弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
□□□の心象世界にて…
「場所が変わった…?」
変化の瞬間を認識できなかった…これもこの世界特有のものですかね?
目の前にはまあまあ大きな孤児院のような建物と、周囲に広がる森、遠方には大きな山が見える
ザイルさんの姿も案内人の姿も無し、ですか
「ん…」
ぴちゃぴちゃと、水溜まりを歩いているような足音が綺麗な扉の向こうから聴こえてくる
音の方からは人間の気配は一切しない…が、感じる濃密な血の匂いは孤児院の中で何が起こっているのか察するに充分だった
…かちゃり
扉が開く
教会から出てきた1人の子ども
彼女は全身血塗れだったが、所々赤黒く変色した血痕はその殆どが返り血だと丁寧に教えてくれていた
左目の少し上にあたる額と右目の2箇所からは変色していない、物が映り込みそうな程綺麗な赤が流れ落ちている
困ったように目に入りそうなところだけ腕で拭う彼女は…少なくともコヤンスカヤの目には人として映らなかった
「あれ…?もしかしてコヤンスカヤ…?」
「ええ、あなたのサーヴァント…タマモヴィッチ・コヤンスカヤですよ」
意外そうにこちらを認識する彼女を誘って手を握る
「…少し歩きましょうか」
「うん」
扉の隙間から一瞬見えた殺戮を尻目に、孤児院の敷地内から出ようとしなかった影月 彼方を連れ出した
〜
振り返っても森しか見えなくなったころ、彼方が口を開いた
「そういえば…私の願いって言ってなかったよね」
横を歩く少女に先程見た血塗れの怪物の面影はなく、何処にでも居そうな年頃の女の子が恥ずかしそうに目を逸らしていた
願い…?ああ、聖杯にかける願いですか
…ただしそれはあくまでも外見に限った話、目や額の傷も消えていたが彼女の本質を否定する材料にはならない
「確かに、ザイルさんの願いもアナタの願いもワタクシはまだ知りません」
「…私と
「ええ、まぁ」
クラスはアサシンとなってはいるがコヤンスカヤも一応玉藻の前という自身の元となったオリジナルが居る、契約以前に思うところはあったのだろう
大別すればある意味彼女も
後でお兄ちゃんも呼ぶねと言って彼女は自分の願いについて話し出した
「私はね、神様になりたいんだ」
「…へぇ、そうなんですか?」
あまりにもまっすぐに言う彼方にコヤンスカヤから笑みが漏れる
「笑わないでよ」
「ふふ、すみません」
いつの時代も人間達の誰かが必ず手を伸ばす願い。
浅ましく単純な、昔から成長しない人間を体現した願いの1つ。
もちろんその手の人間は大抵ロクな結末にならないので爆笑ものなのは違い無いがコヤンスカヤが笑う理由は別にあった
「ですがアナタの願いはそれではないでしょう?」
「…分かるんだ」
どこを見るわけでもなくぽやんと視線を泳がせながら彼女は言う
…これまで神に手を伸ばそうとした人間は数えきれない程いましたがその大半は『神』という理解できない力──いえ、理解できない強大な力を『神』もしくは『災厄』と認識し、自分らにとって都合の良い『神』を…その本質を理解しないまま我が物としようとしていました
殆どの人間達にとって神へ手を伸ばす行為はそれ自体が目的であり、終着点だった…しかし彼女は先を見ている。神になった先を。
「今度は笑わないでね」
すう…と深呼吸から少しの沈黙が流れる
木の葉が揺れる音すらなく続く静寂は体感よりずっと短かったと後になって思う。
「──ばけものをにんげんに作り直して…みんなが笑って暮らせる世界をつくること、それが私の願い」
まるで年頃の女の子が好きな異性を打ち明けるような告白で、それが彼女の異質さを目立たせていた
化物を人間に…?…もしや彼女にとっては──
同時にコヤンスカヤもとある疑問点に関して納得がいった
ここに来て最初に戦った影達は紛れもなく人間でした、しかし人間特効とも言える『殺戮技巧(人)』が全く効かなかった…おそらくこの空間に限り『人間が人間として
「うん、合ってるよ。私の世界に居る人間は2人だけ」
もはや当たり前のように彼女はこちらの心を読んで返答を返してくる
「1人はもちろん私のお姉ちゃん…影月 遥。もう1人は──来た」
昼間だというのに奥が全く見えない闇の森から聴こえて来る所々重なった足音。草と土を踏みしめて彼らは姿を現した
「やれやれ
「無意識だよ、ごめん
そんな不思議なやりとりの最中、彼の後ろにあの案内人が居ることに気付いた
「アナタは…」
「余のことは気にしなくて良い、今の余はただの案内人…何も言うことは無い」
ニタニタと気味悪く笑う案内人。あの剣は持っていなかった
「…ここなら自分の
どこから取り出したのか身の丈程もある彼専用対物ライフルに弾を込めながら言う
「──全ての人間を殺し、掃討すること…それが俺の願望──いや、ザイルが1人の人間として立っている理由だ」
「んくっ…!」
彼方とは違った単略的で雑な願望に思わず吹き出しそうになるがなんとか堪える
「…正直こうなるのはもっと先だと思っていたんだがそうも言ってられないらしい」
「うん」
迷うことなく銃口を影月 彼方へと向け、また彼女もいつの間にかその手に握っていたあの剣を構える
「ん?まさかお2人は今から殺し合いでも始まるので?」
まー誰がどう見てもその通りなんですが。
「見て分かるだろう、丁度いいからコヤンスカヤ…だったか?お前も俺か彼方に手を貸せ、どちらかが死ななきゃ外の奴は死ぬ」
ドンッ
直後飛び退くザイルと一歩遅れて彼の立っていた場所に突き刺さるあの剣
「やれやれ、話をしている最中だ」
「私が話すことはもう何も無いから、だからもう消えて?ね?」
剣を引き抜き、彼方がザイルと対峙する
「んー」
このままほっといても終わりそうな気はしますが…だからと言ってどちらか片方が消えるというのもよろしくありません。
「案内人さん?外の出血を止めるにはどちらか消えなければならないというのは本当で?」
「む?ああそうさな、本来はあの男の自我の方が強いのだが何かが原因で彼方の方が男の自我を上回ろうとしている、その結果が外の異変だからなぁ」
つまり外の出血は2つの人格による肉体の奪い合いで起こっている訳ですか…
…
…ぷっ
「っあっははははは!」
以前映画を見に行った時のような笑いがお腹の底から湧き上がり、お2人がそれを過言そうに見つめてくる
いえまぁこれはワタクシだから思い付けただけであって仕方ないと言えば仕方ないのですが。
「いえ、お2人が殺し合わずに済む方法があるんですがねぇ?」
「本当(か)!?」
弾かれたように叫ぶ2人に若干引きつつもとりあえず説明する
うっわ、食い付きっぷりがハンパじゃないですねコレ…ま、その方がやり甲斐はありますが♡
「まぁまぁ、順を追って説明致します…ところで皆様はサーヴァントには7つの基本クラスの他にエクストラクラスと呼ばれるものがあるのはご存知ですか?」
それがなんの関係がある?とザイルがこちらを睨み、彼方は頭を捻ってなにかを考えている
…面倒なんで答え言いますかね
「色々ありますよ?『
「『
闇コヤンの尻尾に溺れてアイルビーバックしたい作者のルルザムートです、ハイ。
ウーン、コレジャナイ感ががが
先で頑張るか…