喰種になっても俺はあの人を追い続ける   作:零之悪夢

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人物紹介
篠ノ之箒
原作よりも柔らかくなっている。一夏への好意はあるが、自分で良いのだろうかと悩んでいる。剣道は相変わらず強いが一夏には負ける。姉の束とは和解しており間を持ってくれた一夏に感謝している。


Sword graveyard……

決闘とは

戦場での対決や闘技士の戦いとは区別される。これらは戦う相手に対する憎しみや恨みが立ち合いの原因ではなく、闘争は偶発的であり、あるいは現代のスポーツと同じような競技試合だからである。対して決闘は当事者双方の名誉・利害問題の解決に重点が置かれているところにその特徴がある。欧州では手袋を投げて受け取ったら行うなど……様々な種類がある。日本では果し合いがこれに当たる。

 

 「決闘かぁ……」

 

 「大丈夫か?決闘など……」

 

ISは決闘がスポーツになっている。戦いならもう、5年以上はやっているので負ける気はしない。

 

 「そうだな……勘だけでも、取り戻そうかな」

 

場所は代わり剣道場。防具を付けようと思ったがそう言えばここは女子高。付けていいのだろうか。

 

 「私のを貸そう。防具は付けないと危ないからな」

 

 「悪い。じゃあ、始めようか」

 

防具を身に付け構える。剣道についてはあの人の妹から教えてもらっていたので負けないとは、思う。

 

 「やあっ!!」

 

箒が前に討ち込んでくる。しかし、スローに見える俺からすれば大したことは無い。

 

 「面……」

 

 「え?」

 

確かに速すぎて見えなかったからこんな反応になるのかもしれない。でも、大体は反応してくるからあまり考えが足りなかった。

 

 「あ、ゴメン。痛くなかったか?」

 

 「いや、痛くはなかったぞ?しかし、どうやったんだ?」

 

 「分かりやすく言えば、俺が前に進んだだけ。ちょっと鍛えすぎたかな」

 

でも、勘は取り戻せた。人という敵がどのような殺意を出してくるのかを思い出せた。

 

 「……今日は此処までだな。あまり根を詰めすぎても良くない」

 

 「分かった……では、戻るとしよう」

 

確か、一週間は家から通学、だった気がする。家に戻ったら纏めてある段ボールを運んで、終わり。のはず。

 

 「そういえば。、一夏は部屋割りを聞いているのか?」

 

 「一週間は自宅通学だ。その後から寮に移るって聞いてる」

 

とりあえず家に帰ろうと思い玄関に向かっていると副担任の山田先生が走って来た。

 

 「織斑君!!やっと見つけました……はぁ……」

 

 「何か嫌な予感……」

 

 「えっとですね。急遽、自宅通学ではなく寮に移ってもらいます。ルームメイトは篠ノ之さんです」

 

隣に居る箒が少し驚く。そうすると後ろから殺気。

 

 「……?ああ、先生」

 

 「言うのを忘れていたからお前を探していたのだが、大体は聞いたか?」

 

 「大体は……でも”アレ”があるからいったん家には戻ろうと思ってる」

 

”アレ”が無いと仕事が出来ないので結果的に家に戻らなければいけない。

 

 「ああ……”アレ”か。”アレ”が無いと仕事が出来ないんだったな。今日もか?」

 

 「深夜には帰れるとは思う……分からないけど」

 

仕事って?と言う顔をしている二人に説明する。

 

 「公務員としての仕事。人には言えないけど」

 

 「公務員?一夏が?」

 

 「仕事があるからな……俺は家に帰るよ」

 

急いで学園の前にあるタクシーを止めて家に戻る。そうして家に着いたらタクシーの運転手に荷物を学園に送ってもらえば完了だ。後は……

 

 「出番だぞ、VMAX」

 

かなり手を加えた魔改造機。レーシングバイクのような見た目をしている黒に赤のラインが入ったバイクだ。時速200㎞は出る頭のおかしいバイクだ。

 

 「さて、仕事の時間だ……」

 

バイクを走らせ、東京の中心部にあるCCG本部に向かう。

 

 「着いたっと。確か今日は……誰を探すんだったか」

 

受付に入り、エレベーターに乗る。止まる場所は最上階。最上階に着いた後は、奥にある会議室に入ると其処に呼び出した張本人が居た。

 

 「ごめんね、呼び出して。後、入学おめでとう、一夏君」

 

