弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
はい…それとお待たせしました
第71話です、お楽しみください
アメリカ ワシントンD.C.
J地区 米陸軍駐屯地 予備司令室にて…
ギリシャにて影月 遥を強奪後した後、装甲車、潜水艦、列車などを乗り継いでひっそりと移動を繰り返しキリシュタリアはクライム達と共にアメリカへとやってきていた
「ではマスターとセイバー、2人とも協力してくれるんだね」それは良いニュースだ
日本に派遣した魔術師の1人、カドックより何重にも暗号のかかった通信機を通して報告を聞く
『ああ、ただ交換条件としてもう1人の騎士──いや元騎士には戦闘行動を始めとしたあらゆる危険行為を絶対にさせず、手厚く保護をする…という条件を出された
人間でない分下準備が必要そうだ』
「もちろん飲むとも、何か必要なものができたら報告を。すぐに用意する
今は少しでも戦力が欲しいからね、ガラティーンの使い手ともなれば尚更だ
よくやってくれたカドック、ぺぺ」
妖精騎士バーゲスト…別世界に存在したというブリテン異聞帯で女王モルガンに仕えていたセイバー、か
本人はもちろんのこと彼女のマスター、そして元騎士という人物にも是非会って話をしてみたいな
『報告はあと2つ、冬木市の聖杯戦争についてだがアンタの見立て通り今までのような数百年単位の周期じゃなかった、15──いや早ければあと10年くらいで聖杯戦争が起きる』
「……分かった」
コヤンスカヤ達にとっても聖杯は無視できるものじゃないだろう、とはいえ今すぐ動き始めるというのも考えづらい
本格的に人類への攻撃を始めるとすれば徹底的な下準備の元、冬木市の聖杯起動に合わせてくるのが最も自然だ
今ホープボーダー建造の指揮はオフェリアがとっている、場合によっては人員の補充、移動が必要かもしれないな
「ありがとう、これで我々に残された大体の時間は逆算できた
ホープボーダーの完成を急ぐことにするよ」最後の報告を頼む
『ああ、それに関してはぺぺから話があるらしい、代わるぞ──
もしもし?音声感度良いかしら?』
「しっかり聞こえているよぺぺ」
いつもと変わらぬ明るい口調だったが僅かに声色が低い、気がする
『伊吹山のことなんだけど多分私達だけじゃ手に負えないかもしれない──っていうか絶対無理ね!ちょっと見に行ってみた感じもっと人数が必要よ』禁足地になってたし
ちょっと、って距離じゃないと思うんだがな…と電話口の向こうから聞こえるカドックの声に同意する
確か日本列島の半分…3分の1くらいは移動しなければならなかったような…
「とりあえず動ける魔術師を連れて行く、2人は滋賀県へ向かってくれ」私達もすぐ向かうよ
『分かったわ』
電話機を置いて軽く背伸びをする
「終わったか?」
「うん、魔術も使わず暗号化できる通信機があるとは思ってなかった、助かったよ」
「…で内容は?」
「伊吹山調査のため動けるサーヴァントとマスターが必要だ、あそこは我々が思っている以上に異界と化している可能性が高い」
「そうか、とはいえ俺がこれ以上
「…ギリシャから連れ帰ったサーヴァントを何人か連れて行きたい」
「分かった、移動手段を用意する。この程度しか力になれなくて済まないな」
「構わないさ、今でも充分に助かっている」
……カイニス
(おう)
「日本に行こう」
〜
2日後 日本 滋賀県
伊吹山の麓にて…
「山に来ると空気が綺麗たとか澄んでいるとか言うがここはとてもそんなことを言える空気は漂ってないね」
報告から2日後、ようやく伊吹山にたどり着いた私達はカドック達と合流した
少々過剰戦力では?とバルンに言われたが山から立ち上る気配のおかげでその判断が間違っていなかった、というのがよく分かる
同行してもらったのはカイニス、芦屋道満、アタランテ、ペンテシレイア、オリオン、影月 遥の6名だ
本当は影月 遥とオリオンを連れてくるつもりは無かったが彼女曰くつい最近コヤンスカヤ、ザイルと共に一度伊吹山に入っているらしく案内役を買って出てくれた
「…随分と大御所だな、キリシュタリア」
大勢のサーヴァントを見て目を丸くするカドック
うん、助っ人も一緒のようだ
「過剰戦力だったかな?」
「いや頼もしい、正直こんな山に入ろうとする時点で用心のしすぎ、なんてことはまず無さそうだからな」
