弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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ガッツリ5000文字越えてしまった…
第13話、お楽しみください


第13話 記憶/能力

────にて

 

 

「…」

…?

 

 

そこは余りにも暗く、また砂嵐のようなノイズが響き、何も見えず、聞き取れない

 

 

「…」

だがノイズが弱まったのか、もしくは自分の耳が慣れたのか、いつの間にか少しだけ周囲の音が聞き取り易くなっていたのに気付く、相変わらず暗いままで何も見えないが…

 

 

「■■…!■■、■■■…■■■■…!■■、■■■■■■■■…!」

懸命な声、力を振り絞る声が聞こえる

同じ声が様々な位置から聞こえることから、おそらく縦横無尽に駆け回っているのだろう

 

 

「…」

その人物が何を言っているのかは聞き取れなかったが…声の感じから、そいつは死にかけていることは分かった

…とはいえそれは俺の知ったことではない、助ける理由は無い。

それにそもそも俺はこの場でどんな行動を取ろうと何故かそれが無駄になるという確信があった。

 

 

「…そうか」

また夢か、とそこで現状を認識する

 

 

「□□□ロ□!□□□□□□□!□□□ロ□!!」

懸命な声とは別の、誰かに呼びかける声。だが────

 

 

「□──────     」

巨大な闇の塊がそれをかき消した

 

 

「■■ロ■■■ロ■…!■、■■■■っ!!!」

懸命な声が別のものへと変わる、だが…死にかけている、という見立ては間違っていなかったらしく、すぐに弱々しいものへと変わる

 

 

「…」

 

 

声がどんどん小さくなっていき、遂には声の場所が動かなくなる。そしてそれに近づいて行く『何か』

「■■、■■…?」

「   」

 

 

2つの気配が重なり、そしてすぐその後────

…!

 

 

その『何か』が────

「…!?」ゾクッ

 

 

こちらを見て、確かに俺を認識した

 

 

 

 

「…やれやれ」

ため息を吐きながらベッドから身を起こす

悪夢はよく見るが…今回のは群を抜いて不快な夢だな…

どこが、と聞かれても既に記憶は朧げで答えられないが…

無意識に握っていたコルトパイソンを置いて状況を確認する

 

 

昨日は確か────

「失礼します」コンコン

「入れ」

 

 

ノック音に答えると聞き覚えのある声がしてコヤンスカヤが入ってきた

ああ、そういえば手当てさせるために一時的に令呪の命令を解除したんだったな

 

 

格好はあの時のような巫女服ではなく、白い…キャビンアテンダント?が着ているような格好をしていて、手元には3.4個果物の盛り付けられた皿が持たれていた

そして…俺が驚いたのは彼女の表情だった。召喚時からこれまで見せていた勝ち気で余裕な表情は消え、戦地に赴く兵隊のように真面目な顔をしていた

 

 

「…コヤン「申し訳ありませんでしたマスター!」

理由を聞くよりも早くコヤンスカヤが深々と頭を下げ謝罪の言葉を述べる

コヤンスカヤと知り合ってそう長いわけでは無いが…それにしてもコイツがこんなことをすること自体ありえないことであるのは俺にも分かる

それであっけにとられてしまい、我に返ったのはその5秒後

 

 

「…なんのつもりだ?」

ようやく出たその言葉でコヤンスカヤが顔を上げて話し始める

「今回の一件…被害が拡大したのはワタクシの不手際に他なりません、リスク無く勝利できる戦闘でワタクシはマスターと組織を危険に晒しました、これはその謝罪です」

 

 

必要とあればいかなる処分も受けます、とコヤンスカヤは再び頭を下げる

「…」

なるほど、そういうことか

 

 

確かにあの時はコヤンスカヤの失態でフーレンを殺し損ね、窮地に陥ったんだったな

だがあれは既に終わったこと…今更処分もクソも無い、むしろ引きずられて仕事や戦闘に支障をきたすことの方が危惧すべきことだろう

 

 

