弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》   作:ルルザムート

92 / 136
ようやく開戦です、ハイ。
本当は15日間のことも少し描写する予定でしたが流石に長すぎるのでカットで。無くても特に矛盾は…多分無いからヨシ!
というわけで第89話です、お楽しみください


終章 全人類生存権剥奪戦争
第89話 開幕


アメリカ ???にて…

 

 

「ぐびぐびぐび…」

「あのー…」

「んび?あーちょっと待ってね!キリのいいとこまで飲むから!ぐびぐび」

 

 

 いやそういう問題じゃないというか

「朝からずっと飲んでますけどそれ、何個目の樽ですか…?」

 この狭い空間にアルコール臭を蔓延させながら樽単位で酒を飲む伊吹童子に恐る恐る質問する

 

 

「え?4つ目だけど?…あ、ごめんなさい!影月ちゃんのこと考えてなかった!はいどうぞ!」

 一緒に飲みましょ!とにこやかに酒樽を差し出す神様

 ずいっ、と近付かれた瞬間後ろのアタランテが臨戦体制を取る

 う、酒樽重っ!じゃなくて!

 

 

「もう1時間も無いんですよ!酔っ払ってる場合じゃないです!」

「?だから飲むんじゃない」

 意味分かんないんだけどこの神様!?

 

 

「いい?相手は世界を滅ぼせる力を持ってるし、貴女の妹は私の力の7割は持っていってる。1時間後貴女達が無事でいる保証は無いの」もちろん私もね

 

 

「それは…」

「だから今のうちに飲んでおくの!1時間後、2時間後の分まで!だから影月ちゃんだけじゃなくてみんなも飲んどいたほうが良いわよ?『あの時飲んでおけば良かったー』なんてイヤでしょ?」

「………」

 

 

「そーだ!土方くんも飲む?」

「せっかくの誘いだが飲酒操縦になる。…終わった後で、2人で飲もう」

「いーわよー♪ガエリオくん達は?」

「レガリオです、それは勝った後に。」

「んー、ちっちゃいマスターとアヴェンジャーは?」

「遠慮する」

「わ、私も…」

「つれないわねぇ」ひっく

 

 

 …なんだかなぁ

「人間みたいですね」

「そーお?あーでもそうかも、このところ神としてなんにもしてないし、影月ちゃんや土方くんに引っ張られたのかもねー?」

 

 

「…」

 世界の命運なんてどうでも良い、ただ彼方とザイルを止められれば──でも

 ケラケラ笑う伊吹童子に少し、少しだけ勇気を出す

 

 

「一杯だけ、貰ってもいいですか」

「オッケーおっけー!はいどうぞ!」

 少し、ほんの少しだけ飲んだお酒の味は『死ぬまで』私の口の中に残った

 

 

F地区 美術館地下兵器廠にて…

 

 

「衛宮整備長!」

「補佐ですよ、整備長は貴女じゃないですかネリス軍曹

何かありましたか?」

 作業を一時中断し顔を上げると

 

 

「先輩!」

「桜?どうしてここに?」

 学校の後輩、間粡桜が整備長に連れられていてそこにいた

 当たり前だが桜は非戦闘員、戦いはもちろん支援にも入っていなかったものの、桜には珍しく食い下がったようで医師の英霊であるアスクレピオスの元で後方支援に加わったと聞いていたが…

 

 

「あの、これ!」

 そういって差し出された彼女の手にあったのは弁当箱

「こんなことしかできないですけど、良かったら食べてください」

 

 

 そういえば今日の昼食はまだだったな…

「ありがとな桜!いただくよ!あ、でも──」

「整備長以外の分も糧食班で用意してあるから心配しないで!

