弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

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ちょっと短いです
第84話です、お楽しみください


第84話 友人として

NFFボーダー 会議室にて…

 

 

「アンタ、実はそこまで人間憎くないんじゃないのか?」

「うん?」

 

 

 部屋でチェスをするザイルとベリル、特に会話もなく黙々と駒を動かしていた2人だったがベリルのキングに王手(チェックメイト)がかかった時にふと彼が呟いた

 

 

「何を根拠に。と言いたいところだが案外そうかもしれないな、正直なところ今はそんな感情は無い」

 あまり気にしていなかったがいつからか人間に対する憎悪は完全に消えていた。…最初から無かったわけじゃない、少なくともコヤンスカヤを召喚した時は人が憎くて殺したくてたまらなかった

 

 

 俺、ザイル・ニッカーはそもそも存在しないハズの人間だ。姉と離れ離れになった影月 彼方が現実に対処できなくなって生み出した架空の家族

 それでも精神が保てなかった彼方の心が閉じこもった結果として本来表に出てこないザイルという人格が彼方の身体の主導権をそのまま手にした人間…それが俺だ。

 厳密に言えば軟禁部屋で寝ている影月 彼方はただ人格を移したコピー体でしかなく、オリジナルと呼べるのは俺の方だ

 

 

「へぇ、そうかいそうかい!やっぱ俺の思った通りだ」

「…何故こうなったのか分かっているような口ぶりだな」

「お、聞きたいか?俺の考察。」

「いや、どうでもいい」

 

 

 理由が分からないとはいえ知りたいかと言われれば正直どうでもいい。

 今の俺には彼方としての人格は無く、言ってしまえば彼方は赤の他人なのである

 

 

「そう言うなよ、何にでも興味と疑問を待った方が良いってコヤンスカヤも言ってたじゃねーか、な?」

「…」

 …確かにチェスばかりじゃ面白くないのも確かだ

「聞いてもいいか?」

「そうこなくっちゃ!聖杯戦争開幕後あたりからのアンタの記録を見させてもらったんだが多分コンテナ置き場での戦闘あたりまでは──」

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

ええー、ただいま間粡 慎二さんから回収要請を受理しました。保護対象の3名も付近に存在を確認、無いとは思いますが一応凖戦闘体制へと以降お願いしまーす。あとザイルさんは出迎えの準備をするので船首甲板にお越しくださーい

 

 

ピンポンパンポン

 

 

「話し始めた瞬間にかよ、まぁいいか。んじゃ俺はのんびりやってるから暇な時にでも教えてやるよ」

「また後でな」

 

 

 ベリルと別れ、空っぽの会議室を後にする

「パライソ」

「ここに」

 

 

 1秒に満たない時間で天井から望月千代女が降りてきた

 こちらの指示を受ける前から察し、マグナムリボルバー(ゴム弾ショットシェル仕様)とスタンロッドを持ってきている

 

 

「どうぞ」

「ありがとう、じゃあ行くか」

 間粡 慎二は協力的だ。彼との間に面倒事は起こらないだろうが…

 

 

「よりによって保護対象3名の内2名か」

 慎二の説得具合にもよるがこっちとの面倒はあるかもしれんな

 

 

冬木大橋にて…

 

 

「なぁ慎二、こんな夜中に呼び出してどうしたんだよ」

「そうつっかかるなよ衛宮、すぐ分かるさ」

「俺は別にいいんだが」

「………」

 

 

 多分慎二が俺と同じように呼んだんだろうがすぐ近くを歩く遠坂の表情がかなり硬い、というかあんな表情は初めて見た気がする

「寒くないか桜?」

「大丈夫、です先輩…」

 桜も桜で様子がおかしい、怖がっているとかそんな様子じゃないが何というか…

 

 

「つーかここらで良いだろ慎二、大事な話があるんだろ?少なくともここには俺たち以外誰もいない、そろそろ話してくれてもいいんじゃないか?」

「焦るなって、もうすぐに来るからさ」

 …来る?

 

 

ふわっ

 

 

「待たせたか?」

「少しだけかな?1ヶ月前に行った通り連れてきたよ」

「あれ?アンペルドさん?」玉藻先生も

 

 

 いったいどこから?そんな疑問を嘲笑うかのようにアンペルドさんと玉藻さんが何も無いはずの上から飛び降りてきた

「間粡桜に遠坂凛、士郎もいるな。これで全員か?」

「そう、彼らの保護を頼むよ」そうしたら協力してもいい

 

 

 協力?なんの話だ?慎二(あいつ)は何をいってるんだ?

「…だがこの様子じゃまだ話していなさそうだな、先に話すと言っていなかったか?」

「今から話すさ、キミ達が話の場にいてくれた方が言葉も少なくて済む」あ、2人は喋らなくていいよ

 

 

「なぁ慎二って!一体なんの「衛宮くん下がって!桜あなたも!」

 それまで押し黙っていた遠坂が割り込むように前へ出る、何故か玉藻先生を警戒してるみたいだが…

 

 

「そう!そうですよね!それが正しい反応なんです!士郎さんも桜さんも無防備すぎてこっちがおかしいのかと…」

「アンタサーヴァントね…それもマトモじゃないでしょ」

「ふふふ、どうでしょう?ただこの場においてワタクシの仕事はありません。どうぞ慎二さん」

 

 

 玉藻先生が一歩下がり、アンペルドさんと話していた慎二が入れ替わるように前へ出る

「さてと、あんまり長々説明するのも面倒くさいから簡単に言わせてもらうよ。

 桜、遠坂、衛宮、僕と一緒に来なよ」

 

