弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
…第109話です、お楽しみください
宇宙空間にて…
『機神核、変性開始。霊基情報復元開始』
たぶん今の俺の決断を知ったら殆どの奴がキレるだろーな。
『擬似冠位霊基復元、《星の海を渡る者》限定付与、宇宙空間での現界時間確保、確保時間…2秒』
だが誰に何を言われようと、何を思おうと俺の決断は変わらない。
異聞帯ゼウスに記録された太平洋異聞帯の記録を見ながら"あちら"のアルテミスと対峙する
…はは、やっぱりそうだ。そうだよな俺
元々残骸だったせいか記録がズタズタで酷いものだったが肝心のところだけは読み取れた
──太平洋異聞帯にてビーストを撃滅するために呼び出された俺はその役割全てをかなぐり捨ててアルテミスを落としたらしい。…その後カルデアはオリュンポスでなんとかコヤンスカヤを退けたみたいだが最終的に敗北、今のこの状況を引き寄せてしまった
だが不満は無い、むしろ流石俺だと自分で自分を褒めてやりたい。英霊として、人として間違っていようがオリオンという男としては何一つ間違っていないのだから
あいつらには悪いが俺抜きでなんとかしてもらうしかないな!…さてと
なくてはならない
重ね重ね悪ぃがこの世の何よりもアルテミスの方が大事なんでな、俺みたいなのに冠位なんか与えた世界の方を恨んでくれ
別の俺が落とし損ねたというのなら、他の誰でも無い俺が、今度こそ落としてやらなきゃならない
「──待たせたな」
不思議と彼女からの攻撃は無かった。それが何故なのかは分からない、分からないが自分のやるべきことさえ分かっていれば迷いは無い
『
『
狩人としてでも英霊としてでもない。男の、ただ愛する者のためだけに放たれた弓矢が彼女へと──届いた
〜サーヴァント アーチャー オリオン退去〜
「ンン?どなたか知りませぬがアルテミスを撃破したようで!」
「よそ見してるヒマあるなら攻撃しやがれ道満!」
…だがアルテミスが消えたのはデカい、いよいよこれで背後を気にする必要が大きく減った
キリシュタリアの姿は見えないが魔力供給が続いている以上生きてはいる。それさえ確認できれば充分だ
宇宙空間にできあがった符の地面を蹴って飛ぶ
「さっきとは勝手が違うんだよ!!!」
降り注ぐ隕石群を全て回避しつつもう一度トライデントの一撃を叩き込む
「クッ…と」
5本目の尾に防がれたものの確実にコイツの動きに適応できてきている。できてきているのだが──
ギシッ
「…っ」
トライデントを握る右手に走った一瞬の痙攣を振り払って再度攻撃する
俺の力のピークは今この時、この瞬間だ。ここで押し切らねぇと…!
「ふむ?本来フォーリナーでもない英霊が宇宙空間でここまで戦えるとは思えませんが…さてどんなカラクリを使ったのでしょうかねぇ?」
〜
──ボーダー離陸前──
「活動限界?」
「うん」
彼以外誰も居ないHOPEボーダーのブリッジにて、キリシュタリアから聞き慣れない言葉を聞いた
「本来英霊が宇宙空間に進出するなんて事例はこれまで無かったからね、ダヴィンチに調べてもらった結果厄介なことが分かった」
『ここからは私が説明するよ、サーヴァントは戦う場所によって身体能力や宝具にプラス補正がつくことは知ってるよね?』
「ああ知ってる。俺ならまぁ、大雑把に言って海だな…近付くどころか見るのもクソだが」
「拙僧の場合ですと…日の本、三重県加古川あたりでしょうな」
『そう。そして反対に能力にマイナスや封印がかかる場所もある』
知名度補正か、だがそれがなんの関係があるんだ?
「………フム、なるほど」
どうやら道満は分かったらしいがコイツに聞くのも癪に障るので続きを促す
『これから2人が行く宇宙空間に、キミたちの知名度は無い。というか宇宙で生まれた英霊はいない。具体的に言うと特定のスキルを持った
「…なんだと?」
『ガガーリンやアポロ、ボイジャーといった存在が英霊化していれば分からないけど基本的に英霊はこの星の使者だ。星の外には出られない』
なんだそれは?それじゃ阻止どころか戦うことすらできねぇ。…それならなぜコヤンスカヤは宇宙空間にいられる?
「…コヤンスカヤはビーストだから違うってか?」
『そうじゃない、ビーストも元を辿ればビースト"クラス"に当てはめられたサーヴァントだ。星の外に出るにはさっき私が言った特定のスキルが必要になる、それが──」
《領域外の生命》
『──だ、星の外からやってきた者が持つこのスキルによってコヤンスカヤは宇宙空間での現界を可能にしてる。…早い話カイニスと道満にはこのスキルを身につけてもらう』
「「身につける?」」
『うん。…獅子王の真似事だけどね』
ー
「うおおおおっ!」
トライデントそのものを粉々にしそうな勢いで握り締めてさらにもう1発
「っ…!クソッ!邪魔くせぇな!!!」
だが六重に張られた尾の壁のせいで攻撃はコヤンスカヤに届かない
クソ、もう時間が…!