「…2度目さえ無ければもういい、その話は忘れろ」

ということで早めに話を切り上げる

それでこちらの意図を察したのかコヤンスカヤも顔を上げ、その事についてはそれ以上語ることはなかった

 

 

「ありがとうございますマスター♡それで…調子はいかがですか?」

「もう問題ない、手当てご苦労だった」

 

 

…正直なところ気になる点はいくつもある、まずコヤンスカヤがミスをした原因。

サーヴァントとしての格はまだ測れないがただの仕事人として見るのなら超一級といっていいだろう、そのコヤンスカヤがなんの外的理由も無くミスをしたというのは考えづらい

次にあの巫女服時の魔力…アレは明らかにコヤンスカヤ自身の物ではない、奴の能力値、スキルを確認すれば何か分かるかもしれないが…

 

 

…やれやれ

マスターとなった者はサーヴァントの能力値を自由に閲覧することが出来る、これは自分のサーヴァントに限らず隠蔽されない限りは敵サーヴァントの能力値も見ることができる(最も戦闘中にそんな余裕は無いが)

────が

 

 

俺は敢えてコヤンスカヤの能力値やスキルを見ていない、当初は1人で戦うつもりだったからな…

はっきり言って俺は対サーヴァント&マスター戦を軽く見ていた、マスターさえ潰せば何も問題ないと

 

 

だが今回の件でその認識は甘かったと痛感した、現に戦闘になった時俺は苦戦してフーレンを即座に殺せなかった、諸刃の剣の可能性はまだあるがやはりサーヴァントは必要なのだろう

 

 

「コヤンスカヤ、話がある」そこの椅子にでも座れ

「はい、なんなりと〜」

椅子に座り、手元を見ることなく器用にリンゴの皮を剥きながらコヤンスカヤは答える

随分と切り替えが早いな…まぁ助かるが

 

 

「召喚時に俺1人で戦うと言ったが…その発言を取り消させてもらう

コヤンスカヤ、俺が聖杯戦争を勝ち抜くにはサーヴァント(お前)の力が必要だ、そこでサーヴァントとしての性能をマスターとして確認させてもらいたいが…構わないか?」

「もちろん構いません…ん?え、まさか確認してなかったんですか?召喚してからずっと?」

 

 

まぁなと返した時に、マジで言ってんですか…と聞こえたが無視して彼女の目を見つめる

「あら、まぁ!そんなに見つめないでくださいましマスター♡ワタクシが美女である以上仕方のない事ですがそう見つめられると「フザける事まで許した覚えは無い」

 

 

やれやれ、これさえ無ければな…

そんなことを思いつつ、視覚化された情報に目を通す

一応切嗣から確認方法は聞いていたからスムーズに確認できた

 

 

筋力 C

耐久 EX

俊敏 B

魔力 EX

幸運 A

宝具 A

 

 

…かなり高水準だな

(『万能』秘書ですので♡力仕事以外であればどのようなことでも♡)

念話で頼む、と言うまでもなくコヤンスカヤの声が頭に直接届く

このCやらEXやら付いているのは強さを表すランクという認識でいいのか?

(はい!スキルの方にもついていますのでスキルとまとめて御説明します)

 

 

分かった、じゃあスキルの確認を…

「…?」

随分と多いな…?

 

 

騎乗 B

単独行動 EX

単独顕現 EX

変化 A

女神変性(銃) B

イノベイター・バニー A

殺戮技巧(人) A

 

 

スキルはこれで全部か、騎乗や単独行動は知っているが分からないものが圧倒的に多いな…1つ1つ確認するか

「コヤンスカヤ」

「…スキルに関する詳細、でございますね?」

一通り果物の皮を剥き終わったコヤンスカヤが分かっていたように言う

 

 

「話が早くて助かる、悪いが俺はマスターとしては未熟でスキルに関する知識はほぼ無い…1つ1つ説明をしてくれ」

(かしこまりました♡では順番にご説明させていただきますね♪)