「そうか、それなら良かった
…後ろの方々が例の助っ人かい?」
「ああ、自己紹介が先だな」頼む
カドックに促され出てきたのは旧式のバトルドレスを着たイギリス人の青年と甲冑に身を包んだ女性だった
サーヴァントは甲冑の女性の方だろうがマスターと思われる人間の方の気配も普通ではなさそうだ
「初めまして、私はキリシュタリア・ヴォーダイム
時計塔、天体科に所属している──いや、していた魔術師だ」
「レガリオ・ハルトマンです、魔術師としては3流以下ですがサーヴァントは超1級であることは保証します」
「サーヴァントセイバー 妖精騎士ガウェイン。事情はゼムルプスから聞いています。借り物の剣ではありますが弱者を護るためなら私もマスターも力を貸す所存です」共に脅威を打ち払いましょう
「ありがとう、ところで連絡にあった元騎士の方はここには居ないのかい?」
「彼女なら今頃キリシュタリアが乗ってきた装甲車の中だ、アヴェンジャーが護送してくれた」
こんな危険な場所に連れてくるのは契約に引っかかるからな、と一通り説明してくれたカドックに礼を言う
「カドック、ミラ・ツールは?」
「元騎士と一緒だ、アヴェンジャーには2人と装甲車の護衛をやってもらっている
…それよりも本当に入るのか、ここに?」
「もちろんだが流石に全員固まって動くのは非効率だ、いくつか班を分けて山に入る。班分けは──」
〜
《A班》キリシュタリア、カイニス、芦屋道満
伊吹山 廃村にて…
「ンン?おやおやこれは…どうやら拙僧は50年遅かったようでございます」
「あ?どういう意味だ道満」
廃村に入るなり押し殺すように笑う芦屋道満に若干苛立ちを覚えるが即座にキリシュタリアが割って入る
「詳しい説明を頼む、道満」
「もちろんでございますとも!まずこの伊吹山は今やカミと呼ばれた
「んなことは言われなくても分かってる」
ただそこにいるだけでストレス溜まるってのにイチイチ回りくどい言い方をするせいでそれが加速されてる、正直コイツとのコンビは今すぐ解消したい
「その魔力に殆どを押し潰されて分からなくなっているのでしょうが…そこはこの拙僧がひと肌脱ぎましょう」
言うが早いか悪趣味な式神を振り翳す道満
「おい──」
「構えるんだカイニス」
いたい
!!
まるで最初からそこにいたように、いや実際気付かないだけで居たんだろう
人…じゃねぇな、怨霊の類か
「…ここの住民──にしては数が多いな」
なんで
ころさないで
だれか
「これこのように!彼らにこの地の魔力で活動できるよう細工させていただきました!ンン、これで50年前ここで何があったのか情報が出るかもしれませぬぞ?」
「へぇ、で?どう見てもぱっと見で数えられる数じゃないんだが1人1人会話でもする気か?」
村の規模から推測した人口を超える数の怨霊がこの場の魔力を喰って実体化している
そして当然のようにやる気らしい
「ンン?情報は多いほうがよろしいかと!しかしここまで多いとは拙僧も予想外でして!」
どのクチが言いやがる
「ッチ、これだからテメェとのコンビがいつまで経っても解消されねぇんだ!」
「すまない、だが彼の監視には非常時を除いて最高戦力を当てておくべきだと判断している。どうしてもというなら無理強いはできないが」
「そりゃ元はオレが言い出したことだ、気にしちゃいねぇよ」
「ンン、本当に気にしておられないのならイチイチ口を挟むのはおかしいのでは?」
「────」
「おや、カイニス殿?」
「──マジで黙ってろ、な?…とりあえず掃除するぞキリシュタリア」
「うん、流石にこの数を放ってはおけない、他の班に流れる前に数を減らす
行けるか?」
「ああ!」
〜
《C班》ペペロンチーノ、ペンテシレイア、影月 遥、オリオン
伊吹山 山頂跡にて…
「なんだ、これは…?本当にここが山頂なのか?」
「ドス黒い噴火口みたいなもの…が1番近い表現かしら
最もこれが普通の火山なら良かったのだけれど」
「──禁足地」
ふと呟いたその言葉に2人が振り返る
「肉を見せられて『これは肉です』って言われるくらい分かりやすい禁足地だな、どう見たってヤバいぜこれはよ」
「………」
お母さんが帰ってこなかったあの日、捜索してくれた教会の人達は恐らくここでお母さんを見つけたんだ
あのクレーターの中心、で──
「…?あれ、中央に…」
突き刺さった草薙と…あれは、誰…?
