弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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第71話です、お楽しみください


第71話 ケガレ弾

ロシア海域上空

NFFボーダー ブリーフィングルームにて…

 

 

「来たぞ」まったく、広い艦だ

「御足労頂きありがとうございますザイルさん♡

ロシア潜入任務のためお話の時間を前倒しにさせていただきました

あ、何か飲まれます?」

「今はいい、本題を頼む」

 

 

否幻想弾のことだろう?とあらかじめ持ってきていたであろうアップルジュースの缶を空け、綺麗に並べられた椅子の一つに彼が座る

「んー…まぁ確かに1つはソレですね、そちらから話しましょう」

「…?」

 

 

若干首を傾げるザイルを他所に指を鳴らしてモニターの電源を付ける

ちなみに指を鳴らす必要は特にない

「アルテミス神殿でワタクシがヘクトールさんにブチ込んだ弾丸、覚えてます?」

「覚えている、弾丸に呪いか毒を込めた特殊弾のことだな、それがどうかしたのか?」

 

 

「これをご覧くださいませ♪」

新商品PRが如く改造済み否幻想弾がモニターへ映し出される

いえ如くというか実際そんな感じなのですが。

 

 

「順序が逆になってしまいましたが否幻想弾の解析及び改良の結果、否幻想弾の効力は大きく変化しました

まずサーヴァントを始めとする、ザイルさんが対神秘と呼んでいた効果は全て霧散。その引き換えとして弾丸に伊吹童子の力を纏わせることに成功したのです」

「…どういうことだ?」

 

 

「纏わせる、というより元々在ったはずの力を呼び戻したという方が正確でしょうか、次はこれをご覧ください」

再び意味なく指を鳴らして画面を切り替える

映し出されたのは彼方と遥が──いや彼方が一方的に遥に絡みついている写真である

 

 

「スライドショーにできるほど撮ってあるとは呆れたもんだ。で?これがなんだ」

「ふむ、ではもう一度最初から流しますので今度は彼方さんの手元に注目しつつご覧ください」

「手元?………どの写真も遥に手で触れていない?」

…気付いたらしいですね

 

 

「見ての通り彼方さんは一度としてその手で遥さんに触れていません

これには伊吹童子の逸話が関係しています」ハイ次の画像。

「伊吹童子に関する資料か、かなりの量を集めたな」

「いえ、この艦を頂いた時のデータベースをそのまま引っ張ってきただけの物なので。…で、えーとコレですね『ケガレの指先 A』」

 

 

『伊吹童子の指先が触れたものは不浄であり、神前や人の前に在ることを許されない』

「具体的に言うと名誉の欠落とか死ですね、要するに並の人間、サーヴァントならちょっと触っただけで全身が穢れに呑まれて息絶えるか消滅します」

 

 

改めて説明してみると毒なんかよりよっぽどエグいですねぇ

「改造否幻想弾…『ケガレ弾』とでも呼びましょうか、元を辿れば彼方さんの指を元に作られた弾丸というだけあって加工法さえ分かれば改造は左程難しくありませんが──もちろんデメリットもあります」

「…詳しく頼む」

 

 

「前提として当たり前ですがケガレ弾運用の際は伊吹童子のケガレを弾丸としてそのまま手元に持っておき、必要に応じて撃つということになりますがこの場合運用までの間ケガレに耐えうる銃と使い手が求められます

 

 

通常兵器はもちろんパーですしワタクシが提供する安定と信頼のNFFサービスの銃器でさえ専用の改造、補強をした上で1発装填かつ使い捨てでなんとか運用できるレベル…

また使用者についても元の持ち主であるザイルさんか彼方さん、耐性のある2人のワタクシに絞られます」

 

 

まぁ使い手としてアサシンのワタクシとザイルさんがいればこちらはそこまで困ることは無いでしょうが

「しかし人間、英霊問わず簡単に有効打を撃てるというのは否幻想弾には無いメリットです

ここでワタクシから1つのプランを提示させていただきますと残った否幻想弾5発全てをこのケガレ弾へ改造することをオススメいたします」

 

 

「一度ケガレ弾に変換した弾丸を否幻想弾に戻すことは可能か?」

「ほぼ不可能ですね、一度呼び起こした伊吹童子のケガレを祓うのはワタクシといえど簡単ではありません」

「………」

 

 

モニターに映されたケガレ弾を指示棒でぺしぺし叩いてアピールするもザイルは乗り気では無さそうだった

慎重になるのもよく分かります、改造時点で8発あった否幻想弾も今は5発…

いきなりその全てを全く別の用途の弾丸として使うと言われれば普通は躊躇うでしょう

 

