無言で私達は頼んだ料理を食べ進めていく。恐らくこの姿を見てたら喧嘩してるの?仲が悪いの?と思われそうだが、私達は目で会話をしているので何も問題は無い
『ねぇ。そのドリア美味しい?』
『ドリア食べた事ないのかよ。日本人やめろ』
『ねぇ!なんで目で会話だとそんな強い口調になるの!』
『私ぃ。よく分かんないぃ。はにゃぁ』
『うわぁ。ウザイ奴だこれ』
私達はこれで会話をしているからいいが、周りからしたら何も喋らずにただお互いに見つめあってるちょっと怖い人達とも受け取れるよね
それから、私達は全ての料理を食べ終えて会話をする。とその前に私はドリンクバーにてオレンジジュース、瑞希はミルクティーを取りに行く。そして、席に戻り話を
「美味しかったね!」
「結局、ドリア取られたけどね」
「だって、美味しそうに食べるから美味しいのかなって」
「だからって、無理やり奪わないでよ」
「ごめんって」
謝りながら笑う瑞希。だが、この子は本当に無理やり私のドリアをスプーンで1口取って食べた。その時に手にフォークを刺してやろかと思ったがやめておいた
「で?美味しかったかい?私のドリアは?」
「そんな私って部分を強調しなくてもいいじゃん」
「別に強調してないよ。私のドリアを瑞希に1口取られたけど、私のドリアの量は変わらなかったし。だとしても、私のドリアだから」
「ごめんって!もう一個頼むから許してよ!」
「待て待て。ボタンを押そうとするんじゃない。私ももうお腹いっぱいだからやめて」
少し意地悪しすぎたのか瑞希は定員さんを呼ぶボタンを押そうとするので私はそれを必死に止める。さすがにもうドリアは食べれないし、食べたくない
「莉緒は意地悪だよ」
「いや、少し意地悪しただけじゃん」
「結構怖かったからね?私って部分強調しながら話されると」
「まふゆみたいで?」
「うん。もうまふゆが目の前に居るんじゃないかなって思うくらいに怖かった」
「それ、まふゆに言ったら怒られるやつだよ」
「………この事は秘密でお願いします」
「はいはい」
瑞希だけでは無いが、奏も絵名もまふゆには弱いみたいだ。まふゆは怒ってる時がなかなか分からない。そもそも怒ってるのかの判断がしずらしい。そもそも瑞希達は怒ったまふゆを見た事あるのかな?
「瑞希達って本気で怒ったまふゆを見た事あるの?」
「え?本気で怒ったまふゆ?………………うーん。どうだろう。たまに目のハイライトが消えて表情がいつもより無表情になってるまふゆなら知ってるけど」
「あ、それはまだ本気では無いね」
「そうなの?」
「うん。だって、まふゆが本気で怒るとそんなもんじゃないから」
「どんな感じなの?」
「追いかけ回される」
「何それ。全然想像出来ないんだけど、まふゆが?」
「そう。あのまふゆが」
まふゆはあまり喜怒哀楽を表情に出さないけど、最近は喜怒哀楽に似た感情を理解するようになったお陰で身体で表現する事になってる
「何して怒られたの?」
「まふゆの大事にしてた私のプレゼントを奪ってみた」
「なんのプレゼント?」
「中学の時、修学旅行でまふゆの為にペンギンのストラップを買って。まふゆに渡したの。それからまふゆずっと大事にしてくれてて。試しに奪って隠して、2日後にバレて追いかけ回された」
「何してるの。そんなの怒られるし、よく怒られるで済んだね。ボクなら友達やめてるよ」
「だから、素直に謝ってストラップを返したのに何故か追いかけ回されて。捕まった私はまふゆに1日抱きしめられる羽目になった」
「何それ。可愛いんだけど、莉緒をぬいぐるみに出来るって事だよね?え?ボクもやりたい」
「やめて。あれ以降軽めのトラウマになったんだから」
ちょっとイタズラで試してみたらあんな事に。正直、そんなに大切にしてくれてるとは思ってなかった私は本当は捨てて新しくプレゼントをしようと思ってたけど、捨てなくてよかったわ。捨ててたら私の命も捨てる事になってたね
