弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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第50話です、お楽しみください


第50話 NFFスペシャル

J地区 住宅街 クライム隊vs影月 彼方の戦場から少し離れた高台にて…

 

 

「ザイルさんに追い返されて泣く泣くこちらに来たワタクシですが…」

この距離なら必要無い…が覗き見の気分を楽しむためわざわざ双眼鏡を使い現地の様子を窺う

 

 

「んー…うわぁ」

ハデにやってますねぇ彼女。とゆーか米軍の皆様は…

 

 

眼鏡越しに見える赤、赤、赤、これを血祭りと言わず何と言うのか

そしてただ両手と尻尾を振り回して雑に人間を屠る彼方には若干呆れてはいたものの、それ以上に彼女に対抗する米軍の動向は雑に殺す彼方と比較しても薄ら笑いも出ない程だった

 

 

勝てないと分かって戦う人間達、そもそも自分達が何と戦っているかすら理解せずバタバタ死んでいく様は普段なら嘲笑ものだがこの時ばかりはコヤンスカヤも笑わなかった

 

 

人間が未知の敵に対し、団結して戦うというのは理解できる。だがここまで大きな集団の中で誰1人として逃げようとしない、誰も戦いを放棄しない

「同情なんてこれっぽっちもありませんが…この場で1番哀れなのは彼ら米軍なんでしょうねぇ」

 

 

ザイルにも伝えたことだがクライム・アルバートとその部下は人間として、いや生物として持っていなくてはならない『生存本能』というものが欠落している。

 

 

軍の中で言わば麻薬のように浸透する彼の存在はそれに付き従う者達から恐怖心を除去、緩和させ戦わせる。

()()()()使()()()()()と最初から決め切っていたザイルよりも数百倍タチが悪い。何故ならクライム自身に自覚は無いのだから

 

 

「今頃これをネタに扱き下ろしまくってんでしょうねぇ、ザイルさんは。

洗脳済みの人間を相手にしても面白くも無いですし下準備でもしておきますか」

クライムが倒されたあと彼が何をするのか大方予想が付いていた彼女はひっそりと自分の戦艦を呼び寄せる

 

 

「…」

英雄王なんてのが出てこなければ普通に回収、普通に離脱して終わりなんですがねぇ

ステルス展開 魔力隠蔽 エクスカリバー砲発射用意 エネルギー充填開始

 

 

優勢とはいえ想定よりかなり早い影月 彼方の覚醒、さらに英雄王の出現という事態…勝負を焦るのは気が進まないものの、ここに来た本来の目的は彼方の回収及び聖杯の片割れの回収である。米軍及びバーサーカー陣営の壊滅はあくまでオマケだ、目的が達成可能な状況でのんびりする必要はない

 

 

…そもそもあの状態でクライム・アルバート達が向かってくる事自体が1番の想定外ですし。

 

 

相変わらず英雄王は静観したまま隣接地区でこちらの動向を探っているらしい

タマモタンクを2回も展開させて尚出てこないのはまだ自分が出る幕では無いということでしょう、流石にワタクシ達が聖杯捜索したり、あと()()を見たら飛んでくると思いますが。

 

 

アーチャーの影響で弱体化していた霊基は完全に元通りになっているとはいえ復元できなかった尾もいくつかある、この状態で英雄王と正面から戦うのは得策ではない

…ここはザイルさんに相談しましょう

 

 

えー、ザイルさん?そちらの状況はいかがですか?

(ん、コヤンスカヤか?クライムが死んだ。…いやもうすぐ死ぬ

バーサーカーの安否は不明だがマスターがこれなら数分も保たないだろう

影月 遥と影月 彼方を回収して離脱する)

 

 

どうやら相談するまでも無かったらしい

かしこまりました!聖杯探索は次の機会に、ということで♪

半分は既に所持している以上急ぐ必要もない、ということだろう

 

 

(ああ、だが米軍残党はここで処理する。第2のクライムが出てこないとも限らない。

…とはいえ俺や彼方が残党処理にあまり力を入れすぎると遥が邪魔しにくる可能性が出てくる)

ふむふむ、というと?

