幼馴染に出来ることは何か   作:チョコレートパスタ

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真似はやりすぎは良くないです

人には出来る事と出来ない事が存在する。出来る事をすれば正しいと言われるが、出来ない事をやれば間違いだと言われる。しかし、人には出来る事や出来ない事なんか決める事が出来ない。人には無限の可能性があるから

 

 

「ねぇ。これどう思う?」

 

 

私、朝日莉緒は幼馴染の朝比奈まふゆの家にお泊まりしに来ているのだが何故か部屋に置いてある水槽についての感想を求められる。しかし、その水槽には水は入っているが魚は居ないからどういえばいいのか分からない

 

 

「この水草しか入ってない水槽の事?」

 

「そう」

 

「まふゆはどう思うの?」

 

「私は…………分からない」

 

「なら、私からは何も言えないよ」

 

「どうして?」

 

「だって、私が言ったらそれは私の感想だから」

 

「え?」

 

「仮に私がその水槽に魚が欲しいかなって言ったらどうするつもりだった?」

 

「どんな魚がいいのかを聞いたかな」

 

「その後は?」

 

「その魚を買って水槽に入れるつもり」

 

「なら、尚更私からは何も言えないよ。私の真似をするだけじゃ、いつまで経っても本当のまふゆは見つけられないよ?」

 

 

私は自分で言って少し自分に腹が立つ。私にだって本当のまふゆなんか分からないのに、それをまふゆに聞くなんてふざけている

 

朝比奈まふゆ。宮益坂女子学園の高校2年生。学校の子達からは優等生だと言われている。私も昔からまふゆを見てきたから優等生だと言うのは知っている。しかし、いつからかまふゆは変わった。どこか仮面を被るようになり、自分の感情などを無視し、とうとう感情すら失われていった。私はそれに気づいていたが、これはまふゆの問題だと思い無視していたがまふゆが目指していた看護師をやめて医師になるって話を聞いてから無視を辞めた。この話は長くなるから省略するけど、とにかく今のまふゆにはほとんどの感情を感じる事が出来ない。それに味覚も少しずつ

 

 

「本当の私ってなんだろう」

 

「さぁ?と言うかそれを探してるんでしょ?」

 

「うん」

 

「まぁ、それはのんびり探すとして水槽の事だよ」

 

「だから、教えて。アドバイスを」

 

「私に聞くよりももっと聞いた方がいい人達が居るんじゃないかな。ほら」

 

 

そう言って私はテーブルの上に置いてあるパソコンを指さした。まふゆは、25時、ナイトコードでと言う音楽サークルに所属しておりそのサークルには宵崎奏、東雲絵名、暁山瑞希が居る。その3人のおかげでまふゆは少しづつだけど感情を取り戻して来ている。本当に少しづつだけど

 

 

「奏達?」

 

「そう。私に聞くよりもその子達に聞いたらいいんじゃない?」

 

「そっか。で、どう思う?」

 

「ごめん。私の話聞いてた?それともその水槽について何か言われた?」

 

「別に。でも、この前絵名に水槽の話したらなんか無表情になってて瑞希にも話したけどなんか困ってた」

 

 

私はもう一度水草しか入っていない水槽を見る。確かにあれについて話されたら困るよ。逆に困らない人がこの世に居るのだろうか?

 

「まぁ、それはそうだよ。何も入ってないんだから」

 

「水草は入ってる」

 

「どこの世界に水槽に水草だけ入れてる人が居ると思う?」

 

 

私がそういうとまふゆは何も言わずに私を指さす。しかし、私はそもそも水槽を持ってないし仮に持ってたとして水草だけ入れるわけない

 

 

「私じゃないから。とにかくその子達に聞くこと。分かった?」

 

「莉緒は何も言わないの?」

 

「言おうと思えば言えるけどさ。約束できる?」

 

「何?」

 

「私が言ったとしても真似をしないって」

 

「私、真似した事ないんだけど」

 

「このぬいぐるみは何?」

 

 

そう言って私はベットの上に置かれてあったぬいぐるみを手に取りまふゆに見せながら聞いてみる。するとまふゆは真顔で言ってくる

 

 

「莉緒がおすすめしてくれたぬいぐるみだけど」

 

「はぁ。じゃ、これは?」

 

 

ぬいぐるみを元の位置に戻して次に私は本棚にある漫画を指さして聞いてみる。すると、こちらもまふゆは真顔で言ってきた

 

 

「莉緒がおすすめしてくれた漫画だけど。そう言えばこの前絵名に見せたら絵の勉強になるとか言ってお礼を言ってくれた。ありがとうだって」

 

「うん。それは良かった………じゃないね。どれだけ私のおすすめした物を買ってるの」

 

「多分、この部屋にある半分の物は莉緒の」

 

