弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

67 / 136
お待たせしました
第64話です、お楽しみください


第64話 この身は全て、我がマスターと世界の為に

ロンドン 時計塔にて…

 

 

キリシュタリアの用意した小さな客室が吹き飛ぶと同時に始まった、人類の存亡を賭けているともいえる戦い

コヤンスカヤと共に銃を取ったまでは良かったものの──

 

 

「始めたのはいいが…どうしたものか」

「え?まさかもう詰んだとか仰ったりしませんよね?」

「…あのな」

魔弾を避け、弾丸を込め直し、戦闘を継続。

その最中で頭を悩ませる『要因』について目をやる

 

 

「オラッ!オラぁ!おおおっ…!くたばりやがれェ!!」

「くあ…!おのれ…」

廊下と言うには広い通路を縦横無尽に駆け回る破壊の嵐、カイニスが繰り出す槍捌きに茨木童子は防戦一方なのは誰が見ても明らかだ

 

 

やはりバーサーカーだけじゃ手も足も出ないな

神霊カイニスは強敵だ。開幕と同時にタマモタンクを展開させてキリシュタリアへの盾にしつつ、全員でカイニスを叩き殺す作戦を立てていた

それに待ったをかけたのが他でもないコヤンスカヤである

 

 

「そろそろなんとかしろ、この状況下でいつもみたいに勿体ぶるな」

「むぅ…まぁ確かに遊べる雰囲気では無いですよねぇ

ではここらで1つポイっと」

 

 

コヤンスカヤは俺の標準装備と言っても過言ではない閃光手榴弾をベルトから引っ掴むと迷いなく投擲。そして──

「うおっ!?」

「落ち着けランサー!ただ光を発するだけの現代兵器だ!」

 

 

トンッ

 

 

「はーい、お注射しますよ〜♡」

「触るな女狐!我に、なに、を──ッ!?」

強烈な光の中見えたのはグランドアーチャー戦と同じタイプの注射器を持ったコヤンスカヤ、そして

 

 

「な、なん、だ?これ、これ、は──

グ、グガガギァァア!!!

 

 

「な──」

なんだこのふざけた魔力は…!?

茨木童子から溢れる魔力がその勢いだけでさっきまでのカイニス以上の破壊の嵐を巻き起こしている

 

 

「魔力反応が一気に…!気をつけろカイニス!」

「うるせぇ!んなモン分かって

「グリュア"ア"ア"!!!」

 

 

紫の蒸気を全身から上げた茨木童子がカイニスを床へ叩きつけ、そのまま一つ下の階へと落ちていく

「がぁあ!?」

「カイニス!!」

 

 

「…1つどころじゃないな」

音を聞く限り数階分は叩き落としている

「むぅ、元がバーサーカーなせいか、はたまたワタクシのリサーチ不足のせいか、理性が見られませんねぇ」

 

 

「コヤンスカヤ」

「超簡潔に言って鬼専用のスーパードーピングアイテムです、理屈は後ほど♡」

「いらん、大体想像つく」

「ですよねー、じゃあとりあえず目の前の彼に集中しましょう」

 

 

「…やれやれ」

…伊吹童子が気にいるような血筋の人間、その血が鬼になんらかの影響を及ぼしてもおかしくない

彼方の身体の一部を使ったらしいな

 

 

とはいえ相手は神霊、勝ってくれればそれでいいがあんな暴走状態が長く続くとは思えない

「速攻でカタを付ける、奴の足場を削れ

俺かコヤンスカヤ、先にチャンスが来た方が奴の頭を撃ち抜く」

「速攻と言った割には堅実ですねぇ、お任せくださいませ♡」

 

 

 

 

くそ!キリシュタリアがヤバい!