そこから先は聞かなくても分かるが仕事上、そして彼女の性格上、あえて続きを促した

 

 

(手段は問わない、連中が2度と向かってこれないようここら一帯の米軍にダメージを与えろ、遥は俺と彼方で抑える)

かしこまりました!業務内容、たしかに申し受けました♡終わり次第回収に向かいますのでこの地区から早急な離脱をお願いしますね!

念話を切り、彼の端末に影月 遥の予測現在地を送信。続いて影月 彼方へ念話を繋ぐ

 

 

ええと、彼方さん?そろそろ退却していただけます?

(ええー?やだよ、まだ終わってないし)

そうですがアナタの戦い方だと効率が悪すぎて全滅させるまで時間がかかりすぎます、残りはワタクシがやっておくのでザイルさんと合流をお願いします

(でも…)

ザイルさんは既に遥さんを迎えに行きましたよ、アナタも迎えに行っては

(行く!)

 

 

ブツッ

 

 

「え、ちょっと…」

あまりにも早い手の平返しに少々あっけに取られてしまうがすぐに気を取り直し、スキル発動準備へと入る

 

 

最早ギャグみたいなシスコンっぷり!ザイルさんが連れて行きたくない理由が少し分かったような気がしますねぇ

と、勝手に納得していると端末からザイルさんの現在地を知らせる音が聞こえてきた、既に影月 遥を連れて隣の地区へ避難したらしく、メッセージが添えられている

 

 

「なになに…『退避は完了した。彼方のことは気にせずやれ。』」

「…ホント自分嫌いなことで。」

 

 

エクスカリバー砲 要求量のエネルギー充填完了 発射体制へ移行 認証待機中

 

 

ふむ

砲台の準備も整った、敵の位置も確認済み

「──やりますか」

 

 

『NFFスペシャル A』

 

 

7つの異聞帯で集めた7つの尾と特別な2つの尾。最終的にゴリラのせいで数は5本に減りはしましたが米軍(彼ら)を掃討するのくらいなら1本でお釣りが来ます、が。

「弱体化してから一度も使ってませんでしたし…ここは試運転と確認を兼ねて調整しつつ行きましょう!」

 

 

ブワリとそれまで不可視状態だった4本が具現化し最初の尻尾と合わせて5本となる

ヤガの尾、虎戦車の尾 カリの尾、アトランティス兵の尾、全て問題無し。展開数はどうしましょう?

 

 

どのような仕事も『楽しむ』ことを目標の一つにしているコヤンスカヤにとってこの選択は迷うものだ、多すぎると無駄に魔力を消費した挙句、抵抗する間もなく押し潰してしまうし逆に少なすぎれば残党を処理できない

 

 

ざっと見た感じ開戦当初の米軍の数は600前後、そこから彼方さんの雑な殺しとそれが行われた期間、タマモタンクによる爆撃も加味して残兵力は…

「230…いえ200…?ですが200以下は無いですね、ハイ。」

とりあえず4倍+αくらいの数で潰しますか

 

 

直前まで戦っていた化け物が急に消えて混乱状態にある米軍を囲むように使い魔を展開。ヤガとカリを300前後、虎戦車とアトランティス兵を100前後ずつバラ撒き、そのまま包囲網を狭めていく

「それでは米軍の皆様、頑張って抵抗しながら死んでくださいまし♡」

 

 

いずれ細かく、正確な数を展開できるように要鍛錬ですね!…さてあとは最後の後始末。恐らくこの辺りで──

「『王 の 財 宝(ゲートオブバビロン)』」

ホラ来た

 

 

予想通りに降ってきた財宝の雨をフワリと避けて敵の位置を再確認する

…やはりというか必然というか、全身を黄金の鎧に包んだ最古の英雄が高台にてこちらを見下ろしていた

 

 

(オレ)の庭に!無粋な物を撒くなよ女狐っ!!」

「おやおや、最初からアナタが出張っていればこうはならなかったと思うんですが…今更出てきて庭を汚すな、とはそちらはどこの大富豪で?」

 

 