「うん。もういいよ」

 

「そう?」

 

 

まふゆは分かってないから仕方ないけど、私の真似をするだけじゃ本当のまふゆなんか見つける事ができない。私としてはおすすめは何?と言われたから言っただけなのにこうなるとは

 

ちなみに本当にまふゆの部屋には私がおすすめした物が置かれてある。どこからそんなお金が出てくるのかと思ったが、恐らくおばさんから貰ったのだろう

 

 

「もしかして私、莉緒の迷惑になってる?」

 

「いや、迷惑じゃないよ?本当のまふゆを私達が壊しちゃったんだから」

 

「壊しちゃったのかな。よく分からない」

 

「分からなくていいよ。これは私達側の話だから迷惑とかじゃないからなんでも話してよ。愚痴でもいいし、イライラした事でも、どうでもいい事でもいいから」

 

「じゃ、この水槽に何がいる?」

 

「まふゆはどう思うの?何が居ると思う?」

 

「分からない。奏達に聞いても私の好きな魚にしたらって言って。でも、私は」

 

「じゃ、何を飼いたい?」

 

「分からない」

 

「うん。詰んだね」

 

「詰んだ?」

 

「行き詰まったってこと。まぁ、今は気にしなくてもいいんじゃない?いつかまふゆが本当の自分を見つけられたら決まると思うよ」

 

「そっか」

 

「それにしても、本当に私がおすすめした物がいっぱいあるよね。仮にテレビって言ったらどうするつもりだったの?」

 

「買うかな」

 

「やめなさい」

 

「分かった」

 

さすがにこれ以上私のおすすめに部屋を埋めて欲しくないので釘をさしておくことに。まぁ、素直に聞いてくれるとは思っては無いけど。と私の予想は的中してしまう

 

お泊まりという事なので私はまふゆの後にお風呂に入り、まふゆの部屋に戻ると部屋には新しく布団が敷かれてあった。これだけなら私の為に敷いてくれたと思うのだが、その布団は私がこの前おすすめした布団だったのだ。色は違うけど

 

 

「まふゆ」

 

「ごめん。莉緒が言ってた色とは違うけど許して」

 

「ごめんって何?てか、よく買えたね。それ人気の布団なのに」

 

「莉緒がおすすめしてくれた日に直ぐにネットで買った」

 

「そっか。ありがとうね」

 

「うん」

 

 

私がお礼を言うと表情は変わらず無表情だったが少し嬉しそうだった気がする。しかし、私はそんなまふゆを無視して言う

 

 

「って言うと思った?なんで買ってるの。その布団の時真似はしないって」

 

「これは私が使うんじゃないからいいと思って」

 

「屁理屈じゃんそれ。てか、まふゆって屁理屈覚えたんだ」

 

「屁理屈?」

 

「簡単に言うと苦しい言い訳ってこと」

 

「別に言い訳じゃない。本当の事だから」

 

「だから、それを屁理屈っていうの。まったく」

 

 

恐らく昔のまふゆだったら真似をするなって言ったら素直に聞いてくれただろう。でも、今は聞いてくれない。だが、それには理由がある。その理由は

 

 

「で?なんでその布団買ったの?」

 

「莉緒が」

 

「私がおすすめしただけじゃないでしょ」

 

「この色がなんかいいなって思って。あと、なんか直感かな」

 

「それ使わないんだよね?」

 

「うん。でも、莉緒よくお泊まりして話とか聞いてくれるからせめてこの位はしようって……まぁ、奏達からしてあげたら?って言われたから」

 

「最後のがなかったらいい子だねって言えたんだけど」

 

「あ、奏達にこれは言わないでって言われてた」

 

「はぁ」

 

 

こんな感じで真似をするにあたって何かしらの理由がある。理由があると言うことは少しはまふゆの意思が出てきているということだと私は思っている

 

とりあえず私はまふゆが敷いてくれた布団に横になりゴロゴロする。そんな私をまふゆは無表情で見てくる。初めの私なら怖かったが今の私は怖くはない。たまに怖い時あるけど

 

 

「そう言えば今日もナイトコードで話すの?」

 

「そのつもりだけど。もしかして音とかで寝れない?」

 

「いや、私に気を使ってるんじゃないかなって思ってさ」

 

「それは大丈夫」

 

「ならいいんだけどさ。じゃ、私は寝るね」

 

「え?まだ10時だけど」

 

「女の子は早寝早起きが大事なんだよ。だから寝る。まふゆも無理はしないようにね」

 

「うん」

 

 

私はそう言って重い瞼を閉じて意識を手放す。恐らくまふゆはナイトコードで通話をすると思う。そして、また何かあの子達と話をするのだろう。この先は私ではなくあの子達がまふゆを守ってくれたら嬉しいかな。私にはもう

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