弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
そして久しぶりに文字打ったせいか文が出てこない…滝汗
それはそれとして第69話です、お楽しみください
NFFボーダー 彼方の部屋にて…
「………」
横で寝ている彼方を起こさないよう、時間をかけてそっと巻きついている尻尾を外して部屋の外へ出る
『愛とは何か?…さぁ?』
廊下の窓の外には雲一つ無い夜空とどこか安心する神殿──アルテミス神殿が見えており、真夜中にも関わらず満月のおかげで遠くまで見通す事ができた
さっきの僅かな振動はやっぱり着陸した時のものらしく、その場所がギリシャだというのも分かった
『いやふざけてるわけじゃないぞ、実際のところ自分以外の愛なんて俺には分からねぇ
恋人でなく家族としての愛なら尚更な』
神殿に歩いていくザイルとコヤンスカヤの背中を見ながら非常口らしき扉から外に出る
『結局のところ愛に間違った形なんて無いんだ
例えば愛しているから離れようとする奴とか愛しているから殺そうとする奴とか…』
月明かりに照らされ
その目に覚悟を宿して
『いや実際にそんな奴がいるかどうかは知らねーけどな
ようするに愛に理屈なんて面倒なものはあんまり通用しねぇんだ
…で、ハルはどうしたいんだ?』
一歩また一歩と神殿と彼らに近付く度、少しだけそれらに背を向けたい衝動に駆られる
いや、実際にこれまでの彼女なら背を向けていた
『おーそうそう!そういう自己中心的なのも愛でいいんじゃないか?
良い良い、変なところでブレーキ掛けて後から後悔なんてするくらいなら多少テキトーになっていいんだぜ』
でももう先延ばしにはしない
『んーどうだろうな、正直ギリシャだとそればっかりってわけじゃ無いが珍しい話でも無かったしな…
しかしまぁ周囲からどれだけ狂って見えていようとハルが心の底から想う愛の形がそれなら俺は応援するぞ』
ぬいぐるみの狩人と格納庫に居た意外な助っ人に支えられ、前へと進む
「…オリオン」
「おう」
ありがとう
〜
アルテミス神殿にて…
「神殿というからにはどんな建物かと思っていたが柱と屋根しか無いのか?」
「いや神殿ってそういうものですよ、人が住むように出来てるわけでもないですし」とりあえず入りましょう
雲一つ無い夜空に浮かぶ満月が周囲を照らす
本来であれば星もよく見えるのだろうが月があまりに明るいせいか殆ど見えなくなっている
「別に急いでいるわけじゃ無いが10日以上も待つ必要があったのか?」
時期が悪い、と現地に到着したにもかかわらず月が満ちるまで地上に降りずボーダーで満月の日を待っていたわけだが
「言わんとしてることは分かります、確かに触媒としてコレがある以上はほぼ確実ですが…取れる手段を取らず【失敗しました】では笑えませんし?
なにより仕事で手を抜くなんてワタクシのプライドが許しません」
「それもそうか」
ホルマリン漬けにされた影月 遥の右手、それをカプセル越しに指でなぞりながら彼女は微笑む
「早速召喚しますが…予定通りマスター権限は保留しボーダーの魔力炉と接続が完了次第スリープモードでよろしかったですか?」
「構わない、なんにせよ仕掛けるのは当分先だからな」
サーヴァントを兵器として使用するため召喚時に狂化を付与させ、来るべき時に雑に暴れてもらう…これはそのための召喚である
「かしこまりました!」
「召喚にはどれくらい掛か「終わりました」
「…早いな」
「つい最近まで彼と契約していたマスターの手首ですからねぇ、令呪が付いていた手ともなれば尚更」
ワシントンDCの大通りで感じたものと似た威圧感を見に纏い、感情の読めない表情でアーチャーのサーヴァントが顕現する
狂化の影響か意思疎通はできそうに無く、グランドクラス特有の高い霊基も持ち合わせていないようだが…並のサーヴァント以上の力があるのは間違いない
「はい!とゆーわけでバーサーク・オリオンの召喚に成功致しました♡」
「…狂化されているという割には大人しいな」
「そこは少し手を加えさせていただきました、普通に狂化させるよりやや強化度合は落ちますがこれくらいが丁度いいかと
それよりもザイルさんにお客様が見えてますよ」
…?
