弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
…第111話です、お楽しみください
???にて…
「ええ、確実に。影月彼方の死亡はこの目で確認しました」
部屋の半分が何かしらの機械で埋まったその場所、空いたスペースにテキトーに置かれた安物の事務椅子に乗せた高級ふわふわクッションの上で呑気にもパックジュースを飲んでいるザイルさんへ、いつものように業務報告を上げる
「そうか、渡辺綱が殺し損ねた時は少々焦ったが…また1つ憂いが消えた。よくやったな」
他に変わった点は無かったか、と外の隕石を端末越しに見ながら彼が質問する
ええと特に…あ。これは言っておいた方がいいかもしれませんね
「影月遥さんのことですが」
「影月遥はもうどうでもいい、アレも死んだことは俺も分かっている」
「なんで知って…いやまぁ確かに死んでいたんですけど」
どうにも気になって一度彼女の元に戻って確認したのだ
「…?死んでいたのならそれでいいだろう」
「遺体が無いんですよ、近くにいたペンテシレイアさんが動かしたと思ってましたが違うようですし」
去り際に撮ったバーサーカーさんの大慌て映像を見せながら説明する
『遥様!どこですか?返事をしてください!』
「遥さんが死んでからほんの数分後の映像です
見てもらって分かる通り、遺体を連れ去られたというよりまるで勝手にどこかへ消えたのを探しているような反応でして」
「…遥は死んでいたのか?」
「はい。それは間違いなく」
間違いなく影月遥は死んでいる。それは間違いない、死んだ人間を動かす術は沢山あるが消えた命を元に戻すことなど不可能だ。仮にアスクレピオスが現場にいたとしてもサーヴァントの身ではできないだろう
「体温も無くなり、呼吸も心臓の鼓動も消えて生きているはずは無いのですが…」
「やれやれ、やっと彼方が消えたと思ったら今度は遥か」
「仮に動いていたとして遥さんの自我が残っているとは到底思えません、邪魔してくるとすれば遥さんというより月女神のほうがまだあり得る話かと
…念の為に排除、しときます?」
「………いや、いい。それよりもこっちだ」
ワタクシと慎二さんが作ったとあるデータ…が入ったUSBメモリをチラつかせながら彼が笑う
「地上のNFFスペシャルとシャドウサーヴァントは全て退けられ、攻撃の要であった彼方は死亡。宇宙空間でもアルテミスとデメテルを倒された。与えた被害は相当だろうがベリルとNFFボーダーだけでツブせるほどHOPEボーダーも柔じゃないだろう」
「──となりますと」
「…始まるな」
私たちだけの知る終末までのタイマーがいよいよスタートする
慎二さんも知っているのはいまいちスッキリしませんが…それにしたってこの後起こることを知っているのは我々の3人だけ!
「楽しみですね♡」
「そうだな…ん、見ろ。カイニスが地上に追いついたらしい」
「おや、ホント」
《
画面の向こうでは宝具を解放したカイニスが1人、落ちてくる隕石に立ち向かっている
…さて、簡単に終わってくれるな神霊カイニス
お前がその脅威を打ち砕いて初めて──
全人類生存権剥奪戦争は始まるんだ
〜
F地区 HOPEボーダー格納庫 上空にて…
「ぐおおおおあああっ!!!」
全てを無に返す禍津星…空の色すら霞める落星を黄金の大鳥が食い止める
残った魔力全てを翼に代え、足りない分は霊基を焚べてただ耐える
「ガッ…グ…!主砲は…!?」
《第4主砲復旧率 19%》
──!クソ…!
あまりに低い復旧率だが自分にはどうすることもできない、ただ信じて待つしか──「ただ黙って耐えるだけなんて、キミらしくない」
!?
その場にいるはずのない声が後ろからした
念話じゃねぇ、確かに後ろから…
「キリシュ「振り返るな、脅威を打ち砕くことだけに集中するんだ」
「だが…!」
比喩でもなんでもなくすぐ後ろにキリシュタリアがいる、このままじゃ間違いなく巻き添えを食う、隕石よりも先に俺の宝具に焼かれてしまうだろう、第一どうやってここまで──おい、まさか
「さいごの、令呪を使う。そして私の魔術回路もね
…さっきバーヴァン・シーと仮契約した。彼女の持つ聖杯の魔力を私経由でキミに送る」
「────分かった、足止めはヤメだ。持ってる魔力を全部よこせ」
俺がブチ砕いてやる、それを聞いたキリシュタリアは──見えないが間違いなく笑っていると確信した
「っ…令呪を持って命ずる!禍津星を、打ち砕け!!」
「任せろォッ!!!」
死にかけていた黄金の大鳥は
黄金の大鳥から透明度が無くなり、より強靭で眩しい黄金へと近付いてゆく
「譲渡できる限りの魔力を回してくれバーヴァン・シー!…グ…!」
およそ人体から聞こえてはいけないような蒸発音が後ろから聞こえる、が大鳥はほんの少しも力を緩めない
ビキッ…
星と大鳥、それぞれに亀裂が入る
──負けるか
「俺が!負けるかァ!!!」
禍津星さえ照らし尽くす程の光を放ち、黄金の大鳥が今一度星を、空を裂き切った──
「はは、すごい。間違いなく最高のサーヴァントだよ
──カイニス」
美術館の屋上に座り込み、打ち砕かれた星の残骸が街に降り注ぐのを見届ける
被害なしとは、行かないだろうけど、街は無人だ。建物はまた建て直せばいい。これでいいんだ
ボロ…
「──ああ、もう限界か」
令呪の入った手と顔半分はなんとか道満が守ってくれたものの、大気圏突入の摩擦熱で身体の殆どは炭化、痛みや熱といった感覚は既に通り越しボロボロと崩れていく自分をただぼんやりと見ていた
魔術でなんとか延命したけど…これ以上は流石に専門外だね
あとは、仲間を、信じ、よう
………
……
…どさり
コヤンスカヤに片手で首を絞められてそのまま持ち上げられたい作者のルルザムートです、ハイ。
2000字ちょっととかいう今までにない短さ…もっとあったんだけど区切りが悪くてどこで切ろうか悩んでいたら最終的にこうなってしまい…