「いつから聞いてた?」
「逆恨みって所」
「そっか。話した方がいい?私的には」
「話して」
「うーん。でもな、これは私のせいだから。まふゆの」
「いいから話して!」
「もう。そんなに怒らないでよ。あ!まふゆって怒れ」
その時、まふゆは私に近寄り胸ぐらを掴んできた。そして、怖い顔で言ってくる
「ふざけないで話して。お願い」
「………それって本当のまふゆ?それとも優等生のまふゆ?」
「っ!?」
「優等生のまふゆになら相当酷な話。本当のまふゆとしても酷な話になるけど。まぁ、どっちにしても酷な話には変わらないけど」
「……私が関係してる話なんだ」
「まぁね。で?このまま話す?私としては胸ぐらは離して欲しいけど」
私がそう言うとまふゆは素直に胸ぐらから手を離してくれて私から離れる。そして、真剣な顔で聞いてきた
「ねぇ。それって中学の時、私と莉緒が喧嘩した話に繋がるの」
「おぉ。よく分かったね。大正解、だいぶ繋がるね。でも、これを話したら私の事を嫌いになるかもしれないよ?それでもいいの?」
「私は莉緒の事を嫌いになったりしない。だから、話して」
「そう。じゃ、もしかしたらまふゆを見る目が変わるかもしれないけど許してね」
私はそう言って棚から中学時代の卒業アルバムを取り出して、卒業アルバムをまふゆに渡す。まふゆはなんで渡されたのか分からないまま卒業アルバムを開いて絶句する
「それが1番見て分かる虐めだよ」
「これは何?」
「クラス………ううん。学校の人達からのメッセージかな。まぁ、ほとんど暴言だけどね。あはは!」
私は今となれば笑えるけど、まふゆからしたら笑えないのだろう。笑ってる私を見て凄く睨んでくる。それはそうだ。卒業アルバムには、お前なんて居なくなれ。劣等生のお前なんか消えちゃえ。優等生の朝比奈さんに付きまとうな。等の悪口が書かれてあるのだから
「ねぇ。何この優等生の朝比奈さんって」
「そのままの意味だよ。私がまふゆの幼馴染って事はクラスメイト、学校人達に知られてた。だから、優等生のまふゆと劣等生の私が一緒に居るのはおかしいと言われちゃった………およよ」
「ふざけないで。これ、先生に」
「その次のページ見てみて」
「次のページ?」
まふゆはそう言って私の言う通りに次のページを捲った。そして、まふゆはそこに書かれた文字を見て怒っているのかアルバムを持っている手に力が入っていた
「………なんで」
「びっくりだよね。まさか先生にも劣等生って思われてて。最悪な生徒とか言われちゃうんだからさ。その時の私がどんな気持ちか分かる?」
「……ごめん。分からない」
「なんでまふゆと幼馴染なんだろうって。なんで、まふゆと同じ学校なんだろうって思ったの。そして、まふゆを恨んだ。まふゆなんて居なくなればいい。早く消えちゃえって」
「っ!?」
「おっと?今はそんな事思ってないから安心して。まぁ、トラウマは消えないから私は思ってないよ?でも」
私はそう言ってテーブルの引き出しを開いて1枚の紙をまふゆに見せる。その紙には精神病と書かれており。多重人格と診断されている
「もう1人の私は恨んでるかもしれない。だから、私が逆恨みって思って抑えてる。だから、まふゆには言わなかったんだけど」
「多重人格っていつから」
「中学1年の半年からかな。約2年半その仕打ちを受けてたから。確か暴力とかもあったね。主に朝比奈まふゆ親衛隊の人達からの」
「……」
「まふゆ?」
まふゆはアルバムを静かに閉じて目を閉じる。そして、目を開けたと思ったら急に土下座をしてきた
「なんで!?ちょっと!?」
「ごめんなさい………私のせいだ。私が優等生だったから莉緒は」
「待って待って!まふゆのせいじゃ……………って力強っ!?」
土下座を辞めさせようとするが、力が入っており辞めさせられない。さすがに幼馴染の土下座は見たくないから何としてでも辞めさせたいのだが
「あんたは石か!」
本当に力が強くて動かないし、逆に力に負けて私の方が疲れてきた。そして、まふゆの謝罪も限度を超えてしまう
「どうしたら許してくれる!………どうしたら私は莉緒に謝る事ができるの」
「待って!1回待とう!私は気にしてないから!」
「ごめんなさい」
「これ詰んだぁ!!」
それから私は何とかまふゆが元気になるようにモノマネやダンス、歌や朗読、腹話術などを試して見たが一向に謝罪を続けるまふゆ。このままじゃ埒が明かないと思っていると、パソコンから光が溢れ出して私は咄嗟に目を瞑る。そして、次に目を開けるとそこはセカイだった
「マスター、ちゃんと話したんだね!」
「いや、これを見て言う?」
「ごめんなさい…………ごめんなさい」
「あぁ。やっぱりそうなっちゃったよね」
「知ってたのなら言ってよ!そしたら、言わなかったのに!」
ミクはまふゆがこの状態になる事を予想していたのかまふゆを見ながら頷いている。何故、あの時私とまふゆを2人にしたのかを教えて頂きたい
すると、ミクはまふゆに近づき背中をさすって話し始める
「まふゆちゃん、今悲しいかな?」
「ごめんなさい……」
「うん。謝るのはいい事だよ。でも、それってまふゆちゃんの自己満足だよね?」
「っ!!」
「いや、ストレート!?」
さっきまで謝っていたまふゆが謝るのをやめる。さすがに私にミクが言った事を言おうとは思わなかったけど、ミク結構ストレートに言ったね
「まふゆちゃん、マスターに謝りたいんだよね」
「……」
