弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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諸事情で遅くなりましたが第3話です、どうぞ


第3話 聖杯戦争における1回目の戦い

鋳物工場改めウルフルズアジトにて…

 

 

「…よし」

普段から持ち歩く対物ライフルも、今回は置いていく。

一応分解、折り畳みすれば持っていけるが街中で使うメリットは無い

ナイフとハンドガンという最低限の装備だけ持っていく

 

 

サーヴァント相手にこんな物役に立ちはしないだろうが…まぁ敵マスターの頭を撃ち抜く分には問題ない、あとは…閃光弾とリモコン爆弾も持っていくか

「…それにしても遅い」

着替えに行ったコヤンスカヤがまだ戻ってこない、パスと発信機のお陰で隣の部屋にいるのは分かるが…

 

 

「なにをしているんだ…」

召喚した際のコヤンスカヤの格好…ルパン3世の峰不二子にでも影響されたようなあのライダースーツの格好で外へ連れていくわけには行かない、目立つというのもあるが…

 

 

ん、

コンコンとノックの音と、ここ最近よく聞く部下の声がした

「入れ」

「失礼いたしますボス!…?あの…」

「コヤンスカヤならこの部屋には居ない」

 

 

「え、あ、その…何故分かったんですか?」

呆気に取られる部下…バルンに思わず頭を抱える

「こう休みがとれるたびにやって来ていればイヤでも分かる」

そうこれだ、俺の知らない間に組織の中でコヤンスカヤファンクラブという意味の分からんグループが出来上がっている。

 

 

コヤンスカヤは外見だけで言えば絶世の美女だ。その上ですれ違った団員全員に対し、胸焼けするような笑顔で自己紹介をする。『お初にお目にかかります⭐︎ワタクシはコヤンスカヤ、この度ザイル様に雇われました使用人です⭐︎以後お見知り置きを♡』という意味のわからない挨拶をあの痴女丸出しの格好でな

…ちなみに今俺の目の前にいるコイツがファンクラブ会長らしい

 

 

「そう、ですか…あはは…」

「…」

とはいえ仕事に支障は無い、それどころかファンクラブ会員を中心に団員の士気が上がり、結果として仕事効率が上がっている、だからこそファンクラブを解散させろとは言えない、士気に関わるからな…

 

 

霊体化させることも考えたがコヤンスカヤは少々特殊なサーヴァントらしく、霊体化できないと言っていた、耳と尻尾は隠せるようだが…もちろん奴の言ったことだ、本当は出来るかもしれないが確かめようも無い。

面倒なことだ…

 

 

「で、では私はこれで…」

「ん、待て」

バルンの右手に一瞬気になるものが見え、そそくさとバツが悪そうに部屋を出て行く彼の左手を掴む

 

 

「ボス?」

「…その右手の包帯、どうした?」

「え?ああ、これは先日の戦闘で少し負傷してしまいまして…」

「見せてもらうぞ」

 

 

まさかとは思うが万が一のこともある、若干嫌な顔をするバルンを無視して包帯を取ると…

「…ボス?」

…!

 

 

…痛々しい火傷を負ったバルンの右手が露わになる

あー…少し過敏になり過ぎたか

「いや、すまなかった…俺の勘違いだ、ホラ変わりの包帯だ」

 

 

「…?はぁ、ありがとうございます…?」

狐につままれたような顔をしたバルンはそのまま部屋の外へ。…そうだ、狐といえば──

 

 

「おいコヤンスカヤ、まだか?」

「乙女の身だしなみに焦りはNGですよ?ですが丁度終わりました♡」

小部屋から上機嫌で出てくるコヤンスカヤ、格好は…なんだ?あー…金持ちのボンボンみたいな…

「やれやれ…」

まぁあのライダースーツよりはマシだろう、と半ば諦める

 

 

というか時間がかかりすぎだ。本当に勘弁してほしい、何故着替えだけで小一時間もかかるのか…

「あ!今『何故着替えだけで小一時間もかかるのか』とか思いましたね!?」

ああそうだな、何故だ?と聞こうとしてやめた、聞いたところでまた無駄に時間を使うだけだと思ったからだ

 

 