 

 

(ええーまずスキルについて説明する前にランクについて説明させていただきますと、スキルや能力値にはAからEの間で評価(ランク)付けがされておりAが高くEが低いものとなっております、そしてAからEの間でランク付けが難しいもの、不可能なものは評価企画外としてEXのランク付けがされます)

 

 

「マスター?口を開けてくださいまし♪」

…と、念話を送りながら喋るという地味に器用なマネでおかしなことを要求してくるコヤンスカヤ

「…何故だ?」

「いえ、片腕ですし?食事をするのも苦労するでしょう?」

 

 

そう言って1口サイズに切られたリンゴを爪楊枝に刺し、ニッコー⭐︎という擬音が浮かび上がってきそうな笑顔でそれを差し出すコヤンスカヤ

「皿を寄越せ」

ぐるりとコヤンスカヤと向き合うようにベットから起き上がり、皿と爪楊枝をひったくって一蹴する

 

 

(およよ、なにもひったくらなくても…ワタクシ良かれと思って…)

リンゴおいしい、ありがとう、だからスキル説明を再開しろ

もうまともに指摘するのも面倒になってきたがスキルについては聞いておかないと困るので俺はリンゴを食べながら続きを促す

 

 

(うう、かしこまりました…では少し長くなりますがスキルの詳細について御説明させていただきます、疑問点が有ればその都度。)

ああ、分かった

 

 

(まず騎乗スキルです、主にセイバーやライダーが所持していますね、まぁアサシンのワタクシも持っているように特定のクラス以外持ちえない、というわけではありませんが。

 

 

これは騎乗と表現されてはいますが単に馬を乗りこなせるスキル、という訳ではなく動物はもちろん魔獣、車や船…果てはヘリや戦闘機に至る乗り物全般を指しています

 

 

ワタクシの騎乗スキルはBランクですので大抵のものならなんでも自在に乗りこなせますね、流石に魔獣や聖獣となるとBでは足りませんが…まぁそのような機会が来ることは無いでしょうし問題にはならないでしょう)

 

 

なるほど乗り物ならば全てスキルの範囲内ということか

コヤンスカヤ用のバイクを用意してみるか…

 

 

(続いて単独行動スキルです、主にアーチャーやアサシンが所持しています、

こちらはサーヴァントが単独行動可能な時間を延長するスキルです、単独行動が可能になるスキルという訳ではないのでご注意くださいませ

 

 

マスターとサーヴァントの距離が大きく離れてパスが届かなくなったり、なんらかの理由でマスターが死亡、または瀕死の状態となり魔力供給が絶たれた場合、通常であればサーヴァントは自身の霊基を維持することが出来ず1時間程で消滅しますが単独行動持ちはランクによりその消滅までの時間に猶予ができます

 

 

──が、ワタクシの単独行動スキルは規格外のEXランクですのでぇ…魔力供給ナシで文字通り永遠に現界していることが出来ます!

長時間に及ぶ作戦行動もなんのその!ご指示1つで潜入でも工作でもなんでもござれ、でございます♡)

なるほどな、言い換えればサーヴァント単独で好き勝手に動けるスキルでもあるのか、令呪の使用は正解だった訳だ

 

 

(ワタクシとしては令呪以前にマスターの意に反するような行動をするつもりは無いのですが…まぁいずれ行動で信頼を勝ち取るとしましょう)

そうしてくれ、次を頼む

 

 

(はい♪では単独顕現スキルについてです、こちらは…まぁワタクシ以外に持っている者はそうそう居ないでしょう、こちらは言わば転移スキル…テレポート能力とでもお考え下さい♪)

転移か…対象範囲はお前だけか?

(いえ?一応人1人連れて移動するくらいなら問題ありません、実際にオフィスビルからマスターをここにお連れしたのもこのスキルによるものですし)

 

 

なるほど便利だが…転移先の状況は転移前に確認できるのか?

