弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
…第115話です、お楽しみください
ストームボーダー 動力室にて…
「っもー!まさかこんなに早く侵入されるなんて!」
「ダヴィンチ、これ結構まずいんじゃないか?」
突如として侵入してきた敵勢力のうちの1組、狂化オリオンとそのマスターをダヴィンチとハベトロットでなんとか抑え込むことに成功したもののそのマスターの姿が途中から見えない
「モルガンも藤丸くんも身動きが取れないみたいだ、私たちでなんとかするしかないね…!」
「どおりで艦に居なかったわけだ、まさかアルビオンにしがみついて…いや騎士王かな?」まだ霊基消滅を確認してないし
動力室から響く破壊音を聞き流しつつ、何故か目の前にいる親友…衛宮士郎に問いかける
「──慎二」
「どうした?衛宮」
返答は、無い。親友が持つにはあまりに似合わない拳銃へカタカタと震えが伝わっているのが見て分かる
「
今すぐ捨てなよ、衛宮には似合わない」
「………」
またしても返答は無い。動力室からの喧騒がやけに遠くに聞こえる
「………1つ聞かせてくれ」
「ん、なに?」
「慎二、お前は…敵、なのか?
基地に居た米軍の人達を大勢殺したっていうのは、本当なのか?」
2つじゃないか、別にいいけど
「ああ、本当さ。アルビオン…ドラゴンの背に乗りながらこのライフルで撃ち殺した」
多分基地だけで20人は殺したかな?
「っ!!」
瞬間彼が銃口を向ける、もちろん対象は自分。
──でも大丈夫だ
銃を構える彼とは反対にライフルの安全装置を掛けて背負う
「ひとつ目の質問にも答えるよ、僕は人類の敵だけど衛宮の敵じゃない」
「ふざけないでくれ慎二…!」
「何もふざけてないさ、とにかく銃を降ろしてくれないか?」
頼んでみるが彼は銃を降ろさない、震えて狙いが定まらない銃を両手で握り締めながらこっちを睨みつけている
「お前は、人を殺したんだぞ…!?それも大勢…!
もう取り返しが付かないんだ!分かってんのかよ!?」
「分からずにここまで来ないよ」
声も震え始めた彼の指に力が入るのを静かに見据える
「僕は覚悟ができてる、でも衛宮は?ソレ、撃つ覚悟があるの?」
…撃てないだろう、多分だけど撃ったら衛宮は後悔する。当たっても当たらなくても。
「そ、それは…」
「黙って全て滅ぼされるか、行動してひと握りの何かを救うか、僕には偶然それを選ぶ機会があった。機会があって…後者を選んだ」
手を伸ばす、この手をとって欲しいと願いを込めて。
「頼む衛宮、僕と一緒に来てくれ。桜も遠坂も安全なところに居る、衛宮のことだって守るさ
だからこの手を取ってくれ。…衛宮と戦いたくはないんだ」
「ぐ、く…慎二…」
彼は撃てない、そう思っての説得だった
──が。
「…く、う、あああああああ!!!」
ダンッ!
「っと!?」
撃った。手先は震え銃弾はあらぬ方向に行ったけどまさか撃ってくるとは思わなかった
『整備品倉庫』とパネルに書かれた部屋に飛び込んで2発目と3発目を避ける
「──どうしてもやるんだな、衛宮
わかったよ、元から素直について来てくれるとは思ってない」
自分の身長の倍の高さはある棚が並ぶ部屋、鼻につく油やらなんやらの匂いを無視して棚の間の通路の1つに隠れる
グラッ
「おっ…!とっと!」
部屋が、いや艦が大きく揺れて転びそうになる
酔いそうなくらい揺れてるね、この艦ももう危ないかもしれないな
ガチャ…
衛宮が入って来た。…なら、始めようか?
…最初は、優越感に近いものだった
『…いいだろう。衛宮士郎、遠坂凛、間粡桜の身柄は保証する』
自分でなければならない、自分以外には務まらない、そんなことを言われ僕は自分が選ばれたと思っていた
事実そうだったのだが親友の衛宮は助けて当然として、御三家跡取りの遠坂や自分よりずっと魔術の世界に近かった桜でなく自分でなくてはならないと聞いて有頂天になっていた
魔術の世界…いや今思えばそう言えるかかなり微妙だがその世界に住む人間から認められ、必要とされたことが嬉しかった
──けれど
『全人類を対象にした生存戦争?』
『そうだ、この手で人類をひっくり返す』
『名前は全人類生存権剥奪戦争でございまぁす♡』
その『人間』と背後にいる『獣』は、僕の想像以上に人類にとって害悪だった
グランドクラスが既に敗れていた以上、ビーストを止める手立ては無い。あったとしても自分1人ではどうにもならない
既に人類滅亡までのカウントダウンは始まっている、僕にできるのはその《滅亡》の輪から衛宮達を外に出すことだけ
もう取り返しはつかない、か…分かってる、分かっているよ。ずっと前からね
「──だから僕は今ここにいる」
「あっ…!慎二──」
スライド部分をカチ上げ、彼の銃を弾き飛ばす
…それでも尚向かってくる親友の拳を避け、するりと背後に周り──
とんっ
軽く、正確な一撃で意識を奪う
「…まず間違いなく恨まれることは分かってるよ、これが衛宮に対する裏切りなのも分かってる。でも」
だからって見捨てられないだろう
意識の無い親友を担ぎあげ、ザイルの持つ端末に
『一時撤退』の旨を報告するのだった
『娯楽』としてヒトの上に立ち、国を作るコヤンスカヤを想像して楽しんでる作者のルルザムートです、ハイ。
個人的に慎二には知らないうちに引き返せないところまで進んじゃってから(人類にとって良くない方向に)覚悟を決めて覚醒してほしいです
魔術への執着が消え、守るものも極端に絞った慎二は間違いなく強キャラに…!