「…着替えたのならさっさと行くぞ」

「図星!図星ですね!あなたって以外と分かりやす──ピギャーッ!?」

透明になっている尻尾をがっしり掴み、机の上のスタンガンをそれに押し当てた

 

 

「わ、ワタクシのふわふわもふもふのしっぽがこんなトゲトゲに…こんなのパワハラです…!うっうっ…」

「…次無駄な時間を使わせたらその尻尾に火を付ける、いいな?」

透明で見えんが…くしゃくしゃになった尻尾が数秒で元に戻るのは着替えを指示した時に確認済み、スタンガンのダメージも入っていない、無視でいいだろう

 

 

こうして涙目になり、静かになったコヤンスカヤを連れてアジトの外へ

「はぁ…それで、どちらへ向かうのです?」

「ナショナル・ギャラリーという美術館だ、そこに義手の開発者がいる」

コヤンスカヤと共に俺は美術館を目指した

 

 

その、途中──

 

 

「いきなり、か…」

付近に感じる今まで感じたことのない魔力──いや、神秘の気配というべきか?…恐らくこれが切嗣の言っていた『サーヴァントの気配』だろう

戦場で遭遇した魔術師と似たような気配だが濃さは段違いだ、まともにやり合えばまず負けると考えていいだろう

 

 

「おや?どうされましたかマスター?」

その声に振り向いた時に一瞬、ほんの一瞬だがコヤンスカヤの嫌な笑みを見た気がする…いや、実際には笑っていないのだろうがその態度がそう見せる

 

 

「どうもしない、無駄口を叩かないで黙って歩け」

「はーい♡」

恐らくコヤンスカヤは分かっている、近くにサーヴァントがいる事が──とすると面倒だ、サーヴァント(コヤンスカヤ)が探知できるというのなら向こうのサーヴァントもこちらに気付いていると見ていいだろう

 

 

「…」

美術館へと続くそこまで人の居ない大通りを歩きながら思考を巡らせる

 

 

あと確認することはマスターと行動を共にしているかどうか、この一点だ。それさえ分かればやるべき事が明確になる。逃げるか、排除するか…

「やれやれ…」

 

 

サーヴァントの気配は離れていない、間違いなく追ってきている

…やるか

近くの売店に入り、缶コーヒーを2本購入してすぐに外へ

 

 

「あら?もしかしてワタクシの分も?ありがとうございます♡」

何か言っているコヤンスカヤを無視し、店を出ると同時にフタを開けて缶コーヒーを1本飲み干す

あー…苦いな、缶の紅茶でも有れば良かったんだが

 

 

だが無いものは仕方ないと割り切り、空になった缶の中に10セント硬貨とレシート、店の壁に貼り付いていた『ソレ』をねじ込み、そのままポイ捨てする

「うわぁ…何やってるんです?」

「今に分かる、さて…」

 

 

今度は後ろから見えないように2本目の缶コーヒーを開け、そのまま飲み干す

え、2本目飲むんですか?ちょっとヒドくないですかソレは…ワタクシの分は…?とか聞こえるが当然無視…さて、ここで分岐点だ。音は…

 

 

「…」

 

 

「…」

歩きながら耳を澄ませる、そして──

 

 

「…」

カランッ…

…!よし。

 

 

確定だ、後ろにはサーヴァントとそのマスターが付いてきている

後は仕上げだな…

近くの角を曲がり、俺はそのままホームレス達がたむろしている路地裏へと入った…

 

 

数分前、ランサーのマスター視点

 

 

「やめた方がいいと思うけどなァ」

「大丈夫でしょ、こっちは敵のサーヴァントの位置も分かってるわ!追いかけるわよ!」

気乗りしないランサーを強引に説得し、先程見つけたサーヴァントとマスターらしき人物を追う

 

 

(やっこ)さん達もオジサン達が追いかけてきてるの分かってるんじゃないかな…?オジサンがあのピンク髪のねーちゃんをサーヴァントだって分かるように向こうも…多分さ」

「大丈夫よ、一度でも顔を見られた?」

「…そんなの分かりっこないでしょ」

 

 

まーそうなんだけど…

正直なところ万が一、向こうがサーヴァントをけしかけてきてもランサーが居るから安心している、というのはある。

 

