弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
第91話です、お楽しみください
HOPEボーダー格納庫内 ボーダー甲板にて…
「………」
魔力を光弾に変換して撃つ…効果が無い
足元に結界を張って行動を抑制してみる…こちらも効果なし
カチッ
「!」
手榴弾──
ガンマンの早撃ちのように魔術を作動させ、障壁で爆風を防ぐ
「悠長なのか?」
「そうでもないさ」
一瞬爆風で遮られた煙の中から心臓狙いの手刀が飛び出す
「う…っと!」
「チッ」
咄嗟にハンドガンを2発撃って下がる、勿論狙っている余裕などないのでデタラメ撃ちだ
「相変わらず機転の効く男だ」
予想通り銃弾だけは喰らいたくないみたいだ
「下がってくださいヴォーダイム!ここは私が…!」
「はぁ…そういえばお前も居たな」
甲板へ駆け上がってきたアルトリアが目にも止まらぬ速度でザイルの胴体を輪切りにするも──
「…!?貴様、何をした!?」
「聞けば答えが返ってくるとでも?切嗣に聞いてた通りおめでたい頭をしているな、アルトリア・ペンドラゴン」
狼狽える彼女の方へは見向きもせず弾丸を込め直すザイル、当然のように無傷だ
キリツグ…あの魔術師殺しか?いやそれよりも
今の一撃で確信した、否定したいところだがここまで見せつけられてはそうとしか考えられない
「凄いな、本当に神秘が効かないのか」
「──やれやれ、ということは分かった上で出てきていたのか
確かにそうでなければ銃なんか持ち出さないな」
いつネタバラシするか考えてたんだが…と少ししょぼくれているようにも見えたがすぐに持ち直し、話し始めた
「神々の時代から、いやそれよりもっと前からあったであろう魔術の元──根源からひっそりと続いてきた目に見えない力、概念。それは今を生き、変えていく現代の人間や動物にはもう必要のない古道具…少なくとも俺はそう思っている」
あったら便利なのは間違いないんだが。と付け加え、次の言葉を探すように手元の銃をくるくると回す
「魔術、呪術、あらゆる神秘に干渉しないしされない『魔術特性 現在』…今のとこ俺だけが持っている魔術特性のようななにかだ」
干渉しない、だって?
「そんなバカな…」
確かめるように剣を振るうアルトリアだが聖剣が心臓を貫いても平然としている彼に言葉を失っていた
もはやザイルも彼女を敵とすら認識していないようだ
「物で例えてみよう、魔術が霧なら俺は石だ。石を投げつけたところで霧は晴れないが──」
「霧も石を止められない、と」
加えて彼のバックにはコヤンスカヤ…なるほど、マキリ・ゾォルケンが倒されるわけだ
「そういうことだ。…いつだったか誰かに同じ話をしたような気がするな」
「私は初めて聞いたよ、それにしてもキミの特性は魔術と呼んでいいのかい?」
「お前もそう思うのか?…やれやれ、面倒だから魔術特性なんて言っているがコヤンスカヤと慎二が言うには『それはもう別の何か』らしい
だからといって他に良い名前も思い浮かばなくてな、こう呼んでいる
絶賛名前募集中だ、コヤンスカヤにコケにされない名前は俺には思いつかない」
欠伸をしながら茶化すように笑うザイルを前にし、額に嫌な汗が流れる
厄介だ、彼は生身だが強い。魔術での身体強化や障壁が無ければあの近接戦闘には対応できない
だが魔術を行使している状態ではどうやっても有効打になり得ない、さてどうしようか
「なるほど、さしずめ『対神秘』ってところかな」
「ん、対神秘か…短くてハッキリして良いかもな。元は専用改造銃に付けていたが今度からそう呼ぶことにする」
ありがとう、と初めての笑顔を一瞬見せるザイル
…気のせいか時計塔の時よりも柔らかというか人間っぽくなったような──
「さて本題に戻ろう。俺の…『対神秘』はどれだけ優れた魔術師だろうが──いや、優れた魔術師であればあるほど俺の前では無害化していくのは理解したか?」
「理解したわ!つまり魔術は役に立たないわね!」
カンカンッと足元の鉄を蹴る音、そして鎌の横薙ぎのような蹴りがザイルに命中して少し吹き飛んだ
「…やれやれ」
「ぺぺ!どうしてここに?キミの持ち場は──」
「少しの間カドックに頼んだの、こっちが離陸したら戻るから2人は艦内に戻って!」
「待ってください!奴の腕…獣程ではありませんが人への特効能力が備わっている、1人で相手するのは「分かった、頼むぺぺ!」
口を挟もうとするセイバーの手を引っ張って艦内へ
「な…!?やめなさい!仲間を見捨てるなんてそれでも長ですか!?」
「私たちにはやるべき事がある」
「いくら世界を救うためとはいえあそこまで躊躇なく見捨てるなんて──「見捨てたつもりは無いよ」
私は彼の勝利を信じている
「と!そういうワケであなたの相手はワタシよ!」
「言われなくても分かる、妙漣寺…だったな?又聞きだが強さはある程度知ってるつもりだ。だから──お前は徹底的にここで潰させてもらおう」
「──そう、手加減は必要なさそうね」
〜
「『
「『
後ろ、正確には真上で今も戦っている2人のことも気になるが──
「来るわよ!」
「分かっている」
今気にしてる余裕は無い!
