弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
…第52話です、お楽しみください
J地区 住宅街にて…
「こいつら次から次へと!」
セイバーが鬼を仕留め損なった直後、突如として鬼とビーストが消えた。
そしてすぐさまその代わりと言わんばかりに四方から押し寄せてきた謎の敵、敵、敵
人だか獣だか分からない兵士、あきらかにこの世の物ではない4足歩行の化物、悲惨なセンスをした戦車と様々でバラバラに襲いかかってくる
「まずい…」
1体1体はサーヴァントクラスなら問題無いがとにかく数が多い
米軍も兵士や化物相手になんとか戦っているが──
「クソ、また来やがった!」
「米軍は下がれ!頼むセイバー!」
「分かっている!」
時々出てくるこの筋肉質な兵隊が異常に強い…武器と呼べるものは棍棒くらいしか持っていないコイツらが4体…いや3体同時に来られるとセイバーでも手こずる強さ、といえばいいか
「そこをどけウルフルズ!」
「ッ!」
数発のミサイルが頬を掠め、肌を焼く
「マスター!」
「俺はいい!それよりもあいつらだ!」
ミサイルを食らった棍棒の兵隊は多少ダメージを受けたようだがすぐに向かってきた
「休ませるな!撃て!」
誰かも分からない号令により再び撃ち込まれるミサイル
…4発直撃させてようやくソイツは倒れ伏した
対戦車ミサイルを5発叩き込んでようやく1体…虎戦車でも2発で済むというのに!
「また来る…!限界だマスター!令呪を使え!ここを乗り切るにはそれしか無い!」
「ッ…」
それだけは駄目だ、確かに令呪なら俺とセイバーがここから逃げ出すのは難しくない、だが残った米軍はどうなる?
…間違いなく皆殺しだ、そしてクライム直下兵でもある彼らより強い軍はそうそういない
「それはできない!なんとか突破口を探すしかないんだ!
セイバーも分かっただろう!ビーストの持つ戦力が!
こう軽々と化物を量産されたらサーヴァントが何騎いても勝てない!」
ギャングも軍も、魔術師も一般人も関係ない、全ての力を合わせなければきっとビーストも…ザイルも止められない
「奴らもクライム隊を脅威と認識してるからこそ今叩き殺そうとしているんだ!彼らを死なせては──
「避けてっ!」
「…!?」
戦場に似合わない少女の声、普通なら混乱するだろうが彼はその声から瞬時に危険を感じ取った
ガンッ
「な、なんだアイツは!」
サーヴァントの気配を纏った二刀使いの女がいきなりセイバーに斬りかかっていた
「ぐ…まさか貴様は…」
「ふふ…ふふはははっ!そうか、そうか!聖杯と義経の遺品だけでどのように我を呼んだのか理解できなかったが…そうか!!お前か!」
攻撃してくる使い魔を見ることもなく斬り刻みながら嵐のように刀を振るう謎のサーヴァント
「アヴェンジャーやめて!彼は味方だよ!アヴェンジャーっ!」
アヴェンジャー、だって?
「我が怨!我が思い!受けていただく!」
〜
10分前 D地区 ウルフルズアジト跡地にて…
「え、20秒?」
『うん』
ランサーの運転する車を降りてすぐに投げつけられた衝撃の言葉
車の中で最低限の戦闘、及び魔術に関する知識を与えられた彼女にはその意味が分かった
『ランサーが偽装を維持しつつ戦える時間、それが20秒だ』
…つまり?