 「ありがとうございます、金木さん。でも、不本意ですから……」

 

笑いながら返す。この人こそ、CCGのトップにして隻眼の王、金木研である。

 

 「呼び出したのは他でもない、君が追っている<反乱>についての情報が掴めたんだ」

 

 「その情報を持っているのが、犯罪を犯している喰種だから捕まえて欲しい。って事ですかね?」

 

 「そういう事。今回は、鈴屋特等達と行ってもらう……結構人数が居るみたいだから」

 

人数が多い、か。帰れるかな……

 

 「君ならできるよ、織斑特等(・・・・)

 

バイクに乗りながら昔を思い出す……CCGには階級があり、一番上が特等である。過去の事を含めるなら有馬貴将が一番早く特等になったが俺に塗り替えられた。強さで考えれば有馬貴将が一番だ。そう考えていると現場に着いた。

 

 「はーい。合流ーでーす。お久しぶりですねー、一夏」

 

 「お久しぶりです、什造さん。今日はちょっと荒れそうですよ」

 

 「そーですね。まあ、優秀な部下もいますし直ぐに終わるでしょうー」

 

そうやって部下に手を振る什造さん。はたから見れば女性に見えるが男性である。まあ、こういう奴を見たことがあったりするので何とも思わない。

 

 「準備できたみたいですし、突入しますかー?」

 

 「俺も準備は出来てます……」

 

今回、突入する場所は天宮市の外れにある廃工場。金木さんからは壊しても大丈夫だという許可は貰っているので好きに暴れられる。

 

 「相変わらず物騒な武器ですねー……修理してもらった13'sジェイソンよりも厳ついですよ」

 

 「自分の赫子から作ったんで仕方ないんですよ……こんなどす黒いとは思ってなかったんですって」

 

今着ている戦闘服の後ろに背負っている日本の刀……いや、銃刀は斬ると喰種の再生能力を阻害する効果がある。これを持って暴れた結果CCGでは特等に、喰種の中では狙った喰種を逃さない<狩人(ハンター)>と呼ばれることになった。不名誉なあだ名である。

 

 「でも、戦う姿勢が出来てますよねー。どうやったんですかー?」

 

突入し、13'sジェイソンを振り回しながら俺に聞いてくる。もちろん気絶で抑えている辺りプロだなぁと思う。

 

 「捜査官になる前……ちょっと喰種として1年とちょっととある戦争に身を入れてたんで。銃とかも撃てますよ」

 

 「へぇー……戦争ですか。それで(・・・)追ってるんですね」

 

 「そういう事です……ちょっと失礼」

 

リーダー格の喰種に話を聞く。まあ、多少脅しても大丈夫だろう。

 

 「<反乱>について知ってることを言え」

 

 「……あんたは、知ってると思うが社長が死んでからその意思を引き継いだ奴が居たんだが、そいつを殺して利用しようっていう輩が居た……<亡国機業(ファントム・タスク)>、そいつらがやった事だよ」

 

 「……亡国機業(ファントム・タスク)か。まあ、お縄についてもお前だけは軽くしてやるよ。俺からのささやかなお礼だ」

 

情報を得られた。これを元に情報を整理した方が良いか……まだ情報を集めた方が良いか。

 

 「一夏ー?増援が来ましたよー」

 

 「戻ります……」

 

ポケットから時計を取り出すと時刻は深夜の2時。学園に戻ったら3時くらいになるだろうか……思ったよりも時間が掛かったな。

 

 「帰るんですかー?それなら、これを……入学おめでとうございます、一夏」

 

 「ああ、ありがとうございます……!!これはっ!!多機能型ナイフ!!」

 

 「一夏が欲しがってたってのを噂で耳にして買ったんですよー。もちろん、私も買いましたー」

 

相変わらずのナイフコレクターである。でも欲しかったものが貰えた。感謝です、什造さん。

 

 「では、お疲れ様です」

 

ヘルメットを被り、夜の街を駆ける……程なくして学園に着いた。駐車場にバイクを置き、寮の玄関に入ると段ボールが見えたのでそれを持って部屋に向かう。段ボールの横に部屋のカギも一緒に置いてあったので部屋番号を見ながら場所を確認する。

 

 「1025……1025。此処か……起こさないように、そーっと、そーっと」

 