第六特異点で使用されたという『ギフト』と呼ばれる力を限定的に復元し、俺と道満に『領域外の生命』を付与。だが2つともゼウスの野郎と違って復元の核となるものが無く、ギフトはダヴィンチがイチから作った贋作、『領域外の生命』はコヤンスカヤの持つものをなんとかコピーしたにすぎず、ここまでやって宇宙空間での活動限界は5分と満たない
あと1分半…!こうなったら先に尾をひとつ残らず抉り飛ばして殺すしかない!
最悪殺せずとも地上に叩き落とさなければ世界が終わってしまうだろう
「それ令呪!さっさと決めなされカイニス殿!」
「俺に指図するんじゃねぇ!」
道満の分の令呪を受け取りコヤンスカヤの顔面へ盾をブン投げて牽制しつつ、1番近い尾を全力で突き刺す
目障り、なんだよ…!!
「痛っ!?なんて馬鹿力「ッッッ…があっ!!」
バツンと、電線を無理矢理引きちぎったような音を立てて尾の一つがちぎれ飛ぶ
あと5つ…!
「脳筋ですねぇ、ですが獣殺しでもない攻撃でワタクシの尾を切ることなどできませんよ」
直後、千切れた尾が1本1本の毛となって霧散しすぐさま元の尾へと復元される
「さてさて次はどんな手を使うんで「令呪!!!」
道満の令呪へ自分の令呪を重ねがけ、常に爆発しているレーシングカーのエンジンのような熱の魔力。それを体内に叩き込み、抑え付け、攻撃として解放。
バツッ、バツン
「うえっ!?」
狼狽えるコヤンスカヤの尾を1つ、2つ、千切り取る
千切ってもすぐ再生するってなら──
「再生より早くブチ切るだけだっ!!!」
「このっ…!」
これまで尾と隕石群だけで応戦していたコヤンスカヤがようやく反撃らしい行動に出た。宝石商のような細く真っ白な両手に被食者を容易く引き裂いて糧にしてしまう獣の爪をギラつかせ、再生を上回る速度で尾を削り取ろうとする外敵を薙ぐ──ことはできず
「っ…!?身体が──」
「おやおやおや!どうされましたか女狐!?」
秒数で言えば2秒にも満たない時間、恐らくもっと前から付けられていた陰陽師の符が獣の動きを止めた
「っの、クソ坊「おらおらおらおらおらぁ!!!」
その2秒未満の時間にトライデントを捻り込んで3.4本目の尾を千切る
キシッ…
「ッ…」
霊基のピークが過ぎた…!いよいよもって後が無い
「──いいでしょう、私の再生が速いか貴女の霊基が砕けるのが速いか試してみましょうか」
「く、ギッ…!コヤンスカヤァッ!」
千切る、再生する、千切る、千切る、再生する、再生する、千切る…真っ黒の宇宙空間で行われる速さ比べは知覚できないほど少しずつ、少しずつではあるが獣が押し始めてきており──
俺も道満も、もう限界だ!おいキリシュタリア、コイツをここで殺し切るのは無理だ、地上に落とすぞ!…キリシュタリア?応答しろキリシュタリア!
念話で呼びかけるが返事が無い
まさかあいつに何かあったのか?そう思考をもっていかれたのがまずかった
「目の前で考え事とは余裕ですねぇカイニスさん!」
「ち──!」
反応が一瞬遅れ、鈍くなったはずの爪の一撃にトライデントを、攻撃の要を防御に回してしまった。結果削った5本のうち4本の再生を許してしまい…
くそ、しまった!
崩壊が近付く霊基を駆って再度攻撃するが10秒前まで出せた力が出せない
どうすりゃ──
ザクッ
「いたっ、え?」
その場にいた3人とも『え?』となっていたのは間違いない。だって──いつの間にかそこにいたキリシュタリアが弓矢を直接コヤンスカヤの尾に刺しているという意味不明なものだったから
「ッ!!!」
予測不可能な不意打ちによってコヤンスカヤの注意がキリシュタリアに向きかけた──いや実際に向いていた
全身人間特攻とも言えるコヤンスカヤ、その彼女の尾が2本彼に向かっていき、無防備になった彼の身体を包む
コヤンスカヤの身体は言わば人を殺すためだけに特化させた激毒のようなもの、生身の人間なら一瞬触れただけでも命に関わるだろうしここは宇宙空間、ただ生存するだけで凄まじいコストを支払い続けることになる
だがそんな問題など知らないかのように『今のうちに攻撃しろ』という彼の視線。身体を跳ねさせ、奴の背後に回り込み
6本まとめて、千切りきった──
闇コヤンの尻尾の一部になりたい作者のルルザムートです、ハイ。
えーと期間空きすぎてしまいましたが生きてます。やっぱり同時進行にするだけで速度が下がりまくる…
とりあえずナルガクルガはお休みして良い加減こっちを終わらせないといけない…
あ、今更ですがビースト陣営が勝った場合と人類陣営が勝った場合の2パターンのエンドを用意しております。…まだ書いてないけど