幼馴染に出来ることは何か   作:チョコレートパスタ

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小豆沢こはね

8月20日。私はとある事情でストリートへ来ている。普段の私ならこんな所に来るわけがないのだが、おっと?別にストリートを馬鹿にしてる訳じゃない。私は人混みが苦手だから来ないってだけだ

 

話が逸れてしまったが、私はストリートを歩いていると後ろから尾行されてる気がしたので。裏路地へ入り、あとからやってきた子とわざとぶつかる

 

 

「きゃっ!?」

 

「こはねちゃんだったの!?」

 

 

可愛らしい悲鳴をあげたその子は尻もちをついて倒れる。私はその子を見て知り合いの小豆沢こはねちゃんだと分かり驚く。とりあえず、こはねちゃんに手を貸して立たせることに

 

 

「なんで、こはねちゃんが私を尾行してたの?」

 

「び、尾行じゃないよ!ただ、莉緒ちゃんを見つけたから話しかけようって思ったんだけど。タイミングが」

 

「それで尾行みたいな感じになってたのね」

 

「う、うん」

 

 

確かに後ろを振り返った時に見覚えのある髪型、髪色をしていたから多少はこはねちゃんだと分かっていたが、本当にこはねちゃんだったと知ると驚くよね

 

 

「で?私に何か用があったの?」

 

「あ、そういう訳じゃないんだけど。莉緒ちゃん、何処に行くのかなって」

 

「なんかね。この近くの廃墟ビルに幽霊が出るって噂があってね。学校の子達が話してるのを聞いて、興味が出たから行こうかなって」

 

「だ、ダメだよ!」

 

「え?」

 

「廃墟でも不法侵入になるからダメだって彰人君が言ってた気がする」

 

「気がするなら大丈夫かな」

 

「ダメぇ!!」

 

 

私はこはねちゃんの横を通り過ぎようとしたが、こはねちゃんに服を引っ張られて前に進めないはずだが

 

 

「んんん!!!な、なんで止まらないのぉ!!」

 

「いや、単純に力が無いだけかと」

 

 

普通に前に進もうと思ったら前に進めてしまう。こういうのって前に進めないのが普通なのだが、ズルズルと前に進んでしまう。そんな私をこはねちゃんは必死に止めるので、とりあえず話を聞く事に

 

 

「こはねちゃんも行く?」

 

「だ、だから!不法侵入になっちゃうよ」

 

「廃墟だから所有者が居ないってことだよ。所有者が居ない、もしくは土地を破棄した場合は誰の物でも無いから不法侵入にならないよ」

 

「そ、そうなの?」

 

「それに、仮に国が管理すると言ってもまだ廃墟なら不法侵入にはならない」

 

「そうなんだ」

 

「うん。全部嘘だけど」

 

「もう!!」

 

 

そんな私が法律に詳しい訳ないじゃん。法律なんてある程度の常識を守っていればいいし。あと、こんなんに騙されるこはねちゃんもこはねちゃんだと思う

 

 

「で?こはねちゃんは何してるの?」

 

「え?えっと、だから」

 

「話しかけようしたんでしょ?何か話が」

 

「無いよ?」

 

「はい?」

 

「無いよ?その、話しかけようとしただけで特に何があるわけでも」

 

「クッキー要る?」

 

「え?」

 

 

私は鞄からコンビニで買ったクッキーを取り出してこはねちゃんに見せびらかす。そして、クッキーを渡そうとする時に

 

 

「お手」

 

 

と言ってみた。すると、こはねちゃんは何も恥ずかしくないのか

 

 

「わん!」

 

 

と言ってお手をしてくれる。そして、やっと自分が恥ずかしい事をしたと理解したのか顔が真っ赤になっていきプルプルと身体が震え始める。そんなこはねちゃんを無視して私はクッキーを渡す

 

 

「あ、ありがとう///」

 

「うん。じゃ」

 

「えっ!?」

 

 

私はそう言って全力でこはねちゃんから逃げるように走り出した。別にこはねちゃんから逃げる理由は……とくにない!のだが

 

 