ギリシャ異聞帯のあいつとこっちのキリシュタリアは違う、あの強さは異聞帯あってこそのものだった

もちろんこっちのキリシュタリアもタダモンじゃないがビーストが相手じゃ──

 

 

「どけっつってんだよッッ!!」

トライデントを持ち直し、暴走状態のサーヴァントへ全力で投擲する。が

「ジッ、ジジジッ!!」

「このガキ──ガッ…!?」

 

 

まともな生物が出すようなものではない声を上げながら槍を弾き飛ばし、速度を微塵も緩めず突進してきた茨木童子に顔面を殴り付けられる

「くっ…そがぁ…!テメェと遊んでるヒマはねぇんだよ!!」

「ガアッ、ハァッ…!ギギッ…!!」

 

 

槍を戻す時間が惜しい!

「ヴォラぁあ!!」

ダイヤでも割るつもりなのかと言われそうな殴打をお返しとばかりに叩き込む

「ギッ、ギアア!」

だが目の前の怪物は倒れないどころかさっきと少しも変わらない打撃を繰り出してくる始末

 

 

「う、おおおああああ!!!」

 

「ガァァァァァァア!!!」

 

 

サーヴァント同士の息をつかせない殴打の応酬が、まるで数百個の削岩機を一斉に起動させたかのような重音と共に周囲を抉り取っていく

冗談じゃない、二度と死なせてたまるか!

 

 

「キリシュタリアッ!」

 

 

 

 

「器用なヤツだな」

コヤンスカヤと波状攻撃をかけながらも未だに隙を見せないコイツに対して最初に出た感想がそれだった

 

 

自分自身だけでなく足場も守るように魔術を行使して立ち回っている、守りに力を割いているせいか攻めはそこまで強くないが守りの硬さが異常だ、この分を攻撃に回していたらと想定すると…

 

 

「攻撃範囲を広げろ、ここで終わらせるならこれ以上モタついていられない」

「こちらの足場も破壊される危険が生じますが」

「なら壁と天井を中心に破壊するよう爆撃しろ、多少こっちに被害が飛んできてもいい」

 

 

博打はしたくないが、どう転ぶにせよキリシュタリアの『全力』を少しでも見ておく必要がある

「『レオレオ、動体視力強化及び防壁レベル3展開』」

コヤンスカヤの武装を考えれば最大のレベル5を展開したいがそれをやるともう義手が持たないだろう

爆撃をコヤンスカヤに任せ、2本のコンバットナイフを抜いて近距離戦に切り替える

 

 

当たり前だが魔術師は格闘戦術に疎い、身体強化によるフザけた怪力や切嗣のような高速化が使えたとしても技術だけはどうにもならない

右腕は…セーブしてはいるがもう限界だな、ダヴィンチの義手は文字通りこれが最後の仕事になるだろう

 

 

「君とは初対面のハズなんだが、容赦が無いな」

「こことは別の世界のお前を見てな、米軍が半壊した今残った希望(脅威)はお前だけだ」

ミサイルが周囲を瓦礫に変え、ガトリングガンの鉛玉が奴の足跡をなぞるように放たれる

 

 

そしてそれを防ぎながら足場を守り、さらに一つ一つのこちらの攻撃に対して最適な防御をとってくるキリシュタリア

まともな格闘術のない、魔術だけでこの硬さか。クライムとは別の意味で人かどうか疑うレベルだ

 

 

「人類最後の希望は念入りに潰しておく必要がある」

「君は、勘違いしているようだが…私は人類最後の希望なんかじゃない」

…まだ何か隠し玉があるのか?

 

 

ビキッ…

 

 

「崩れますよー」

「分かってる」

両手のナイフを反動強化仕様のハンドキャノン(マグナム)に持ち替え、発射位置を微調整して射撃。

バーサーカーめ、暴れ過ぎだ。おかげで助かったがな

 

 

1発ずつ発砲し、崩れてくる瓦礫を避けて1つ下の階へと着地する

低空かつ3発という僅かな弾丸が続く間のみ、更に両手が塞がるという多数のデメリットがあるとはいえ空中を動けるというのは大きい

そして──

 

 

「っと!」

姿勢制御に一瞬気を取られたキリシュタリアの顔面へマグナムを撃ち込む

自由の効かない空中で判断が遅れたらしく、それまで1発も当たらなかった弾丸は奴の頬を掠めた

 

 

土壇場で軌道を逸らしたな、普段から戦闘行為をやっているわけでもないのによくやるものだ

「だがもう終わりだ」

「確かに誰でも希望になれるなんて思ってないさ、でも」

 

 

上階からコヤンスカヤが構える対戦車ライフルの銃口が真っ直ぐにキリシュタリアの頭部へと狙いを定める

「誰もが誰かの『希望』になれる可能性を持っている、それを否定しちゃいけない」

 

 

──っ!?

