弊社NFFサービスはこの度、聖杯戦争への参加が決定致しました♡ 《完結》 作:ルルザムート
…第94話です、お楽しみください
米陸軍駐屯地 上空にて…
気絶した妹をボーダーの自室に送り終え、アルビオンの背中でスナイパーライフルDVL-10の弾丸を込めながら自身の立てた作戦を振り返る
基地壊滅のため降り立った僕たち3人のそれぞれの役目はこうだ
影月 彼方は囮であり主力、あのデタラメな攻撃力と制圧力は利用すべきだ。NFFスペシャルを詰め込んだ戦車投擲により米魔術師連合軍には相当なダメージが入っているしサーヴァントも1騎倒してる。基地の外に飛ばされたが想定の範囲内だ。
コヤンスカヤは英雄王の排除及び影月 彼方の援護だ。いくら彼方が伊吹童子の力を行使できるからといって闇雲に暴れるだけでは大蛇込みでも簡単に対処されてしまうだろう
そこで彼女の出番だ、乱雑極まりない彼方の戦闘をカバーしてもらう。未だに鬼殺しのセイバーが出てきていないということは上手い具合に彼方の隙を補っていると見ていいだろう
「そして、僕の役割」
アーチャークラスのサーヴァント排除、理想は2騎だったけどアタランテを撃破できただけでも充分だ。そしてそれの次、2人が戦っている間に残ったアーチャーの排除及び米魔術師連合軍への攻撃。
連中は予想通り無駄な損害を避けるためサーヴァントと一部の魔術師だけでコヤンスカヤ達と戦っている。今基地のサーヴァントは手薄で狙い目だろう
意図に気づいたとしても向こうに行ったサーヴァントも簡単には帰ってこれない。背中を見せればコヤンスカヤがそれを討つ。
NFFスペシャルという戦力を除けば僕たちと連中との数の差は大きい、削れる時に削っておくに越したことはない
「再開しよう、しっかり守ってくれよアーチャー」
バーサーク・オリオンは僕の護衛に使う、義手のおかげで使役できてるとはいえそうバンバン戦わせられるような魔力は用意できないからね
医療棟の茶番みたいなことでない限りコイツの力を使うのは2つの用途だけだ。『サーヴァントを排除する時』と『僕に迫った危険を排除する時』である。
基本的に戦闘の主戦力は僕自身と魔力供給元がコヤンスカヤになっているアルビオンだ、もちろん操作権は貰っている
よし、この辺りは新撰組も少ないしこの辺りから崩そう
手薄とはいえ地上には土方歳三が召喚した新撰組隊士がかなりの数居る、1人1人サーヴァントなので僕が戦う選択肢は無い。あくまでも米軍と魔術師の排除だけに絞る
「さて、指揮官はいるかな」
双眼鏡で良い狙い目を探す
僕の武装はライフルに限らずひたすら取り回しのしやすさを優先に選んでいる、ワイヤーガンによる空中移動を確実に行うためというのもあるがあまり重量や反動があるものだと義手でのアシストがどうしても必要になるからだ。魔力が限られている僕にそれは燃費が悪い
「…よし、あいつを狙撃しよう」
それが原因でザイルが持っているような『どこを撃っても致命傷になる大口径マグナム』のような武装は使えない。なので僕は精密さで戦うことにしたんだ
改造によりコヤンスカヤから貰ったDVL-10の重量を4kg未満に抑えるというスナイパーライフルとしては破格の軽量化に成功したが弾丸の初速、威力、射程は大幅に弱化しており特に射程に至ってはせいぜい500m強、普及している狙撃銃系統の射程が最長3000mの物もあるということを考えればこの射程減衰は決して軽いものではない
無論、それを鑑みた上での採用である
「…固定よし」
義手をアルビオンに固定、脚代わりライフルを構え知恵の輪を解くような丁寧さで部隊長と思われる人間の頭へスコープを持ってくる
「アルビオンの速度と今の風向き、対象との距離…これくらいかな」
息を止め、針を通すようにトリガーにかかる人差し指へ精神を集中し
「────」
撃つ。
──よし、即死だ
