弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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前回1ヶ月空いたとは思えない更新。
第110話です、お楽しみください


第110話 ツングースカ・ナインドライブ

宇宙空間 HOPEボーダー甲板 第4主砲前にて…

 

 

「F15大破!またサーヴァントアーチャー オリオンの消滅を確認!」

『艦長は!?』

「バイタル反応あり、生きてます!」

『了解!こちらはこちらでできることをやろう!』

 

 

群がってくるNFFウェポンを護衛の魔術師達に任せつつ、衛宮整備長の持つ通信機を介して状況を把握。

 第4主砲は…先端が酷く変形してて接続のための回路も焼き切れてる

 

 

『形を保っているのが奇跡だ…衛宮くん、直せそうかい?』

「砲身の変形はもうどうしようもないですが回路を繋ぎ直すくらいならできそうです!」

『…変形してる先端は削るしかないね、分かった!

管制室、こちらダヴィンチ!第4主砲の修復作業開始!』

『了解』

 

 

エネルギーシステム自体に問題はない、副艦長の見立て通り第4主砲さえ使えれば雷装をもう1発撃てるだろう

『NFFボーダーよりミサイル接近!』

修復できれば、だが

 

 

「衛宮整備長を守れ!時計塔の意地を見せてやる!」

「行くぞ!」

 

 

『っ…?フォーリナーに動きだ!いや、フォーリナーというより──』

「失礼致しますぞ」

 

 

言い切るよりも早くあちらの戦場にいたハズの道満が甲板へ降り立つ、腕には瀕死のヴォーダイム艦長が…

「艦長!?」

「女狐の呪いを受けています。ダヴィンチ殿、魔術の使える医師はこの艦に?」

『あ、ああ居るとも!キミが最初に立ち寄った医務室でペペロンチーノくんの治療をしているはずだ!』

 

 

 酷い…何があったんだ?

意識があるのか無いのか分からないが彼の身体には太い何かに巻き上げられたかのような跡が残っており、真っ黒になったその跡からじゅくじゅくと嫌な音がしている

 

 

『悪いけど医務室まで護衛するような余裕はない、キミ1人で彼を連れて行って「その、必要はない」

今にも動かなくなってしまいそうな身体を起こしながら彼が言う

 

 

「道満、ほんの少しでいい。私にもう少しだけ戦う力を貸してくれ」

「…死にますぞ?」

「まだ大丈夫だ、それにカイニスが戦っている。やれることはあるさ」

「──仰せのままに、マイマスター」

 

 

焼け付いた呪いの跡を道満の符で乱雑に覆い、一時的に立ち上がる力を取り戻すキリシュタリア

既にズタズタの身体に対するその仕打ちは、残り少ない命を急速に消費していくのと同義である

 

 

「みんな聞くんだ、フォーリナーを地上に落とす。彼の邪魔者を片付けるために協力してくれ」

 

 

 

 

 

「ぐぎ、ぎ…!があああああっ!!!」

自分に残った僅かな時間を加速させ槍を、殴打を、蹴りを、流れ着いた隕石の破片やF15の残骸やボーダーの破片に至るまで。ありとあらゆる物を利用してビーストの背面へ攻撃を叩き込む

 

 

再生阻止と同時に地球に向かって少しずつ、確実にビーストを押し込んでゆくがそれまで自分の残り時間が続く保証は無い

「ク、ほんとに脳筋なんですから…!」

振り向くことすら許さない殺意の雨、全ての尾を千切り続け、進み続ける

 

 

 堕ちろ

 

 

足元から身体が消えてゆく

 

 

 堕ちろ…!

 

 

いよいよ始まるカウントダウン

 

 

 堕ちろ!

 

 

それでも止めない、止まらない

 

 

 

「堕ちろっ!」

 

 

 

 

 

消えかけた役立たずのトライデントを捨て、残った力の全てを右手に込める

 

 

 

 

 

「堕ちろォッ!!!」

 

 

 

 

 

全身全霊、最後の一撃。これ以上はもう打てない、最後の時間を使い切ったその結果は…

 

 

『ビースト・フォーリナー!重力圏内への侵入、及び地球への落下開始を確認!』

「──っし」

 

 

やたら頑丈な無線機越しに聞こえた勝利の報告に思わず口元がニヤける

 っは、ざまあみやがれ

 

 

とはいえこれ以上ここに留まっていたら消滅してしまう

「はっ、はぁっ、おい、キリシュタリア…悪いが一足先に地上に戻らせてもら──あ?」

 

 

落下していくコヤンスカヤとふと目が合った

 …笑っている?