「待ってよ。なんで急に走り出したの?びっくりしちゃった」

 

「怖い怖い!!」

 

 

先に走り出してスタートダッシュを決めた私なのだが。今、普通に横で並走して話しかけてくるこはねちゃんが居る。私はそれを怖さを覚えて走り速さを上げるのだが

 

 

「あ!もしかしてジョギング?よし!それなら莉緒ちゃんに私も付き合うからね!頑張ろう!」

 

「おかしいおかしい!」

 

 

普通に私の速さについてくるこはねちゃん。一応、これでも私は学年トップの足の速さをしているので結構速いと思うのだが。ちなみに、まふゆといい勝負を出来る程には速いはずなのに

 

 

「えっと、じゃ。しりとりしよっか!」

 

「ちょっと待って!」

 

「?う、うん」

 

 

さすがに色々とツッコミを入れたい私はその場で止まる。こはねちゃんも私が止まったのに合わせて止まってくれて聞いてくる

 

 

「どうしたの?あ、もしかして疲れちゃった?」

 

「色々おかしいから。なんで走りながらしりとりするのかって言うのもあるし。何普通に並走してるの?それに話しかけてくるとか」

 

「これでも杏ちゃん達と走ったりしてるからスタミナあるんだよ!」

 

「うん!良かったね!偉いね!」

 

「うん!」

 

「じゃないから」

 

「あ、あれ?」

 

 

確かにそれはいい事だけど、普通に話しかけてながら並走されてた私からしたら恐怖だよ。いつもはほわほわしてて可愛いこはねちゃんなのに、あの時はもうホラー映画で出てくるお化けかと思ったわ

 

 

「え?馬鹿?」

 

「ば、馬鹿じゃないよ!なんでそんな事言うの!」

 

「だって、並走してしりとりする人って馬鹿しか居ないでしょ。それに、私相当速いスピードで走ってたのになんで」

 

「スタミナがあるもん!」

 

「スタミナがある人でもなかなか出来ないと思うけど」

 

「莉緒ちゃんが急に走り出したのも悪いんだよ!なんで急に」

 

「いや、なんか走ったらどうなるのかなって。まさか化け物が釣れるとは思わなかったけど」

 

「ば、化け物!?」

 

 

とりあえず、私はここに来た事情を終わらせるべくまた走り出す。こはねちゃんも私が走り出したのと同時に走り出して横に並列してくる。もう私は驚かないよ

 

それから私達が走ってやってきたのは広い公園。こはねちゃんはなんでここに来たのか分からないのか不思議そうにしながらも私についてくる。私は公園の真ん中にいる女の子に声をかける

 

 

「おーい。持ってきてやったぞ」

 

「あ!先輩、本当にすみません!」

 

「いいよ。一応、要望通り音を入れて渡してくれた歌詞を入れてるから行けると思う」

 

「本当にありがとうございます!本当なら私達でやるべきなんですけど」

 

「いいって。ここで練習するのか?」

 

「はい!今日はみんなで練習するんです!」

 

「そうか。あ、こちらビビバスの小豆沢こはねちゃん」

 

 

私は横にいるこはねちゃんを後輩の女の子に紹介する。すると、こはねちゃんは礼儀正しくお辞儀をしてから自己紹介をする

 

 

「あ、えっと。小豆沢こはねって言います。莉緒ちゃんとはお友達で」

 

「はじめまして!私は先輩の後輩の白石藍って言います。先輩とはもうそれは身体の関係を」

 

「この音源潰すか」

 

 

私は鞄に入っている音源CDを取り出して地面に叩きつけようとするが、後輩が凄く焦って謝ってくるので素直に渡す事に

 

 

「ふざけた事を言ってるのなら練習でもしておけ。それに、暑いから熱中症にも気をつけろよ?」

 

「あ!心配してくれてるんですね!やっぱり先輩は」

 

「じゃ、暑いし疲れたから帰る。頑張れよ」

 

「え、えぇ!?もう行っちゃうんですか!」

 

「うるさい。とりあえず頑張れ」

 

「あ、頑張ってください!」

 

 

