弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
HOPEボーダー 管制室にて…
「ごほっ…状況は!?」
「副艦長!?良かった無事で…いや酷い怪我だ!喉が…!?」
「最低、限の処置はしてくれてます、状況の報告を!」
千切れ飛びそうな意識の手綱を握り締め、部下の顔とディスプレイを交互に睨む
「現在カルデアとビースト陣営が交戦中!最優先保護対象である藤丸立香は艦外へ脱出。ですが敵が迫ってます!会敵まであと26秒!」
「セイバーを向かわせて!」
「セイバーを!?しかし未だに再契約妨害の解明と解除が…」
「彼が死んだら全て終わりなの…!早く!」
彼女には申し訳ないことをしているがもうまともに動けるサーヴァントはセイバーしかいない
「はっ、はっ、ドウジ…ゴホッ、同時進行で第4主砲発射用意!目標、NFFボーダー!標準固定と同時に全乗務員は脱出ポットへ!
どう転ぼうとNFFボーダーだけは道連れにします!」
首筋へ丁寧に巻かれている包帯に止まったはずの血が滲む
「まだ、終わらせない…!」
〜
アメリカ ロサンゼルス海岸にて…
「────」
意識が朦朧としている
確か俺は…ボーダーから飛び降りて──
「…?生きて、る?」
着地するために令呪でモルガンを呼んだが来ず、そのまま地面と激突したはずで…
「痛っ…腕が折れてる…」
足や令呪のある腕じゃなくて良かったと思いつつ立ち上がる
「…え?」
そこで自分が誰かに抱きしめてられているのに気付いた
誰…?
「………」
目の前の彼には全身に包帯と…道満が持っているのと似た苻が張り付いており顔がわからない
…この人が助けてくれたのか
もう既に息も脈も無かったがこの人が居なければ俺は死んでいただろう
「っ…ごめんなさい…」
すぐに誰かと合流しないと──
キィ…ン
戦闘機のような高い音と共に見覚えのあるドラゴンが目の前に降り立つ
やっぱりブリテン異聞帯で見たワイバーンだ、なんでここに…?
さっきから分からないことだらけだが考えている余裕は無いことだけは分かった
「藤丸立香だな?」
以前のダヴィンチちゃんが付けていたものに似た義手を付けた蒼髪の少年がワイバーンから降り、短くそう言った
「………」
「別に答えてくれなくてもいいさ。結果は変わらない」
ゆらり、とこれまた見知った大男が少年の横に現れる
「オリ、オン…!?」
「殴り潰せ、アーチャー!」
巨体に見合わない俊敏な動きから放たれた拳が迫る
ガンッ
「ぐ!くぅ…なんて重さ…!」
「アルトリア!?」
寸前で割って入ったアルトリアのおかげでなんとか助かったが──
「…貴方が何故知っているのかはどうでもいい、ここは私が抑えます!」
そう言う彼女の顔色はとても良いとはいえないもので、霊基も魔力が足りず退去するサーヴァントのそれだ
バックアップが無ければ仮契約もできないこの世界だけど、魔力だけなら──
「令呪!受け取ってくれ!」
2画目の令呪が魔力となって消え、アルトリアの霊基に流れ込む
「──!…感謝します!」
「面倒だなぁ、アーチャーそいつの相手。カルデアのマスターは僕が相手をしておくよ」
少年がライフルを構え直した──
〜
米軍基地 予備司令部にて…
「ヘリの整備を急げ!カルデアは既にビースト陣営と交戦中だ!」
「燃料給油は完全でなくてもいい!カルデア救援に半分あれば充分だ!」
「空対空兵器の積載を忘れるな!ヘリ搭載物だけではとても足りない!」
「………」
──妙だな
今現在、米軍魔術師連合軍は窮地に陥ったHOPEボーダー及びカルデアという援軍を救うため急ピッチで航空兵器や車軸の整備をしている
自身の宝具によって呼び出された新撰組隊士も例外なく作業に当たっているが…
「…クライム?」
自分のマスターであり米軍総大将とも言えるクライムの姿が見えない
あいつはどこだ?米軍の指揮も部下に投げてまで…
ひとまず魔力のパスを辿って彼を探すことにした、そう遠くには行っていないはずだ
「何をしているんだ?クライム」
〜
米軍基地 居住区 クライムの自室にて…
外とは打って変わって静かな部屋、衝撃波か何かの影響で窓ガラスにはヒビが入っていたものの、そんなことには目もくれずただただ壁を見つめて思考を繰り返す男が1人。
「────」
──妙だ
今はこんなところでのんびりしている場合ではない、今すぐにでも現場に戻って指揮と作業にあたるべきだ
それなのに、なんなんだこの言いようのない違和感は…?
