弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
C地区 大通りにて…
「ぎゃあああああっ!!!」
「今のは叫び声は!?急いで茨木!」
「ええい我に指図するなアヴェンジャーのマスター!振り落としてしまうぞ!」
「…彼方」
ボロボロになった身体を遥の力で治してもらいながら声の方へ、路地裏を通って大通りに飛び出したのと同時に──
ぼてん
「ぬわ?っっお!?」
「きゃっ!?」
「………」
頭の上に降ってきたのは生首、それも影月 彼方の…ということは
「ふ、ふん、ようやく斬ったか!まぁここまで我がお膳立てして失敗しようものなら有無を言わさず貴様の首を引きちぎるところだったがな!」
「…茨木、ミラ・ツール、それと──」
静かに自分の名前を呟く綱は…マスターを失ってそこそこ時間が経っているせいかやや疲弊しているように見える
………
「影月 遥…」
「──彼方は沢山の人を殺した、それも全部彼女の怒りとは無関係な人ばかり…これは当然の結末、それはちゃんと理解してるよ。本当は私がやるべきだったこと。ありがとう、綱さん」そしてごめんなさい
彼方の首を抱えた彼女の表情からは感情が読み取れない
「悪いが同情なんてしている余裕は我らに無いぞ」
「分かってる」
「ならよい、さて綱よ?頼光四天王の1人のくせにたった一太刀で疲れたとは言わさんぞ、まだ敵は残っているからな」
消えゆくだけになった綱が相手なら惨たらしく殺すに絶好の機会ではあろう。しかしまだ戦える以上それをやれば他の魔術師や新撰組が黙ってはいまい
己の欲を優先させて格上に反感を買うのは本末転倒、世界が救われた後真っ先に潰されるような行動は慎むべきである。…今のところは、な
「主」
「あっ…アヴェンジャー。さっきはごめん」
「この我に『源氏を守れ』という命令をしたこと、気にしていない…と言えば虚言になる。だが仕方なかったのもまた事実だ、令呪の効力が効いているうちにここを離れる」抱き抱えるからこっちに。
「…うん」
………ああ。えいづき。
アヴェンジャーどもは行ったか?…よし
「どうせ長くなかろう?幸い敵の殆どは魔性の者。消える前に1匹でも多く道連れにしてから死ぬがよいわ」
「…俺の役目は既に終わったようなものだ、そうさせてもらう」
再契約の目が無いわけでは無いが綱の魔性特効はコヤンスカヤにとっても脅威。この戦況で再契約を黙って見てるほど間抜けでもないだろう
………やむをえん
腑が煮え繰り返りながらもフラつく綱を抱える
「っと…茨木?」
「我が見たところ基地正門前が最も魔性が多い、残った余力は全てその場の道連れに使え。…そこまでは運んでやる」
やめるべきだ、分かっている
今は人類史を守らなければ自分を守れない、そのためならプライドなんていくらでも捨ててやる
──いかんな
とはいえあまりモタモタしていると殺意の方が上回りそうだ、さっさと投げ捨ててしまいたい
ん、そういえば
「ところで綱、草薙は回収したのか?」
野晒しにしておくにはあまりにも危険な物だ、回収してキリシュタリアあたりにでも押し付けておくべきだろう
「それなら伊吹童子が回収して…む」
「どうした?」
「居ない」
「誰が?」
「さっきまでそこの飲食店の前に居た伊吹童子が居ない、草薙は彼女が持って──っ!?戻れ茨木!」
しかし…ああ、なんと抗い難き誘惑か
…!!まずい、あれは止めねば
「伊吹童子を止めろ遥!」
「え?」
「遺体に触れさせるなっ!」
草薙を片手にフラフラと一歩、また一歩と首のない彼方の遺体へ近づいて行く伊吹童子、その目は虚ろで足取りもおぼつかない
奴め、影月の血にあてられておる!
「っ『身の程知らずの──
首を置いた遥が矢を放つ
「………ふふ」
吹き飛ばそうと胴体を狙った弓矢は腕に阻まれ、その左手首を抉り飛ばした
首を置く、という動作をしなければ間に合ったかもしれない。なりふり構わず撃っていれば阻止できたかもしれない
「…まずいな」
「冗談でないぞ…!」
すぐさま戦闘体制へと立ち戻る我と綱、だがこれはもう…!
