。そこを

 

 

 つぶす

 

 

 コヤンスカヤがあいつのマスターを殺したから私はあいつが消えるまでただ待てばいい。向かってくるなら斬ればいい。

「それでぜんぶおわり」

 勿論1人で突っ込んでくることは無いだろうけど他の英霊が何人向かってこようとセイバーさえつぶせば怖くない、あいつ以外に多少攻撃されたとしてもすぐに治るし

 

 

 こい、やっつけてやる

 

 

米軍基地 正門前にて…

 

 

「があっ!…くそ、補給はまだか!?」

 最後の補給からだいぶ時間が経っている、このままじゃ先に弾が尽きる!

 

 

 ! また新手…!

「────」

「バーサーカー、左だ!…おいバーサーカー?」

 

 

 バーサーカー…ペンテシレイアの様子がおかしい、いきなり立ち止まって…

「まさかとは思ったけど2人だけで足止めしてるとはね」

 !!

 

 

 鉛玉と共にやってきた衝撃を踏ん張って押し殺し、敵を視認するより早く撃ち返す

「うわっ、今まで会ったどの兵士よりも血の気多いな、ザイルの言っていた通りだ

 こうして面と向かって話すのは初めてかなクライム中将、僕は間桐慎二。あんたのことは聞いてるよ」

 

 

 やたらと小さなスナイパーライフルを手に現れた間桐慎二が涼しい顔で自己紹介するがそんなものを気に留めている余裕はない

「っ!」

 

 

 頭部目掛けてアサルトライフルを再び速射、だがなんらかの魔術によって防がれ、弾丸が彼に届くことなく弾かれる

「悪いけどあんたと真っ向勝負するつもりは無い、こっちとしてはNFFスペシャルの足止めが無くなればいいんだ」

 

 

「逃がすと思うか?」

「僕と戦ってる余裕は無くなると思うよ?」

「ふざけ「アキレウスゥ!!!」

 

 

 …!?バーサーカー?

 

 

「来いアーチャー、ペンテシレイアを正門から引き離す。

 …追いかけてきたければ好きにしなよ、ガラ空きになった正門からNFFスペシャルが雪崩れ込むだけだからね」

「ちぃっ!」

 

 

 バーサーク・オリオンに抱えられてその場を去る間桐慎二の背を俺は見送ることしかできなかった、あいつの言った通り俺までここを離れればNFFウェポンが雪崩れ込んでくる

 

 

 残ってる弾丸はそう多くない、まずいぞ…!

 

 

G地区 オフィスビル跡地にて…

 

 

「──セイ、バー」

 

 

 気を抜けばそのまま死んでしまいそうな朦朧とする意識の中、残った令呪を全て解放する

 …これで俺の役目は終わりだ

 

 

 ただのクソガキでしか無かった俺が自分の身を犠牲に戦えるなんて俺自身思わなかった。いや、俺の力じゃない。人でありながら英霊と肩を並べて戦い、みんなを先導してくれた彼──クライム・アルバートのお陰だ

 

 

 父さんや母さんは今何をしてるんだろうか、ウルフルズに入ってから一切連絡を取れなかったがまだこの辺りに住んでいたのだろうか、そうだとすれば今は避難所にいるのだろうか

 

 

 最後に会いたい、父さんに俺の勇気を褒めて欲しいし母さんの作った炙りチーズハンバーグが食べたい

 ──でもそれは叶わない、だから託そう。家族のことを、彼ならきっと守ってくれるから

 

 

〜魔術師 バルン・ファクター 死亡〜

 

 

 

 

 

「…ファクター」

 魔術的繋がりは無かったが後ろにいた彼の、命の気配が消えたのが確かに分かった。バルン・ファクターは死んだ。

 

 

「っ」

 もう後には引けなくなった、影月 彼方はここで仕留めるしかない

「ハルカ!手を貸せ!」

 

 

 了承したのか拒否したのか、返答は振るわれた草薙の剣圧に掻き消され、影月 彼方との最後の戦いが始まる

 

 

「────」

 

 

 やはり彼方は自分以外を全く警戒していない、いや今この瞬間自分以外を見ていないし見えていない

 ハルカの援護も新撰組の攻撃も防御すらせず全身凶器となった尻尾と両腕を草薙と一緒に振り回してくる、もちろん1発でも喰らえば致命的なものばかり

 …地を薙ぐ尻尾を飛び越え、爪の乱撃を打ち払って懐に飛び込む

 