部屋に入り寝ている箒を起さないように段ボールを置き、シャワーを浴びる。流石に血の匂いが付いているので消した方が良いだろう。

 

 「……四時か。そういえば、射撃場があったはず」

 

起さないように制服に着替え、射撃場へ向かう。射撃場には扱いやすい銃から、珍しい銃まで……使える奴はあるだろうか。

 

 「……ワルサーでも使うか」

 

今使っている銃はワルサー社が開発した狙撃銃。狙撃銃の中では珍しいセミオート銃で排莢と給弾を自動で行うタイプのもの。旧来のボルトアクション式よりも精度で劣りながら、WA2000は高い精度も備える銃として有名である。ただし非常に高価で、生産されていた80年代後半の価値にして約7000ドル、日本円でおよそ90万~100万円もする。こんな銃あっていいのか?

 

 「……ふぅ……」

 

癖がある銃を理解するためには構造を理解し、何度か撃たなければならない。こいつは癖しかないのでかなり撃った気がする。

 

 「……100点ですわね。いかんいかん、口調が移ってるぞ俺」

 

コッキングをしながら何十発か撃った。久しぶりに撃ったので体が少し痛む……慣れるのにまた時間が掛かりそうだ。

 

 「……何時から撃ってた?」

 

 「殺しては無い、重症位で抑えて撃ってた」

 

知らぬ間に千冬姉が後ろに立っていた。それを気にせずにもう一発撃つ。

 

 「100点、だな。決闘の準備もちゃんとしておけ」

 

 「分かってる……」

 

この一週間を喰種捜査官で調査をしながら、学園で訓練をしながら過ごした。俺には専用機が与えられるらしいが何時までたっても届かない。決闘前になっても届かない。大丈夫か?

 

 「届きましたよ……織斑君の専用機!!」

 

 「こいつが専用機……」

 

これが俺の専用機……名前を<白式(びゃくしき)>と言うらしい。

 

 「……っ!!やばっ!!」

 

触れるとデータが頭に入って来た……それと共に記憶が思い出された。

 

 ―もう、離さないから。もう、絶対間違えないから……

 

 「大丈夫か?」

 

 「……少し、驚いただけだ。まあ、扱えることは分かった」

 

 「時間がない。このまま出て戦って来い、お前なら問題あるまい」

 

という感じでアリーナに出された。地面に降りると蒼いISが上でこちらを狙っていた。

 

 「今謝罪したら、奴隷の様に扱って差し上げますわ」

 

 「……謝る気は無い。それに自覚してほしいからな、お前の言動」

 

それに気が触れたのか、狙撃してきた。それも連続で。

 

 「当たりませんか……わたくしを怒らせたこと、後悔しなさいっ!!」

 

撃ってくるレーザーを余裕をもって回避する。まあ、あいつに比べればどうってことない。

 

 「何故、何故当たりませんのっ!!」

 

 「……見えるから」

 

そうすると画面に一次移行(ファーストシフト)を行うかという二択が出てきたのでイエスを選ぶ。

 

 「まさか、一次移行(ファーストシフト)もしていなかったと!?」

 

 「……どうしようか。武器が刀しかない」

 

武器は姉が使っていた雪片の後継。決定打に欠けている……

 

大丈夫、一夏なら……絶対勝てる。私を信じて

 

 「そっか……信じるよ。siori……」

 

隣に居る彼女が言った言葉をそのまま詠唱する。

 

「卑王鉄槌……極光は反転する……光を呑め!!『約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』!!」

 

辺りは黒に包まれ、気づけば”あの場所”に居た。

 

 「ここは……?」

 

 「ようこそ……血塗られた墓場(ソード・グレイブヤード)へ」

 

心象世界、と言った方が正しいだろうか。今から1年前に起きた<反乱>事件の中心地、天宮市をコピーした場所。

 

 「血塗られた墓場(ソード・グレイブヤード)?……わたくしは先ほど負けたはず……」

 

 「確かに君は負けた。だけど、まだ勝負は終わっていない……俺と本気の勝負をしよう」

 

地面に刺さっている日本の銃刀を抜く。相手もISを構える。

 

 「さあ……始めよう……」

 

彼の地で戦いは起こり、正義と悪は潰える。それだったらいいのに……




補足説明
一夏が乗っているバイクはFate/Zeroに登場するVMAXの改造機と同じもの。
射撃場で撃っていたのは切嗣が使っていたワルサー。
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