(うーんそれを言われると痛いですね、基本的には間違いなく安全という場所にあたりをつけて転移するので…ただまぁランクは規格外のEXですのでその気になれば世界の果てでも転移できますよ?)

 

 

やれやれ、状況が確認できないことを差し引いても反則に近いな、だが乱用は控えるべきか…

 

 

魔術的痕跡は残るのか?

(いえ、これは魔術ではなく技巧(スキル)ですのでさっぱり残りません、ご安心下さいませ♡)

…ならいいが

 

 

と、次のスキルを聞こうとして端末が鳴る

この鳴り方は…部下からの緊急連絡…?それも基地内から…

「一時中断だコヤンスカヤ……俺だ、何事だ」

 

 

『ボス!侵入者!侵入者です!2人組の女が正面入口から!真っ直ぐそちらに向かっています!既に警備隊が半壊状態に…!』

「ッ…!?」

コヤンスカヤの驚愕の表情を見ながら端末越しに詳細を要求する

 

 

コヤンスカヤのこの顔…警戒はしていたが全く気付かなかった、という意味で間違い無いだろう、とすると相手は────

「特徴は?時間が惜しい、最も目につくところだけでいい」

『は、はい!1人は白衣を纏った女で、もう1人は…ええ、と…その、どこかで見たような顔を…』

 

 

「白衣、だと?」

もう1人は検討も付かないがもしそうだとしたら────

「…道を開けてその2人組から離れろ、俺が対処する」

『は…?は、分かりました!』

 

 

端末を切り、まだ果物が残っている皿をベッド横の机に置く

「まだ何も感じない…!?マスター、お下がりください!」

「いらん、これは敵じゃない」

「…へ?」

やれやれ…とうとう直接来やがった

 

 

「とりあえずドアの前から離れろ、理由はすぐに分かる」

「か、かしこまりました…」

 

 

ドンドンドン!

 

 

やっほーザイル!久しぶり〜!えへへ、来ちゃった★

ねーねー、ここ開けて!

うーんマスター、やっぱり事前に何か一言言っておいたほうが良かったんじゃない?

 

 

女性と思わしき2人組の会話がドアの向こうから聞こえる

「おや、この声は…」

 

 

だめだめ!ザイルは照れ屋だから、私が来るって知ったら隠れちゃうよ!

よーし!『開かぬなら、ブチ抜いてやれ、ほととぎす』バーンナックラァ!

 

 

相変わらず狂った女だ

ただのパンチでドアを破壊してくるとは…やれやれ

 

 

…関係ないが、正直コイツが居たからコヤンスカヤのよく分からん絡みもスルーできていたというのはある、少なくともコヤンスカヤの方がフザけ具合はマシだからな…

「マスター?聞こえてますよ?」

「事実だろうアサシン…それで?何をしに来た?」

 

 

「まぁまぁ待って!お互い初めて見る顔もあるしジコショーカイから始めよう!キャスター?真名教えちゃっていいからね!」言わなくても見た目で多分バレるし

「うん?うん、分かったよ!それじゃお先にどうぞマスター?」

 

 

ノーアの横に居る女…初対面のハズだが…この顔、既視感が…?

 

 

俺の思案をよそにふふん、と胸を張って自己紹介を始める2人

「私はノーア!世界一の科学者であり(スーパー)一級魔術師!ノーア・クランツェル!船旅を愛するザイルの妻!ハイ次ダヴィンチちゃん!」

「こらこら!言っちゃわないでおくれよ!…ま、いいか!こんにちは、アサシンとそのマスターのザイルくん!

私はレオナルド・ダヴィンチ!クラスキャスター、芸術家であり…天才さ!」

 

 

…予想はできていたが、やれやれ

「面倒だな…」

かなり本気で、そう一言呟いた




霊基3のコヤンスカヤのモフモフに押し潰されたい作者のルルザムートです、ハイ。
もうちょっとスキルの説明を圧縮というか短縮したほうが良かっただろうか…?
できれば休みが終わる前にもう一つ書きたいところです
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