弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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気付けば60話を超えて…30話くらいで終わらせるつもりだったのにまだまだ書きたいことががが
それはそれとして第62話です、お楽しみください


第62話 人類の希望

時は遡り伊吹山にてコヤンスカヤ(降)、遥、彼方を降ろした直後

NFFボーダー、操舵室にて…

 

 

「ボーダーのどこにヘリを降ろすのかと思ったがヘリポートすら要らないのか」相変わらず便利な能力だな

「それほどでも♡遥さん達が戻ってくるまで時間がかかるでしょうしカジノルームにでもいかがです?」

「それもいいが遥と彼方が居なくなったこの時間を使ってやりたいことがある」

 

 

「あやつらはいったい何を話しておるのだ?」

操舵室で談笑する2人を扉の陰から見つめる人影が1つ

『人』ではないので人影というのもおかしな話だが。

 

 

「ええい、そんなことは重要ではない!」

操舵室から離れ、ザイルから押し付けられた部屋へと入り、頭を回す

茨木童子、かつて酒呑童子と共に平安時代を暴れ回っていた恐ろしい史実を持つ一面とは逆に彼女の中には『どうしたらこの異常な事態から逃げおおせられるか』ということだけが駆け巡っていた

 

 

ただサーヴァントとして召喚されただけなら良い、酒呑が居ない世など現界していたところで意味はない

問題なのは召喚された時点で()()()()()()()()()()()()ということである

 

 

やったのは何故か酒呑の気配が僅かに漂うあの怪物…影月 彼方といったか?姉を名乗った遥という人間は奴を人扱いしていたがとんでもない間違いだ、あれは災害が人の形を保っているに過ぎぬ。おまけに──

 

 

召喚直後、彼方に捕まった時の言葉が未だに頭の中で響いている

『別に逃げてもいいよ』

『必ず迎えにいくから』

 

 

奴は絶対に我を逃がすつもりは無いな、受肉させたのは我に『死の恐怖』を思い起こさせるためか

どこまでも追ってくるのは間違いないだろうが…だが逆にこれを利用できるのではなかろうか?

 

 

彼女は鬼の頭領であったと同時に頼光とその四天王にも捕まらなかった『逃げ』の達人である。故に逃げ延びるために利用できそうな物、事象、生物はなんだろうと利用する

 

 

不幸中の幸いと言うべきか、影月 遥から我が召喚される前に何があったのか聞いてはいる。彼方について教えてくれと言ったら聞いてもいないことまで喋ってくれたわ

「………綱」

 

 

よりによって何故貴様が。話を聞いた瞬間腑が裏返るのではないかという殺意が湧いてきたし今もそれは微塵も変わっていない、だが──

もし綱をあの怪物にぶつけることができたら?

奴の強さは知っている。実際に遥の話ではあの女狐が邪魔をしていなければ彼方の首が飛んでいたというではないか

 

 

それに残っているサーヴァントは綱だけではない、最低でもあと2騎

バーサーカーとアヴェンジャーだったか?

「気に食わぬ、気に食わぬが…」

 

 

仮に酒呑童子と命を秤に掛ければ間違いなく酒呑童子に傾くだろうが今秤にかけているのは酒呑ではなくプライドである。プライドと命をかけた結果傾くのは──

奴らは(ビースト)…女狐を後回しにしてでも彼方を殺そうとしていたのなら我が提案すれば必ず乗ってくるだろう

 

 

交渉は無い、協力も無い、そう。ただ利用してやるのだ

「ザイル達は彼方を御し切れてはいないようであるし彼方自身も酒呑のように賢くなかろう、加えてサーヴァントが1騎戦力として増えると思わせられればクライムとやらに取り入るのもそう難しくは無い

潰し合わせて疲弊したところを一裂きしてくれるわ!」

 

 

前向きに考えれば今の我はサーヴァントではなく鬼としてこの世に生を持ち、顕現したのだ。酒呑が居ないのは悲しいことではあるがだからと言って拾った命を投げ捨てる理由にはならない

 

 

「せいぜい今のうちに笑っておくがいい影月 彼方、そして我を召喚したことを後悔しろ人間!

他の人間共と纏めて恐怖の底に叩き落としてくれるわ!」

「なるほど、素晴らしい考えだな」

 

 

そうだろう!そうだろう!…うん?

「やれやれ、ノックならしたぞ」

 

 

「──────!!??」

 

 

いつのまにか我のベッドに腰掛けていたザイルがため息をつきながら()()()()()なるものをくるくると回し、こちらを見ていた

「ざ、ザイル、今のは…」

「ああ?言葉通りだ、俺にとっても影月 彼方は邪魔だ。潰したいなら好きにしろ、俺の邪魔さえしなければお前が何を企てようと構わない

脱走するなり略奪するなり勝手にするがいい」

 

 

忍の方と違ってお前には元から期待していない、と吐き捨てる目の前の男の胴体を今すぐにちぎりとってやろうかとも思ったが脱出のため、保身のために自分の身体を抑えこむ

 

 

「そ、そんなことより貴様。何の用があってここに来たのだ?ただ世間話をするというわけではあるまい」

「そうだな、こっちもそんなくだらん時間を使いに来た訳じゃない。これからの行動についてだ」

 

 

この男…!

