弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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3週間働き詰めでようやくの休みに体調がこわれる…ウチの会社やっぱキライだわ
第113話です、お楽しみください


第113話 珍客

NFFボーダー 医務室にて…

 

 

「ん…」

見慣れない真っ白な天井、嗅ぎ慣れない洗剤の匂い、触れたことのない柔らかな毛布の感触を感じつつ目を覚ます

 

 

ここはどこだろう、そんな疑問に答えるように部屋唯一の扉が開いて見知った人間が入ってきた

「あ、目が覚めてたんだ。…その様子だと今目が覚めたってとこかな」

黒鉄の義手を付けた兄、間桐慎二が柔らかな笑顔でこちらを気遣う様子を見せる

 

 

「兄さん?」

「そうだよ?お前の兄さん、間桐慎二。具合はどうだい、2回検査したから大丈夫だとは思うけど…」

「えっと」

 

 

促されるままに自分の体調を確認する

…特に異常は無さそう、むしろ良い方だ

 

 

「──良さそうだね、それさえ分かればいいや。はいコレ」

「これは…?」

彼が差し出してきたのは1枚のカード、兄の顔写真が見えたので学生証か何かかと思ったが違うようだ

 

 

「このフロアで使えるカードキーだよ、艦内の見取り図は部屋を出てすぐ目の前に貼り付けてあるから先に出歩いてていいよ

遠坂のヤツも治療が終わって同じフロアにいるから桜が良ければ顔を出してあげてくれ。…僕が行っても会話にならなかったし」

 

 

「遠坂先輩が…?」

「僕はまだ仕事があるから、またあとでね」

ぽふぽふと頭を撫でてくれる彼の手は暖かい。先輩とはまた違った家族ならではの優しさがこもっている

 

 

 そうだ、家と言えば──

「兄さ「おじいさまなら既に死んだ」

 

 

──え

 

 

「もう桜を縛るものは無くなってる、あとは衛宮がここに居れば…

あと少しだ桜、あと少しだけ待っててくれ」

 

 

どうやって、なんて質問する間も無く兄さんは出て行ってしまった

残ったのは彼から手渡されたカードだけ

「………あ。」

 これどうやって使うんだろう…?

 

 

NFFボーダー 会議室にて…

 

 

「作戦凍結?」

「…予想外の珍客だ、一旦中止して全力で潰すしかない」

 

 

パライソ、魔力回復中のコヤンスカヤ(降)を除いた4名が集まったと同時に投げられたのは作戦の無期限停止についてだった

 

 

「…?こういっちゃなんだがそんなに大層な奴なのか?

騎士王、英雄王、キリシュタリアとその他もろもろ…これだけ倒したあとでそんな脅威が他にあるのか?」

「『奴ら』だ、それに他の連中は最低でも3年以上対策する時間があったから倒せただけ。甘く見るな」

 

 

「で?同意が欲しくて僕やベリルを呼び寄せたわけじゃないんだろ。何をするつもりだよ」

「今から全力で珍客を潰す。

『全人類生存権剥奪戦争』へ余力を持ち越すことは考えず、全力でだ」

 

 

息抜き以外では殆ど顔色を変えないザイルには珍しく明確な殺意が表情に滲み出ており、そこにはほんの僅かな焦りと恐怖が混じっている

…が、そのほんの僅かに気付いているのはコヤンスカヤのみである

 

 

「コヤンスカヤ、連中は今どこに?」

「伊吹山に出現して以降は隠密を保ちつつ既に日本を脱出…おそらくは例の米軍基地に向かっているかと

この艦無しだと今のようなざっくりとした位置特定も難しいでしょう」大した技術ですねぇ

 

 

「もうモタモタしている時間は無い、ここにいる4人で襲撃を掛ける。奴らが障害になる前に殺せ!」

「待て、例のデータは?僕とコヤンスカヤが作ったやつがあっただろ」

「破棄だ。もう使えん」

 

 

コヤンスカヤがロシア軍部から回収した核発射データとそれを元に作成した例の兵器には時刻が設定されており、あと30分しかない

加えて誤差許容範囲は2秒未満…とてもじゃないが30分で連中を始末するには準備が足りない

 