落とされた手首を気にも止めずに残った手で彼方の遺体に触れる伊吹童子、そして辺りが光に包まれ──
『蛇神の重圧』
先ほどまで対峙していたものより更に大きい重圧が身体にのしかかる
「もう、やめて…──彼方」
切断された片腕を除いてこちら側の伊吹童子の気配は完全に消滅、代わりに出来上がった
ゾン
「うおお!?」
殆ど予備動作無しに振るわれる草薙の一撃をすっ転んで避ける
斬撃を飛ばしおった!
「綱──」
あの身体ではこの重圧の中避けられん!
「ぐふっ…!」
「…!?アヴェンジャー!!」
綱を庇ったのはなんと離脱したはずのアヴェンジャーであり突き飛ばした綱に代わって胴体へ草薙の一撃を受けていた
「──口惜しや、よりによってこの我が源氏を庇うなど…令呪に、よるものだったとしても、あっては、なら──」
胴体を輪切りにされたアヴェンジャーはそのまま消滅、残されたのは我と満身創痍の綱、泣きながら弓矢を構える遥の3人だけ
「お姉ちゃん以外、みんな死んでしまえばいい」
「ぐぅ、しぶとい奴め!現代になってあんな鬼がでてくるとは!おい綱、どうにかしろ!」
「──鬼である以上、俺が首を斬れば死ぬはず」
「こんな時になにをぬかす!?現に生きて動いておるだろうが!」
例え神であろうと同時に鬼でもあるのなら切断し、絶命した時点でどんな存在だろうと生き返らせるのは不可能だ
──それなら斬り落とされた頭部はそのままで新しい頭部が出来上がっているあれは一体なんだ?
「…俺が斬るまで、確かに彼女は鬼の気配がした」
「綱?」
だが今目の前にいるあれは鬼のようで鬼ではない、人でもない、神でもない、魔性の気配すらも、それならば
「俺は一体、何と戦っているんだ…?」
〜
G地区 オフィスビル跡地にて…
「まずいねこれ…!」
さっきまで玩具のように振り回せていた刀が異様に重い、それも自分だけではなく召喚されている新撰組全隊士にいきなり疲労の色が…
「新八「うるせぇ!もう一暴れしてくる!本当にヤバいのはここじゃねぇ、お前は土方んとこ行け!」
…やっぱりそうとしか考えられないか
僕ら新撰組の現界は副長が掲げた
「助けにいきたいとこだけど…」
瞬間、こっちの意図を見透かしたようにシャドウサーヴァントの増援が出現、とてもじゃないがコヤンスカヤの元まで近づけそうにない
「──そう簡単には行かせちゃくれないよな」
「どきやがれェ!!」
沖田ちゃんも戻ってこない、こりゃ本気でヤバいな…
「ふーむ、こうなりましたか」
正直あの一刀で終わったかと思いましたがちょっと…いやかなりしぶといですねぇ彼方さん、居座られても困るんですけど
あちらの伊吹童子を統合したことでより神っぽくなっちゃってますし場合によってはワタクシが手を下す必要も出てきそうです
ここから先、ザイルさんの描くシナリオに影月 彼方は出ない。必要ないのではなく出てはいけないのだ
対神兵器どれくらいありましたっけ…?