財宝の雨が暴風雨となって加速する、こんなものを撃ち続けられたらいくら彼女でもひとたまりもないがあくまでも『撃ち続けられたら』である

…おおかたこの時代の人間だけでどうするか見届けてやる、とでも思ってるんでしょうが──

 

 

「アナタは王としての矜持も英雄としての誇りも全て捨てて最初から全力をもって参戦してくるべきでした。…主砲、標準固定」

認証受信 標準固定

 

 

もちろん彼がそんなこと出来るわけがないのは知っている、第7特異点の英雄王として現界した賢王ならやるかもしれないがここにいる彼は賢王ではない

「獣のくせに随分と饒舌よな…!よかろう、望み通り塵も残さぬ!」

 

 

ハァ…ですから

ようやく本気になったであろう英雄王、闇の街を照らし尽くす程の金色の波紋が浮かび上がる、しかし──

「遅いと言ってるんですよ」

ステルス解除 エクスカリバー砲 発射

 

 

「な…!?聖剣…!?」

呼び寄せた戦艦から放たれた聖剣の輝きが英雄王の無防備な背中へ叩きつけられる

「ぬ、ぐぅっ!?ぐあああああっ!!??」

例え最古の英雄であろうと人類の脅威を打ち払えるような力を持った聖剣…の概念を組み込んだ決戦兵器を背後からブチ込まれてはタダでは済まない

 

 

「降り注ぐ聖なる光…なーんか神の裁きみたいですねぇ、よく似合っていますよ♡」

唯一残念なのは魔力充填量ですね、現在の魔力では全体の40%も出せていません…まぁこの時間で溜めれる量はこれが限界だったわけですが。

「お、おの、れ…!」

 

 

やはりトドメを刺すには至らなかったらしいが相当なダメージを与えることができたようだ

「このまましっかりトドメを刺してもいいのですが──そうですね、今は結構気分が良いので見逃してあげますね!ではごきげんよう♡」

 

 

『単独顕現 EX』

視線だけで殺すつもりかと聞きたくなるような睨みに笑顔で応え、数回手を振ってからスキルを発動、ザイルの元へ

 

 

…ちなみに気分が良いから見逃す、というのは半分は嘘である。

慢心極まっているとはいえ多くの人民に影響を与えられる『王』ですからねぇ…このまま排除するには少し勿体ないですわ♡

 

 

D地区 ウルフルズアジト跡地

 

 

「ただいま戻りました〜♪」

「…ここからじゃ何をしていたのかよく分からなかった、後で報告書をまとめろ」

勿論です!と最高の営業スマイルで応え、すぐに艦を地上へと呼び寄せる

 

 

「………」

ふむ?

ザイルの横には顔を伏せてこちらを見ようとしない影月 遥がいた。…無理矢理攫ってきたというわけでは無いらしく、またぬいぐるみ化したアーチャーは近くには居なかった

 

 

その代わりと言っていいのか知らないが影月 彼方が自身の尻尾を遥の腕に絡み付け、犬のようにぐりぐりとしがみついている

まぁいいでしょう、彼女らの処遇を決めるのはワタクシではありませんし

そんなことを思っていると艦が跡地を踏み潰すように降りてきた

 

 

「コイツが今まで使っていた艦か?こうして見るとかなり大きいな…うるさい色をしているが。」

「ええまぁ、本来もっと大勢の人間が乗る艦ですし

それとこの艦、最初は青と白の大人しい色でしたが持ち主と搭乗員の変更により、カラーはNFFサービス仕様の今の色となっています」

 

 

地味にこの桃色への塗り替え作業が大変だったり…

「まぁいい、とりあえず搭乗してここを離脱、これからどうするかじっくり決めよう。…ところでこの艦、名前はあるのか?」

もちろんありますとも、以前の持ち主達に敬意を払いつつ付けた名前が。

 

 

「ええもちろん!

『ストーム・ボーダー NFFスペシャル』

そうお呼びくださいませ♡」




タマモ族のモッフモフの尻尾で締まらない程度に首をキュッ、とされたい作者のルルザムートです、ハイ。
ええと7月10日から1週間、また出張です。従って更新が少なくとも1週間止まります
にしてももう7月か…早い(確信)
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