 それとそのお弁当は大事に食べた方がいいわよ?それは糧食班の作ったものじゃなくて全部桜ちゃんが1から10まで作った愛の手作り弁当だからね!」

「!!!ね、ネリスさん!」

「ネリスさん…あまり桜をからかわないでくれ」

 

 

 そういう茶化しは見ていて気分の良いものじゃない

「・・・衛宮さん、アナタ朴念仁って呼ばれない?」

「?どういう意味です?」

「ダメだこりゃ」

 

 

 

 

 

「キリシュタリアさん」

 美術館跡の真下にあるとは思えない巨大な兵器廠で、これから起こるであろう戦争にどう向き合うか考えていた時、ふと横から声をかけられた

 

 

「ファムルソローネ副艦長かい」

「はい、調整班から最後の報告があがりました」

「聞かせてくれ」

 

 

「報告します、HOPEボーダーの最終点検が終了。管制室からの擬似魔術回路を接続次第飛べます」

「分かった、では5分後サーヴァント、魔術師、米軍問わず全ての乗組員をここへ。点呼完了後速やかに搭乗し戦闘態勢移行準備を」

「分かりました、ただちに」

「うん──あ。」

 

 

 そういえば──

「副艦長、1ついいかい?」

「なんでしょうか」

 

 

「これからは私を呼ぶ時『艦長』とつけてほしい、魔術師はいいが艦に軍人も乗るからね。役職を付けて呼んだ方が良いだろう」

「分かりました、ヴォーダイム艦長」

「うん、ありがとう」

 

 

 ──ふふ

「ヴォーダイム艦長、か」

 

 

J地区 米陸軍駐屯地 クライムの自室にて…

 

 

 ザイルが明言した決戦まであと20分…米軍、魔術師、サーヴァントが各々態勢を整えている中、彼の元に一本の電話が入った

「…キリシュタリアか」

『うん、HOPEボーダーの最終点検終了、理論上はこれで飛ばせるよ』

「理論上?」

『試運転ができなかったんだ、当たり前だけど流石にやったら堕とされるからね』

 

 

 あの大きさだ、当然だろう。ついでに言えばHOPEボーダー格納庫は再び入庫させることを考えていない──ようするにいざ発進となれば格納庫全体を突き破って出撃という脳筋のやり方だ

 一応向こうにはダヴィンチがついているが

 

 

『まぁまぁ心配しないでくれたまえ!途中参加とはいえ私の自信作でもある。絶対に成功するとも!』

「…分かった」

 当人がこう言っていることだし大丈夫だろう

 

 

 最後の電話を切り、軽く身なりを整えて外へ出る

「クライム?今いいかしら」

「ペペロンチーノ?…何かあったのか?」

 

 

 スカンジナビア・ペペロンチーノ、キリシュタリアが選出した魔術師の1人であり経歴に謎が多い男。だが魔術師でありながら軍の練兵、特に格闘訓練には積極的に参加しており、誰に対しても変わらない姿勢で向き合うため米軍内でもかなり多くの支持を集めている人物だ

 

 

「ええ。以前衛生軌道上に確認されたサーヴァントは覚えてる?」

「──ああ」

 5日前突如宇宙空間に現れてすぐに消えたサーヴァント影、外見はコヤンスカヤそのものだったがクラス反応はアサシン含め通常クラスに該当無し

 ダヴィンチ、キリシュタリア、カイニス、芦屋道満はこれをエクストラクラス、フォーリナーであると断定。あの時はすぐに消えたために詳しい調査はできなかったが…

 

 

「来てるわ、同じ場所に」

「フォーリナーが?狙いはなんだ」

「分からない、でも放置する選択肢だけは無いわね」

 

 

 月でも落とすつもりかしら?なんて笑いながら言う彼だったが目は笑っていない

 …それぐらいやってきてもおかしくない、ということか

 

 

「じゃっ、伝えることは伝えたし私は持ち場に戻るわ!…無理はしないでね」

「人類存亡がかかった戦いだ、無理を通さないといけない時も来る」

「──そうね、でも誰にだって1つくらいワガママを言う権利はあるのよ?」

「???」

 

 

 最後の言葉の意味はいまいちよく分からなかったが即座に疑問を追いやって状況の再確認をとることにした

 昨日買ったばかりのメモ帳を取り出し、1枚ごとにギチギチに文字が詰め込まれたページをめくっていく

 

 

・住民の避難…完了、かなり広範囲まで区画を広げて苦労したがここまでやれば宝具やミサイルを何発撃とうと被害を受けるのは街だけで済む

 

・各隊の配備…完了、避難が終わっているので基地に籠る必要が無くなり、街全体に部隊を配備することができた。街に被害は出るだろうがもうそれは諦めるしかない、人命第一だ

 