威力減衰しているとはいえ腐ってもライフルである、人体の急所を的確に貫けば殺せることに変わりはない。…最も当てるのが難しいのだがそれをやるのが間桐慎二という人間である
薬莢を排莢、次のターゲットを探す
指揮官級を排除するのも大事だが次点で殺すべきなのはバズーカ兵もしくは補給兵だろう。連中を殺せば虎戦車への有効打が無くなる
射程距離の関係上こちらの存在は地上の兵士にすぐ気付かれたものの奴らの武装の殆どはアサルトライフル、そんなもので反撃なんてできないのは調査済みだしバズーカは弾速が遅いからアルビオンの速度なら見てから回避できる
ようするに一方的な無敵ゲームだ、楽な戦いだな
「だが油断はしない、これが最初で最後。僕も全力で行こう」
撃ち、排莢し、狙い、また撃ち、排莢し、装填して、と…ボルトアクション式ライフルとは思えないスピードで手元の弾丸と眼下の敵が消えてゆく
「おっと、建物には近づくなよ」
アルビオンに指示をし直し、辺りを索敵
下には新撰組がいる、建物からジャンプして斬りかかってくる可能性もある。それさえ気をつければあと警戒するのは1騎のみ
「まさか逃げ出したわけじゃないだろ?アキレウスを殺した英雄さんよ」
〜
T地区 アルゴスタワー最上階にて…
「────」
基地の外、このあたりでもっとも高いビルの最上階で彼は震えていた
「残っているアーチャーは、僕だけ…」
影月 彼方は基地の外に追い出したが竜に乗ったあの狙撃手だけはダメだ。安全圏から一方的に味方を殺し続けているあいつだけは倒さないと
でもできるの?僕に?
基本的にサーヴァントは全盛期の姿で現界する、だがガラスに映った自分の姿は…
「アポロン様、今だけ全盛期の姿に戻すことは──」
「ん、無理だよ。後から変えられるならあんなに悩んだりしなかったし」
「ですよね、はぁ…」
自身の身長の3倍はあるクロスボウを寝そべり撃ちで構えつつため息をこぼす
もし全盛期の力が使えれば充分やれる勝負だった、確かにあのドラゴンは素早いがかつて自分が撃ち抜いたアキレウスはあれより速い
今思えばサーヴァント同士での模擬戦をもっとやっておくべきだったがどこか楽観的だった自分はそれを怠ってしまった
カタカタと引き金にかかる指が震える
こうして悩んでいる間にも地上では確実に死者が出てる、早く…早く撃たないと、早く僕がなんとかしないと
「うん、やめようパリス。君にはムリだ」
「あ、アポロン様!?」
ボフボフと音を立てながら横にいたアポロン様がそう言った
「し、しかし今撃たなければ更に死者は増えます、今すぐやらないと」
「そうだね。そしてこの狙撃にはこの先の戦いの勝敗、ひいては全人類の未来がかかっている。キミの思っている通りあの狙撃手と竜は絶対に落とさないといけない
別に人類がどれだけ死のうが──いや流石に絶滅するのはマズい、かも?ええとつまり私が言いたいのはね、そんな震えた手じゃ今撃っても当たらないよってこと。残ってるアーチャーがパリスだけだからこそ、失敗する可能性に足を突っ込むべきじゃない」
「────」
「ほら見てみなよアイツの動き、見やすいところを移動しながら遠くからでも何をしているのか分かるような攻撃手段を使っている。明らかにキミの攻撃を誘う罠だ、邪魔をできるアーチャーが全て消えて警戒の必要が無くなれば今より酷い攻撃を始めるだろうね」
「なら…なら僕はどうすれば?教えてくださいアポロン様!」
当てる当てない以前にそもそも撃てないのでは何をすればいいのか皆目見当もつかない
「簡単さ、向こうに降りてきてもらえばいい。適任者がもうすぐ到着するよ」
「え、到着…?」
ふと背後で10年前には無かった階段を駆け上がる音がした
「今は彼女を頼ろう、さぁ私達も上に…!」
「────」
まぁまぁ強い風が吹く屋上で飛ばされないように気を付けながら携帯電話の電源を入れる