私はそう言って後輩から離れる。そして、こはねちゃんも応援をしてから私についてくるように後輩から離れた。チラリと後ろを見ると元気に手を振ってくる後輩の姿がある。あんなに元気なら熱中症にはならないか

 

そして、後輩から離れて公園から出た私は家に帰る事に。普通ならこはねちゃんとはもう別れているのだが

 

 

「今日、莉緒ちゃんがストリートに来てたのはあの子に音源を渡す為だったんだね」

 

「うん。本当ならあいつの友達の子が用意するはずだったんだけど、インフルエンザで1週間くらい体調壊しててね。だから、代わりに私が作ったって訳」

 

「そっか」

 

 

何故か普通に横を歩いているこはねちゃん。別についてきてもいいし、家に来てもいいのだが。一言言って欲しいよね

 

 

「莉緒ちゃんってなんでも出来るんだね。ほら、この前私と杏ちゃんの歌を聴いただけで完コピ出来るし」

 

「まぁ、とある子の真似をしてるだけだよ」

 

「とある子?」

 

「こはねちゃんが知らない子。まぁ、どこかで会うかもしれないね……………………同じセカイを持ってる同士

 

「ご、ごめん。最後聞こえなかった。何か言った?」

 

「ううん。気にしないで」

 

 

セカイ。場所や想いは違うかもしれないが、初音ミク。この繋がりだけは同じ。だから、いずれは繋がりによって会うかもしれない。20人の子達が初音ミクを通して

 

 

「ところでもしかして私の家に来るつもり?」

「ダメだった?」

 

「いや、ダメでは無いけど。こはねちゃん何か用事とか無いの?」

 

「うん。今日は暇かな」

 

「そっか」

 

「それに、また莉緒ちゃんオススメのアニメを教えて欲しくて」

 

「長くなるよ?」

 

「大丈夫!お母さん達には莉緒ちゃんの家に泊まってくるって言っておいたから!」

 

 

ドヤ顔で言ってくるこはねちゃん。しかし、そうなると初めから私を探していたという事になる。つまり、こはねちゃんと出会ったのは遅かれ早かれ決まってた事だったらしい

 

 

「服は?」

 

「あ、貸してくれる?後で洗って返すから」

 

「多分、ダボダボになるよ?」

 

「別に莉緒ちゃんになら見られてもいいかな………あ、でも覗くのはダメだよ?」

 

「私は思春期の男子か。まぁ、いいならいいや」

 

 

こうして私はこはねちゃんとのお泊まり会が決まった。私としては1人で寂しい時もあるので、こうやって突然泊まりに来たり、事前に泊まりに来てくれたりすると嬉しいのだが

 

 

「次これ見よ!」

 

「ね、ねぇ。もう深夜2時なんだけど」

 

 

アニメを鑑賞するまでは普通に話をして、ご飯を食べて。一緒にお風呂に入ったりとお泊まり会らしい事をしていたのだが、アニメを鑑賞し始めてから私ではなくこはねちゃんが変わった

 

 

「まだ2時だよ!ほら、こんなにまだあるんだから!」

 

「眠くな…………いか。そんなにテンション上がってたら」

 

「うん!」

 

 

一応、10時からアニメ鑑賞を初めて今深夜の2時。時間はアニメを鑑賞している。普通の人ならもう寝てるのだが、何故かこはねちゃんは元気なまま

 

 

「今日は完徹目指して頑張ろう!で、明日の朝から寝ようね!」

 

「えっと」

 

「ね!」

 

「あ、はい」

 

「じゃ、次はOVAの方を見ようか。私、こっち見てみたいけど莉緒ちゃんはどっちがいい?」

 

「あ、こはねちゃんに任せるよ」

 

「分かった!」

 

 

こはねちゃんは慣れた手つきでパソコンを操作してアニメOVAを選択する。そして、目をキラキラさせながらアニメを見始めた。私はもう完徹する覚悟でパソコンに映っているアニメを見る

 

そして、完徹をしてアニメを全て見終えた私達は糸の切れた人形のように眠りについた。もう当分はアニメはいいって思った

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