 

 その言葉と同時にゴウンゴウンと彼の背後から聞こえる轟音、空飛ぶ艦としか言いようのない酷く現実味の無い乗り物が現れ、歓迎するように冬木大橋へ寄ってきており搭乗口と思わしき場所から足場が伸びてきている

 

 

「なぁ慎二頼む、詳しい説明をしてくれ。俺には何が何だか分からない

アンペルドさんも玉藻先生もお前も何を話してるんだ?」

「ああ、彼の名前はザイルだ。そして玉藻は人間じゃなくて人類悪…なんの獣だっけ?」

「愛玩の獣、コヤンスカヤです。よろしくお願いします♡」

 

 

「いや全然分からな…遠坂?」

「…っ」

 ふと見ると遠坂の顔が真っ青になっている

「大丈夫か?」

「──間粡くん?人類悪がなんなのか、分かってるの…!?」

 

 

 こっちには目もくれず押し出すように質問する遠坂

「分かってなきゃここにいないさ。いいか、彼ら──ザイルとビーストは今から3年後に全人類への攻撃を始める。攻撃対象は『人間』だ、人である限り全面戦争か虐殺以外に道は無い

 でも彼は他の誰でもない僕の力を借りたいって言ってきてね、手を貸す見返りにキミ達の安全を保証してもらうよう僕が頼んだんだ」

 

 

 得意げに言っているが内容はよく理解できない、全人類への攻撃?全面戦争?

「僕がいなくても彼らはやるだろう、つまり僕がみんなを助けてあげるって言ってるんだ。分かるだろ?」

「いや全然分からないぞ!どうしちまったんだよ慎二!アンペルドさんも何か言ってくれ!」

 

 

「………埒が明かないな、山の1つでも吹き飛ばせ。その方が早い」

「短気だなぁ。ま、確かに魔術を知らない衛宮には1番分かりやすいかもね」

「ちょっと何する気!?」

 

 

 まるでこちらを意に関せず玉藻先生が携帯電話?に何か入力して──

「エクスカリバー砲出力は?」

「小山1つだ、5%もあれば充分だろう」

「だから、いったい何の──」

 

 

ゾンッ!!

 

 

 一瞬、昼かと勘違いするような光に目が眩み、そして──

「────は?」

 はるか遠く、実際に行ったことはない風景でしか無かった遠方の山の1つが──消し飛んだ。それも山だけではない、高度があったので殆どは素通りしたようだが射線上にあった高層ビルが2つコルク栓を抜き取ったように抉り、消し飛んでいる

 

 

「流石に分かっただろ?さ、艦に乗ってくれ。心配しなくてもキミらが戦う必要はない、何もせずただ見てればいいだけさ」

「冗談じゃないわよ!」

 

 

 問答無用と言わんばかりに遠坂の指から何かが打ち出される

「やれやれ、行く気が無いらしいが」バシッ

 割って入ったザイルが虫でも叩き落とすようにそれを弾く、そしてさっきまで笑顔だった慎二の表情に曇りが現れ始めた

 

 

「…あのさぁ遠坂、僕これでも遠坂のこと認めてるんだよ?だから妹の桜と親友の衛宮だけじゃなくてキミにも声を掛けたんだ。人の善意に泥を塗らないで欲しいんだけど?」

「何が善意よ!人類悪につくってことは人類の敵として、全世界を敵に回すことと同じなのよ!?」

 

 

「遠坂…キミもう少し頭が良いと思ってたけど違うみたいだからもう一度説明するよ。キミらは戦力じゃない、何もせず安全なところから見てればいい。人類悪につくとかつかないとそういう次元じゃないんだ」

 いい加減艦に乗ってくれ、と呆れ気味に呟く慎二。だが──

 

 

「行くわけないじゃない…!」

「折角呼んであげたのに…桜と衛宮はどうする?」

 矛先がこちらに向いた、だが俺の答えは既に決まっている

 

 

「慎二…お前が俺達を助けようとしてくれてるのは分かった。でも俺は行けない」

 虐殺をやると分かってて黙って見てるだけなんてできるわけがない

「俺は戦う、そして親友としてお前に人殺しの手伝いなんかさせない!」

「………衛宮らしいなぁ、桜は?」

「私、は」

 答えられずにあたふたとする桜だが無理もないだろう、いきなりこんなこと言われて即答する方がずっと難しい

 

 

「まぁ今すぐ開戦ってわけじゃないし答えはまだいいよ、ただ助かりたいんだったら他に道は無いんだ。それをよく覚えておいてくれ」行こうザイル

「いいのか?」

「見ての通りみんな強情でさ、また時々説得しに行くよ」

「そうか」

「『シンジが仲間になった!』とまぁそんなワケでここらで失礼します」衛宮さんの料理美味しかったですよ!

 

 

 もう話すことはないと言わんばかりにザイルとコヤンスカヤは艦の中へと消えていく、そして──

「またな、衛宮」

「慎──」

 

 

 消えてゆく親友の背中に声をかけようとして、そのまま声が出なかった

「………慎二」




つい最近闇コヤンのレベルを120にした作者のルルザムートです、ハイ。
ちょっと目を離したら2つ評価ついてた!…まぁ両方低評価だったわけですがそもそも評価つけてくれるだけありがたいですからね、マジで読む気失せたら評価する気力も無くなるだろうし…などと自分に暗示のような何かをかけて書いています。せめてどの話の時点でその評価がつけられたのか見たいなぁ…
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