ピリリリリッ
「ごめんなさい、ちょっと電話出るわね
──ペペロンチーノよ!…あらカドックどうしたの?……分かったわ、すぐに向かう」
みんなには見えてない…?
「どうした?」
「カドックのとこで人手が必要らしいからひとまずここは後回し!
一旦彼の元へ向かいましょう!」
「なにかあったのか」
「ええ、ただハルちゃんはここの調査を頼んでもいいかしら」
「私に?」
「登山前にキリシュタリアが言ったようにこの山の中で長居するのは危険よ
ビーストや神霊でもない限りはね」
なるほど、私はアルテミスちゃんの霊基を持ってるから
実感はあまり無いが私は月女神の霊基を内包したことによりかなり神霊寄りになっていると聞いた、私ならある程度大丈夫だと彼は判断したのだろう
「分かった、任せて」
「ありがと!でも無茶はしないで危なくなったらすぐ麓に行って!
さ、2人とも行くわよ!」
「む、待て!人数が偏りすぎだ、1人ハル様の元へ残るべきでは「いいんだペンテシレイア、ハルはお前が思っているよりずっと強い、だよなペペロンチーノ?」
「ええ!じゃハルちゃん、女王様と熊の美男子借りてくわねー!」
「うん、待ってる」
特に呼び止めることもなく3人を見送る
正直オリオンは残ってもよかったと思ったけど…あ、そっかオリオンは元から神霊じゃなかった!
「まぁ…それはいいか」
クレーターの中心を見下ろす
…今は誰もいない、けど
あれは人間だった
「………」
無意識か否か、私は一歩クレーターへと踏み出した
〜
「おいペペロンチーノ」
「はーい!」
早足、というかハルが見えなくなってから普通に走って山頂から降りていく彼に気になっていたことを聞く
「カドックから何を聞いた?ただごとじゃないだろ、多分」
「──」
今の伊吹山は居るだけで危険…それは分かっている、そしてカドックもそれを分かっているハズだ
キリシュタリアが班分けをしたのは短い時間でこの山を効率よく調査するため、人手が足りそうにないならカドック→キリシュタリア→ペペロンチーノという順番で連絡網が回り人員入れ替え、差し出し等の指示があるだろう
だが実際にはカドックから直接連絡が来た、つまり…
「そうね、流石にハルちゃんには聞こえないだろうし言っておくわ
影月家の屋敷を調べていたカドック達B班のところに──」
────
「おい、おいおいおい!冗談だろ、またかよ!?」
「急ぐぞ!」
〜
《B班》カドック、アタランテ、レガリオ、バーゲスト
伊吹山 影月家の屋敷
「ぐ…うう…」
「もうそれ以上動くな!応急処置する!」
力無く横たわるアタランテを魔術で癒す
治癒魔術は得意じゃないが幸いここには腐るほどマナが漂っている、それを使って…!
彼女の折れた両足を治癒しつつ思考を巡らす
どういうことだ?奴はつい最近ビーストと遥と一緒に伊吹山に来てたんじゃないのか?
「やれやれ全く…人様の家を粉々にしやがって、まぁいいんだが」
ガウェインが吹き飛ばした屋敷の瓦礫を掻き分け、無傷の男が出てくる
「レガリオ、ガウェイン、2人とも奴が何をしたのか、見えたか?」
「…残念ながら」
「
今、奴の付近にビーストは居ない
理由は知らないが居るのは普通のサーヴァント1騎だけ、しかも霊体化を守ったまま出てきていない
奴は生身のままアタランテの足を折った、それは間違いない
銀髪三つ編み、トレンチコートを着た両腕が義手の男
「まだそんなつもりは無かったが…仕方ない、こうして遭遇した以上殺していくぞ」
「く…」
ビーストコヤンスカヤのマスター、ザイル・ニッカー…!
「なんでお前がここに居るんだ…!?」
コヤンと一緒にコタツで寝落ちしたい作者のルルザムートです、ハイ。
え?前の投稿が2月上旬?いやぁまさか… うわ。