弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
…第57話です、お楽しみください
NFFボーダー 召喚室にて
「つまりお前が藤丸立香を吸収してカルデアを叩き潰した後、残党で遊ぶのも飽きてきた頃に気分転換で俺の召喚に応じた。というか勝手に来たのは分かったが…肝心のお前自身の過去についての話はどこに行った?」
「あれ?彼女に同期させた時点でワタクシにも同期したことになってますし既に分かっていらっしゃるのでは?」
やれやれ…
「じゃあ、なんだ?アレをそのまま受け取るとつまりお前は…ツングースカ大爆発によって死にまくって大量発生した動物達の亡霊、が玉藻御前に寄せ集まって出来た存在ってことか?」
正直自分でも何を言っているか理解できない、いったいどういう理屈が通ればそうなるんだ?
「なんか微妙に違いますが…まぁ概ねそんなところです」
「やれやれ…」
藤丸立香の思念に加え、(弱々しいとはいえ)何千何万という動物の思念をいきなり生身に叩き込まれて自分でも良く死ななかったものだと思う。影月の家系がそういうことに強いのかコヤンスカヤが調整したかは知らんが
「で、何故召喚室に足を運んだのかそろそろお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ああ、そうだったな
同期中に見た召喚室…とはやや雰囲気が違うもののシールダーの盾や部屋の雰囲気にそこまで差異は無い場所。ここにくる理由は一つしかない
「それに答える前に俺から質問させろ、お前が滅ぼした世界の人物はこっちの世界にも存在するのか?」
「え?ええ、事故死とかしてなければ大概居ますよ」中身は違いますが顔見知りの神父に会いましたし。
「そうか」
だとすると…厄介だな
「何を始めるんです?」
「サーヴァントを召喚して戦力強化を図る。お前のことを信用していないわけじゃ無いがこの先NFFスペシャルだけに人間皆殺しの希望をかけるのは少々心もとないんでな」
どうやったのかまるで分からないが米軍は異界の怪物達相手に劣勢状態から勝利するという劇技をやってのけている。妥協も油断もしない方がいいだろうし、懸念事項は他にもある
「…使えるサーヴァントは多い方がいい、魔力もどうせボーダーから出るしな」
「まぁワタクシは構いませんが触媒無しだとハズレ引く可能性もありますよ?召喚もそうポンポンできるものではありませんし?」
「…そうだな」
実際触媒なんて持っていない、どうしたものか…
プシュッ
「あっ、お兄ちゃん居た!コヤンスカヤも!2人で何やってるの?」
召喚室に入ってきたのはさっきまで昼寝をしていたはずの影月 彼方だった。相変わらず影月 遥は彼女の尻尾にぐるぐる巻きにされて捕まっているが幸運なことに気絶しているらしい
そうだ、
「彼方、大事な話がある。姉さんを一度解放して座れ。」
「…?いいよ!」
あっさりと姉さんを解放し、その場に座り込む彼方は今か今かと言葉を待っている
「コヤンスカヤ、合図したら召喚を始めろ」
「え、まさか」
「?」
苦笑いのコヤンスカヤを他所に影月 彼方の腕をむんず、と掴み──
「ヱ?」
召喚陣に投げ込んだ
「これが触媒だ。始めろ」
「ええー…まぁやれと言われたらやりますけど」
「うわぁ!?何これ!」
狼狽えて逃げようとする彼方を陣の中央に押し込みながらサーヴァントが現れるのを待つ
「こんなんで良いんですかねぇ」
「別に良いだろう、死ぬわけでもないだろうしな」
「いや場合によっては死にますけど。」
「…」
「…」
「ちょ、ちょっとお兄ちゃん何しようとしてるの?」
…
「…別に良いだろう」
「うっわあ無垢な自分に対してサイッテーです」あ、サーヴァントの気配がしますよ!──え、2つ?
さて鬼が出るか蛇が出るか…少なくとも王とか騎士とかが出てこない確証が持てるというのは安心できるが…
「──我が名は茨木童子、大江山の──…?酒呑?もしや酒呑がいるのか?」
実体化するなりフラフラと周囲を見回す子供。その頭にはしっかりと2本の角が立っており人の英霊では無いことが見て取れる
「妥当というか当然というか…まぁ今の彼方さんを放り込めばそりゃ出てきますよねぇ」
「あたまがくらくらする…」
残念ながら彼方は死ななかったが英霊召喚は出来たので良しとしよう
茨木童子、クラスはバーサーカーか。あともう1騎はなんだ?
