弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
愛玩の檻にて…
ダンダンダンッ
「ッグ…!」
「ええと、今何回目でしたっけ?」
まともに残っている建築物など殆ど無い、いわば崩壊した街…と言われても納得してしまえるような光景をさらに破壊しながら殺し合う2つの影
「もうすぐ3桁でしょうか…でもその甲斐あってようやく銃の扱いが様になってきましたねぇ?」
事業や商品についてプレゼンするのは得意ですがそれは誰かに物を教える、とはまた別のスキル…
「──まだ立ち回りがちょっとだけ甘いですが♡」
硫酸を詰め込んだグレネードランチャー弾をアンダーバレルへ装填し、今にも崩れそうな鉄骨の根本へカービンライフル(H&K HK416)を連射して撃ち落とし、退路を塞ぐ
「ゼェッ…ゼェッ…ク…!」
「はいそこ」
反対方向へ逃れようとする彼の進路へ硫酸弾を撃ち込み、彼の左半身を焼く
「あ"…!?〜〜ッ!!」
命中を確認し、距離を縮めながらカービンライフルからサバイバルナイフへと変更
こういう先生系はワタクシの分野ではありませんが…ザイルさんが本気で人類を根絶やしにするというのなら普通の人類だけでなく、サーヴァントや魔術師も相手にしていくことになります。
しかしそれを目指す上で今の彼の戦闘スキルは致命的です、その時はダヴィンチさんの義手のバフも無くなるでしょうし
「オ、オオおおあ!!!」
ザイルは焼けた左手から持ち替えることなくリボルバーを構えるも、一瞬姿勢を下げてから繰り出されたコヤンスカヤの蹴りがそれを吹き飛ばす
そして──
グスッ…
「あ"……」
「はい、これで通算…いくつでしたっけ?…あ、137回目?もうけっこー死んでますねぇ♡」
深々と腹部に突き刺さったサバイバルナイフからじんわりと赤い染みが広がっていく様子と周囲に散乱する彼の死体を恍惚とした表情で見渡しながらナイフを抜く
「さてザイルさん、今回の反省点はどこに──」
「ぐ、あ"ア"、あ…」
「…ってもう喋れる程の理性が残ってませんか」
まぁこんだけ死んでて今まで持っただけで充分化け物なんですけど
「残り時間は30分と少しですが…獣堕ちの方が少しだけ早かったですかねぇ」
ホントーに残念ですが彼の身柄はワタクシが預かって──
「ガアッ!」
…!?
彼の首に突き刺さるナイフ、だがそれはコヤンスカヤの持っているサバイバルナイフではなく、ザイルの持つコンバットナイフだった
「自分の首を…!?「ハッ…やれやれ」
!!後ろに──
ボンッ
押し当てられた鉄の感触、反射で無理矢理避けると同時に対物ライフル、M82の銃弾が目のすぐ横を掠める
「ゼェッ!ゼェ…!しツ…こい、な…」
「ちょ、演技ですかさっきの?化け物も大概じゃありません?」ワタクシは大歓迎ですが。
ていうか自分にトドメを刺してリスポーン早めるとか、さらっとムチャクチャしてますし…
とはいえ流石の彼も息が上がってきている
この世界において肉体的疲労は存在しない、あるのは死ぬたびに侵食する恐怖、それによる精神の消耗
意思というか執念というか…
「…義手の、補助が無くなって、初メて…痛感した…そして、今理解した──俺の取り柄は戦闘能力でも、対魔術師の知識でも、無イ…報復心から来る、執念、だけだ」
「へぇ…?」
心なしか──いえ間違い無い…
愛玩の檻から染み込む恐怖に彼の精神は擦り切れる寸前。コヤンスカヤの目から見てそれは間違い無く、ザイル自身もそれには気が付いている
──だというのに
檻に招く前…ザイルにも彼方にもなりきれていなかったあの人間はここにいない
彼の精神だけを招いた結果でしょうか?まぁそれも要因の一つではありましょうが…
「ふふっ」
2丁のサブマシンガン(スコーピオン)を展開し、左右から薙ぎ払うように前方に掃射、ザイルの逃げ道を塞ぐ──が。
「ッ…!!」
彼は銃弾を受けるのも構わず強引に距離を縮め、ナイフを振るう
「っと!?」
「ハ、ア"!!」
間一髪、首筋狙いの一撃は回避したが彼の猛攻は止まらない
「逃がすか…!」
…!