 

「っ『身の程知らずの少女の愛矢』(トライスター・プリモアモーレ)!!」

 

 

 

 月女神の1矢が鱗の防護壁の一部を砕き割った

「うわ」

 まさか割られるとは思っていなかったのか衝撃で彼方がよろめく

 ──首がガラ空きになった

「そこだ影月 彼方!!『大江山──

 

 

 ザン

 

 

「──え?」

「な」

 

 

 彼方の首が飛んだ、だが自分は斬っていない。首を斬ったのは自分でもハルカでも無い他ならぬ彼方自身だった

「う、嘘、何を…?」

 

 

 抜刀した刀は既に無い首の上に振り抜かれ、虚しく空を切る

「いたい、すごくいたいけど、すぐ治るからいいか」

 忘れていた。元々伊吹童子と酒呑童子は側面が違うだけで同一人物、これは──

 

 

『鬼の首 EX』

 

 

「っと、じゃあね鬼殺し」

 

 

 ぺたんと曲芸師のように斬った自分の首を付け直した彼方の爪の一撃が自分の左肩から斜めに薙いだ

「かっ、は…!」

「綱さ──」

 

 

 やけに周囲の時間がスローに見える中、自分の身体は硬いコンクリートの大地へ投げ出されるのだった

 

 

 

 

 

 後ろで何が起こってるか気になるものの振り返ることなくアパートの屋上へ駆け上がり、再び彼女と対峙する

「おや、まさか1人で来るとは!お茶でも飲みます?」

「カヒュッ…くぁ…ひじ、かた、さ…」

 

 

 力なく倒れた沖田の首元をヒールで踏み付けながら容姿以外これまでと変わらぬ様子でコヤンスカヤが笑う

「──沖田を放せ」

「ええ放しますよ」はいどうぞ

 

 

 脇腹を強く蹴られ自分の方へ吹き飛ばされた沖田を抱き上げる──と同時に下以外の全方向から来る衝撃

「っ…!!!があっ!」

 

 

 コヤンスカヤが呼んだであろうセイバー、アーチャー、シールダー、アサシン、アヴェンジャーは弾き飛ばしたが残ったランサーとアルターエゴの攻撃は防ぎ切れず受けてしまった

 

 

 ぐ…!

 傷は聖杯の力ですぐ治るがランサーからの、右足に受けたダメージはまずい。立てない──

 

 

「ぐああぁっ…!」

 休むことなく続けられるシャドウサーヴァントの第2波攻撃に対し俺が出来たことといえば沖田を下に逃がすこととこれ以上足にダメージを貰わないようにするだけだった

 

 

 いくら聖杯の力があると言っても無傷というわけにはいかない(それが不完全なものなら尚更)

再生の後間も無く次々とシャドウサーヴァント達が攻撃を仕掛けてくる

 

 

 なんとか無傷の左足を死守し、飛び退く一瞬で3騎のシャドウサーヴァントを斬り伏せる

「再生の隙は──」

 

 

 くそ…!

「与えません♪」

 いったいどこにそんな力があるのか甚だ疑問になる華奢な足から放たれたコヤンスカヤの蹴りが自身の身体を宙へと打ち上げる

 

 

「くたばりなさいませ♡」

 空中で無防備になった彼をシャドウキャスターとシャドウフォーリナーの放った爆炎が包み込む

 

 

「グバッ…!」

 痛みはどうでもいいが右腕と右足が吹き飛んだ…!

 

 

「さっ、満身創痍のその身体を引き取りましょう。

…まあ引き取るのは中身だけですが」

 コヤンスカヤの纏う少女の腕が自分の身体にめり込み──

 

 

「──やはりここにありましたか、この聖杯はNFFサービスが回収させていただきます」ご理解とご協力のほど、お願いしま〜す♡

 

 

 聖杯を、奪われた




コヤンスカヤ(闇)と生死を掛けた勝負をして敗北した後みっともなく命乞いしながら獣形態のコヤンに頭部をねっとり噛み砕かれたい作者のルルザムートです、ハイ。(なおこの場合助けは来ないものとする)
お仕事耐久レースと言ったがまさか現地に来て殆ど仕事がないとは思わなんだ…でも決められた期間はこっちにいないといけないからある意味かなりキツい…ハーメルン投稿しててヨカッター!
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