弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
それと真空の宇宙では音しないだろって言われそうですけど見逃して…
…30話くらいで終わるはずだった話の第100話です、お楽しみください
HOPEボーダー 管制室にて…
「現在、後部復旧率は37%」
「宇宙空間突入まで残り30秒、作業員は退避!」
「雷装起動準備完了!いつでも撃てます」
アフロディーテを撃破し、ストームボーダーを突き放したHOPEボーダーは宇宙空間、衛星軌道上に鎮座するビースト・フォーリナーとの距離を確実に詰めていく。その途中
「艦長、報告が。米軍基地との通信が今──」
「────そうか」
通信機に不備、故障無し、その上で繋がらないとすると
「…分かった、このことを知ってるのは?」
「担当者の2人と私、ヴォーダイム艦長の4人だけです」
「なら宇宙空間における電磁波の影響で機材に不調が出たことにするんだ。味方に嘘を流すのは忍びないが」
今は必要な嘘だ
「分かりました」
繋がっていた時も地上の状況が全てわかっていたわけじゃないが…みんな無事だろうか
「宇宙空間に突入します!3、2、1…突入!!」
「ビースト・フォーリナーを望遠で補足!」
「よしっ!間に合ったぜ、奴はまだ宝具を使えない!」
ゆらゆらと6つの尾を揺らして星を見下ろすフォーリナー、どうやら宝具発動までの魔力はまだ溜まりきっていないようだがあの魔力の集まり方は…
『まずい、もう魔力充填が終わりそうだよ艦長!』
「分かっている、全速前進!詰められるだけ距離を詰めろ!」
近づこうと再発進した3秒後、またしても警報が鳴り響く
「新たな魔力反応検知!アフロディーテと似ていますが別個体です!」
「カイニス、分かるか?」
(ああ…忘れねぇよ、アフロディーテが出てきた時点で予想はしてたがありゃデメテルだ)
デメテル…穀物と大地の神か
「さらにもう一機出現!霊基反応は…月女神アルテミスです」
「ライダーに加えて機神を3機も投入とは相当警戒されていますね」
「ああ、だが裏を返せばそれさえ突破すれば阻止できることの証明でもある」
でなければここまで防衛しようとはしないだろう
「砲撃戦用意!1倉から5倉までの全ミサイルの発射を準備!」
「はっ!」
今は我々にできることをやるだけだ
「………艦長」
いつの間にか横にいた彼の言葉に振り向く
「オリオン?…ああ分かった、アルテミスは任せていいんだね」
アフロディーテを撃退した時点でオリオンから既に申し入れはあった
「勝手を言ってすまん」
「構わないさ。ミサイル発射後になるが可能な限りサポートする」
一足早く砲台に向かう彼の背中を見送り改めて現状確認に移る
「副艦長、騎士王は?」
「魔力不足のためこれ以上の戦闘は厳しいと言わざるおえません、解析不能の妨害により再契約も難しく戦闘はできてあと1回です」
「…ここでの戦闘は不可能に近いな」
基本的にサーヴァントは宇宙空間では戦えない、ガガーリンやボイジャーといった宇宙での功績を元に歴史に刻まれた英霊なら戦えるかもしれないが現戦力にそのような英霊は居ない
「ビースト・フォーリナー、ミサイル射程距離内に捉えました!」
「目標、フォーリナー!1倉より順次ミサイル発射!」
ズズン…
「っく!デメテル及びアルテミスより砲撃!」
「くそったれ!ストーカーみたいに後部を…こっちの嫌がることを分かってやがる!」
『まずい艦長!デメテルはともかくアルテミスからの精神汚染はまずい!軽減はできても防ぐ手段が無い!』
透過してくる月の光がダヴィンチの訴えに説得力を持たせている、が
「構うな!続けて2倉3倉のミサイル発射を最優先、撃ち続けろ!」
「し、しかしミサイルに対しフォーリナーは防御行動すら取っていません!このままでは宝具発動の恐れが!」
「雷装発射許可を!宝具阻止にはもうそれしかありません!」
「許可はできない、発射用意のみ続行。
艦長命令だ、5倉までのミサイルを撃ち尽くせ早く!!」
全てのミサイルを撃ち切ることができれば最悪
《2倉、3倉、全ミサイルの発射を確認。続いて4倉》
「駄目だ、やっぱりロクに効いてない!」
「艦長…!」
「狼狽えないで、5倉発射!」
《5倉、ミサイル残弾無し》
「よし!」
いつ空中分解してもおかしくないほど揺れる艦内で5倉までのミサイルが全て発射されたのを確認し、自然と笑みが溢れる
「5倉までの全ミサイル発射!」
「よくやった、これよりデメテルとアルテミスの迎撃を開始!