正直なところこの手の道具は苦手だけれど、これが1番簡単で確実な方法なのは間違いない
『こちらはNFF人類保護係です、申し訳ありませんが保護受付期間は終了いたしました。人類の皆様につきましては残された時間を全力で生き抜いてからブザマに死んでいただきたく──』
「間桐慎二に繋いで」
合成音声を遮り、こちらの目的を単刀直入に通す
『…お名前と用件をお伺いしてもよろしいでしょうか』
「遠坂 凛よ、彼に一騎打ちを申し込むと伝えて」
『かしこまりました』
遠目に見える竜に乗った彼の姿を観察する
動きが速くて視力強化してもはっきりとは見えないけど今この瞬間、攻撃の手が止まったのは確かね。
…話し合いがしたいと言えれば良かったけどそれを言ったら恐らく彼には繋がらない
「遠坂さん!」
「アーチャーね、来てくれて悪いけど手出しは無用よ」
下の階から来たパリスを見ることなく突き放し、用意できたありったけの宝石を見やる…まぁ実際に用意してくれたのはキリシュタリアさんなのだけど
「一騎打ちのことは今アポロン様から聞きました!ですが間桐慎二がここを爆撃しないとは言い切れません」
「いいえ、彼は絶対に乗ってくる」
「…確信があるみたいだね」
「まぁ、ね」
間粡くんが向こう側に付いて3年、その間に彼に何があったか知る由も無い。ただ少なくとも衛宮くん、桜、そして私の3人を連れて行こうとしているのは明白。
『慎二はあいつなりに俺たちを救おうとしてるんだ』
衛宮くんの言っていることは理解できる、けれど
「こんなやり方、納得できるわけないでしょ」
「万人が納得できる解決方法なんて無いし、そもそも人が人を助けられる数には限りがある。それくらい分かるだろ?──遠坂」
突風と共にアルビオンに乗って現れた元クラスメイトと対峙する
「ええ分かってる、別に他人は関係ないのよ。単に私が気に食わないってだけ!」
「へー、それで僕と一騎打ちを?…なんのために?」
「これ以上あなたを野放しにできないから、それだけよ」
「…? いや分からないな、僕1人を止めたところでなんになる?」
侮蔑や嘲笑といった一切の負の気配が無く、本当に分からないといった様子で『意味があるのか』と彼が問う
「…少なくとも地上の被害は抑えられる」
「いやだからさぁ、遠坂や他の連中は自分達が何と戦ってるか理解してる?災害だよ?召喚された冠位サーヴァントは10年前に既に敗北、英雄王の排除と騎士王は無力化済み、ここからどう足掻こうとこの世界の人類史は
「へぇ?コヤンスカヤがそう言ったの?」
「ああ、コヤンスカヤも言ってたね。僕も同意見ってだけさ。…コヤンスカヤを討つ方法は無い、今ここに冠位が湧いて出てでもしない限りは。」
人類は獣を倒せない。どこか諦め気味に呟く慎二
──やっぱり気に食わないわね
「それならどうして誘いに乗ったの?獣に屈服した貴方にはコヤンスカヤから与えられた役割があると思うけどこんなところで油売ってたら反逆と思われるんじゃない?」
「それはザイルが許可してくれたよ、コヤンスカヤも自分の契約者にだけは誠実みたいでね。人類殲滅において僕が生きて協力している限りは遠坂や衛宮、桜の命は保証してくれるらしい
彼女は人類の敵だが約束を反故にするような人物じゃない」
「っ…そのためになんの面識も関わりも無い人たちを撃ち殺したってわけ!?」
「そうとも、遠坂だってもし聖杯戦争に参加したら他のマスターを殺すだろう?聖杯を手に入れるために。
僕もそうさ、3人を守るためにそれ以外を殺すんだ。…他に方法は無かった」
間粡くん…
「貴方は──「さて、お喋りはここまでだ。遠坂の望み通り一騎打ち、後ろの小さいアーチャー含め横槍が入らない限りは僕もルールを守ろう
僕が勝ったら遠坂も連れていく。…行くよ」
多数の見慣れない武器を構え、慎二が戦闘態勢に入る
「く…!」
戦うしか、ないわね…!
