喰種になっても俺はあの人を追い続ける   作:零之悪夢

1 / 9
分かりやすい時系列
第二回モンド・グロッソ→喰種になる→救出される→中学校1年まで人を食べながら過ごす→中学校二年である人と出会う→精霊を救う手伝いをする(この時点で千冬は家に帰ってはいるが学園で教師をしている為知らない)→最後の戦い→すべてが終わる→とある事件で精霊関係者のほとんどが死亡する→犯人を捜す為、CCGに入る→精霊関係の会社から声が掛かり、社長補佐になる→藍越とISを間違え、ISに触れる→IS学園入学(現在)





The clock starts to move……

人は一人では生きられない。それを知ったのは何時の頃だろうか……それを教えてくれたのは、とある家族と精霊だった。

 

 「喰種だからって否定しないよ。兄さんみたいには出来ないけど……私が貴方を肯定するから」

 

その時、俺は恋をした。一目惚れ……かもしれないし、そうじゃないかもしれない。でも、会うたびにその人に惹かれたんだ。その後にその人の兄と出会ったが考え方とか雰囲気がまるで一緒だった。その人の兄も俺を受け入れてくれたし、その人の兄と一緒に居た精霊と呼ばれる彼女達も俺を受け入れてくれた。だから、俺はその人たちに恩返しがしたくて。だけど……全て消えたんだ。

 

 「あ……あぁ……」

 

目の前の凄惨な光景を見て、俺はどうすることもできなかった。急いでその人の兄の方へ向かったが意識は無く、手に握られていた手紙とキーホルダーを手に取ってその人の元へ向かった。

 

 「■■!!大丈夫かっ!?今、助ける……!!」

 

 「もう、いいよ……■■。分かるもん……駄目だって……だからさ」

 

それが呪いのコトバになる。それが、それが無ければ。こんなことが起こらなければ良かったのに。

 

 「私を食べて……■■?」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

IS 正式名称<インフィニット・ストラトス>。十年前に篠ノ之束が開発した宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツ。開発当初は注目されなかったが、白騎士事件によって従来の兵器を凌駕する圧倒的な性能が世界中に知れ渡ることとなり、宇宙進出よりも飛行パワード・スーツとして軍事転用が始まり、各国の抑止力の要がISに移っていった。そんなものに触れてしまったが為に此処……IS学園に入学する羽目になった。

 

 「……斑君!!織斑君!!」

 

 「……はい?何ですか?」

 

 「ごめんね?今、自己紹介が「あ」から始まって、「お」だから……」

 

物思いにふけっている余り自己紹介の事を気にしていなかったようだ。とりあえず自己紹介をしよう。

 

 「織斑一夏、です。趣味は……家事全般、特技はマッサージです。髪の毛が白いのはちょっとした病気なので気にしないでもらえると助かります」

 

危険を察知したので耳を塞いでおく。

 

 「きゃーーー!!」

 

女子の黄色い歓声。耳を塞いでおかなければ即死だった……かもしれない。あの人(・・・)もこういう時があったんだろうか。

 

 「自己紹介は終わったか?」

 

 「今、終わりました」

 

そう言って教室の扉から入ってくるのは俺の姉であり、世界最強と呼ばれる織斑千冬だ。今思ったんだが、法律上血縁関係があるから担任にはなれないはずじゃ……

 

 「諸君、改めてIS学園入学おめでとう。私は今後諸君の担任を務める織斑千冬だ。因みにそこにいる織斑一夏は私の弟でもある。諸君にひとつ言っておく。私は例え代表候補生だろうが代表だろうが世界初の男性操縦者だろうが特別扱いはしない。私の生徒となった以上、1年で使える人材になってもらう。いいな!」

 

軍隊だなぁ……確かに、千冬姉はドイツで1年間教官をしていたこともあるのでどうも思わないが。ドイツから帰った後も此処で教師をしていたらしい。

 

 「きゃーーー!!」

 

 「千冬様ーーー!!」

 

あ、駄目だこれ。どうやっても不可避になる。これが一年間続くと思うと先が思いやられる……

 

―ねぇ……私を食べて、■■?―

 

 「っ……」

 

 「大丈夫か、一夏?」

 

 「……とりあえずは大丈夫。まだ、どうにかなるさ」

 

彼女を食べてからというもの、ストレスによる幻聴が聞こえる。そのせいで髪も白くなった。医者には軽度の心的ストレスだと診断されたがそれよりももっと酷いものだと思う。

 

 「SHRは以上とする!!号令!!」

 

SHRが終わった後……見知った顔に声を掛けられた。

 

 「少し、いいか……」

 