・魔術師達との信頼関係構築…完了、100点とは行かないがある程度の連携はできる。キリシュタリアが現場に居ない今主な司令塔はカドックとペペロンチーノだ。彼らとの情報交換を絶やさないよう注意しなければ。

 

・核ミサイル発射基地の索敵…捜索不能、茨木童子の情報により核の撃てそうな基地を探したが少なくとも国内には存在せず、国外にもアメリカを射程距離に収められ、かつザイルの手が及んだような基地は無かった。茨木童子の勘違いなら良いんだが…

 

・敗北の条件…俺たちの負け筋は大きく3つ。

 

1つ目、この周辺が基地の役割を果たせないほど破壊されること、もちろんこの基地が消し飛んでも周囲の建物を代替にする用意もあるが全て吹き飛ばされたらまずい

 

2つ目、現状ストームボーダーに唯一対抗できると思われるHOPEボーダーが墜とされること、あんな空飛ぶ要塞に対抗できる手段は対等な戦場に立つ以外にない

 

そして3つ目、サーヴァントもしくはマスターが全滅すること。理由は…説明不要だろう

 

この3つだけは阻止しなくてはならない、そうなっては戦争どころでは無くなる

 

・勝利の最低条件…愛玩の獣コヤンスカヤと神霊伊吹童子を宿した影月 彼方の排除。ザイルが持つと思われる核兵器の無力化

戦局がどう傾き転ぼうと2人さえ排除し、核の脅威を無くすことができれば世界は守れる。最もその最低条件が難しいのだが

 

 

「…難しくてもやるしかない」

 いつの間にかアメリカから世界へと背負うものがすり替わっている、だが『完璧な勇者』である彼には些細な問題だ

 

 

「中将!」

「ああ、今行く」

 

 

米陸軍駐屯地より2キロ南 雑居ビル屋上にて…

 

 

「ん、と、悪いセイバー、出てくれ」

 10年前から使っている通信端末をセイバーに投げ渡し、周囲の環境確認を今一度行う

 

 

『こちらウェイバー、聞こえるか』

「聞こえている。セイバー渡辺綱、マスターととも準備中だ」

「てっきり全員基地にこもって戦うかと思ったがそうでも無いんだな」

『そんなことをしたら基地ごと消し飛ばされるだけだ、民間人の退避が終わっている今基地に拘る理由は無い』

「それもそうか」

 

 

 そういえば、という話だがビーストを迎え撃つにあたって今回の作戦立案…つまり参謀を務めたのはウェイバー・ベルベットらしい。気になって経歴を又聞きしたことがあったがとんでもなかった

 10年前の時点で聖杯戦争を経験、川の水からキャスターの工房をあっさりと見つけだし、契約したサーヴァントの征服王イスカンダルと共に英雄王と一戦交えた上で生き残っている

 

 

「頼もしいな」

『リミットまであと5分を切っている、急いでくれ』

「大丈夫だ、今終わった」

 魔術的偽装は貰った礼装であっさり終わったが視覚的偽装にここまで手間取るとは思わなかった、背景がコンクリートだからしょうがないのだが…

 

 

「これで最初の一撃は間違いなく不意打ちが決まるだろう、妨害されなければの話だが」

『分かった、時が来たら頼む』

「了解」

 

 

「行けるかセイバー?」

「俺は問題ない、それよりも基地の方に注意を払っておいた方がいい」

「まぁ、そうだよな」

 どう考えてもこの戦争で真っ先に火の手が上がるのは──

 

 

米陸軍駐屯地 グラウンドにて…

 

 

「あー…」

「………」

 残り1分…言うべきか?どうしようか、でもいざ始まったらそんな余裕無くなるだろうし言っておこう

 嫌われようと見殺しより良いだろうし

 

 

 散々迷ったもののライダーのサーヴァント、マンドリカルドは意を決してもう一度話しかける

 

 

「あの…」

「あ?まだなにかあんのかよ根暗野郎」

「ホントに戦うんすか?バーゲストさんもレガリオさんもメチャクチャ心配してるっすよ

 …なんなら俺も心配してますし」

 

 

「根暗野郎って言われて否定しねぇのかよ」

「・・・まぁ事実っすし特には」

「チッ…それと私はここで良いんだよ、バーゲストとレガリオにとって私の意見は絶対だからな

 色んな奴に背中押されて辿り着いたってのに、おめおめ壊されるのを黙って見てられるかよ」

 

 

 この人クチは悪いがなんだかんだ言って良い人だな…

「ジロジロどこ見てんだよ?」

 え?あ。

「いや違うんすよ!?」

 

 

 俺みたいな陰キャあるあるなんだが視線が下がってるからといって胸とか見てるわけじゃないんだ、ただ顔を直接見れないだけなんだ!