「ふむ、我がマスターを抱えながら押し寄せる使い魔を薙ぎ倒し、かつ使い魔の魔力供給源となっている核を見つけて破壊する。援護できるのは20秒だけと来たか、随分と簡単そうだな?」
え
「アヴェンジャー、そんなこと出来るの!?」
「…ただの皮肉だ、忘れろ」
仮面越しにも分かる諦めに近い表情と気配、ランサーもやや不満気味だ
「なぁマスター?やっぱりこれは無茶だ。俺の宝具で使い魔をブチのめして探すしかねぇ、あいつらがやられたら終わりっつったのはお前だぞ」
『その通りだ、だが生き残った彼らと私
無茶振りとも言える彼の発言に誰も良い顔はしなかったが彼自身もそのような顔をしていないことは声で分かった
『セイバー陣営はまだ戦っているようだがバーサーカーとそのマスターは死にかけている、もう迷っている時間は無い』
「だがよ!」
…
「あ」
ふと頭によぎる1つの考えと音として出た声に視線が集まる
「どうした主」
「バーサーカーの位置は分かる?」
『うん?ああ、特定済みだよ。それが?』
…牛若姉やじいじならきっとこうした、と思う
「私の持ってるペンダント、聖杯が使われてるって言ったよね」
『そうだが…しかしこの状況を打開できるような魔力量は入っていないよ』
そうだ、これは使い魔達をやっつける戦いじゃない、助ける戦いだ
「…私の考えを聞いてほしい」
〜
時は戻り現在
「どうすれば…ランサー!どうすればいいの!?」
「俺が知るか!!おい○○○○○○○!」
『今考えてる!それと今は名前を呼ばないでくれ!』
…作戦はこうだった、まず使い魔の軍勢を倒すことを諦めてバーサーカーの元へと向かう
サーヴァントである以上充分な魔力さえあれば満身創痍であろうとすぐに傷を癒すことができる、聖杯として魔力量が少ないとはいえサーヴァント3騎分は入っているこれならば難しい話じゃない
アヴェンジャー、セイバー、そして復活したバーサーカーで包囲の最も薄い場所を集中攻撃し、外側から同じ場所へランサーも攻撃。
包囲を打ち破って米軍と共に逃げる、というものだった
誤算だったのは──
「源氏、死に候え」
アヴェンジャーがセイバーとの間に何かしらの因縁があった、ということ
『…仕方ないか、ランサー!今から20秒以内に彼女を連れてバーサーカーの元へ行って戻ることはできるか?』かなり無茶だが…
「この状況で無理って言えるかよ、行くぞ!」
またしても抱えられ、バーサーカーの反応があった場所へと向かうランサー
「ん…のッ…!どきやがれェッ!」
地面を埋め尽くす使い魔達を槍で薙ぎ払いながらただひたすらに前へと彼は走るが、あまりの多さに速度が出ないらしい
「クソ!もう偽装も何も知ったことかよ!宝具で全部吹っ飛ばしてやる!いいなマスター!?」
やはり無謀だったらしくタイムリミットの20秒は目前に迫ってなお私達は目標地点に到達出来ずにいた
『だ、だが…』
ぐいっ
へ?
「いてっ!」
不意に足を引っ張られる感覚がして地面に落とされる
…!
四足歩行の化物が、地面に落ちた無防備な
「ミラ!?」
「きゃあああっ!?」
ばくり
────ッ!?
バッグのついでと言わんばかりに化物が身体にかぶり付いた
バッグの中、のペンダント、に惹かれた…!?
影塗れで見えなかったが化物にはしっかりとワニのように鋭い歯があるのが痛みで分かった
い、痛い…ランサー…アヴェンジャー…!
ソイツは私に齧り付いたまま、のしのしとその場を離れ始める
「○○○○○○○っ!!」
『っ…!分かった、偽装はもう気にしなくていい。無制限戦闘を許可する!彼女を助けてくれ!』
かなり渋っていたようだが背に腹は変えられない、と彼も決断したようだ
「やっとかよ!この野郎待ちやがれ!」
間に割って入り続ける使い魔達を薙ぎ倒しながらランサーがこっちに向かってる、けど
「なんだコイツら急にこっちに!?しかもこのデカい連中、確かアトランティスの…!」
『異種の使い魔達が連携を…?まずい、逃げられる!』
使い魔の波に埋もれてランサーの姿が見えなくなり始める
誰、か…
「オラァッ!!」
「わあっ!?」
蛙を轢き潰したみたいな音を立てて化物が文字通り叩き潰される
…影の塊で無かったらきっと私は失神していたに違いない
「マスター!ありゃあ…」
『うん、驚いた。あれでどうやって現界しているんだ?』
追いついてきたランサーを「そんなことはどうでもいい」と一言で一蹴し、強面な顔からは想像できないほど優しく彼は私を抱き上げて一言
「──どいつも、こいつも、女子供を戦場に出してんじゃ、ねぇぞ」
恐らく彼が
「あなたが…バーサー、カー?」
〜
同時刻
『アーチ中佐死亡!』
『デルタ隊消滅!』
『C防衛線決壊!』
「…………」
「…………」
「……う…」
通信機から聞こえてくる声を頼りに重すぎる瞼を上げる
俺は…気を失っていたのか…?