〜
F地区 美術館地下兵器廠 HOPEボーダー管制室にて…
「最終調整完了まであと300秒!」
「急げ!」
ヴーッ ヴーッ
忙しなく人が動き続ける艦内へ響き渡る警報音が一瞬、乗組員の動きを止める
「何事です!」
「衛星軌道上のフォーリナーから高密度の魔力反応を検知!」
やはりただ黙って見ているだけではないか…!
しかしコヤンスカヤは宇宙空間からでも攻撃できるのか、ここからじゃ反撃も防御もどうしようもない!
『こ、これはちょっとマズい!艦長!』
「どうしたダヴィンチ!」
『フォーリナーのコヤンスカヤは宝具発動態勢に入ったみたいだけど集まっている魔力質量がとんでもないことに…』
「具体的には?」
『それが…この集まり方だと小さな星ひとつ形成する勢いだ。もし、もし仮にそれをここに落とすって言うのなら被害は──」
手元の端末に送られてきたダヴィンチからのデータを3秒で流し見する
「──もう時間が無い、総員発進準備!ただちに離陸し、フォーリナーを追跡開始!全ての力を用いて宝具発動を食い止める!!」
「し、しかしまだ4割のエンジンエリアの調整が済んでいません!」
「6割あれば発進はできる!残りは飛びながら調整するんだ!フォーリナーに撃たせたら終わりなんだ!!ダヴィンチ!」
『かなり無茶だがキミの言う通り発進可能だ!だが飛行中に調整するとなると作業員の安全は保証できない!それでも飛ぶかい!?』
「飛ばすんだ!今すぐに!!」
『分かった!副艦長、アナウンスを!』
「分かったわ
…《現時刻を持って全ての作業を中断、発進準備》
あとは──
「道満、彼の容態は?」
(重度の火傷を負っておりまするが命は取り留めております)
よし
「彼には悪いが降ろしている暇は無い、衛生班から2人選出し彼を医務室へ!45秒以内にだ!道満は作戦通りカイニスと待機!」
(心得ました)
《第1接続…第2第3接続、第4──》
「ネリスくん衛宮くん、聞こえるかい?すまないが残りの調整は空でやってもらうことになった、時間も殆ど無いし危険な作業だ。…やってくれるか?とは言えない、本当に申し訳ないがやってもらうしかない」
『えぇ!?うぐ、わ、分かりました』
『大丈夫です、任せてください!』
《第5第6接続完了、第7から第10までの接続は保留。エンジン点火準備完了》
『準備できたよ!』
「カウントダウンは「カウント省略!接続可能な全てのエンジンを点火!!」
「了解!」
艦内が大きく揺れ、ようやく艦が動き出す
「これより本艦は衛星軌道上にいるビースト/フォーリナーへ向けて発進。これを殲滅し宝具発動を阻止する!」
HOPEボーダー、発進!!!
エイダ(バイオハザード)とコヤンのドリームマッチをいつか書いてみたい作者のルルザムートです、ハイ。
前回の投稿から1ヶ月空きかけてる、ってか1ヶ月経ってる!…これとは別でオリジナルの作品書いてるんですけどそっちのネタ考えてたらこっちのが全く浮かんでこなくなって…とりあえずこれは投稿できたけどラストスパートどうしようか…