聖杯片手に尻尾を振りながら考えていると不意にその手を掴まれる
「うわぁまだ動けるんです?感心しますよホント」
周囲の肉ごと聖杯を抉り取ったせいで胸部に拳大の穴が空いた土方さんが死にかけの、それでいて闘志に満ちた目でこちらを見据えている
「………」
「そろそろ諦めたらどうですか?…なーんて言葉、あなたには意味ないのよく知ってます」
もう後がない負け戦だったとしても彼は戦う事を放棄しない、腕がもげようが足が消し飛ぼうが。勝つにせよ負けるにせよ最後まで戦い抜くのが新撰組副長の土方歳三という男なのを
空いた手で軽く指を鳴らし、侍らせていたシャドウサーヴァントと交換で現行兵器を呼び出す
「なので…あなたを粉々にして新撰組へのトドメとしましょう、サーヴァントとはいえ刀しか振れない人間の英霊がワタクシ相手によく戦いました
──誇りながらくたばりなさいませ♡」
無反動砲2発、RPG-7が4発炸裂し彼の身体が屋上から投げ出され──
「──てませんね」
「………く…」
落ちそうになりながらも片腕だけで屋上の淵にしがみついている彼の頭を踏み付ける
「間違いありません、以前の世界も含めて…ワタクシが戦った中で最もしぶとかった英霊はアナタです
ですがたった1人でできることなどたかが知れている、沖田総司は見捨てるべきでしたねぇ」
「────」
おや?
「………り、……ぇ」
なにやらボソボソと言っているが聞き取れない
「アナタは敵に遺言を残すタイプじゃないでしょう、もっとはっきり言ってくれませんか?」有益な事かもしれないので
「ひとり、じゃねぇ」
「ふむ、そうですね」
うわぁ少年マンガみたいなセリフ、まぁ彼が新撰組を召喚している以上まとめて消えるんですが
たんっ
「おや、おかえりなさいませ」
「コヤンスカヤ…!」
縮地で背後から飛んでくる沖田総司を見ることもなくタイミングを合わせて蹴り上げる
「かぼっ…!」
「症状はただいまも進行中なんです、動きが鈍いですよ」
吹き飛ばした沖田総司に対して警戒の姿勢をとったものの──
あれっ…起き上がってこない?…もしや今のでどこかの臓器、イっちゃいました?どちらにせよすぐ消える運命なんですが起き上がってこないのならほっときましょう(あの量の吐血が出るダメージなら動けないでしょうし)
仮に死んだふりだったとしてもその行動にはなんの意味もない
「さてお待たせしました土方さん」
トカレフの銃口を彼の頭に押し付ける
「…ああ、本当に待たせてくれた」
「──なんですって?」
最後の意味不明な一言によってコヤンスカヤにできたほんの少し、瞬き程の一瞬の隙。だがそれで充分だった
『彼』が撃ち抜いた人類最速の英霊…あれと対峙していた時は常に瞬き程の一瞬で戦局が目まぐるしく変わっていたのだ
それに比べれば逃げない、避けない、防御も攻撃もしてこない鑑を撃ち抜くことなんて──瞬き未満で充分だから
『
神の寵愛を受けた光の弓矢が頬を掠め、無防備な鑑…玉藻鎮石に叩き込まれた
「とっとっと──まぁまぁ…やってくれましたね」
ど真ん中をブチ抜かれた玉藻鎮石は当然宝具として保てる筈もなく引っ込んでしまいシャドウサーヴァント達の増援がここに来て止まった
「これは──こふ、返してもらいますよ!」
ついでに生きていた沖田総司に聖杯を奪い返された
…新撰組ってなんなんでしょう、不死身剣士の集まりですか?
「土方さん!」
「ああ、助かったぞ沖田」少し休め
聖杯は即座に土方さんへと戻され、戦線復帰。また振り出しに戻ったことになる
「…言っただろう、1人じゃねぇって」
「そうでしたね、ですが貴方が新撰組以外に託すとは思っていませんでしたよ」
戦略として新撰組以外の戦力を使うことはあってもこんな場面でアテにするとは計算外でしたし
「…俺達が生前積み上げてきたものはお前には通用しないんだろう」
──なるほど
「ふふふ、あっはっはっは!現界後の付け焼き刃ですか!それで
「今のうちに笑っていろ、人類をお前の好き勝手にはさせん」
「いやはや、これは想定以上!特記戦力筆頭は伊達ではありません!」
どうやら…八百長はせずに済みそうですねぇ?
〜サーヴァント アヴェンジャー 平景清 退去〜
〜神霊 伊吹童子 消滅〜
スイッチ1つで絞まる首輪をコヤンスカヤに付けられて『管理』されたい作者のルルザムートです、ハイ。
地上戦はあと1話で終了(予定)!宇宙でも決着をつけてエンディングまっしぐらやでぇ