「まふゆがそんな事するなんて。でも、ボク達はまふゆを怒らす事はしないから大丈夫かな。命が惜しいし」
「最後の部分が本心じゃん」
「もうまふゆは怒らせては行けないって身をもって知ったよね。睨まれるだけで怖いし」
「蛇に睨まれた蛙かな」
「ほんとそれだよ。どうしたらまふゆ耐性が付くと思う?」
「うーん。ハイライトを消せるようになる事かな。それで多少は何とかなる」
「ハイライト?」
「目のハイライトだよ。消せないの?こんな感じに」
私は試しで目のハイライトを消して瑞希を見てみる。決して睨んでる訳じゃない。それなのに何故か瑞希は私のことを見て怯えている。とりあえず、目にハイライトを戻し聞いてみる
「これが出来たらまふゆに対抗出来るかも」
「ごめん。ボクまだ人間だから無理」
「待ちなさい。その言い方だと私が人間じゃないって事になるけど大丈夫?」
「そもそもなんでハイライト消せるの?ボク無理なんだけど」
「試しにやってみてよ」
「いいけど、笑わないでよ?」
瑞希はそう言って目のハイライトを消そうと努力するが、ハイライトは消えずにただ目を大きく見開いてるだけだった。その姿を見た私は少し笑いそうになるが必死に手で口を押さえて我慢する
「ねぇ!」
「い、いや。まだ笑ってない」
「もうそれほぼ笑ってるじゃん!」
「だ、だって。それ目を見開いてるだけじゃん…………あはは!!」
「笑ったな!」
さすがに我慢出来なくなった私は笑ってしまう。しかし、あの瑞希を見て笑わないとか不可能に近いでしょ。まふゆなら笑わないかもしれないけど、私には無理だ
笑った私には怒ったのは瑞希は頬を膨らませて怒ってますよアピール(本日2回目)をする。こうも怒ってる姿が可愛いのはずるいと思う
「莉緒もう一回やってよ!」
「なんで私がやらないといけないの」
「そ、それ!」
「知ってるかい?まふゆや私レベルになると、もうハイライトを消しながらでも話せるようになるんだよ?慣れない?」
「む、無理です」
「なんで敬語なの?」
「いや、ちょっと怖いので」
「は?」
「そ、それだよ!もういいからやめて!」
私は言われた通りにハイライトを目に入れる。と言ってもこれ誰でも出来ると思うんだけど
「とりあえず、もうボク達はまふゆ達には勝てないって事が分かったよ」
「勝ち負けじゃないと思うけどね」
「そう言えばさ。莉緒とまふゆって幼馴染なんだよね?」
「え?あ、うん」
「莉緒がRoiってまふゆは知ってるの?」
「多分、知ってるんじゃない?この前ナイトコード内にイラスト載せた時」
「あ。あの時でバレてるんだ」
「目の前にそれでバレてる人が居るからね」
「あ!ボクだ!」
「この馬鹿が」
確か、瑞希から言ったんだよね。私がナイトコード内にイラストの載せた時に知ったって。なんでそれを忘れるかな。何?3歩歩いたら忘れるの?すると、話は私の話へと
「イラストっていつから描き始めたの?」
「中学の時かな。まふゆを目標にしてなんでも出来るようになりたいって思ってさ。とりあえずイラストを描くことは好きだったから」
「そっか。じゃ、まふゆのお陰でもあるんだね」
「そうだね。まふゆのお陰」
「今莉緒は高2だけど。中学の時のイラストって3年前ってことになるよね?」
「そうだね」
「ボク、SNSをいくら探しても莉緒の3年前のイラストは見つからないんだよね。古くても2年前。だから、莉緒が高校1年生になった時のイラストしか」
「まぁ、私自身で消したからね。無いのは仕方ないよ」
「そうなんだ」
劣等生の私が目立つ事は許されなかった。だから、私が中学の時に描いたイラストは私がRoiとバレそうになった時に全て消した。多分、どこかでは残ってると思うけど私のアカウントからではもう見れなくなってる
「見たいの?」
「え!?あるの!?」