「アサシン・パライ──むっ?」
「?」
現れた忍装束の少女が俺を見るなり、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして固まり、そして──
「おお!ざいる殿!まさかあなたが喚んで下さるとは!拙者、感激でござる!」
「は?」
初対面の相手に何を言い出すんだコイツは?いやしかしザイルと今…?
「ええと…お2人はお知り合いなので?」
「はい!」「知らん」
見事なまでにすれ違う会話に苦笑いのコヤンスカヤとショック気味なアサシンのサーヴァント
面倒だが聞かないわけにもいかないなこれは。
「お前は俺のことを知っているみたいだがそれは見た目も名前もそっくりなだけの別人だ。」俺はお前のことを知らん
「うわぁ、もしかしたら?とか微塵も考えず言い切りましたよこの人」彼女可哀想…
うるさい、黙ってろ
「だからまずお前自身について教えてくれ、お前はどんな英霊でザイルという男をどこで知ったのか、以前召喚された経緯、場所、全てな」
「うむむ…どうやら本当に別人の様子、言われてみれば50年経ったにしてはお年を召しておられないでござるし…承知。
あなた様が今の
「そうしてくれ。ところで茨木とか言ったバーサーカーはどこに行った?」
さっきから姿が見えないが…
「彼女でしたら彼方さんを見た瞬間、顔面蒼白で部屋を飛び出して行きましたが…」
やれやれ、戦力強化になるのかこれは?
「コヤンスカヤ、あと彼方、茨木童子を捕まえておけ。俺はコイツと話をする」
「はぁい」
「かしこまりました!」
何故か微妙に嬉しそうな彼方を連れてコヤンスカヤが召喚室から出て行く
「さて、本来引き継ぐことのない英霊という存在が持ち込んだ記録とやらを聞かせてくれ」
さっきはああ言ったが彼方を触媒にして出てきた英霊が俺を知っている時点でコイツの言うザイルと俺は絶対に無関係じゃないはずだ
「勿論でござる、少々長くなりまするが…」
「長話ならもう耐性が付いた、構わない」
藤丸立香体験劇より長いとすればもはや何も言えないがな
「…?承知、ではまず50年前、拙者が伊吹山にて召喚されたところから語らせていただくでござる」
こっちとしてはコイツが役に立つサーヴァントならそれでいい、それでいいんだが…やはり気になる
「お館様?」
「続けろ」
「はっ!」
コイツ、語尾がおかしくないか…?
〜
同時刻
J地区 米陸軍駐屯地 医療棟 重傷者療養室にて…
ウルフルズとの抗争が起こった直後でもせいぜい全体の5分の1も埋まらなかった重傷者専用区画は、先の戦闘に加えて逃げ遅れた市民も合わさり見渡す限りの怪我人で溢れかえっていた
処置室は勿論のこと、この療養室、仮眠室や補給倉庫など、空いている場所があればベッドを置くなどといった対応をしなければあっという間に屋外まで人が溢れてしまうだろう
「やめ、ろ!離せ!怪我人扱い…するな!」
既に目が回るような忙しさの中、それは軍人故かクライムというリーダーがいるからか、彼のような患者も出てくる
「脊椎砕けた人間が何を言ってる!?おい、もっと鎮静剤持ってこい!」これ以上暴れさせたらコイツ死ぬぞ!