「そっか。なのにその謝る事のせいで余計にマスターに迷惑がかかってるんだよ。分かってるかな?」
「ご、ごめ」
「だから謝ったらダメだよ。謝ったらマスターの過去は帰ってくるの?マスターの傷は癒えるの?………………………マスターが死にたいって思わなかった世界線に行けるのかな?」
「っ!?」
「それ以上はレッドカードだよ!?」
私はミクをまふゆから遠ざけて話をする
「え?馬鹿なの!?」
「だ、ダメだったかな?マスターの真似をしてみ」
「逆効果!落ち込んでる人にしていい仕打ちじゃないからね!?」
「ごめんなさい」
「ここでちょっと待ってて」
「うん」
私は直ぐにまふゆの元へ戻る
「まふゆ。あのね。私は謝って欲しいとかじゃないの。それに私もまふゆに謝らないと行けない事があるし」
「……」
「とりあえず顔上げてくれるかな?」
「……うん」
まふゆはそう言うと私に顔を見せてくれる。私はまふゆの顔を見て驚く。だって、まふゆが
「泣いてるの!?」
泣いていたのだ。もう泣いてる所を見た事がないまふゆがこんなに泣いているのを見たのは久しぶりで。それに、感情をこんなに出すまふゆも初めてだった
「莉緒……分からないの……………私がやるべきことが。謝ることしか」
「あのね。もう私の事はいいの。終わった事だから、それにね。私だってまふゆを無視した。私の方が罪は重いから、まふゆは何も」
すると、私は急にまふゆに抱きしめられる。私も抱きしめようと思ったが、まふゆの体が震えてる事にここで気づく
「まふゆ?」
「……」
「私は大丈夫。まふゆに話せて少しはスッキリしたからさ。それに、これに関してはまふゆは何も悪くないの」
「……」
「本当にこれこそ逆恨みなの。まぁ、誰が悪いかって言うならクラスメイトと学校の人達だね」
「……」
「それにさ。私はまふゆが目標になってたんだよ?確かに恨んじゃったし、消えちゃえって思ってたりもした。でも、それよりも目標にしてた事が遥かに上なんだよね」
確かに私はまふゆを恨んでる。ここに関しては否定はしない。だけど、私は恨みよりも目標にしている事の方が遥かに上だ。まふゆみたいになんでも出来るようになりたい。だから、イラストを描くようになったし。運動もそこそこ出来るようになってる
「もしかしたら、もう1人の私はまふゆの事が嫌いで殺したいほどに恨んでるかもしれないけど。私はもう恨んでないよ。むしろまふゆと居ると楽しいって思える」
「……」
「ねぇ。マスター、まふゆちゃんに見せる?」
「え?……………あ。あれね。今用意できるの?」
「うん!ここはマスターのセカイだもん。それくらい、こうやって。えい!」
ミクはそう言うと空中に奏達を描いたキャンパスが現れる。そして、もう1つ。私とまふゆが笑っているイラストが描かれたキャンパスも
「まふゆ、あれ見てよ」
「………あれは」
「私とまふゆ。そして、奏達も居るよ」
「まふゆちゃん、マスターは感謝してるんだよ。まふゆのお陰でイラストを描くようになって、奏ちゃん達?に会えて。だから、まふゆちゃんはこの事を受け止めて欲しいの」
「…受け止める」
「そう!マスターも言ってるけど、終わった事をグチグチ言うのは悲しいよ。だったら、今ある事を考えようよ!」
「そうだね。だから、まふゆはいつも通りにしててよ。で、もし私に謝りたい。罪滅ぼしをしたいって思うなら、こんな私と仲良くして欲しい。本当の気持ちを伝えたこの私の事を」
「………うん。仲良くする」
「うんうん」
「マスター言ったでしょ?まふゆちゃんなら受け止めてくれるって」
「一瞬、本気でやっちゃったって思ったけどね」
「……莉緒、ごめん。ちょっとこのまま居させて欲しい」
「いいよ。好きなだけ抱きついていいからね」
「……ありがとう」
ちなみにあのイラストは奏達に見せようと思ってたイラストだ。パソコンのファイルに保存しているのだが、このセカイにも反映されていたとはね
「マスター良かったね!仲直り出来て」
「う、うん。あの、まふゆ?力がつ、強い」
「ありがとう……生きていてくれて」
「ど、どういたしまし……………ミク!助けて!このままじゃ私の背骨がぁ!!」
「う、うん!」
とりあえず、何とかミクに助けて貰った私は腰を痛わる。もう少し耐えてあげたかったけど、さすがに私の腰が塵となるのはごめんだ
「まふゆ、もう大丈夫?」
「うん」
「ほんと?思いっきり目から涙が出てるけど」
「分からないの。莉緒の事を思ったらなんか」
「もう気にしなくていいからね。気にするならこの黒化の方を気にして欲しいかな。てか、ここにも黒化は反映されるんだ」
左手を見て私は言う。まぁ、ここで黒化が無くなってるとしても現実に戻ったら黒化は無くなってないから意味無いんだけど。久しぶりに黒化になってない左手とかを見たかったというね
「マスター、その黒化消したいの?」
「え?消せるの?」
「うん。でも、リアルは無理だよ?このセカイ居る時だけになるんだけど」
「ほんと!?」
「じゃ、行くよ」
ミクは私の黒化が進んでる左腕と左手を掴むと急に光り出す。私は眩しくて目を瞑ってしまい、次に目を開けた時にはなんと黒化が無く私の白い肌に変わっていた
「はい!完成」
「おぉ!!久しぶり私の左側!!やっほっ!!」
私はそう言って全力で走り出す。まさか元の肌を見る事が出来るなんて思っても居なかった私は自然と涙が出てくる。手術でも治すことが出来ないって言われてたこの左側。それをミクは………ミク、ありがとう!!