 

何せ私が召喚したのはあのアキレウス相手に延々時間稼ぎが出来るような大英雄だ。倒すことは出来なくても不意打ちは効かない、と本人も言ってくれてるし最悪危なくなったら令呪を使ってここから離脱させて貰えばいい。逃走を考えるのは敵サーヴァントの姿が消えた時だ

 

 

「まーオジサンが守りに入る以上、相手がアサシンだろうと指一本触れさせないって自信はあるんだが…それでもなァ」

「しっ!…コンビニに入ってったわ」

追っていた2人がコンビニに入って行…ったかと思うと割とすぐ出てきた、手に持っているのは…缶コーヒーが2つ?

 

 

ということは買い物した方…男の方がマスター?いやいや、そう思わせる作戦なのかも…おっ?

「あーあ、悪い大人ね!」

男の方が缶コーヒーを飲むや否や空になった缶に何か…レシートみたいなものが見えたから多分ゴミ、を入れてそのままポイ捨てしてしまった!

 

 

「あーいうふうにはなりたくないわね…じゃああの缶を回収しましょう」

こんな形で敵マスターの痕跡が手に入るとは…

「待ちなって、ソレ罠だったりするかもしれないしオジサンが貰うよ」

「ランサー?流石に私もバカじゃ無いわ、それくらい警戒してるわよ?」

 

 

その空き缶には魔力反応は一切感じられない、例え超一級のキャスターのサーヴァントが細工をしたとしても魔術で触れた以上神秘の痕跡は残るものだ。それが無いと言うことは文字通りただのゴミなんだろう

持ち上げるとカランと変な音が缶の中から聞こえた

 

 

「ほら、なんか入ってるよ、悪いこと言わないからそのまま捨てよ?な?」

「もー、心配症ね」

中からは何も感じない、魔力、呪力、生き物の気配、何一つ。

 

 

だから後悔した、軽い気持ちで缶をひっくり返したことを。

「さーて何を捨てたのかしら?えーと…レシートと…うん?10セント硬貨?音はこれだったのかしら?まだ入ってるわね…うーんと…取りづらいな、何だコレ──」

 

 

レシートと10セント硬貨に続いて3つ目のものがポトッと靴の上に落ちる

…ってコレ!

「ゴキ○リ!!?きゃっ!!」

 

 

慌てて振り落として後退り!

「んー、コレただの死骸だな、パッと見た感じ特になんにも無さそうだが…うん、普通に悪質だなァ」

 

 

躊躇なくつまみ上げるランサーに尊敬の念を抱きつつ、あたりを見回す

「あいつらは…?」

「それならさっきそこの路地裏に入って行ったが…マスター、やっぱり止めよう、こりゃ警告だぜ多分。」

 

 

警告かぁ…うーん

「いや追いかけるわ、ここで退散したら○キブリ如きにビビって逃げ出すへっぽこマスターだと思われるし!」

「いやオジサンとしてはむしろそういう風に見られるなら好都合だと思うんだが…ハァ、まぁいいか…だが俺から離れるなよ」

「分かってるわよ」

 

 

サーヴァントの気配はまあまあな速度…早足程度のスピードで私たちから離れて行ってる。キャスターでも無い限りこんな遠距離での攻撃なんて無いだろうし、そもそもキャスターのサーヴァントなら表には出てこない。

アーチャーのマスターとは既に同盟を結んでいて今は休戦状態だ、攻撃の心配は無い…それを分かった上でランサーも許してくれたんだろう

 

 

などと思いつつ路地裏へ入る、そこに敵マスターは当然居なかったが──

「…ちょっと、何ガン飛ばして来てるのよ…?」

浮浪者…5.6人のホームレスが向かって左側の壁に固まってじっと私を見てきている…

 

 

あー、ね?私も一応ちゃんと(多分ある程度は)歴史のある魔術師の家系で育ってるけど別段裕福ってワケでも無いからさ、そういう目で見られても…

なんとなく見づらくなってホームレスから視線を逸らしても彼らはじっと見てくる

い、居心地悪い…

 

 