「それがさっきの子に使ったのが最後で…!今セリム2等がB棟に取りに行ってます!」
「よりによってこんなタイミングで切れるとは…!」
NFFスペシャルによる部隊への大打撃に加え、まだ街の電力が復旧しておらず基地の発電機は全てフル稼働。物資はともかく人手が圧倒的に足りない、麻痺一歩手前のそんな中
「ゴホッ、く、クライム、さん…まだ俺は…」
「あまり無理をしない方がいい、クライム氏もそう望んでいるだろう」
ただ1人だけ神父服に身を包んだ青年がそこにいた
「神父、様?この街の人じゃなさそう、だが」
「私は言峰綺礼、つい最近アメリカに来たばかりの神父だ
神父だが医療の知識も持ち合わせていてね、こうして手伝わせて貰っている」
相手が神父だからか彼も無理矢理押し退けるようなことはせず、少し落ち着いたらしいがそれでも熱は収まっていない
「頼む神父様、貴方から彼らに言ってくれ…!俺はまだ戦えるって…」
「ふむ?…ところで何故そうまでして戦おうとするか聞かせてもらっても?」
「戦いが、終わっていない!それだけで充分だ!」
「今現在戦闘は無い上に今のキミではそもそも戦闘行為など無理だろう」
興奮する彼とは反対にどこまでも落ち着いたままの神父が言葉を紡ぐ
「──最も治したところで戦線復帰は絶望的だがね」
「────ッ!!」
涼しい顔で現実を突きつけるものの、彼が爆発するよりも早くさらにその先を神父が言う
「そこでここは私に一任してはくれないかね?」
「どういう…?」
「なに、先も言ったように私は医療の知識も持ち合わせている。
その上魔術師だ、悪いようにはしないとも」
それを聞いた彼は空気のしぼんだ風船のように大人しくなってゆき、やがて──
「…頼む神父様、俺を治してくれ」
「勿論だとも。今すぐには無理だが責任を持ってキミを治療する、約束しよう」
「…っありがとう、ございます神父様、脊椎がダメになったって聞いて、もう戦えないんじゃないかって…!」
何度も感謝の言葉を並べながら彼は静かに意識を落とし、そのままベッドごと別の場所へ運ばれていく
「ありがとうございます神父様、助かりました」
「なに、これが仕事だ。それに彼との約束もある、後ほどもう一度彼のところを訪れるつもりだ、最も──」
(一度脊椎が砕けた身体で戦線復帰できるかは保障しないがね)
「神父様?」
「つまらない独り言だ、また力になれそうなことがあれば遠慮無く声をかけてもらいたい、私にできることなどそう多くは無いが…」
「とんでもない!大いに助かって──あ!今行きます!」
失礼しますと小走りに駆けていく看護婦を尻目に見回りを再開…しようとして低い位置から声をかけられた
「よう」
「む?…グランドアーチャー、オリオンか」
もうグランドのグの字も無ぇよ、と熊のぬいぐるみがぴょんぴょん動きながら愛想笑いをする
「生き残ったマスター及びサーヴァントはクライム氏の元に集まっていると聞いたが」
「今の俺がサーヴァント名乗ったらふざけるなって言われるのが目に見えてるし現にクライムから『まだ来なくていい』って言われてる
そういうアンタはどうなのよ?」
療養室から一旦外へ出て彼との会話を続ける
「クライム氏からこちらの支援をしてほしいと言われている
普段信仰心が無い人間とて縋ることのできる何かは常に求めるものだ」私のようなただの神父には出来ることは限られているからね
「…あんなサーヴァントと契約しといてただの神父は無理だろ」なにあのラスボスガキ大将?
「ふ、伝えておくとするよ」
「それはヤメテ!?多分ガチで殺されちゃうから!」
──
「それで…影月 遥に着いていかなかったのは何故だ?見るに今のキミと影月 遥は一心同体と言ってもいい状態だと思っていたが」
「着いていかなかったんじゃねぇ、置いてかれた
2人1組のサーヴァントとしては俺の方が本体な上に殆ど無力なこの身体じゃ魔力消費なんて有って無いようなモンだ
加えてハルは生身の人間だからあっちも自然消滅の心配はねぇ
危険なのに変わりは無いが少なくともすぐに殺されるようなことは無いだろう」
〜
『お、おい!正気か!?全人類滅ぼそうとしてる奴だぞ!?』
『でも私の家族だ!行かなきゃ、彼方が唯一心を許せる相手が私なら応えないといけない、応えたい。あの子にこれ以上そんなことしてほしく無い』
『ハルっ!』
『恋とは全然違うけど、私は妹を…家族を愛してるから
…ごめんオリオン、行ってくる』
〜
「…ハル」
「…では私はそろそろ戻らせてもらう、神父としての仕事は終わっていないのでね」
「ああ、引き止めて悪かった、じゃあな」
療養室に消える神父、そしてそれと入れ替わるように物陰から現れたのは──
「アーチャー」
「ん、鬼殺しのセイバーか。」
「頼光四天王が1人、真名は渡辺綱」
「ああサンキュ、こんな見てくれだがギリシャの狩人、オリオンだ」よろしくな
「よろしく頼む。それと伝言を伝えに来た」
…?俺に?
「協力者と会うためにロンドンへ向かう、人員はクライム、バーサーカー、キャスター…のAI、そしてお前、アーチャーだ」準備してくれ
「え…」
今スグ?
今すぐだ
ログポの呼符1枚でコヤン&ニキチッチ礼装、最後の5枚目が来てゲッダンテンションの作者のルルザムートです、ハイ。
最近調子が良くて沢山書ける〜、手元にスマブラあったら一気にやる気がそっちに持っていかれそうだけど。
そして休日出勤、お前だけは許さない