風を切り、地上から向かってくる桃色の暴風雨をひたすら蹴散らす。草薙で、手で、尻尾で。
なんか急に量増えたわね!ってことは下の2人相当頑張ってたんじゃない?
「後で、お礼…言っとかないとねっ!」
「っと!?」
下の彼女コントロールが悪いせいで投げた戦車のバラつきが酷い、あっちのは防げないかも──
「大蛇を出せ!我が斬る!」
「お願い!」
パパには悪いけどアヴェンジャーの足場になってもらって右方に来た戦車を破壊してもらう
とはいえもう影月 彼方はすぐ目の前、ここからは戦車の分散もほぼ無くなる
防ぐだけならいいけど中身も斬らないとダメなのがキツいわね!
加えて被弾もできない、ダメージなんて英霊はもちろん神霊の自分にとって無いに等しいが身動きのできない空中ではあまりにも邪魔だ。退かしている間に2.3発目が飛んでくるだろう
「わたしこういうの得意じゃないんだけど!?」
「泣き言を言う余裕があるのなら1つでも多く落とせ!」
「分かってるわよもー!」
戦車がほぼ分散しなくなってきた、地上まであと10秒くらい?
──しつこい
眼下に見える彼女がそう言った気がした
あ、コレまずいかも
スラリと引き抜かれたもう一本の草薙、いや霊基配分から考えてあっちが本体なのだが。どちらにせよアレを止める、防げる力は今の私には無い
「ちょっと土方くん!貴方の予想と違うけど私どうすればいいかしら!?…土方くん?わっ!」
離れた場所にいる人と話せるツーシンキ?というものを取り出したが慌てるあまり握り潰してしまった!
いくらなんでも脆すぎない?
もう頼れるものも無くなってしまった、今更やーめた☆はできないし──
「やるしかないわね!」
〜
「………」
草薙を出したけど伊吹童子は構わず突っ込んでくる。お姉ちゃんに付いてたバーサーカーも向かってきてるけどこっちの方が早そうだ
「それならそれでいいや」
振るいかけた草薙をそのままに、手をかざす
影月家は伊吹童子の生贄みたいなもの…というかその通りだったけどそれだけ神は影月家の人間が好きだった。
影月家に神を制御する力は無い、私が神の力を使えるのは私に取り憑いている伊吹童子が影月彼方という人間を気に入っているからだ。力を貸してもいいと思えるほどに
早い話伊吹童子にとって影月彼方はこの上なく居心地の良い神社であり、一度神社に入れば対外的な要因がない限り出ていこうとはしない。つまり──
少しでも彼女に触れればこっちに引き込める
それを知っているのか知らないのか分からないけど取り込むことができれば草薙ももっと自由に扱える。さっきみたいにどこかへ飛ばされる心配もきっと無くなる
向こうも草薙を出したけど7:3で打ち合ったらどっちが勝つかなんて分かりきってるだろうに
瞳の色まではっきり分かるほど近付いた瞬間、互いの剣が振るわれた。元々1つの剣であり決して打ち合うはずのなかった2本の剣。
鍔迫り合いなどすることもなく一種の楽器のような音を立てて片方の剣が弾き飛んだ
「あっ」
一瞬で飛ばされたのが予想外だったのか神らしくない反応をする彼女の手のひらを握る
「こっちだよ」
これで──
ゴッ
──え?