「…俺、は」
轢き潰された両足には既に痛みは無く、静かに血の円を広げているだけ
出血が酷いのを見るに気絶していた時間はそう長くはないと死にかけの男は考えていた
…
俺はもう死ぬのだろう、諦めるとかそういう次元ではなく単純にもう生きていられるような状態じゃない
「……ギ」
だが
「ゴボッ…ぶ…」
焼け爛れた喉を通って血が吹き出る
足と同じように痛みは既に無かったが血で壊れないように無線機を手繰り寄せるのに少々時間がかかった
「…こちら、アルファ…いや、クライム、アルバートだ」
そう言った直後、まるで無線機が爆発するかのように届く希望を灯した無数の部下の声
よし、まだ全滅は、していない
「返答の、余裕はない。命令を出す」
…
「…お前、たちは」
俺にこんな命令を出す資格は無い、だが俺は負けた。負けてしまった。
ザイルに、ビーストに、そして自分自身の憎しみに。
せめて、お前たちは
ガッ
生き抜け──そう言おうとした瞬間、何かに首を掴まれる
「グ…」
あぶれた使い魔の一部が彼の元へ来たらしい
クソ…最後くらい、許し、やがれ
人だか獣だか分からない影の手がギリギリと首を締め上げる
既に呼吸は止まっていたがこう押さえ付けられては喋ることもできない
「う、うぁ」
朦朧とした意識の中で不鮮明な影とは対象に影の持つ銃が鈍く光る
「………」
獲物にトドメを刺そうと向けられる銃口
まだ、死なない…!部下を、仲間を死地に引きずり出した人間は、今死ぬわけにはいかない…!
芋虫のようにみっともなくもがく。何度か銃口が僅かにブレるものの、それもほんの僅か。ただ引き金が引かれるまでの時間が1秒にも満たないほど伸びただけ
「く、の…」
ブレようが無いように銃口が眉間に押しつけられる
──
──認めるか、終われるか
絶対に、諦めてたまるか
諦めるのは
「死んだ後、だな」
!
「ひじ、か…」
知っている声が影の頭を吹き飛ばした
「よく堪えた、お前のサーヴァントとして誇りに思う」
退去しかけの弱々しいサーヴァントは既にそこにはおらず、召喚当初の…いや、召喚当初よりも魔力で満ち溢れたサーヴァントが大きな旗を持ってそこに立っている
「バーサーカー…その魔力はどこから…?」
「安心しろ、誰も犠牲にしちゃいねぇよ」
これについては後で話す、と会話を切っていつものように無愛想に答える
「ランサーのマスターは米軍を連れて残ったマスター、サーヴァントと共に離脱するように言ったが…逃げるってのはやはり俺には合わねぇ」
…?
ふと、周りにバーサーカー以外の気配があることに気付く
1人や2人じゃない…いつから居たんだ?いや、それじゃない。見るべき点はそこじゃない
数十人はいる彼ら1人1人から感じる気配
まさか、いやそんなバカな
「これは誓いだ。同じ旗の下で、共に同じ時代、同じ戦場を駆け、同じ志を持った俺達の。」
彼が、手に持つ旗をコンクリートの大地へと打ち立てる
「…そろそろお前も回復するはずだ、クライム」立て
「え?あ、ああっ?」
言われるがまま強引に立ち上がらせられ、いつの間にか両足が再生している事実に驚愕するがそんな間も無くバーサーカーが口を挟む
「驚くのは後だ。…コイツらを残らず叩き殺すぞ」
そう言って彼は俺の持っていた予備の無線機を手に取り、もはや無線機なんていらないのではないかと思えるような大声で叫んだ
「ここは新撰組が引き受けた!」
コヤンとポーカーで勝負したい作者のルルザムートです、ハイ。
出張から戻ってきて納豆と鉄サビの混じった臭いが身体からする…
それともう少しで終わると言っていましたが書きたい展開が頭に生まれたのでちょっと延長します。まぁプロットには元からあったし蛇足にはならない、と、思う、かも