弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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…第120話《B》です、お楽しみください


第120話 A『最終目標』/B『最終工程』

F地区 美術館跡地 地下施設

シュミレーションルームにて…

 

 

「そういえば話していなかったな

俺とコヤンスカヤが何をしようとしているのか、これから何が起こるのか…

お前には聞いておいて欲しいんだが…聞いてくれるか?」

「止めろ…!止めさせろザイル!ふざけるなァ!!!」

 

 

半ば発狂しながら向かってくるクライムをあしらいながら頭の中で丁寧に情報を組み立て、この大事な場面でうっかり言葉を噛まないように気をつける

 

 

「ま、勝手に喋る。俺の目的は全人類に対して核攻撃を行い人類を滅ぼす、とまではいかなくともガッツリ減らすことにあるが…

実際に核を使うのは俺でもコヤンスカヤでもない」

 

 

特攻してくるクライムを蹴り飛ばし、殴り飛ばし、時には投げ飛ばす

 やれやれ、今思うとよくもまぁこんな執念深い奴と10年も戦ってこれたもんだ

 

 

「コヤンスカヤがロシア軍部から回収した核発射時の情報を元に偽装データを作成、それを今ロシア空軍に送りつけている

ロシアの連中にはアメリカから向かってきている1000発のICBMをレーダーで見ていることだろう

あ。制御室は俺の後ろの部屋だぞ」

 

 

「土方っ!!制御室を破壊しろ!!」

「分かってる!分かっているが…!」

 

 

 クライムが怒鳴り散らすがバーサーカーもコヤンスカヤ相手には強行突破すら難しいようで銃器と銃器による一進一退の攻防が続いていた

 …というよりコヤンスカヤ側が真面目に彼を討ち取るつもりが無く、ここぞという場面で何もしていないだけだが

 

 

「ちなみにフォーリナーの宝具はレーダー上のICBM…1発目の着弾と同時にぶつけさせてもらった

 今頃ロシアは大騒ぎだろう、何せレーダーの情報通りに首都が吹き飛んだんだからな」

 

 

「ふざ、けるな…!どうして世界を滅ぼそうとする!?」

少し泣きが入り始めたクライムにびっくりして噛みそうになるがコヤンスカヤから学んだプロ意識で動揺を抑え込む

 

 

「滅ぼすのは世界じゃない、人間だ。それに残らず絶滅させるつもりも無いし──おっと」

(あー、ザイルさん?)

「分かっている」

 

 

たたんっ

 

 

「──っ!!…あぶっ!?」

通気口から飛び掛かってきた知らない女を受け流し、無防備な背面に向けてかかと落としを浴びせる

 

 

(恨まれてますねぇ)

 やれやれ、ホントにな

 

 

「ただ丁度いいところにやってきてくれた、せっかくだからコイツを使ってお前を説得しよう」

「っ??なに…?」

 

 

困惑するクライムを尻目に、もうすっかり顔馴染みとなったNFFサービスの兵器を呼び出し引き金を引く

呼び出したのはもちろん火炎放射器だ

 

 

「この…!う!?うぎゃああああああっ!!!」

 

 

「『全人類生存権剥奪戦争』がなんの妨害も無く始まった場合、お前の言う通り核戦争が始まる

 撃ち込まれた核弾頭搭載ICBMが作り出した火球は一気に膨張し半径7km内の人間を消し飛ばす

即死しない距離でも半径13km以内の生物はすぐに処置をしなければ危険なレベルの火傷を負う」

 

 

「だれ、だれか!燃え、燃える!焼けるヤケヤケヤケ…!?」

 

 

「NFFサービスが用意した最高品質の火炎放射器でも比較にならないレベルの熱で焼かれ、生き残ったとしても焼けこげた身体というのは蘇生や治療が難しいらしい。それに助かったとしても今度は爆発によってバラ撒かれた放射線と戦うことになる。

…全人類が、だ。」

 

 

「やめろ!!!」

「それはコイツを燃やすのをか?それともこのおしゃべりか?やめてもいいがタイムリミットは残り30秒を切ったぞ?」

 

 

燃え尽きた女の死体を蹴り捨てる

 見捨てるか、受け入れるか、はたまた時間切れか、お前はどうするんだ?

「ひっ、ぐ、うぐ!…っ、令呪!!

 

 

 ん、

「ひじかた…!助けてくれ!許してくれ!おれの代わりに──あぐぅっ!」

 

 

こちらより年上のくせにみっともなく泣き喚く男の顎を蹴り飛ばす

 …やれやれ、それはないだろう?

 

 

「だめだ。いくら強かろうと所詮はサーヴァント、過去の亡霊に選択させるのは許さない」

 …コヤンスカヤ、例のヤツ。

(え、あれギャグとかじゃなくて本気だったんですか?片割れとはいえ本気で彼に?)

 そうだ、クライムが死なないうちに早く渡せ

(むぅ…)

 

 

渋々ながらも了承したコヤンスカヤから片割れの聖杯を受け取り、思い切りクライムの胸部へと埋め込む

「これでよしと…いいか、これは獣が人を駆逐する戦いじゃない、人が人を滅ぼす戦いだ。英霊の助力こそあれども、これは俺とお前の戦いだ…

俺たちだけの──」

「うあっ、ああっ…うう」

 

 

(あーあ、ザイルさんが泣かせた…そういう趣味ですか?)