「え?」
〜
「おおおおお!!」
彼方の意識が伊吹童子へ完全に向ききったその瞬間を、彼は逃さなかった
2億ドルはする音速飛行機で影月 彼方目掛けて体当たり、不時着と呼ぶにも荒すぎる速度でそのまま地面と水平に突っ込む
神化しているとはいえ彼女の身体は重く見積もっても30kgも無い。意識の外から踏ん張る隙も与えなければ簡単に吹き飛ばせる!
基地の外まであと少し──
「邪魔、ばっかり…!」パシッ
もう草薙が手元に…!
「俺にできるのはここまでだ、やれセイバー!」
「言われずとも!…この剣は法の立証、あらゆる不正を糺す地熱の城壁──」
屋根の上の彼女が攻撃態勢に入ると同時に彼女のマスターを抱え機外へ
「脆け!」
「う、うぐ!草薙──「『
巨大化したバーゲストが反撃を許すことなく飛行機ごと彼方を斬り上げて吹き飛ばす
よし、あれなら3エリア分は吹き飛んだぞ
「バーゲスト!頼むバーサーカー、彼女のところに僕を!」
「分かってる」
奴を追い出せた以上大蛇もじきに消える。NFFウェポンだけなら米軍魔術師連合軍と新撰組だけで充分だ、あとは動けるサーヴァント全員で彼方を叩く!
『おい、おい!バーサーカー、レガリオ!無事か!?』
「ウェイバーか?ああ無事だ、2億ドルの飛行機はゴミになっちまったが」
レガリオを抱えて走りつつ通信機越しに返答を返す
『だがそのおかげでみんな助かった、ありがとう
それよりも影月 彼方が吹き飛んだのを見た。追撃に行くんだろうが何か必要な支援はあるか?』
「手の空いているサーヴァントを全員増援に回してくれ、NFFウェポンだけならサーヴァントが居なくても止められる」
『分かった!…うん?』
「どうした?」
『いや、影月彼方が使役していた大蛇が…』
消えてない?
〜
「フンようやくか、あれ以上かかるようなら
「シャアァァッ!」
バックリと口を開けて襲いかかってくる大蛇を英雄王は見ることもなく財宝の雨で轢き潰す
害獣駆除など本来王のすべきことから程遠い、あるとすればこの事件の元凶であるビーストへ自ら引導を渡すことだろう。
6体の大蛇は財宝の雨になす術もなく粉砕、復活、粉砕というサイクルを繰り返しており彼方が離れた影響か倒れて動かなくなる大蛇も出始めていた
そして最後の大蛇が地に伏せた
〜
──よし、サーヴァント達が充分彼方の方へ流れた。ホラ合わせてあげるから早くやりなよ
イチイチ物言いが上からでムカつきますねぇ、言われなくてもやりますよ
〜
英霊の殆どはあの小娘の元へ向かったようだがビーストの分霊の1つが未だに姿を見せていないことが気がかりだ。HOPEボーダーが飛び立つまでは見守ってやるとしよう
討ち滅ぼした大蛇を背に一度司令所に戻ろうと歩き始め
ずりゅ
「む?」
ダン!ダン!
振り返るより早く側頭部に弾丸が叩き込まれた
「…!?な、なんだ???これは…!?」
立っていられない!身体が、いや霊基が軋む…!?これは、いったい──
「ふぅっ、だから言ったでしょう?アナタは王としての矜持も英雄としての誇りも全て捨てて最初から全力で向かってくるべきだったと」にしたって2度とごめん被りますよ、こんな作戦は!
大蛇の血と胃液を振り払いながら悪態をつくコヤンスカヤが銃を両手に立っていた
チャーハンを作ってる時横から『ヘッタクソですねぇ…ほら、教えてあげますからちょっとスペースください』とコヤンに言われたい作者のルルザムートです、ハイ。
仕事の反動からスマブラ+αに夢中になりすぎた…代休日に仕事やれとか何考えてんだぁ!?
それと今日から最短で10日間、最長で14日間お山のトンネルに缶詰で更新が滞ります