何度も済まないがこれで最後だ副館長」
「…なんなりと」
流石にこの短期間で何度も頼っていれば察してくれるか
「指揮を頼む」
「了解、艦長は?」
「…援護をしてくる」
「………」
先程から相当数のミサイルが撃ち込まれているものの肝心の破壊力がお粗末で目眩しくらいにしかなっていない
爆炎の中で涼しい顔をしながら魔力を集めるコヤンスカヤは静かにHOPEボーダーがいるであろう場所を見据えて考える
当然これで終わりではないだろう、事実HOPEボーダーの主砲と思われる場所に魔力が集まっている。あれがAN602-Ivanを消し飛ばした物だとすればいくら自分でも無傷では済まない、集めた魔力も霧散する
が、来ると分かっていれば対処は容易い。所詮はストームボーダーの劣化コピー、そう何発も撃てるような代物で無いことは想像に易い。加えてあの質量が飛んでくるとなればそれは視界が良かろうが悪かろうが関係なく直進する猪を避けるように回避できる
「それでそのあとはどうするか?」
あのキリシュタリアがここまで追ってきたのなら更に大きな隠し弾がある、最低でも主砲に並ぶ何かを出してくるはず
顔の横で爆発するミサイルを無視し、HOPEボーダーの一挙一動に集中する
妙な動きを見せた瞬間、隕石の雨でもお見舞いしてやろう
爆煙が晴れていき戻る視界
当然見えたのはHOPEボーダー… ?何故反対を向いて
「──射程距離内だ」
!!?
顔の横、本当にすぐ横から声がした
まさかこんな近くに──
『
「っぐうぅっ!!?」
「うおおおあああ!!!」
霊基を2つに割っているとはいえビーストクラスのこの身体。宝具であろうと簡単には傷付かない
しかし予想だにしなかった人物、予想だにしなかった一撃が顔のすぐ横にいきなり現れたとなれば話は変わる
宇宙空間でめいいっぱい翼を広げて突き抜けようとする黄金の鳥に対し、私は宝具発動に既に用意していた魔力の内のおよそ半分を使って宝具ごと全範囲を吹き飛ばすしか無かった
──もしかしたら慌てるような威力じゃなかったかもしれない、見かけだけで防ぐ必要のなかったものだったのかもしれない、半分も使ってまで防ぐ必要は無かったのかもしれない
だが未だ残るミサイルの残骸が魔力をばら撒いていてカイニスの魔力を上手く感知できなかったこと、なにより魔法の如く真横に出現したカイニスに完全に虚を突かれて──ありていに言えば驚いて使ってしまったのである
「………」
それまで無表情で星と人類を見下ろしていた獣の口元が歪む
「──小癪な真似を」
「ンンンンン!その表情、良いですねぇ!それでこそここまで来た甲斐があると言うもの!」
吹き飛ばした黄金のランサー、カイニスを補佐するように芦屋道満がその隣に立つ
どうやらここに来たのは2人だけのようだ
「キリシュタリア・ヴォーダイム、彼がどんな切り札を出してくるかと思えばポセイドンの慰み物と安倍晴明の噛ませ犬以下の影法師…
まさか、本気で、それで我を止めると?」
「止めることならもう終わった、その減らず口を黙らせてやる
行くぞ道満、やれるか?」
「ええ、ええもちろんでございますとも、この距離ならば充分!さぁカイニス殿!我ら2人で世界を救いましょうぞ!」
「ああ…正直こういう台詞はどうでもいいがあえて言わせてもらう
我が名はカイネウス!コロノスの子にしてラピテス族の王!
全人類の代表としてコヤンスカヤ、てめぇをぶっ殺す」
トビカガチを撫でるコヤンスカヤを想像していい気になっている作者のルルザムートです、ハイ。
カイニスの決め台詞考えるだけでこの話の制作時間の4割を使ってるという事実、カットすればいいじゃんと思ったけど決め台詞はどうしてもいれたかった…でもなんか違和感あるな