 

 

「待て!!」

「え?──っぶ!?

いきなり飛来した2メートルはありそうな人影がコヤンスカヤを吹き飛ばした

今のはモロに顔面を殴られたな

 

 

「…ち」

マグナムの反動を利用して上階へ戻る

やれやれ、どいつもこいつも次から次へと横槍を入れやがって

 

 

「生きてるか?」

「そんな当たり前のことを聞くためにわざわざ上に?」

 

 

それもそうだな

「質問を間違えた。何に殴られたか分かるか?」

「いえ、一瞬だったものでして…

く…!それにしても乙女の顔面を躊躇無く殴るなんて!」

 

 

どこの誰か知りませんが高く付きますよ…!と妙な方向に怒りを燃やすコヤンスカヤをよそに警戒を強める

今のは間違いなくサーヴァントだった、どういうことだ?キリシュタリアが他に契約しているサーヴァントが居るということか?

それにしてはこんなギリギリになって駆けつけるのもおかしな話だが

 

 

「…いったい誰「ンンンンン!罪なき人々を殺め、英霊とはいえ女児を道具のように使い、更には我がマスターを殺して世界を滅ぼさんとする災厄の獣が言うに事欠いて『乙女』だなどと!冗談も度が過ぎれば失笑ものでございますぞ?タマモヴィッチ・コヤンスカヤ殿!」

 

 

「「────」」

 

 

聞き覚えのある声に2人揃って絶句してしまう

ホームズやカイニスが来ていたのなら他にもいると考えるべきだ、()()()のカルデアが残した痕跡から3騎まではこちらに干渉してくる可能性があるとコヤンスカヤから聞いてはいたが…よりによってコイツか…?

 

 

「ンン、聞いていた通りの悪逆非道の数々!人理の守護者として、到底見過ごすことはできませぬ!

世界の危機にも関わらず姿を見せぬ安倍晴明に代わりッ!

正義のキャスター、真名を芦屋道満

我が身の全てをマスターと世界のために捧げ、全身全霊を持って退治してくれましょうぞ!!」

 

 

カルデアめ、滅びた後だというのにやってくれる

「異星の神と取引してからカルデアを滅ぼすまでずっとあんなのの近くで仕事していたのか?お前も大変だったらしいな」

「それマジで言ってます?クソ坊主の性格の悪さから考えればこんなのおままごとクラスですよ?」

 

 

気付かずに犬のクソの上でタップダンスをしたような表情のコヤンスカヤがそう吐き捨てる

──やれやれ

 

 

「…俺が、悪かった」

「ええそうですね、クソ坊主の話題など面白くもなんともありません」

今度は念入りに切り刻んで獣のエサにします、と真顔で言い切る彼女に若干引きながらマグナムを再装填してからナイフに持ち替える

 

 

「奴が居る以上どんな小細工をしてきてもおかしくない

想定より早いがここからは撤退も視野に入れて戦う」

芦屋道満を俺に近付けるな、とだけ命令し下階から上がってきたキリシュタリアと対面した

 

 

 

 

「アレもお前のサーヴァントか?」

「そうだ、陰陽師の芦屋道満、彼も私が契約しているサーヴァントさ」

 

 

「よくアレを仲間にする気になったな」

「彼も優秀な英霊さ、しない選択は無いし…お互い様だろう?」

「やれやれ、全く」

 

 

戦りづらい男だ

 

 

 

 

「下総国と平安京でカルデアにボコられた挙句、いつのまにかカルデア側に寝返ったかと思えばまぁ…何しにきたんです?」

タマモタンクで轢き潰したい衝動を抑えつつ、ミサイルやグレネードといった基本武装を展開、いつでも木っ端微塵にできる体制を整える

 

 

