何故、一夏が宝具紛いの事を出来るのかというと……あの人の兄のある言葉でつかえるようになった、という感じです。この世界にも魔法は在ります。
炎、瓦礫……辺りには人一人居ない。ただ再現しただけの場所なので、居ないのは当然だが。
「……当たって無いぞ、もっと撃って来い」
「……また当たりませんの!?まだ、まだ……」
ビームを撃ってくる場所は良いが、分かりやすい。人外と闘ってばかりで人の攻撃は大体避けれるようになってしまった。当たっても別に痛くはないが。
「……よっと。喰らっとけ!!」
「きゃっ!!」
「何やってるんだ……俺はISを付けてないぞ?」
そう、俺はISを身に付けておらず捜査官の時に着ている戦闘服で戦っていた。ただ、避けて、刀で弾道を捻じ曲げて、近づいて斬り裂く。それを繰り返していた。
「なんで……貴方はそんなに、強いんですか?」
「……ちょっと長くなるが、聞くか?」
彼女と一緒に場所を変えた……と言っても場所が場所だが。
「此処は……?」
「分からないと思うけど……来禅高校の屋上。
空間の裂け目から帰って来た時、安心しすぎて足から力が抜けたというみっともない記憶があるが仕舞っておく。
「まあ、話だ……俺が強いのは、バカみたいな理由だよ」
「……どういうことでしょう?」
「居ない人をただ追いかけてる……前を向かずに過去ばかり見て、現実逃避を繰り返してるんだ。居ないのに居るって決めつけて、その人を探してる。その為になんでもした……だからこんなに強い……思ってた答えじゃなかっただろ?」
あの人たちが命を懸けて
「……そう、でしたの。でも、気持ちを持って戦っているのは良い事だと思いますわよ……わたくしもそうでした」
「……ありがとう、でも……お客さんが来たみたいだ」
そうして目の前に現れたのは、彼女の影。ただ、俺から逃げる。本当は追いかけたい……しかし、こんな姿を見せるわけにもいかないので必死に耐える。
「……
「うん、あいつ。居ないかもしれない……だけど、やることは決まった」
立ち上がり、身体を捻る。バキバキと身体から音が鳴る。
「よしっ、戻ろうか……大体は分かっただろ?」
「ええ、貴方が信念を持って戦いをしていた……それが分かりましたので」
辺りにひびが入り始める。
「……そうだな、これからは一夏で良い。そっちもセシリアと呼んでもいいか?」
「構いませんわ、改めてこれからよろしくお願いします……一夏さん」
元の世界に戻ると、アリーナの地面は抉れてその中心にボロボロのセシリアが倒れていた。どうやら勝負には勝ったらしい。
「……sidouさん、俺は貴方みたいになれますか?」
空を見上げながらふと思う。彼がよく言っていたコトバ。それが思い出される。
苦笑しながら語り合った、あの時。あの夜の星空、あそこで俺は……五河士道が正義の味方に見えた気がした。
試合が終わった後、とりあえず更衣室に戻って携帯を確認した。仕事のメールは来ていなかったので今日は休みと言う事になる。
「何するか……」
とりあえずは適当に歩いて、やりたいことを見つけようと思い着替えて廊下に出る。少し歩いていると開いている教室が目に入った。
「……開いてるのか?」
入った教室は音楽室。誰も居ない場所にぽつんとグランドピアノが設置してある。
「久しぶりに弾いてみるか……」
BGM Brand New Days
「……♪……♪……♪」
最初は優しく、ゆっくりと。この曲の難しい所は結構長い事だ。ペースを考えないと指先が疲れる。
「―――♪―――♪」
サビに入る時はリズムに乗って……
「……♪……♪…………」
最後は、余韻を残して……終わりだ。
「…………」
パチパチと拍手が聞こえた……いつの間にか観客が居たらしい。
「何時から?」
「……始まった後。休憩しようと思って部屋を出たら、音が聞こえたから……」
水色の髪の彼女は恐らく隣にある整備室から来たのだろう。顔に疲労が見える。
