弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
第112話です、お楽しみください
米軍基地 予備司令部にて…
「通信システム回復!」
「ボーダーのファムルソローネ副艦長から通信が入ってます」
「繋いでくれ。…こちらベルベット、そっちの状況はどうなってる?」
『全員無事…とは言えないけれどひとまず浮いてはいるわ
NFFボーダーはコヤンスカヤが地上に落ちるのと同時に戦線離脱、予測射程距離から大きく離れた場所で鎮座してるわね…
今はNFFウェポンの残党処理中だけどNFFボーダーは沈黙したまま、正直不気味ね』
「…そうか」
NFFボーダーが健在な以上、HOPEボーダーの役目は終わらない。依然として空飛ぶ戦艦に対抗できる手札が他に無いからだ
『それよりも…彼は?ヴォーダイム艦長は無事なの?』
「ヴォーダイム艦長?いったいどういうことだ、こちらに降りてきたのはカイニスだけでは?」
『それが──』
──なんだって…!?
「終わった、のか?」
地上のNFFウェポンの完全排除、及びHOPEボーダーから急遽駆け付けてきてくれたカイニスにより眼前まで迫っていたツングースカ・ナインドライブは破壊されてひとまず落ち着いたらしい
現在は土方歳三、クライム、バーゲストの3名それぞれが魔術師を率いて再攻撃への警戒をしているが今のところその兆候は無い
「カドックさん」
「ああ」
クライムの部下の男からバインダーを受け取り、中身を確認。
「主力となるサーヴァント、及び魔術師の現在の状態です
現在はそれに加えて全ての人員の所在確認中ですが戦闘の苛烈さで痕跡すら確認できない者もおり…」
「…分かった」
新撰組副長も言ってたがどうも攻撃が軽い気がする、いやこちらも大損害を受けている以上軽くはないのだがどこか、どこかおかしい。
上手く言えないが本気で僕らを滅ぼすつもりなら他に…何か手段があったのではと勘繰ってしまう
「──!」
「っ!────!」
「………?」
ふと、戦闘後にもかかわらず喧騒が聞こえてきた。声の方には…
「道を開けろ!担架を通すんだ!」
「瓦礫をどかせ!必要なら爆弾で吹っ飛ばしても構わん!」
「医療棟のキャスターに緊急通報を!現在対応中の負傷者は全て軍の医療スタッフに引き継がせろ!こちらが最優先だ!」
「カイニスさんは?」
「所在不明です、無線機も繋がりません!」
「絶対に彼を死なせてはならない!急げ!!」
赤い十字マークのついた腕章をつけた米軍人達が担架に何か乗せている。それは黒い──
黒い…なんだ?人の形にも見えるが…
人が多い上に遠目で見えづらいのもあって分からなかったもののそのすぐ後ろを歩いている魔術師が持っている杖が見えた時、僕は反射的に呟いていた
「──キリシュタリア?」
〜
??? にて…
「まったく。…本気かあいつら」
「本気らしいですね」
「冗談だと思いたいんだが」
「冗談でここまでやりませんよ」
落とす場所に変更はあれど予定通りに打ち砕かれたツングースカ・ナインドライブ。これをもっていざ計画を始めようとした矢先に…
「どうします?」
「どうするも何も潰すしかないだろう、幸い2度目のツングースカ・ナインドライブが必要になるのはもう少し先だ
やれやれ、良いところで邪魔を…計画は凍結。行くぞ」
「はーい」
『単独顕現 EX』
〜
宇宙空間 HOPEボーダー管制室にて…
『NFFウェポン、反応無し』
『NFFボーダーに依然動き無し』
『第4主砲復旧率、43%』
淡々と報告される情報を整理しつつ、先程から捜索中の彼についての報告を促す
「…オリオンは?」
「3分前に霊基の崩壊をこちらで確認しています、恐らくもう──」
「──了解、NFFボーダーを警戒しつつ帰還用意。ダヴィンチ?」
『はいはーい、こちらダヴィンチ!』
「今から米軍基地に戻るわ。現作業を中断してエンジン作業員以外を艦内へ」
『分かったよ!』
『第1、第7エンジンの点検及び調整開始、第2、第6エンジンまでの作業終了次第発進可能』
「…ひとまずなんとかなったわね」
下の状況が気になる、キリシュタリアさんは無事だろうか
カドックからの連絡では生きてはいる、らしいが…
「早く下に戻りましょう」
「あの…ファムルソローネ副艦長、ひとつ気になることが…これを見ていただけませんか?」
オリオンの捜索をしていたオペレーターの1人に呼ばれてコンソールパネルの方へ
「気になること?」
「はい、先程日本から魔力の波動のようなものを感知しまして
ツングースカ・ナインドライブの影響で殆ど観測はできなかったのですが」
「…座標は?大体でいいわ」
「ここです」
彼が差し示した位置には──
伊吹山…?
「あの山は魔力濃度が高く、元々観測はあまりできなかったのですが…伊吹山の外部に漏れ出る程の魔力反応が検出されたんです」
「反応はどう?捉えたの?」
その時の魔力反応が分かればある程度なんなのか予測が立てられる
「はい、ギリギリですが。…気になることというのはそのパターンでして」
「パターン?…これは」
グラフ化され、表示されたデータと『該当クラス無し』の文字
「魔力の波動から見るに最低でもサーヴァント級、ですがサーヴァント基本クラスを始めとしたクラス反応無し。サンプルのあるアヴェンジャーやアルターエゴ、フォーリナーとも違うもの。サーヴァントや魔術師には適合しませんでした
…一つのパターンを除いて。」
「勿体ぶらなくていいわ、それはなに?」
「──NFFボーダーとの適合率が8割を超えてました、現在観測不能ですが少なくとも今伊吹山付近にNFFボーダーと同系統の何かが居ます」
「──」
思わず頭を抱えた。NFFボーダーの戦闘機能はこの鑑に乗っている者なら嫌と言うほど思い知っている
あんなのを量産されたらとても勝ち目は無い
…帰るのはもう少し先になりそうね
艦長用のマイクを出し、少し息を吸い込む
「──副艦長より通達、目的地を変更。これより本艦は日本滋賀県、伊吹山へと向かい詳細不明の魔力反応の主を捜索、必要があればこれを排除します
ダヴィンチは解析と地上への報告をお願い」
『りょうかいだ』
『NFFボーダー、移動を開始!』
「動いた…?攻撃は!?」
『NFFボーダーに反応無し。…?あ!NFFボーダー、戦線を完全離脱!日本の方角へと向かっています!』
はぁ、確定ね
「NFFボーダーよりも早く伊吹山に向かうわよ!」
「「「了解!!」」」
………
『そっか』
バーヴァンシーや道満は本気にしてなかった。それもそうだ、『彼ら』にとってこの世界はそれこそ関係の無い世界、人類が滅ぼうが世界が焼き尽くされようが全く持ってあちらには影響が無い、実を言うと私も来てくれるとは思ってなかった
誰もが希望を胸に戦っている。詰みかけているどころか既に詰んでいることに誰も気が付かないまま、獣を打ち滅ぼさんと獣の手のひらの上で──いや口の中で戦っている
獣の気まぐれで噛み砕かれていないことを知らないまま戦い続ける彼らの元へ、牙の届かない者達がすぐそこまで来ていることをダヴィンチは、ダヴィンチだけがしっかりと認識していた
『────ありがとう』
仕事帰りにコヤンと屋台でおでんを食べたい作者のルルザムートです、ハイ。
ワタクシの日曜日仕事で潰れてて草。