リボルバーの発射音と右脹脛に感じる痛み。
撃たれた──
演習という名の虐殺の、お決まりだった流れがそこで変わった
「ゴホッ…く、ッッ!」
胸から血を流して崩れ落ちるザイルだったが、倒れ込む前にリボルバーの銃口を自身の頭部に押し付け──
ダンッ
自ら138回目の命を絶つ
「ちょ──」
「ルゥアアア"ア"!!!」
瞬き程の合間も無く真横から振られるナイフ、それをコヤンスカヤは避けきれず──左目を失った
「くっ…と、ホント、ムチャクチャしやがりますねぇ…!」
外の本体から分けられた分身とはいえ彼女は正真正銘、コヤンスカヤ。普段の彼女なら『たかが人間に』ここまでされては黙っていられないだろう、しかし──
「ふ、うふふふ…」
彼女はそんな屈辱も忘れる程に、笑いが込み上げて来ていた
──見たい
「恐怖ゴときに、止まっている暇は無い…!」
コンバットナイフとサバイバルナイフが相手の喉元をかき切ろうとして何度もぶつかり、わずかに火花が散る
檻の恐怖すら跳ね除ける彼の、人間への殺意、報復心…
「ふっふふ!人間如きが生意気言うではありませんか!!」
コンバットナイフをすり抜け、コヤンスカヤのサバイバルナイフが彼の手首に深々と突き刺さる
それが彼の生きる意味、人間を殺し尽くすことが彼の生きる理由
「うぐっ!!」
ほんの一瞬丸腰になった彼の頭の後ろに両手を回し、
「っしょっと」
水道の蛇口を捻るように首を折る
「ふー、久しぶりにこんな技使いましボゥンッ
…まったく、ホントにもう。
首のねじ曲がった死体の影から響く対物ライフル(M82)の発射音、そしてコヤンスカヤの腹部に広がる赤い染み
もし彼が人類を殺し尽くす、という悲願を達成した時…彼は何を理由に?何を動機に?何を求めて生きていくのでしょうか?
ぐらりとバランスを失う身体へ、死体の影から現れた140人目の彼は眉一つ動かさずライフルの銃口をこちらへ向ける
「お前のおかげで俺は俺としてなり得そうだ、感謝する」
嫌味や嫌悪など微塵も無く、ただ感謝の感情だけが伝わってくる
何を今更感謝など、それをするのはこちらの方ですわ
契約当初は暇潰しのオモチャとしか見ていなかったマスター、グランドアーチャーとの戦いで恩を返すべき相手になった人間、そして今──
全てを終わらせた後の貴方はきっと自身の意味を無くして絶望するのでしょう、泣き喚くのか気が狂うのか抜け殻になるのかは分かりませんが…
見たい、愛玩の檻の恐怖にも屈しなかった意思が自分自身の矛盾によって崩れ堕ちるその様を。
「で、
「ええもちろん!ワタクシはこの空間の鍵でありただの分身…本体にはなんら影響はございません♡」ささ、サクッと殺っちゃって下さい♪
それも1度や2度じゃ満足できそうもない、何度も見てみたい。お気に入りの映画を巻き戻すように、ビデオカメラに残した思い出のように、何度も見てみたい
「…なら良い、外でまた会おう。それとこんなマネはこれっきりだ」分身でもお前を殺すのは気が引けるからな
そんなことを言っておきながら引き金に掛かる力、それがなんの躊躇いも無い事が彼の性格を表しているようで、また自分に向けられた信頼の形の1つに見えた
──
胸に風穴が空き、分身としての存在を保てなくなっていく
──ああ、そうでした
最後に1つ、分身としてやらねばならないことが増えた
──よし、あとは本体が回収するでしょう
感情の保存、本体がここで何があったのか知るための記録。消え去る数秒前、分身の彼女は驚くべき速さでそれを空間に保存した
「ふふ…では…また後で」
「…ああ」
ね、ザイルさん…このワタクシは分身ですので本体を無視して言い切るのは気が引けますが…それでも言わせてもらいます
NFFサービス代表として、女として、神として、宣言します。
「もう絶対に
〜
コヤンスカヤが所持する戦艦内、医療施設にて…
「やれやれ、終わりか」
「ええ、終わりです。」まさかホントに勝つとは思ってませんでしたが。
カプセル越しにコヤンスカヤが呆れたように言う
…こいつはちゃんと本体だな
「戻ってきていたのか」
「ええ、ついさっき。…傷の具合はどうですか?」
「多少痛みはあるが無視しても問題無いレベルだ、身体の稼働に異常は無い」そっちはどうだ?
「準備は済ませました、あとは殴り込むだけですよザイルさん♪」
「そうか…いや、待て」
そういえば何をするのかまだ聞いていないという事実を思い出し、問い詰める
残り12時間と少しで影月 彼方の問題を解決するワケだが一体どうするつもりだ…?
「それは移動しながらおいおいと、情報収集や仕込みをやったとはいえ残り12時間で目的の敵と会敵しなければ全てパーなので。」ま、ワタクシ達が街に出れば向こうからやってくるとは思いますが。
向こうから…?
「では隣の更衣室に新しい装備を用意しておきましたのでお使い下さい♪」ワタクシはちょっと檻に用があるので…
すぐ戻りますね〜♪と言って消えるコヤンスカヤ
…ここに突っ立っていても仕方ない、更衣室で支度するか
決戦の時はすぐ近くに。
PSPとFateextra &extra cccを買うだけで5マン吹き飛んで衝撃を受けている作者のルルザムートです、ハイ。
期間が空いて申し訳ありません、そして資格試験の勉強をしなくてはいけないのでまたしばらく間隔が空くと思われます。失踪だけはしないのでその点はご安心ください。