 

「おいおいおいおい、そりゃねぇだろザイル!」

「ほざけベリル、剥奪戦争とは違う。これは遊びじゃない」

「分かってるさ、でも人間の寿命はコヤンスカヤみたいに長くは無いぜ?やれる時にやった方が時間の有効活用できるし…何よりもここで全力を出したとしてその珍客を殺し尽くせる保証は無いだろ?」

「………」

 

 

ベリルの言うことも一理ある、連中はどんな不利的状況だろうと逃げ仰せ、それを後からひっくり返してきた。ロシアを除いてな…

「いや違うな、別のルートと言うべきなのか…?」

「──ワタクシ、発言しても?」

 

 

と、それまで自分から口を開かなかったコヤンスカヤが手を挙げ、肯定の意を込めて頷いて返す

 

 

「どうも♡ …彼らが知っているかどうかは憶測の域を出ませんが剥奪戦争の発動がワタクシ達の勝利であり人類史の『詰み』であることは間違いありません

こればかりはいくら彼らでも曲げようのない事実です」

「そうだな」

 

 

「そこでどうでしょう、約束の時間まではこちらの最高最大戦力で相手をする。時間が迫ったら単独顕現でワタクシとザイルさんが離脱し例の兵器を起動させる…という感じで」

 どうやらコヤンスカヤは連中を放置して強引に進めるつもりらしい、やれやれ

 

 

「だめだ、博打が過ぎる。敵からして見ればあの兵器はビースト以上に危険な物だ、阻止されたら2度と使えないぞ」

「起動して21分と少し守り切れば我々の作戦は完了します、たった21分で人類史が終わるんです」

「しかし…」

 

 

煮え切らない俺に対してコヤンスカヤは何故か強気に押してくる

「別に例のデータが使えなかったからと言って手が無くなるわけじゃないでしょう?また始めればいいですよ」

「………これも娯楽だと?」

「ええ、だからまだワタクシはここに居るんです」

 

 

 ────

 

 

「…分かった、やろう。だが残った時間で潰せるに越したことは無い。フォーリナー以外の全戦力を排除に当てる。全員、いいな?」

「そうこなくっちゃな!ずっと船番で退屈だったんだ!」

「別にいいけど遠坂と桜は先に艦から降ろしてもらうよ」

 

 

興奮気味にナイフでお手玉をするベリルと少し不満気味な慎二を尻目に会議室を出る

 

 

「………」

 

 

会議室からいくらか離れたあと彼女を呼び、ほとんど確信のままに聞いた

「お前、こうなると知ってたな?」

「…う、分かります?」

「何年組んできたと思ってる」

 

 

霊体化を解きながらバツが悪そうにコヤンスカヤが言う

 やはりな

 

 

「正直来ないと思ってましたよ、だって部外者ですし」

「まぁな、奴らにとってこの世界が壊れようが人類が死滅しようがまるで影響が無いことに違いはない。むしろ多大なリソースを支払い、膨大なリスクを背負ってやることじゃないだろう」

 

 

 だが奴らは実際に来ている、それが事実だ

 

 

 こんなこと誰も予想できるはずが無い、そもそも存在自体気付きようがない反則みたいな存在だ、それを断片的とはいえ分かっていたということは──

 

 

もう思い当たる情報源は一つしかなかった

 

 

「…以前の命令を変更する。剥奪戦争開始が確認されたら速やかにノーアのスマホを持ってこい。内容について全て報告してもらう、全てだ。…いいな?」

「もちろん、仰せのままに」

 

 

 

 

 

〜NFFボーダー、()()()()()()()()に向けて発進〜




コヤンスカヤに『なんとかしないと死んじゃいますよー?ほぉらがんばれ♡がんばれ♡』と言われながら尻尾でギチギチ締め上げられたい作者のルルザムートです、ハイ。
ちょっと仕事と体調不良でくたばってました、体調管理っつっても仕事が多すぎて限度ってものがあるよなぁ…?
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