 ・・・今は茶々を入れるな、バーサーカーを止めておけ

 

 

「──んだ」

「ん?」

「なんなんだ…!お前いったいなんなんだ!?どうしてこんなこと!

確かに俺はお前を殺そうと必死だった!

だが、こんな!こんな仕打ちあんまりだ!!俺は人間なんだ!普通の人間なんだよ!!

答えてくれ!おれはこんな目に遭わなければならないほどの悪人だったのか!!

家族を、仲間を、希望を奪われるべき人間だったのか!!

おれはこれ以上っ…あとどれだけ奪われたら報われるんだ!?

答えてくれェッ!!!」

 

 

殆ど発狂に近い叫び、初めて見せる彼のその表情を見た時…生まれて初めて虹を見た時に似た思いが迫り上がった

 お前もこんな顔をするのか、知らなかったな

 

 

「何か勘違いしてるみたいだがお前が憎くてやってるわけじゃない」

「ほざくな!!憎悪も無くこんなことができてたまるか!?」

「いや、本当に無い。俺は単純にお前を見ていたいだけなんだ」

「──は?」

 

 

 確かに10年前はそういう時期もあった。しかし今は違う

 

 

「もちろん『全人類生存権剥奪戦争』の発動が第一なのは変わっていないが…それとは別に俺はクライム・アルバートという人間を知りたかった

だってそうだろ?10年以上殺し合いを続けてきたのに相手のことをロクに知らないなんて笑い話だ

 

 

 勇者としてのお前じゃない、俺はクライムというただの男の内面を知りたい。他の誰にも見せない仮面の裏を。

だが10年前の米兵虐殺や今回の米軍基地襲撃でもお前が仮面を外すことは無かった。

 それで報復か滅亡かの2択を突きつければ仮面が割れると思ったんだ。…うん、なるほどな。確かにお前は普通の人間だよクライム」

「………は、あ?」

 

 

ビーッ!

 

 

最後の選択肢、その制限時間が過ぎたことを伝える警報が鳴り響く

 

 

「時間切れだ、ロシアからICBMが発射されアメリカ空軍がそれを認識した。じきにここも焼け野原になるだろう

 さてあとやるべきことは1つだ。──お前にサーヴァントはもう必要ない」

「…っ!!?」

 

 

「手加減無用だコヤンスカヤ、サーヴァントバーサーカー…土方歳三をこの場で始末しろ。手段は問わない」

「ようやくですか?かしこまりました〜」

 

 

瞬間、まるで別人と入れ替わったかのように膨れ上がる魔力と威圧感。

 やはり最初から真面目に始末する気は無かったようだ。…それが最も俺にとって都合が良いことを分かった上での選択だろうが。

 

 

「とまあそういう訳ですので、とっとと現世(ココ)から退場してくださいませ♡」

「っ…」

兵器廠で戦闘中の新撰組を呼び寄せられるワケも無く無数のNFFスペシャルの兵器を1人で受ける土方歳三、いくら聖杯による自己修復が備わっているとはいえ再生速度を上回ってしまえば何もできない

 

 

「ひ、土方…」

ミサイル、グレネード、機銃、本来なら戦車や機械化部隊に向けて放たれるそれらが1騎の英霊に向けて集中砲火され、そして──

 

 

「では今度は本気で。」

「ガッ…!」

爆撃で半分吹き飛んだ土方から道端に落ちている小銭を拾うようにコヤンスカヤが聖杯を回収した

 

 

「や、やめろ…!もうやめてくれ…!これ以上俺から奪わないでくれ…!俺の唯一の理解者を奪うのは…!」

「お前のことを理解してる奴ならここに2人いるだろうに」

「ワタクシをカウントするのやめてくださいます???」ハイ、聖杯どうぞ

 

 

コヤンスカヤから受け取ったもう一つの片割れ聖杯をそのままクライムにダンク、10年真っ二つだったままの聖杯はようやく元の形を取り戻した

 

 

「外の新撰組も退去し始めました、これで本当に終わりのようですね」

「よし、それならここでの仕事はもう終わりだ。これより完全撤退、しばらく地上は火の海になるだろうしボーダーに戻るぞ」

「仰せのままに♪」

 

 

『単独顕現 EX』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…うぐ…!」

 どうしてだ、どうしてこんなことになった?

 

 

 ここで終わって良かったはずだ、ザイルを殺して幕を引く…それでクライム・アルバートは終わりで良かったはずなのに

 

 

もう自分を理解する者は居ない、自分を勇者だと認めない者は居ない、ただ1人の男として俺と向き合ってくれた英霊はもう居ない

 

 

「俺は、これからどうすればいいんだ、いつまで続ければいいんだ…!」

「あっ…クライム、さん」

後ろから聞こえた影月 遥の声、だがもうそんなもの耳には入っていない

 

 

『お前はお前が何をすべきか考えろ』

『お前が行けば死なずに済む命もあるだろう』

 

 

 分かってる、分かってるんだそんなことは…ちきしょう…!

「──すぐにここを出る、基地に、戻らないと…」

 

 

 

 

 

〜魔術使い ミラ・ツール 死亡〜

〜バーサーカー 土方歳三 退去〜

〜全人類生存権剥奪戦争 発動〜




コヤンの星5礼装実装を石0で迎えた作者のルルザムートです、ハイ。
というわけでいよいよ全人類生存権剥奪戦争が始まり、人類が築き上げた文化が人類によって一気に破壊されていきます
次回より文化崩壊後の世界を描写、そして真のラストへ向けて…!
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