 

「ではここでもう一つの報告を。──貴方の魔術特性について」

「…なんだって?」

しかしこの事実を聞けば彼もケガレ弾への改造を許すでしょう

完全に覚醒すれば()()()()()()()()()()()()()()んですから

 

 

その後 カジノバーにて…

 

 

「相変わらずお酒は飲まれないんですか?」

「飲めないことは無いが我慢して飲むものでもないしな、適当なフルーツジュースを頼む」

「かしこまりました!」

 

 

フォーリナーのコヤンスカヤがパタパタとドリンクを取りに行く後ろ姿を見ながら、何をするわけでもなくドリンクが運ばれて来るのを待つ

「否幻想弾…いやケガレ弾5発か、使い時を考えておかないとな」

 

 

特殊弾格納ケースの中にあるケガレ弾を転がしながら考える

…俺の魔術特性か、これまで魔術はダヴィンチの義手頼りで考えたことも無かった

 

 

『ダヴィンチさんの用意した義手はザイルさんに基礎魔術を授けましたが同時に貴方本来の魔術を殺し、封印していました。最も彼女らにその自覚は無かったと思いますが』

「…やれやれ」

 

 

「よっ、邪魔するぜ?」

「ベリルか」

──と、そんな1人の時間も束の間にベリル・ガットが隣に座った

 

 

「アサシンの方のコヤンスカヤはもう居ないのか?」

「既にロシアに降りた、1日2日で終わるような仕事じゃないからボーダーにいるのは当分フォーリナーだけだな」

「お待たせしましたザイルさん、カルデアストロベリーでーす!」

「ああ」ぐび

 

 

…悪趣味な名前だが味は良い

「俺には無ぇの?」

「ありますとも、ベリルさんにはカクテルをどうぞ♪」

「お!サンキュー!」

カクテルは普通の名前なのか、やれやれ

 

 

「おお美味(ウマ)、にしても一気に人が減ったよなぁ…ってまともな人間ってカウントできるのは俺とお前くらいだから実質人は減ってないようなもんか」

「人でなしのお前が言っても説得力が無いな」

「うはは、ヒデェ言われようだ!」

 

 

ギリシャで遥がクライム側に行ったのは想定内だったがまさか茨木童子まで向こう側に行くのは想定外だった。いや離脱事態予期してはいたがこんなに早く踏み切るとはな

だからどうしたというわけでも無いがパライソはそれをかなり気にしているようで宥めるのに少し時間がかかった

 

 

「で、クライムとやらには逃げられたわけか?」

「まんまとな、魔術的防御で光学迷彩と魔力遮断をやってた上最後の最後でヘクトールが無茶苦茶をしたせいでドゥリンダナの回収に時間が割かれた」

トドメに槍自体は俺たちが見つけた頃にはすでに燃え滓になっていたという…

 

 

「お姉さんの足取りは掴めないのか?」

「ほぼほぼ米軍基地で間違いないが攻撃できるかどうかと言われれば話は変わって来る」

アルテミス神殿の時は4騎も新しいサーヴァントが出てきたから潰しに行こうとしたが今の米軍基地には未知数な戦力が多すぎる

 

 

「時計塔を消した以上キリシュタリアも基地にいる可能性が高い

コヤンスカヤが言っていた黄金のサーヴァントの存在もある、無作為に攻撃を仕掛ければこっちがやられる

確かにクライム同様、姉さんとも決着をつけなきゃならないがその目標がゴールじゃないからな」

 

 

「こっからどうすんだ?」

「遥が完全に向こうに付いた今これまでよりも慎重にならなくちゃならない、あちら側の戦力が上がっていること、こっちには彼方という爆弾がいることを考えてな」

 

 

コヤンスカヤの見立てでは10年かそこらで冬木市に聖杯が現れる、クライムは知らんがキリシュタリアがそれを無視するとは思えない、秘密兵器とやらのパーツに聖杯を使うということも考えられる

故に仕掛けるのは聖杯が現れる少し前、そこでクライムとキリシュタリアを筆頭とした『人類最後の戦力』を叩き殺す

 

 

「つまり暫く休みだ、まだ人類が残っているうちに世界を見て回ろうと思う」

コヤンスカヤ(殺)には少し悪いが。

滝を見計らったようにコヤンスカヤがカウンター前へと歩いて来る

「ご注文はお決まりですか?」

「ああ、良い旅行プランを頼む」




勤め先がブラック企業は嫌だがNFFサービスならどれだけ暗黒でも働きたい作者のルルザムートです、ハイ。
とりあえず文字が進むようになって少し安心、話数が3ケタになる前には終わりたい…
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