「ンン、下総国?平安京?一体なんのことやら…そのような虚言で混乱を招こうだなどという獣の浅知恵、拙僧には通用しませぬぞ♡」

「よくもまぁぬけぬけと♪とぼけるなら霊基(クラス)くらい弄ったらどうですか?」

 

 

確認するまでも無く彼の霊基はアルターエゴのまま、それに表情筋も引き攣っている

あの引き攣り方は隠す気が無い時のヤツですねぇ

 

 

「てゆーかしつこいですよアナタ、探偵は元々そういう能力がありましたし神霊カイニスもまだ理解できますが…なんです?そんなに負けを認めるのが嫌で悪足掻きしにきたと?」

 

 

「──ンッ…ンン!まぁ獣に会話のキャッチボールを求めるのも無理というもの!

拙僧、キリシュタリア殿に召喚された正義のアルターエゴなれば「いやそういうの良いんでリンボさんマジで何しに来たんですか、新手の粘着ヤロウですか?」

 

 

心なしか元からおかしかった表情筋がさらにおかしくなっている

…笑うところなんでしょうが全然笑えませんよホント。

 

 

「ンンン…「ゴキブリだってここまでしぶとくありませんよ?ああそういえばリンボという名前、お気に入りでしたよねぇ?心機一転ということで新しいニックネーム

『ゴキブリンボ』っていうのはどうでしょう♪」

 

 

ピキッ…

建築物が壊れる音とは別の音が聞こえた気がするが特に気にしないでおく

 

 

「ン──「ああ!ダメです!これではゴキブリがあまりにも不憫です!彼らだって命があり、そのか弱き命で精一杯生き抜こうとしているのに!安倍晴明のかませとかいう居たかどうかも分からない人物の、そのまた影法師と一緒にするなんてワタクシ、どうかしていましたわ!全国のゴキブリさんに謝らないといけません!」

 

 

「────「スケジュール帳に追加記入です、謝罪は大事ですしここはキチンとしなければいけません!

…おや?時計塔にしては悪趣味な置物かと思ったら──

道満さん居たんですか?w」

 

 

ドゴッ

 

 

直後、まるでナントカ道満の心境を表すように彼の背後の床が砕け、下階から見覚えのある英霊が飛び出してきた。

あ。ちなみに床が砕ける音の中、ワタクシの耳には確かにナントカ満さんの血管の切れる音が聴こえました♡

 

 

「ゼェッ!ゼェッ…!キリシュタリア!無事か!?」

「こっちは大丈夫だ!それよりも君の方がダメージが酷い

こっちに来れるか?」

「──無事ならそれでいい!こっちはまだ取り込み中「ギャオオアガガがガ!!!」

 

 

うっわ、茨木童子から昇ってる紫の蒸気──瘴気?とにかく後で要検査ですねアレ、どう見たってマトモじゃありませんし。そしてそれを引き起こす影月家の血とは一体…

 

 

「まだくたばらねぇのかコイツは!?あ?道満居たのか。足引っ張んじゃねーぞ!」←彼なりの鼓舞のつもり

「ンクっ…!」

 

 

吹き出しそうになるのを全力で堪える

流石に哀れになってきましたが──笑いって堪えると倍増するという新しい発見が今──

 

 

プッチンッ

 

 

あっ、輪ゴムが切れたみたいな音が今はっきりと…

 

 

「ンンン!!!ええ、良いでしょう良いでしょう!ここまでされて怒りに燃えぬ方がおかしいというもの!

勝ち逃げできたと思い込んでいる女狐(世界と人々を脅かさんとする獣)を!全力で駆除してくれましょう!雪辱と怨みを晴らすため(世のため人のため)…!拙僧の心は今、復讐(正義)の炎で熱く燃えたぎっておりまする!」

 

 

メッチャ喋りますね

 

 

「まずはその減らず口から切り刻んでくれましょうや!!」

 

 

死ねェェェいっ!!!




ミッション・イン・○ッシブルの世界をコヤンスカヤと共に駆け抜けたい作者のルルザムートです、ハイ。
boxキター!!というわけでイベント期間中は周回のため更新が止まります
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。