弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
L地区 スイーツ専門店にて…
「ん〜美味♪」シャクシャク
「ああ、美味いな」ガツガツガツガツ
時計は午後3時ちょうど。愛玩の檻から出て1時間弱、俺はコヤンスカヤと共に以前来たスイーツ専門店に来ていた
「で?ただスイーツ食いにきただけじゃないだろ」ガツガツガツガツ
「相変わらず食いっぷりいいですねぇ…ま、普通に話すことでも無いですし」
(ここからは念話で話すと致しましょうか)
分かった
無くなったストロベリーパフェの2杯目を注文しつつ、コヤンスカヤの話に意識を集中する
(…まさかパフェが生きがいとか言い出しませんよね…?)
「は?」
どういう、意味だ?
(失礼、こちらの話ですわ。ええー、今からやることですが…ぶっちゃけ夜中になるまでやることはありません)
これ以上勿体ぶらなくていい、残る時間で何をする?
いい加減に教えろ、と手元のフォークを軽く指で弾いて彼女に催促する
(まー言ってしまえばあのゴリラ…グランドアーチャーを排除します。…あ、グランドクラスについての説明は必要ですか?)
頼む
グランドクラス…大層な名前から大きな障害になりそうなのは目に見えるがその詳細を全くと言っていいほど俺は知らない
(かしこまりました!まずグランドクラスのサーヴァントを説明するにあたって通常のサーヴァントについての説明をさせていただきます
ここで言う通常のサーヴァントとは個人に召喚され、万能の願望機である聖杯を勝ち取るためにマスターと共に聖杯戦争で戦う英霊を指しますが厳密にはこれが基礎ではありません)
「お待たせしました、ストームストロベリーです!」
「置いといてくれ」
「そんなに食べると豚に…アナタはなりませんね」
「ああ」
どうせ人類を滅ぼしたら食えなくなるんだ、今のうちに食っておく。で、続きは?
(スイーツの何がアナタをそこまで…コホン、英霊というものは個人に召喚できるようなものではなくこれまで戦ってきたサーヴァントは皆、個人が制御できるように型落ちした者です。
型落ちしていない原型…つまりグランドクラスは決戦魔術『降霊儀式・英霊召喚』というものによって抑止力に召喚されます。
まー条件さえ整っていれば人為的に呼び出せるという例外はありますが)
抑止力?
(ええと人間を護るアラヤと世界を護ろうとするガイアというものがありまして…ここを説明すると日が暮れてしまいますので人類or世界の滅亡を阻止しようとするこの星の意思だとお考えください)
星…地球が生きているとでも?
流石にバカらしくなりパフェを食べる手が止まるが『概ね正解ですね』と真剣な表情をするコヤンスカヤを見て無理矢理納得する
(で、ここからが本題ですがグランドクラスが召喚される条件として『人類or世界の滅亡が迫っている』ことが挙げられます。
今回の場合は滅亡の危険のある…いいえ、ほっとけば滅亡確定の災害、ビーストを排除するためにあのゴリラが召喚されました)
「…」
パフェはまだ4分の1も食べていなかったが彼女の話を聞くうちに自然と手が止まる
「…やれやれ」
召喚された時から世界を滅ぼす気だった、ということか?
(失礼な!ワタクシ、世界を滅ぼす気なんてサラサラありません!ただちょーっとだけ人類の皆様『で』遊びたいだけでしてぇ…ああ、そういえば
「敏腕美人秘書タマモヴィッチ・コヤンスカヤ改め、どこまで行っても
ギシッ…
…っ!
そう言ってニンマリと微笑んだ彼女に一瞬見えたもの。人で言う白目の部分は真っ黒に塗りつぶされ、ナイフで縦に裂いたような金色の瞳が2つ、その黒の中で不気味に浮かびあがって俺を見た
檻の中で感じた侵食していく恐怖とは違う、それはまるで『得体の知れない何か』から必死に逃げて個室に入り、唯一の扉に何重もの鍵をかけて閉じこもった後、不意に背中から首元へぬるりと手を回されたような悪寒。
「っ………喋るな」
それを強引に振り払い、舌打ちして誤魔化しながら彼女を黙らせる
(おおっとこれは失礼いたしました!ですが自己紹介くらいキチンと声に出して行いたかったものでして、お許しくださいご主人様♡)
「やれやれ…」
趣味の悪さはここから来てるのか──いや、お前の話はもういい、グランドクラスについての説明を再開しろ
(そのように♪…えー基本的に派遣されたグランドクラス、冠位サーヴァントは絶対に問題を解決できる数値で現界します)
解決できる数値…どういう意味だ?