そう言ってキャビンアテンダントのように指し示す方向には──
「…姉さんか、彼方と眠っていると思ってたが」
「うん、でも目が覚めたから」
「…」
気配に迷いがない、決断したのか?
「…悪いが、席を外してくれるかコヤンスカヤ」
「かしこまりました」
何かあればお呼びください、そう言って単独顕現を発動させてコヤンスカヤは艦へ
「…どうするか、決まったのか?」
「うん」
短く短節な返事、何故だかどこか諦めたようにも聞こえた声に違和感を感じたものの真っ直ぐこっちの目を見据える遥に対し腿のホルスターに手を伸ばす
艦ならともかく、これだけ離れていれば爆発でも起こさない限り彼方が出てくることはない
「私は、ザイルと彼方を止める、例え──殺してでも」
いつだかに見た黄金の弓を手に、力ずくで押し出しされたようなその言葉
「…そうか」
オートマチックマグナムを抜き取り彼女に向ける
本音を言えば少しだけ期待していた、戦力云々という意味じゃない。できれば戦いたくないしできれば背中を押してほしかった
自分が間違ったことをしているとは思わないが止めようとする気持ちがわからないわけじゃない、だがそれでも
激鉄を引く音がやけに大きく聞こえる
姉さんが何も言わずに味方になってくれることに期待していた自分がいた、だからだろうか?
甲板で選択を迫ったのも今思えば焦っていたのかもな
さて、問題は姉──いや遥が何故こんなにも早く出向いてきたかだが
10日前の様子を考えれば今回の行動は思い切りが良すぎる、誰かが背中を押したと考えるのが妥当だ。
コヤンスカヤは除外、彼方の言葉じゃ動かないだろうし違う、パライソは行けそうだがもし何かあれば俺に報告が来るだろうからこれも無いな
「思ったより決断が早かったな」
「私1人じゃなかったから」
茨木童子は…鬼に人の悩みは理解できないだろう、残るはベリルだが遥は目に見えるほど奴を警戒していたからこれも無いな、俺が把握している人物じゃないとすると──
「…やれやれ」
熊化オリオンだろうか?だがごちゃごちゃ考えたところで事実は変わらない
決断は済ませた、辛くはあるが迷いは無い。今度は確実に遥を
この手で殺す
問題発生だコヤンスカヤ、遥が敵対した
(らしいですね、こちらもすぐ合流しますが…
手は必要ですか?)
──いや
「俺がやる」
手元を狙って撃発しながら柱の陰へ
「うわ!…っの!」
銃のように乱れ撃たれる弓矢
もちろん1発でも当たればただじゃ済まないだろう
「随分器用なことをやるな」
右腕は隻腕のままだが何故か片手で弓を引いている
自分で言っていて意味不明だが実際に遥は矢の雨を放っている、しかも神殿には傷1つ付いていない
あれは女神アルテミスの力だとコヤンスカヤは言っていたが…どうりで1発1発が重いわけだ
アルテミス神殿…月女神の力を使うのにこれ以上良い立地は無いだろう
ま、これも遥は決断した理由の1つだろう。できるわけがないと思っていたが
柱から柱へ移動しつつマグナムを撃つ
左肩と耳に命中、そして今左足にも撃ち込んだ。神殿の中だが月明かりのおかげがよく見える
「最後に、理由を聞いておきたい」
攻撃が緩まった隙に更に撃ち込みそのまま予備動作を消して接近、彼女の首を掴んで床へと叩きつける
「…どうして人間側に付いたんだ?」
銃口を突き付けつつ周囲を警戒する
遥は
必ず協力者が出てくる筈だ、それを──
(ワタクシが排除する、と)
…聞いていたのか
(ええまぁ、いつでも飛び出せますよ)
分かった
「──もう遅すぎたんだよ」
「うん?」
絞り出された小さな声、さっきも聞いた諦めたような声。
「家族を助けるには、私は選ぶのが遅すぎた」
「だから消去法で
「全世界が敵になる、世界中から貴方と彼方が憎まれて、顔を知らない大勢の人間からも死を望まれる
そんなこと、私は嫌だよ」
「嫌だろうと概ね今遥が言った通りになりそうだがな」
引き金に指をかける
「そう、それが嫌なだけだった、突き詰めたら本当は知らない誰かなんてどうでも良かった」
ガン
「…!」
マグナムが弾かれた?だが魔術行使の気配はない
…魔力か?魔力だけで弾丸を?