 

 

「──まさか残党如きが宇宙でここまでやれるとは驚きました、少々シナリオの書き換えが必要ですね」

「何を言っている…?」

「いえ?今の魔力ではシナリオ進行に少し不都合が出てしまいますので──落とす場所を変えさせていただきますわ」

 

 

 コイツまさか──

 

 

『ビースト・フォーリナーより高魔力反応!規模は縮小していますがこれは──』

耳の中でけたたましく鳴り続ける無線機から聞こえた不穏な言葉とコヤンスカヤの尾が再生し切ったのはほぼ同時であり、またここでカイニスも獣が何をしようとしているのか理解し、戦慄した

 

 

「本来の5分の1ほどの力しかありませんが…()()()()()()()()()()()()()()()()()()でしょう」

尾から肥大化していき、周囲のNFFウェポンをも取り込んで獣は増殖し、姿を変えていく。…獣では無い何かへと

 

 

【お望み通り、堕ちましょう。地上へ、ね】

 

 

 

 

 

雷天日光・禍音星落火流錘(ツングースカ・ナインドライブ)

 

 

 

 

 

 

 

 :《雷天日光・禍音星落火流錘(ツングースカ・ナインドライブ)》激突まで

          残り予測時間…あと04分58秒

 

 

米軍基地 医務室前にて…

 

 

「もう大丈夫なのかレガリオ」

「うん。君のおかげで僕もバーゲストも無事だ、ありがとう」

「まぁ、今はな」

 

 

車椅子のいらなくなったレガリオを立たせ、空を仰ぐ

 …水鏡で飛ばせる質量じゃ、ないな

 

 

草薙を飛ばした時で既に命を削って使っていた水鏡、ほんの一瞬しか吹き荒れない破壊の嵐と頭上の隕石では何もかも違いすぎる

「…ところで彼女達は?姿が見えないようだけど」

「あ?ああ茨木達か、今逃げたぞ」

 

 

白紙に戻った令呪本を手の中で燃やしながら彼女達が逃げていったであろう方を見やる

「『逃がした』んでしょ、君も60年前と比べたら凄く優しくなったよね」

「その減らず口閉じねぇと拾ってやったその命、殺し直すぞ?

…だが、まぁそうかもな」

 

 

以前の、それこそ妖精園にいた時の私なら余った令呪で自害させるか茨木と殺し合いの命令でもさせてただろう。それをしなかったのは──

 

 

「ザイルのアホのこと覚えてるか?今戦争中なテロリストの方じゃない、伊吹山のガキの方。」

「もちろん覚えてるよ」

 

 

「あいつが言うには最後くらい愛した相手と一緒に居たい、話したい、過ごしたい…っていうのは妖精も人間も変わらないらしいからな」鬼も同じだろ

「…だから彼女に最後の令呪を?」

「茨木童子はともかく酒呑童子は本来この戦争に1番関係ない奴だ。引き止めることなんかできねぇ

あいつは伊吹童子じゃねぇしな」

 

 

「──そうか」

「ああ…」

 

 

 さて、これ以上私にできること…なにかあればいいのだけれど

 

 

F地区 美術館付近の大通りにて…

 

 

「走れっ走れっ!少しでも距離を取るのだ!」

令呪のブーストの掛かっている酒呑と殆ど同じ速度で無人の街を駆け抜ける茨木。その瞳には酒呑童子ですら敵わないと思わせる『生きる意志』がこもっている。どんなことがあろうと生き延びてやるという意思が。

 

 

「待てっ!」

「ぬ!?」

 あいつはこっち側の影月にいつもくっついていた…

 

 

「時間が無いのだ!のけっアマゾネス!」

「そんなことは分かっている!貴様、遥様を見なかったか!?」

「我が知るか!!」

 

 

 こんなのの相手をしている暇なんてない、今は少しでも距離を稼がなければ…!

逃げきれなかったとしても爆心地から少しでも離れることに意味はあるはずだ

 

 

「うちのマスターはん…ばーゔぁん・しー?と一緒に更地の方歩いてったのは見たんけど…そっから先は知らんなぁ」

「…そうか、すまない」

「そんな奴放っておけ酒呑!行くぞ!」

「そやねぇ、役に立てんくてすまんなぁ」

 

 

緊張感の無い(まぁ酒呑はいつだって余裕たっぷりなのだが!)彼女の手を引いて走る、走る、もっと走る

 ええい!人間はムダに建造物を立てすぎる!上を通った方が速い!

 

 

美術館の屋根へ駆け上がり、そこから逃走ルートは建物の上に。

地上と変わらぬ速度で走り続ける

 

 

 む

 

 

すれ違った、というにはあまりにも高度が違いすぎたものの隕石から逃げる茨木達とは反対にその隕石に向かって飛んでゆく英霊が見えた

 キリシュタリアのランサー?あやつは宇宙担当だと思っていたが…いやそんなことどうでもいい!今はとにかく走るのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「させるかよ…!」

大気圏突入の熱も冷めぬまま、今も尚落ちてきている対星宝具に立ち塞がる

宇宙空間を脱し地上に戻ったことで霊基分解の危機はひとまず去ったもののアレを砕くための余力、魔力は充分とは言えない

 

 

 ダヴィンチ達が主砲整備を終えるまで時間を稼ぐしかねえな

弱体化しているとはいえ大雑把に計測しただけでも質量は1万トンを超える、なんとか足止めしてボーダーの主砲を当てる以外に道はない

 

 

「お前もお前で、もう落ちることしかできねぇだろ」

 勝つのは、俺たちだ!

 

 

飛翔せよ わが金色の大翼(ラピタイ カイネウス)』!!!




コヤンスカヤの肩にカカポが乗ってて欲しい作者のルルザムートです、ハイ。かわいいよねカカポ。
椅子に座って書くのと寝転びながら書くのとでは進みの速度が段違い過ぎる事実に驚いております。あと少し、あと少し…!
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