 「ん。屋上、行くか?」

 

彼女は、篠ノ之箒。篠ノ之束の妹であり、幼馴染である。しかし、小学校の時に転校しあうのは実に数年ぶりとなる。

 

 「束さんとはいい感じか?」

 

 「まあな……それも一夏のお陰だ」

 

姉妹の仲を保ったのは俺だが、実際に話し合ったのは彼女達だから彼女たちがやったと言った方が良いだろう。

 

 「しかし……どうして髪が白いんだ?」

 

 「軽度の心的ストレス障害、らしい。ストレスの原因となる物を排除しないと治らない、らしい……髪はどうやっても白いままだな」

 

 「……私が居ない間に何があった?」

 

 「……言いたくは、無い。これは俺の……(呪い)何だから」

 

時間を見る為にポケットからアンティークの懐中時計を取り出す。カチ、カチと動く時計は刻の少女の目と同じ時計。彼女(・・)も俺に好意を持っていたことは記憶に新しい。

 

 「随分古い時計だな……しかし、その年代で動いているのが不思議だな」

 

 「貰いものなんだ……とある人の、形見」

 

 「……そう、か。聞かなければ良かったな……」

 

反応は、そうなると思っていた。どうしようもないことない事なので割り切っておく。

 

 「時間だし、そろそろ戻ろうか……千冬姉に怒られたくないし」

 

 「む……もう、そんな時間か。では、戻るとしよう」

 

教室に戻り授業の続きを受ける……と言っても、入学前に宅配で来た電話帳と見間違えるほどの厚さの本を読んでおいたので恐らく?大丈夫だろうと思いたい。

 

 「織斑君?此処までで分からない所は在りませんか?」

 

 「大丈夫です……」

 

この授業、ほとんどが女子にまつわる事なので男子の俺にとっては分からないことだらけである……一応、分かっている部分もあったりするが。

 

 「……っ……」

 

―無理しないで……私が付いてるから……―

 

 「……斑君?……大丈夫ですか?」

 

 「え?……ああ、問題ないです」

 

また、聞こえた。無理はしてないと思うけどな……

 

 「授業は終わりです。気を付けて帰ってくださいねー」

 

此処は寮制なので居残っても問題は無い。さて、どうしようか。

 

 「と、その前にだ。クラス代表を決めなければならない。自他推薦問わない、誰かやりたい奴は居ないか?」

 

 「織斑君が良いと思いまーす!!」

 

 「私も!!」

 

続々と俺に推薦が集まる。そういうのにあまり興味は無いんだが。

 

 「納得いきませんわっ!!」

 

ですよねー。イギリスの代表、セシリア・オルコットだったか……?

 

 「この誇り高きイギリス代表候補生の私を差し置いて男が代表なんてふざけるにも程がありますわ!この様な文化レベルも低い後進国で3年も過ごさなければならない事にさえ耐えがたい屈辱ですのに、更に私に屈辱を味わえというのですか?そんな事納得できる訳ありませんわ!」

 

それを聞いて……俺は、キレた。

 

 「黙って聞いていれば……馬鹿にしすぎじゃないかぁ?」

 

余り怒りすぎると、喰種の特徴である赤い目が出るのでそれを押えながら話す。まあ、イギリスには少し恨みはあるしな。

 

 「ISを生み出したのは日本、IS学園も日本だよなぁ?それって、お前の居場所はない事と同じだよなぁ?」

 

 「ひっ……!!」

 

 「止めておけ、怒るのは……分からなくもないが」

 

……そんなに怒ったつもりは無いのだが。そう思われたのなら今後は控えておこう。らしくもなく、怒ってしまった。

 

 「……そうだな。一週間後に決闘をしよう……ああ、言っておくが一夏(こいつ)にハンデは必要ないからな。大変なことになる」

 

と言った感じで決闘をする羽目になった……ああ、怒らなければよかったと少し後悔した。多分、あの人に似てきたのかも、しれない。




人物紹介
織斑一夏
この物語の主人公、喰種の中でも甲赫、羽赫、鱗赫、尾赫の全てを持ち半喰種である。なので、人や食料は普通に食べられる。しかし、人をかなり食べたせいで赫者にもなれる。喰種として暗躍していたところをある人に見つけられ、なんやかんやあって精霊を救う手伝いをする。ある人の兄から生命の樹のキーホルダーを形見として持っている。幻聴が聞こえるのは好きだったあの人から「食べて」と言われ食べてしまったが為、後悔による物。IS学園に入った後でも喰種として、あるいはとある会社の社長補佐として、捜査官として、事件を起こした犯人を捜している。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。