「私は2人が人を傷付け、傷付けられるのを見たくない
人を憎んでほしくないし憎まれてほしくない」
「姉さん…?」
周囲の様子がおかしい──っ!?
「──さっき俺が撃った傷はどうした?」
傷が無い、それどころか服も直っている。初めからそんな傷なかったかのように
だが遥は俺の質問に答えることはなく、ただ静かに涙を流しながら訴えるように俺を見ている
「だから、だから私が、2人を力づくで止めるの
2人が人間へ向ける殺意を私は否定できない、それとは別に私が!影月 遥が2人のそんな姿を見たくないから、最期を悲惨なものにしたくないから、
「…ッチ」
爆発するような魔力の衝撃波より一瞬早く飛び退き、対神秘マグナムを抜く
まさか遥にこれを使うことになるとはな
額と心臓に1発ずつ撃ち込み、今度こそ終わりを確信していた
「な…!?」
だが
「──馬鹿な」
否幻想弾が、すり抜けた?
「黙って2人の味方しようともおもったんだけどダメだった
ごめんね?自分勝手なお姉ちゃんで」
「────」
感じない
目の前の、影月 遥という人の形をしたものから、人間らしさをまるで感じない
目の色はいつもと変わらない、焦点もしっかり合っている。だがその瞳からはどこか狂気の色が滲み出ていて──
「アルテミスちゃんから預かった力は、私が愛した家族のために使う!
何を差し出したとしてもこれ以上、2人に殺戮なんてさせない!」
サーヴァントの気配…!
「…!戦闘だ、援護しろコヤンスカヤ!」パライソも茨木童子と一緒に来い!
「了解ですっ!」
(承知!)
まるで体験劇で感じたような凄まじい魔力濃度が神殿全体を包む
「霊脈への接続も無しになんという力技を…彼女あれで人間ですか?」
「今は違うらしいな、構えろ」
2騎のサーヴァントが完全に召喚された
バーサーカーとアーチャー、どちらも体験劇での見覚えがあるサーヴァントだ
女神アルテミスの霊基で呼んだというならこいつらなのも納得だが…やれやれ、やってくれる
「ここは…アルテミス様の神殿か?
しかし私の知る神殿とはいささか違うようだが…」
「聖杯によるものではなく個人に呼ばれたのは初めてだ
汝が私のマス──…!?
この気配は…!まさか汝、いや貴女様は…!?」
「悪いけど説明してる時間は無いの!今は一緒に戦って!」
遥の気配を察知し始め、目に見えて狼狽えだす2騎のサーヴァントだったが遥はそれをあっさりと一蹴し、こちらに向き直る
「もう説得はしない!ザイルも彼方もやりたいようにやればいい!
私は私のワガママでそれを打ち砕くから!行くよ!」
不自然に降り注ぐ月光の中、戦いが始まった
およよ…顔のコヤンが可愛いくてたまらない作者のルルザムートです、ハイ。
ええとモチベが中々上がらず結構遅くなりました、うーむ