「我に期待していないのでは無かったのか?」

まぁな、と呟くザイルだったがすぐに言葉を続ける

「だがここに居る以上は『使える者』として働いてもらうぞ、遊ばせるために召喚したわけじゃないからな」

 

 

おのれ…だがここでこいつの身体を捻じ切ったところでどうにもならん

ここはしばらく従順にして機会を伺うとするか

「で?人間如きが我に何をさせるつもりか」

「やるのはお前だけじゃ無い、俺達3人だ」

?意味がわからん、ならば女狐1人にやらせればよいのではないか?

 

 

「考えていることはなんとなく分かる、だがこれに関しては使える戦力は全て使うべきだからな」

「勿体ぶらず教えろ、何をするつもりなのだ?」

「………ロンドンだ」

「なに?」

 

 

「時計塔に殴り込んでとある人物に会いにいく

この目で直接見ておきたい」

 

 

イギリス首都 ロンドン とある路地裏にて…

 

 

『単独顕現 EX』

 

 

「ここがロンドンか?」

「ええ、時計塔から少し離れては居ますが間違いなく♡」

…次は飛行機でのんびりと来たいところだがここからの展開次第で旅行は諦めることになるかもしれないな

 

 

まだ昼時のロンドンに到着した俺達は改めて所持品と時計塔の位置を再確認し、一息入れる意味も兼ねて付近の喫茶店をスマホで探す

「おい茨木童子、角は隠せないのか?」

「貴様は我を馬鹿にしているのか?酒呑ですら見抜けぬ変化を持つこの我を?」

 

 

やれやれ

「分かったからとっとと人間らしい姿と言葉遣いにしろ

コヤンスカヤはもうやってる」

霊体化させればいいと思っていたがどうも受肉しているらしくコイツも霊体化が出来ないらしい、また受肉した原因は彼方だろうが詳しい方法はわかっていない

 

 

「ええい、我にいちいち命令するな!…ちょっと待て、女狐のそれは人間らしい姿なのか?」

「当たり前ですわ!あと女狐って呼ばないでくださいまし!

ね、ザイルさん♡」

 

 

自信満々に『見てください!』と黒いハンチングを被り直す彼女の格好は…

「あー…」

 

 

白いブラウスをいつものように胸を強調する様に着て、ダイバースーツのようにピッチリと履かれたデニムパンツ、靴は白色の…多分ハイヒールだろうが靴として機能するか怪しいくらい面積が無くところどころ素足が見える

 

 

「おっと、忘れるところでした!」

いつの間に作ったのか、右下に金色の文字で『NFF』とデザインされた桃色の小さなショルダーバッグを亜空間から取り出して肩に掛け『どうです?』とこちらの反応を待っている

 

 

あの痴女具合させ何とかすれば完璧なんだろうがあれもコヤンスカヤのポリシーなんだろう。…と半ば諦めることにしてゆっくり茨木童子の方に振り返る

「…とりあえず適当に通行人の姿をコピーしておけ」

「う、うむ…」

「え、ザイルさん?これ割と時間かけて選んだんですけど何かコメントは無いんですか?」

 

 

やれやれ…

「(変装に)悪影響を及ぼす、何処か喫茶店でも入って待っていろ」

「ええ〜」

 

 

これ以上あんな格好の奴を増やして目を引きたくないからな

とりあえず茨木童子の手を引いて表通りの方へ

よし、ここからなら通行人がよく見える

 

 

それにしてもアメリカと比べて通行人が少ない気がするが…イギリスはこんなものなのか?

「誰でもいい、通行人の姿を写せ」

「あ、ああ…」

 

 

コヤンスカヤのテンションに充てられたのか少しだけ大人しくなった茨木童子

その姿が徐々に変わっていき──

変化の達人か、なるほど。騙されるワケだ

 

 

当然のように角が消え、紫色のワンピースを着た金髪の少女が現れる

もちろん茨木童子だ

「あとは喋り方だな?…コホン

どうかな?ザイルお兄さん?