「うん。まぁ、今とはだいぶ絵のクオリティが下がってるからそれでも言いなら」
「いいよ!むしろ見せて欲しい!あ、絵名にも見せてあげて欲しい。絵名、Roiのイラストには本当に」
「分かったから。また暇な時にナイトコード内に載せておくよ。なんならメールで送ろうか?」
「お願い!」
「はいはい。あ、今いる?」
「出来たら見てみたいかな」
「了解」
私はそう言ってスマホを取り出してSNSのアカウントを開く。すると、スマホの画面にミクが現れて文字で聞いてきた
【マスター?昔の絵を持ってくればいいの?】
私は声には出さずに文字で答える
【お願い。出来たら早めに。メールで送ってくれたら助かるかな】
【分かった!じゃ、ちょっと待ってて!】
【ありがとう。ミク】
ミクは私の文字を見たあと笑ってから画面から消える。私が生み出した初音ミクは、私が干渉している機械。いや、ネットの世界ならどこでも移動する事が出来る。パソコン、スマホ、テレビなど。それに、相手のパソコン、スマホ、テレビ等にも移動する事が出来る凄い初音ミクとなっている
「もしかしてSNSにあるの?」
「ん?あ、無いけど。ちょっとフォルダには保存しててさ」
「そっか。あ、それはそうだよね。莉緒が描いたんだから残ってるのは当然か」
「そうそう。ただ、ちょっと探すのに時間がかかって」
「探すって何も操作してないのに?」
「……勘が鋭い子は嫌いだよ」
「そう言われても」
そして、ミクからメールが届いたので私は直ぐにメールを開いて乗せられたイラストを保存。次に私は瑞希に画像付きでメールを送る。とメールを送った時に気づく
「普通に見せれば良かったじゃん」
「あ。まぁ、でも?ボク莉緒のイラスト保存したいって思ってたから。メールの方がありがたいよ」
「ならいいけど」
瑞希はワクワクで私が送ったメールを確認する。すると、画面を見た瞬間に笑顔になり私の顔を見てくる。その姿が正直怖くてびっくり
「な、何?」
「やっぱり莉緒は凄い!これ、中学の時に描いたイラストなんだよね?」
「うん。そうだけど、何笑ってるの?」
「いや。凄いなぁって思ったらなんか笑えてきちゃって。このイラストの女の子可愛いんだけど、カッコよくも見えるし。泣いてるとと思っても見る観点を変えたら嬉し泣きに見てるし。もう凄いよ」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、笑うのはやめて。あと、ニヤニヤも禁止」
「うん」
「いや、笑ってるから」
結局私は笑ってる瑞希からRoiについての事を結構長い時間聞かされる事になった。だが、瑞希のお陰で他人から見た私、Roiがどんな風に見えているのかが分かったから少し嬉しい気がした。ただ、長かったから終盤ほとんど聞いてないけど
そして、私達はファミレスから出て。次に何処に行くかを私は瑞希に聞こうとしたところで、瑞希に電話がかかる。その電話に出て話をしている瑞希を見る私
「ごめん莉緒!これからちょっと行かないと行けない場所が出来ちゃって」
電話を切った瑞希が少し申し訳なさそうにして言ってきた。しかし、私としてはやりたい事はやったので満足している。なので、瑞希の用事を優先する事に
「いいよ。買い物も出来てご飯も食べれたから満足だし」
「本当にごめん。これからバンジージャンプを体験するって」
「ごめん。それは私聞いてない」
「次、遊ぶ時にバンジージャンプやろうね!それじゃ!」
瑞希はそう言って手を振ってから走り出した。私はとりあえず瑞希に手を振り、瑞希が見えなくなってから手を振るのを辞めた
「次、バンジージャンプ……………私でも入れる保険探しておこうかな」
私はそう言って家へと歩き出す。さすがに、保険はやり過ぎだと思うが念には念をと言うからね。何事も前準備は大事。それにまだ死にたくないから