「まあ、聞いてくれてありがとう。君も休んだ方がいい……一つ言っておくと、取り返しのつかない事になる前に手を打った方が良い」
「……どういう事?」
「君、疲れてるだろう?俺もそれでやらかしたことがあるからな……根を詰めすぎるのは良くない」
そうして音楽室から寮の部屋に向かった。
「……圧勝だったな。私も嬉しいぞ」
「ん。結構疲れたけどな……<白式>とかなり相性がいいって事は証明されたからな」
「しかし、最後に見せたあれは何だ?」
あれは、聞いたことがあった為出来たことだ。詠唱などは知らなかったが
「そうだな……この世界には、”魔法”が存在するって言ったら信じるか?」
「魔法?……実在するのか?」
「古来より魔法は存在してる。それを使って人類は発展してきた……俺が使ってるのはそれの一端だ」
『
「まあ、必殺技みたいなものだからあんまり使いたくはないんだけどな……」
「必殺技……アニメのキャラクターみたいだな」
「それは、否定できない……俺も見た時はカッコいいって思ったしな」
明日は、休み……箒でも誘ってどこか出かけるか。そう思い、寝た。
「箒?今日は、暇か?」
「何だ、急に?」
次の日の朝、予定を聞くと特に無いと帰って来た。
「じゃあ、出かけないか?」
「……別にいいが……何処に行くんだ?」
「ショッピングモール」
そうして、箒の外出届を出して外に出る。俺の場合は特例でいつでも外出が出来るようになっている……仕事があるから出来ることである。
「……いつの間にこんなものを買っていたんだ?」
「こいつは貰いものだよ。免許は去年取った」
そう言いながらサドルの下に仕舞ってあったヘルメットを渡す。
「こいつで行くのか……?」
「おう。結構スピード出るからちゃんと捕まっておいてくれよ」
エンジンを付け、動作を確認し、箒を後ろに乗せて走り出す。
「早いな……改造済みか?」
「持ち主と俺がカスタムしてるからかなり早いし、燃費も良い。じゃあ、飛ばすぞ」
少しづつスピードを上げて走る。数分で目的地に着いた。やはり、スピードが出すぎる欠陥機なのだろうか。
「着いたっと……」
「…………」
箒が放心状態で捕まっている。スピードを出しすぎた。気を付けないと……
「おーい……箒ー?」
「……はっ!!すまない、意識を飛ばしていたようだ」
そうして、買い物が始まったのだが……特に語ることもなく終わってしまった。普通に買い物をして昼食を食べて、IS学園に戻って来た。
「うむ、実にいい時間だった……また頼む」
こんなことを言われて終わってしまった……やっぱり慣れないなぁ。
「……今日は金星がよく視えるな……」
今、何をしているのかというと寮の屋上で天体観測をしている。宇宙で精霊に会い、そして宇宙を漂ったことがある俺からすれば少し物足りないとは思ったりする。
「ん……何か来てる?」
こちらに光る何かが向かってきた……よく見るとニンジン。それが音を立てずに着陸し、中から誰かが出てきた。
「いっくん、おひさー!」
「お久しぶりです、束さん。クロエも久しぶり」
出てきたのはISを作った張本人、篠ノ之束。そして助手をしているクロエだ。
「で、今日は何で来たんですか?」
「……ちょっと聞きたいことがあるんだけど。いいかな?」
束さんが真剣に聞く……真面目な話の様だ。
「いっくん。もしかして……
「……バレちゃいましたか。まあ、ISで見られてればそうなりますよね」
そうして、ISを使って服を着替える。何故か、簡単にできるのは分からないが。
「……束さん。こんな俺でも、受け入れてくれますか?」
CCGの戦闘服に着替え、赫子を全て開放した俺に二人は絶句していた。
IS解説
<白式>(びゃくしき)
大体は原作同様。しかし、束が一夏が喰種になったことを知り改造される。任意で体の中にある赫子を使って武装に赫子を纏わせる。一応、赫者化も可能。