喰種になっても俺はあの人を追い続ける   作:零之悪夢

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人物紹介
セシリア・オルコット
原作同様。しかし、イギリス政府から情報を得たことで一夏について深く知ってしまう。好きだけど、相手が居るから告白できない状況。


Quiet battle

 「クラス代表おめでとー!!」

 

休み明けの月曜日。その日の夜にクラス代表就任パーティーが開催された。なんやかんやで皆が楽しめているのでそれを横目に外で電話に出る。

 

 「……もしもし」

 

 「はーい!調子どうー?」

 

 「……大丈夫です。こいつ(・・・)も問題なさそうですから」

 

電話の相手に相槌を打ちながら星空を見る……先の戦いで想いが強くなってしまったので何かと物思いにふけってしまう。

 

 「……うん。皆を強くするために、私の方で敵さんを送るから……危なくなったらそっちで対処して」

 

 「了解です……では、また」

 

電話を切って会場である食堂に戻る。わちゃわ茶している場所に自ら行きたくはないが。

 

 「おっ!主役の帰還だね。ちょっと取材させてー」

 

そうやって名刺を渡しながら取材をしてくる。新聞部の人はこういった人が多いんだろうか。

 

 「で、意気込みが聞きたいんだけど……」

 

 「意気込み、ですか……んー。死なない程度に頑張る、ですかねー」

 

 「おお!要するに必死に努力するって事だね。メモメモ……」

 

その後集合写真を撮るにあたっていざこざがあったりしたのだが、其処は多くは語らない。悲惨な事件だった……

 

 「……転校生?中国から?」

 

 「二組に転校してくるって言う話ー」

 

パーティーの翌日。朝から教室に入ると転校生が来るという噂が回っている……やはり、女性は噂話が好きと言う事が分かりつつある。

 

 「わたくしを危うんでの事でしょうか?」

 

 「……いや、違うだろ。普通に勉強しに来ただけじゃないか?」

 

そういうセシリアに話を合わせながら周りの話を聞く。どうやらクラス代表戦では食堂のデザートフリーパス券がもらえるらしい。それに対抗するためじゃない?という話が聞こえる。

 

 「その情報、古い、わ……よ……?」

 

その声を聞いて扉の方へ眼をやると見知った顔が今にも泣きそうな顔でこちらを見ていた。

 

 「こんの……馬鹿一夏ー!!また、無茶して!!あんた、また痩せたでしょ!?髪も白くなってるし!!」

 

 「ごふっ……悪かった……だから、泣くのは止めてくれ……」

 

 「やだ……一夏が無理ばっかするから」

 

謝りながら俺にくっ付いている少女、鈴に話す。時間も時間なので教室に変えるように話した。

 

 「昼休み、教えてくれないと殴るから……」

 

 「はい、分かりました」

 

頭を下げながら鈴を教室に返した。周りからの視線が痛い。

 

 「一夏……あいつとはどういう関係、なんだ?」

 

 「……俺の身を案じてくれる、人?かな」

 

そんな話をしながら昼休み。食堂の一角で話をするために俺と箒、セシリアが座っていた。

 

 「……その二人は?」

 

 「幼馴染と、よきライバルかな。まあ、鈴が聞きたいことを言ってくれればいい」

 

 「そうね……一夏、またなんか抱えてるでしょ?」

 

こいつには隠し事は出来ない……勘が鋭く、俺の考えていることを的確に当ててくる。

 

 「……でも、今回はお前を巻き込めない。何があっても、だ。鈴を護る為にも……」

 

 「……あんた、もしかしてあの人(・・・)の事を引きづってるの?」

 

 「……!!」

 

 「大当たりね……まあ、分からなくもないけど。だからってそんなになる?」

 

こいつには一度だけ見られたことがある。何処からか事情を察してあまり深入りはしなかったが……また調べてきたのだろう。

 

 「何の話をしているんだ……?」

 

 「……こいつの過去(・・)に関わる事よ。こいつの周りの人……ある事件で死んじゃってるのよ」

 

 「……ん?もしかして……」

 

何か気づいた箒。この話を続けたくはなかったので一足先に食堂から出る。

 

 「ごちそうさま……先、教室に戻る」

 

 「あっ……」

 

 「やっぱり、か。あいつ話を聞きたがらないのよねぇ……あの人が関わると」

 

 「それについて詳しく教えてくれないか?私も知っておきたい」

 

 「わたくしも、いいでしょうか?」

 

その話は昼休みのギリギリまで続けられたようで、チャイムが鳴るギリギリに彼女らが戻って来たのでそういう事なのだろうと思う。

 

 「……はぁ。面倒な事になった、なぁ……」

 

一人そんなことを思いながら、授業を受けた……受けた後は気持ちの整理を付ける為アリーナで訓練をすることにした。

 

 「……うーん?当たるかぁ?」

 

改造された白式に装備されている銃……アサルトライフルなのだが、レートと弾数がおかしい。普通の人だと使えないだろ。

 

 「…………」

 

ただ、撃つ。撃つ。撃つ。頭を狙って、胸を狙って。はっきり言って慣れすぎている……と言った方が良いかもしれない。

 

 「……時間、か」

 

全ての仮想敵を撃ち終わった後、更衣室で休憩していると後ろからスポーツドリンクを首に当てられた。

 

 「ん、ぬるいので良いんでしょ?」

 

 「ああ……ありがとう」

 

話すことが無く暫くの間、沈黙が流れる……そうして鈴が話を切り出す。

 

 「……約束、覚えてる?」

 

 「……私の作った酢豚を毎日食べてくれる、だっけか……でもさ、俺には大事な人が居るんだ」

 

 「……うん、分かってる」

 

分かっててなのか、それとも別の意図があるのか俺には分からなかった。

 