魔術師たちと協力し、多大な犠牲を出しながらも迫るビーストとその使い魔、神霊を撃退し、うち神霊は完全に撃破した
決して油断はできない、だが一時的とはいえ俺達は勝利した。そのはずだ
「なのに…」
まだ戦いは続いているからといえばそれまでなのだがそれにしても…
「手加減されていた…は無いな」
アーチャーのマスターは分からないが少なくともコヤンスカヤと影月 彼方は本気でこちらを潰しに来ていたしシャドウサーヴァント撃滅や玉藻御前の宝具、神霊伊吹童子の撃破などあちらの損害やコストなど決して軽くはない。少なくともあの瞬間は全力で殺し合っていたと見ていい
他に何か見落としている…?バカな、いったい何を?
パッと思いつくのは核兵器の存在を仄めかしていた茨木童子の件だがザイル達に核をどうこうできる設備や力が無いことは確認済みだ。仮にあったとして、使用した瞬間世界中から袋叩きにあって終わりだろう。コヤンスカヤと言えどいきなり世界中を敵に回すのは本意ではないだろうし…
(クライム、入るぞ)
部屋の外、ではなく聞き慣れた念話が頭に届き、同時にドアが開く
「…土方か、何の用だ」
「何の用かなんて言うまでもないだろう、部下に丸投げしてここで何をやっている?」
「──ああ、すまない」
当然と言えば当然か、世界の命運が掛かって1分1秒が惜しいこの状況に部屋でのんびりしている奴がいたらキレもするだろう
「少し考え事をしていた、すぐに──「待て。…何を考えていた?」
『考え事』という言葉を逃さず反応した土方に腕を掴まれる
「大したことじゃない、今は現場に「だめだ、ここで教えろ」
静かだが圧のある剣幕で腕を掴む力がほんの少し強くなる
…話しておくか
「…コヤンスカヤ、影月 彼方、間桐慎二、俺たちは魔術師達と力を合わせて連中を撃退したが「『勝った気がしない』…か?」
…!?
「土方、まさか」
「俺は今回、コヤンスカヤと直接戦ったが…まだ余裕があったように見えた」
「ありえない、奴らが出しえる最大戦力をぶつけてきたのは間違いない
途中の撤退だってもう1人のコヤンスカヤが宝具を落とすから退いただけだ」
落ちてきた隕石の宝具は身体を焼きながらも駆けつけたキリシュタリアとカイニスによって打ち砕かれ、俺たちは救われたが…
「なら隕石だけでいいはずだ、それに俺たちを消すだけなら観測された量の魔力なんていらないだろう。アレの3分の1もあればここら一帯消え去っていたんだからな
…落ち着いて考えろクライム、今お前が戦っているのはビーストであると同時に10年間お前が戦い続けた男だ。そいつに対してお前が感じた疑問…無視するにはあまりに危険すぎる」
「俺の、疑問…」
言葉に出し、紙に書き、土方の言葉を受け止め、思考を回す
何か、何か見落としていることは…?
……………
ビースト陣営と米軍魔術師連合軍の戦争。
……………
HOPEボーダー発進によって2つに分かられた戦場。
……………
シャドウサーヴァントの群れ、荒御魂、
バーサーク・オリオンとそのマスター。
……………
宇宙空間におけるHOPEボーダーとフォーリナー、NFFボーダーの戦闘。
……………
落ちる隕石とそれを阻止したキリシュタリアとカイニス。
……………
「────まさか」
全ての点が繋がった、というわけではない。ただ言語化できなかった疑問が少し形になっただけ
「言葉に出せクライム、何に気が付いたんだ?」
「今すぐ確認しないと行けないことがある!」
通信機を取り出しコール、相手はもちろん通信部だ
「こちらクライム、大至急頼みたいことがある」
『クライム中将?ええ、なんなりと』
「F地区に設置されている監視カメラの映像を全て用意しろ、取りに行く。
…それとカメラ1つにつき端末1つも用意してくれ、まとめて確認する」
『F地区の…?いったい何故です???』
「うるさい!やれ、今すぐに!!」
『ひっ!土方教官!?わ、分かりました!
ただちに!』
通信機の向こうで疑問符を浮かべていたであろう隊員を横から出てきた土方が一括し、通信が切れる
「通信部に行くぞ土方、俺の疑問は移動しながら話す」
「ああ、分かった」
外れていればそれでいい、だがもしもこの予想が当たっていれば──
「──俺にも、ザイルが何をするのか予測がつかない…!」
周年記念にて執念でワカモをお迎えし(280連)
その15分後にメイン垢の夏玉藻を宝具3から5にして、さらに3日後サブ垢で呼符4枚で夏玉藻を2人お迎えした作者のルルザムートです、ハイ。
書き終わったらまた新しいのを書こうとしている自分と中途半端なやつ(シリアスシンボリのやつとか)を書こうと思っている自分が殴り合っている…
『あなた様への愛を一切隠さないワカモvsクールで感情を一切出さないけどワカモが好きで好きでたまらず、ワカモの前だけ一人称が私→俺になってしまう先生』って面白いと思うんだよね