「な────き」

 

 

もはやスパイも真っ青の擬態(変装)に出てきた感想は──

「気持ち、悪いぞ…本当に。」

その一言だけだった

「ふ、この程度で顔色を変えるとは。まだまだ鬼の恐ろしさを分かっていなかったようだなぁザイルよ?」

「もう今までの喋り方でいい、コヤンスカヤと合流するぞ」

 

 

頭を抱えつつ、コヤンスカヤから送られてきたマップ情報を頼りに俺達は喫茶店へと向かうのであった

 

 

とある喫茶店にて…

 

 

お昼時と言うのに店員以外誰も居ませんねぇ、まぁそちらの方が好都合ですが

 

 

カラン

 

 

そんなことを思っていると店の扉が開いた

ザイルさんでしょうか?…おっと、これはこれは

予想外…どころでは無い客に一瞬面食らってしまう

 

 

入ってきたのはよく知っている人間、だがザイルでは無い。今入ってきた彼は1人だ

「失礼、そちらの綺麗なお姉さん、席をご一緒してもいいかな?」

テーブル席に腰掛け、ザイル達を待つコヤンスカヤにその男は微笑みながら、しかし警戒しながら話しかけてくる

 

 

「ええモチロン!どうぞキリシュタリアさん♡」

金色の、男に似合わない長髪を自身で踏まないように気をつけながら彼、キリシュタリア・ヴォーダイムが目の前に座る

 

 

異星の神に見出され人類の敵(クリプター)になり、そのリーダーとしてカルデアと激突した魔術師…もちろんそれはこことは別の並行世界の話であり彼自身『直接は』ワタクシのことを知らないハズでしょう

…というか髪が邪魔でしたら留めればいいのに、あのザイルさんだって三つ編みは最初からできてましたよ?

 

 

まるで今から王族パーティにでも行くかのような真っ白のフルスーツを着た彼が値踏みをするようにこちらを見る

「…キミ1人なのかい?」

「まさか、雇い主とその部下がもうすぐ来ますわ」

「そうなのか、いや丁度良かった。

予定していた客人とは違うが私も君たちと会って話がしたかったんだ」

 

 

「そうは言いますが約1名、殺意を抑えきれていない狂犬がいる中で話をするというのも、ねぇ?どう思いますか?()()()()()()()()?」

 

 

「黙れ」

 

 

それまで不可視だった槍が持ち主と共に音一つなく現れる、矛先は当然ワタクシ。

きゃーん☆タマモこわーい♡というかやっぱり居たんですね!

チラッと霊基状態を確認しましたが彼女、カルデアで召喚されたカイニスさんですねぇ。まぁホームズさんがこっちに来ていた時点で不思議はありません、キリシュタリアさんがこちらに接触を図ったのも彼女の入れ知恵でしょう

 

 

「まーアナタがワタクシに敵意を向けるのは勝手ですがそろそろ槍を下ろしていただけません?

誰にでも牙を剥くメス犬なんて飼い主の品を落とすだけですよ?」

「テメェ…!いい度胸じゃねぇか

望み通りその貧相な首を噛み砕いてやる…!」

 

 

文字通り飛びかかってきそうなカイニスを慣れない様子の彼が静止させる

「槍を下げるんだカイニス、今はまだその時じゃない

すまないね、コヤンスカヤ」

「いえいえ!」

 

 

相変わらず殺意マシマシですが流石に彼には従うんですねぇ

「…彼から聞いたんだがキミは商人でもあるんだってね」

「ええ!民間軍事企業(PMF)、Nine Fox Foundation…NFFサービス代表を務めさせていただいております!

銃器は勿論のこと、あらゆるニーズに対応できる素晴らしい会社ですよ!」今は市場から退いていますが。

 

 

カイニスさんのただでさえ悪い目つきがどんどん悪くなっていますが知ったことではありませーん♡

「うん、それを見込んで私はキミと取引がしたい」

「ええ、構いませんよ!」

「そうか、なら本題に入る前に…彼に謝ってくれ」

 

 

「ええと、なんですって?」

「彼は、カイニスは最高のサーヴァントだ。まだ契約して日は浅いがこれから彼以上のサーヴァントが現れることは無いと断言できる

私は彼と契約できたことに誇りを持っているし彼にも彼の誇りがある。それを傷付けたことに対する謝罪だ

…まさかとは思うが、取引相手の誇りに泥を塗るのが企業理念というワケじゃ無いだろう?」

 

 

「────」

ふむ、これは…一本取られました

「ええ、その通りです、謝罪致します

申し訳ありませんでしたカイニスさん」

 

 

席から立ち、彼女に──いや彼に頭を下げる

確かに少々大人気なかった

「…………チッ!次はねぇぞ」

敵対しているとはいえ、誠意は伝わったのだろう。僅かに、本当に僅かに殺気が彼から消えた

 

 

「ありがとう、それじゃあコヤンスカヤの契約者が来たら商談を始めよう」




オリュンポスで出たコヤンの『きゃー☆』に脳殺されそうな作者のルルザムートです、ハイ。
クリプターの中で1番好きなキャラクターをようやく出せました!(とは言ってもここで出した彼は異聞隊と無関係な普通の?魔術師ですが)
…ところで前回のアトランティスのリコレクションクエスト、キリシュタリア戦が無かったんだけどなんで?
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