言葉の意味が理解できず、パフェを食べながら説明を促す
(よーするに問題に対して最も適任な
今回で言うとあのゴリラ…オリオンは伝承によれば生前『我が矢に仕留められない獣は無い』と豪語しており、またそれに見合った英雄でした
もちろんワタクシは獣として分類されますし、なによりワタクシの形成元の1つである玉藻の前は破魔の矢で討たれた伝承が残っています。
ええ、控えめに言って相性サイアクです
結果としてワタクシはあの夜彼の矢…おそらく対獣に特化した宝具を受けて大幅に弱体化し、今もなおそれが癒えていません)
「やれやれ…」
再びパフェを食べる手が止まる
確かに相性が悪い、英霊にとって伝承が能力の全て。長所にも短所にもなりえることは以前切嗣から聞いていたからそちらの方には驚きはしない、驚いたのはむしろこっち──
玉藻の前が元…つまり玉藻の前本人では無いがそれに近い存在、か。
正直バイクに乗って銃火器を振り回すコイツのどこに大妖怪の要素があるのかと聞きたいがそれを質問するのは今じゃなくていい、続きを促すべきだが…
「…しかし」
「ザイルさん?」
俺でも知っている大妖怪の玉藻御前、中国では妲妃とも呼ばれ、恐れられた超大物…それを元にして何故ここまでピンク一色にフザけ倒した性格破綻者が出来上がったんだ…?
「あはは、それ以上バカなこと考えるおつもりなら蜂の巣になるか愛玩動物になるか選んでもらわないといけなくなりますけどどうされます?」
「分かった、分かったからやめろ…やれやれ」
続きを頼む、と残り少ないパフェをかきこみながら言う
(…ま、いいでしょう。で、今回の目的はあのゴリラを消してワタクシの弱体化を解くこと、これになります)
おいコヤンスカヤ──
(分かっています、約束の時間は明日の午前2時ごろ…それまでにワタクシの権能を全て取り戻せば彼方さんの問題は解決できます)
ぶっちゃけ万全の状態ならあの場で解決もできたんですが。と新しく注文したであろうコーヒーを飲みながら彼女は言う
「…そうか」
ならいい、で?どうやって戦う?
「これを」
チャリ…とコヤンスカヤから渡された3つのアンプル、どうやら刺すだけで簡単に注射が行える新型の注射器らしい
なんだこれは?
(中にはサソリの毒がウンザリするほど詰まってますのでウッカリ割らないようお気をつけを。早い話があのゴリラ、弱点の一つがそれです。
ワタクシも同じものを持ってますので隙を見て打ち込めれば大幅な弱体化は間違い無い、と思っていいでしょう。
もちろんサーヴァント相手なのでそんな隙は多いとは言えませんがワタクシの存在によりザイルさんがノーマークになる瞬間がどこかで必ず来ます)
…分かった
(恐らく冠位の資格はもう持ち合わせていないでしょうが脅威の存在であることには変わりありません…ま、逆に言えば──)
「それさえ消えればもう人類は終わりも同然ですけど♡」
「……だといいがな」
「さ、マジメな話はここまでにして!夜まで時間がありますしぃ…デートでもしません?」
やれやれ、こんな時にコイツは…
「夜どこに行けばいいのか把握しているのか?」
「W地区の中央公園、午前0時ちょうど…となっておりますわ」
「分かった」
…いや、いいか。仕事抜きでコヤンスカヤと過ごすのも悪くないだろう
自分自身心境の変化に驚きながらも、それを受け入れて席を立つ
「決戦前の最後の息抜きだ。…映画でも観に行くか?」
「おお…娯楽の『ご』の字も無かったザイルさんが…ちょっと気持ち悪いですけど映画を観に行くのには賛成です!行きましょう♡」
嬉しそうにコヤンスカヤが指を鳴らし、即座に俺と彼女の服が休暇の時に着ていた服に切り替わる
「行くぞ」
「はいただいま♡」
その後は日が落ちるまで彼女と休暇の時のような時間を過ごすことになった、もちろん映画館以外にも様々なところを回ったが──
やれやれ…映画はともかく、服屋はもう行きたくないな…
〜
時間は流れ午後10時過ぎ…
J地区 米陸軍駐屯地 中央司令室にて…
陸軍駐屯地中央司令室…同建物にある対テロ特別捜査本部とは違い、普段静かなことが当たり前の室内は誰が何を言っているのか聞き取れないほど慌ただしくなっていた。
…そしてそれは停電によるものだけでは無かった
「クライム隊長ダメです、見つかりません!」
「捜索隊をもっと出せ!絶対に見つけろ!」
…くそ、甘かった!まさかあの傷で出て行くとは…!
──集中治療室にて寝たきりだったハル・マトンが失踪したのである
Fate extraで真っ先に玉藻を選んだ作者のルルザムートです、ハイ。
そろそろお家に帰ってスマブラしたい…でも試験という壁ががが。
試験勉強とFate extraというループもまだ続きそうですが失踪はしないのでご安心ください