「そのそういう意図は全く無いっていうか!いえ魅力が無いってわけじゃ無くてですね!」

「うるせえ、あと10秒だ。喚く前に構えろ」

「…っす」

 

 

 有無を言わせない剣幕に黙って構える

 どこから来るか分からないが中心部であるこの場所ならライダーのクラスを活かして即座に増援として駆けつけることができる

 

 

「始まるぞ」

「………」

 あと5秒──

 できればこのまま何も起こらず時が過ぎて欲しいという思いはあるがそうも行かないようだ

 

 

『お時間になりましたので始めさせていただきますね!』

「!どこだ!?」

 まるで脳に直接届いているようで声から特定ができない!

 一体どこから来

 

 

『単独顕現 EX』

「おっ届けものでーす♡」

 

 

「「!」」

 やべぇ真後ろに『神剣 草那芸之大刀』

 

 

 ────!!!

 

 

F地区 美術館地下兵器廠 HOPEボーダー管制室にて…

 

 

「うわぁあああっ!」

 まるで地中に爆弾を突っ込んだような音と衝撃が艦内をかける

「始まったか…!総員第1種戦闘態勢、ただちに離陸準備!メインエンジン点火を最優先だ、急げ!」

「「「「「了解!」」」」」

 

 

 今の衝撃、勘違いでなければ基地の方向から──

「どこからだダヴィンチ!」

『基地のど真ん中!包囲上等で現れてる、しかもいきなり草薙を…!』

 

 

 やはりか…戦力は分散させてはあるがいきなり中心部に来るとはね

「基地は?」

『基地は──えっ?無傷だ…あっ!魔術の震源地が少しズレてる!誰かは分からないが草薙を他所に逸らしたみたい!

代わりにD地区は完全に吹き飛んだけど死傷者はゼロだ!

 ──それにしてもどうやったんだ…?」

 

 

 よし

「基地と街のことは彼らを信じて託そう。副艦長、エンジン点火までどれくらいかかりそうだい?」

「──15分です!」

「多少他を捨ててもいい、10分でやってくれ!イヤな予感がする」

「ああ、多分その予感は当たっている」

 

 

!!!

 ザイル──

「早速で悪いが退場しろ」

 

 

 乗組員全員、丁度それぞれのコンソールに向かっており誰もザイルに気付いていない!

「っ!」

 

 

ダンダンダン!

 

 

「ヴォーダイム艦長!?そいつは…」

「敵だ!もう乗り込んできやがった!」

 

 

「──やれやれ、魔術師の大将とも言えるキリシュタリア・ヴォーダイムとあろう者が銃器(そんなもの)に頼るとはな

 今年に入って1番驚いた」

「そうだね、私もだ」

 嘘偽りのない答えだ、こうして持ってはいたが実際に使うとは微塵も思っていなかった

 

 

「慣れない武器であの速度の切返しか?やれやれ」

 だがザイルが相手ならば別だ

「ダヴィンチ、リフトを出してくれ」

『ちょっと待ってくれ!そんなこと「艦長命令だ、頼むよ」

『わ、分かった』

 

 

「彼は私が相手をする、離陸までファムルソローネ副艦長が指揮を取ってくれ」

「…っ、了解!」

 

 

ガコン

 

 

 真上のハッチが開き、司令エリアの一部が甲板上に迫り上がっていく

私とザイルを乗せて。

「まあいい、こちらも全員位置に付いた。──始めようか?」

 

 

全人類生存権剥奪戦争、開幕




cv斎藤千和のサーヴァントが増えて嬉しい作者のルルザムートです、ハイ。
夏イベ楽しぃぃ!何故かガチャの出は星5>星4だけど。バゲ子とクロエ重ねさせて。あと弓クロエを巡霊に出してくれませんかね…

…失礼しました、どうせここまで来たなら100話行きたいな
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。