「結構嬉しかったんだねマスター。まふゆちゃんも見てよ凄く笑ってるのに泣いてるよ」
「……」
「どうしたの?」
「私、これから莉緒にどう接したらいいの。私のせいで莉緒は深く傷ついてた………それを私は知らずに普通に莉緒と過ごしてて」
「じゃ、今まで通り普通にマスターと居たらいいんじゃないかな」
「……いいのかな」
「むしろ、いつも通りじゃないまふゆちゃんと一緒に居る方がマスターのストレスになると思う」
「そっか」
「だから、これからもマスターをよろしくね。強そうに見てるけど、本当は誰よりも傷つきやすい女の子だから」
「分かった」
「うんうん。それとまふゆちゃん、もう泣かなくていいんだよ?」
「分からない。なんで泣いてるのか。それに私、こんなに泣けるんだって」
「それだけマスターの事を思ってたって事だよ。まふゆちゃんは優しいね」
「…そうなのかな」
「うん!」
「ミク!なんかね、今の私ならオリンピックとか金メダル取れそう…………うっ!?」
私は走ってミク達の元へ戻り、ジャンプしながら離そうとすると何故かまふゆにタックルされてしまう。何が起きたのか分からなかった私は驚く
「莉緒、ありがとうね」
「う、うん?ん?ミク、何か話したの?」
「別に」
「いや、だったらなんでこんなに泣いているの?」
「それはまふゆちゃんに聞いてよ。私にも分からないもん」
「まふゆ?」
「分からない」
「ですよね」
とりあえず、私はまふゆが泣き止むまで抱きしめることにして。その間にミクは次のイラストはどんなの?と聞いてきてたが、パソコンの中を見れるミクなら知ってると思い無視
そして、約30分後。まふゆは無事に泣き止んで元通りの無表情のまふゆが完成。少しばかり寂しいがこれがまふゆなのでよしとしよう
「ミク、ありがとうね」
「マスターの力になれたのなら私も嬉しいよ!」
「ミク、私からもありがとう」
「うん。まふゆちゃんもありがとね。マスターと仲良くしてくれて」
「さて、そろそろ帰ろうかな」
「またね。って言いたいけど、まふゆちゃんにすっかり好かれちゃったみたいだね」
「う、うん」
普通に会話をしてるだけだったらいいのだが、まふゆは私の後ろから抱きしめながら話をしている。ちょっと暑いから離れようと思ったけど力が入ってて無理だったよ
「とりあえず、次は絵名達を連れてくるから例の物用意しておいてね」
「任せて!今ね、ルカとMEIKOで作ってる途中だから!」
「了解」
「例の物って?」
「お化け屋敷」
「……そう」
「じゃ、ミクまたね!」
「うん!」
「それじゃ」
「まふゆちゃんもまた来てね」
「うん」
私はそう言って持ってきていたスマホを使って現実に帰ることに。帰る手順は簡単で、untitledというファイルを開くだけ。ファイルを開くとあら不思議目の前が明るくなり、次に目を開けると
「ふぅ。愛しい我が家だね」
私の部屋だった。なんかこうしてみると現実味が何よね。スマホ1つで別世界に行けるなんてなかなかない事よ?
「さて。私はこれからちょっと用事があるから出かけるけどまふゆは?」
「私はこれから塾かな」
「おっと。それは早く行かないとね。途中まで一緒に行こうよ」
「うん」
まふゆは予め私の家に来る時に鞄を持ってたので恐らく塾の用意は出来てるのだろう。私も準備に必要な物は向こうに置いてるので準備は出来ている。なので、私達は一緒に外へと出る事に