すずかの家での一件から、学校や稽古の合間を縫って俺は革命の書に魔法の事やクリーチャーたちの事を学んでいる。
「つまり・・・・・・魔法っていうのは空気中にある魔素をリンカーコアに取り込んで魔力にし、それをおまえやデバイスに記録されたプログラムと体内の魔力で発動すると」
『デバイスを使わずに魔法を発動する魔導士もいますが、大体はデバイスをつかいます。』
『デバイスには種類がありますが…今はいいでしょう。次はマナの勉強です』
俺の中には魔力のほかにマナという物も蓄積されているらしい。
『マナはクリーチャーの世界において生命活動に必要なエネルギーであり、クリーチャーが生み出すものです。ちなみにマナを魔力の代用にして魔法を使うこともできます』
『魔力と違うのはリンカーコアに溜め込むのではなく、体中に循環させるところです』
『極稀に人の中にもマナを生み出せる人が現れ、何らかの理由でこちらの世界に来たクリーチャー達はマナに引き寄せられてその人間と契約する場合が大体です』
『あなたの場合は相当なレアケースですね』
「お前を通して契約しているからか?」
『それもありますがマナと魔力を併せ持っていることです』
本来、魔力とマナは同時に併せ持つことがほぼ不可能で必ずどちらかがもう片方を糧に魔力かマナを生成し結果的にどちらかしか残らない。俺のはリンカーコアとは別にマナを溜め込む器官が出来ているからお互いに食い合わないようになってるとのこと。
「そういえば、この腕輪は?」
そう言って腕を見せるとそれにも答えてくれた。
『それは革命軍と契約した証です』
『火の革命軍のリーダーであるドギラゴンと契約したことによって火の革命軍との繋がりが今のマスターにはできています』
『そのつながりを辿って火の革命軍のクリーチャー達がこれからやってくるでしょう』
そういう物なのかと腕輪に触れていると革命の書は別の話を持ち出した。
『それはそうとマスターはレアな交友関係をもっているのですね』
「レアな交友関係?」
『あなたは既に魔法を使える資質を持つ友人が4人いますよ』
「・・・・・・え?」
『魔法文化のない地球でこんなに出会えるとは引きで言えばVレアですね、いやVVレアというべきか』
「い・・一応聞いておくけど・・・・・・それって…誰?」
『アリサ・バニングス様、月村すずか様、高町なのは様、フェイト・テスタロッサ様の4人です』
「えぇぇぇぇぇぇ!!」
魔法の練習をしながらジュエルシードを探す日々がしばらく続いていたが、今回はジュエルシードも魔法の練習も忘れてみんなと温泉旅行だ。
宿に着くとそれぞれの部屋に荷物を置き、早速温泉に向かう。
「キュウー!キュウー!」
女湯と男湯で別れようとしたところでアリサに抱えられたユーノが突然暴れ始めた。
「うわわ、突然どうしたのよ」
「急に暴れちゃだめだぞユーノ」
アリサの手の中で暴れているユーノが助けを求めるようにこちらを見てくる
どうやら女湯に行くのがよっぽど嫌らしい。
「…もしかしてお前オスなのか?」
そう聞くと勢いよく首を縦に振った。
「じゃあユーノはこっちで預かっとくよ」
俺がそう言うと、なのは達が不満の声を上げるが男湯の人数少ないからと納得してもらった。
「ふぁ~」
温泉に浸かると気の抜ける声が出た。
ユーノも気持ちいいのかお湯を入れた桶でうたた寝をしている。
「いい湯だった~」
温泉から出るとまだうたた寝をしているユーノを起こさないよう慎重に歩く。
随分、長風呂をしていたようでなのは達は先に行ってしまったようだ。
なのは達を探しながら旅館を探索していると女の人とすれ違う、特に会話をするわけでもなく一瞬こっちを見ただけで温泉に向かったその人からは僅かに魔力を感じた。
(ただの偶然か?)
そんな事を考えていると近くでアリサの怒号が聞こえてきた。
いつの間にか目を覚ましたユーノが声の方に向かって進みだす。
それに続くように俺も歩き始めた、言いようのない不安を感じながら。