 「だから、無理しないで私の所に来ない?」

 

 「鈴……ごめんっ……!!俺には……答えられないっ……!!ほんとに……ごめんっ……!!」

 

 「私もっ……無理言って、ごめんっ……!!」

 

泣きながら、自分たちの想いを吐き出した。すっきりした、かもしれない。

 

 「ねえ、後の事はクラス代表戦が終わったら話しましょ?今だと、雰囲気が、ね?」

 

 「……ああ、今の雰囲気だと気持ち悪い」

 

 「じゃあ、戦う時に会いましょ?」

 

そうして、一週間ほど経って約束の戦いの日。改造された白式の使い方も大体わかって来たところでの戦い……油断すると負ける可能性がある。

 

 「あんたのISってそんなライン入ってたっけ?」

 

 「……ちょっと手を加えて、改造した。まあ、油断しない事だな」

 

 「まあ、手を抜くと一夏相手なら余裕で負けるしね……」

 

中学校の頃、こいつが虐められてるところにカチコミを入れて大体の奴を気絶させたところを見られているので強さが分かって居るから慢心はしないとの事。

 

 「じゃあ、始めようか……」

 

カウントがゼロになった時、鈴の乗る<甲龍>が突撃してくる。

 

 「……白式、赫子展開。出力、20%」

 

肩甲骨の辺りから白式を通して赫子を発動。今回使うのは甲赫なので右腕が黒く染まり、赤のラインが入る。右腕に握っている銃剣となった雪片二型が甲赫の様に変形する。

 

 「うわっ……気持ち悪い。一夏の趣味が怖いんだけど」

 

 「仕様なんだ、仕方ない。先、攻撃するぞ」

 

そうして雪片二型<赫子>を使い斬りつける。そうすると恐ろしい勢いでアリーナの壁にぶつかった。

 

 「けほっ……手加減しなさいよ。普通に痛いんだけど」

 

 「……もうちょっと弱めにやるか?俺も力加減が分からないからさ」

 

そうして、数分間の戦いを行った。鈴の攻撃も受けたのだがあんまり痛くなかった。

 

 「一夏、固いんだけど……SE減ってる気配無いし」

 

 「そうだな……まあ、続けよう」

 

 「じゃ、こっちも秘策使うわね」

 

そうすると画面に警報が鳴る……狙われているらしい。見えない何かがこちらに当たった。

 

 「……まあまあの威力だな。ちょっと後ろに吹き飛ばされた」

 

 「えー……これも効かないの?ちょっと困るんだけど」

 

右肩にある物から放たれている空気砲らしきもの。あまり痛くはなかったので壊さないように戦おう。

 

 「そろそろかな……おっ、来た来た」

 

アリーナのバリアを突き破ってきたのはゴーレムと呼ばれる無人機。電話で聞いた通り来たようだ。

 

 「何よ、アレ?敵?」

 

 「狙ってきてる……鈴、危ねぇ!!」

 

結構本気で殺しに来てますねぇ!!思ったよりも攻撃的な反応に困惑しながらも攻撃を避けていく。

 

 「……これ、すっごい恥ずかしい。恥ずかしくて死にそう」

 

 「我慢しろって……おっと。鈴、合わせて行けるか?あいつ、無人機だぞ」

 

 「……確かに、人の気配はしないしコードが見えるわね」

 

そう言って鈴を下ろし攻撃態勢に入る。一定間隔でビームを撃ってくるので、それに合わせて二人の攻撃を当てると言った作戦だ。

 

 「行くわよ……せーのっ!!」

 

 「おらっ!!」

 

後ろから鈴が、前から俺がコードを切ったので電力が回らなくなり電源が落ちた。これで大丈夫だろう。

 

 「よしっ!!……あっけなく終わったわね」

 

 「……織斑、聞こえるか?」

 

 「はい、先生。終わりましたよ」

 

どうやら通信が入らないような妨害をされていたらしい。知っているがそこまでしてたのか……

 

 「……ん?……鈴ッ!!」

 

通信をしながらゴーレムの方を見るとビームを溜めていた。それを油断していた鈴に向けて撃った……なので左手で受け止めた。

 

 「ぐっ……」

 

 「一夏ッ!!なんで私を庇ったのよっ!!」

 

左手を持っていかれた……見ると血まみれ。仕方ない、徹底的に潰して壊そう。

 

 「大丈夫、直ぐに、終わる」

 

あの正義の味方の様に。この力を使う。

 

 「血塗られた墓場(ソード・グレイブヤード)、展開……」

 

展開すると辺りは炎に包まれたがれきの街に変わる。

 

 「えっ……い、ちか?」

 

 「鈴に銃口を向けた事……後悔しろ

 

ISを解除し、左手を回復させる。治った左手に右手を添え……唱える。

 

 「投影開始(トレース・オン)ッ……」

 

目指すは最強。全を一とするモノを。

 

 「其処に至るは数多の研鑽、此処に至るはあらゆる修練……

 

真髄、解明。

 

 「築きに築いた刀塚。演技を以て宿業を断つ。八重垣作るは千子の刃……

 

完成理念、収束。

 

 「縁を切り、定めを切り、業を切る。我をも断たん都牟刈村正……

 

鍛造技法、臨界。

 

 「冥土の見上げに拝みやがれ!これが俺の<無元の剣製>だぁぁ!!

 

そのゴーレムを跡形もなく粉々にした。

 

 「……いちか。ほんとうにいちかなの……?」

 

 「俺は、織斑一夏。記憶したか?」

 

乾いた笑みを浮かべながら鈴の頭を撫でた。




宝具解説その2
宝具を知っているのは、あの人の兄がとある組織に関わっていたから。それに一夏も協力していたから。なので、宝具もどきを使えるという感じです。
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