「なぁ君たち、オジサンの連れが困ってるからそういうのはやめてくれないかな?」

察したランサーが間に入って注意してくれたがホームレス達は止める気配が無いのでランサーの陰に隠れながら路地裏を進む

 

 

「はぁー…なんだか腹立ってきたわ…」

まだ何も始まっていないというのにゴキ○リ至近距離で見ちゃうわホームレスに見つめられるわ…

ホームレスと少しゴタゴタしていたせいで敵サーヴァントの気配はさらに離れてしまっていた

 

 

「なぁ、マスタ〜」

「分かってるわよ…」

これは追い付けないわね、走るのは目立つし…

 

 

「しょうがない、今日は帰るわよランサー」

「最初からそうすりゃ良かったんだよなァ」

ランサーの独り言を聞き流し、ため息をつく

 

 

「ハァ…あー、もう!初っ端からこんなのなんて嫌んなっちゃうわよ!」

ホームレスがたむろしている壁とは反対側の壁付近にあった空き缶をイラつきを紛わすために思いっきり蹴飛ばした

 

 

──その、瞬間だった

「え」

ボテリと背中が地面につく

あれ、なんで、私、倒れた、の?

なんだか煙も、上がってるし…

 

 

「──!────!」

立ち登る煙を見上げる私、それを覗き込んで何か叫んでるランサーの顔が見える

「ランサー、どうしたの?よく、聞こえないわよ、何故だか、分からないけど、耳がキーンって、なっちゃって、なにも──」

 

 

ともかく起きあがろうとしたが…足に力が入らなかった、いや──

「──ーあ」

力を入れる足が無くなっていた(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

ザイルサイド

 

 

「おや?」

「…よし」

さっきの路地裏の方から爆発音が聞こえたのを確認し、張り詰めた気を少しだけ落ち着かせる

 

 

 

「さっき空き缶に入れたリモコン爆弾ですか?」

「正確に言うなら衝撃や物体を感知して爆発する地雷だ。一応遠隔操作できるが…」

 

 

「ふむ、ゴミも使いようですねぇ」

「ああ、人間イラついてると物に当たるヤツは多い、それがプライドの高い奴なら尚更な」

魔術師の連中はどうも強いやつほど魔術に対して誇りとかそういうものが高い傾向にあるようだ。切嗣の話にあったエルメロイみたいな奴がわんさか居るという感じだろう…ここまでカンタンに引っかかるとは思っていなかったが。

 

 

「1つ目の缶の中にコインを入れて拾われるかどうか音で確認…まぁサーヴァントは余程物好きで無い限り空き缶なんて拾いませんし、マスターの存在を確認するにはいい方法だったかと、そして虫の死骸も入れて挑発、次に物乞いへ金を渡して命令…その物乞いから離れるように移動すると足元には爆弾入りの空き缶…ワタクシが言うのもアレですが貴方中々な性格してますねぇ」あの坊主とは気が合いそうですが。

 

 

「ただ人間について知っているだけだ。性格は関係ない、アジトに戻るぞ」

「おや?義手の開発者とやらに会いに行かれるのでは?」

「…しばらくはアジトで様子見だ、まさかいきなり敵に遭遇するとは思わなかったからな」

 

 

爆発現場には既にウルフルズ団員を2人派遣し、15秒ごとに状況報告をさせている。最新の報告は『右手の甲に赤い刺青を入れた女性の両足が消し飛んだ』とのことだ、マスターなのはほぼほぼ間違いないだろうが…確認すべきはその後だ、そのまま死ぬのか…もしくは蘇生するのか、知る必要がある。

死ぬのならそれでいい、だが蘇生できるとなるとやる事が一気に増える。

 

 

「数日様子を見るぞ」

「ええ、分かりましたマスター♡」

「…やれやれ」

常にこうありたいもんだな…

 

 

この聖杯戦争にて経験した1度目の戦闘は…敵の顔すら知ることなく終了した

 

 

…残り5名…?




2部6章をクリアして感動している作者のルルザムートです、ハイ。
まず投稿が遅れてしまい申し訳ありません。言い訳になってしまうのですが少し体調を崩しておりまして休んでいました。今はもうかなり回復しましたので以前のスピードに戻る時思います。ヘタクソなりに書かせていただきますのでよろしくお願いします
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