幼馴染に出来ることは何か   作:チョコレートパスタ

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本当の私

今日は8月27日。暁山瑞希の誕生日だ。なので、私は誕生日プレゼントを瑞希の家に贈るだけで終わらす。本当なら瑞希と会って祝うべきだが、それは私には無理。だって

 

 

「ねぇ。なんで来なかったの?」

 

「うわっ!?な、なんでまふゆが居るの!?」

 

 

私は今日中に仕上げないと行けないイラストを描く必要があるからだ。なので、今も必死にイラストを描いていたのだが普通にまふゆが部屋の扉を開けて入ってきてびっくりする私

 

 

「合鍵使った…………あ。イラスト描いてたんだ」

 

「え?あ、うん」

 

「瑞希、悲しそうだったよ?莉緒が居ないからって」

 

「いや、プレゼントはちゃんと贈ったし」

 

「うん。瑞希びっくりしてた。まさか、予約宅配を使ってたなんて」

 

「私、賢いから」

 

 

私は今日一日中イラストを描かなければならない事は急に決まったが、瑞希の誕生日プレゼントに関しては前から予約宅配を使って今日の朝に届くようにしてある。ちなみに今の時刻は夜の9時

 

 

「ナイトコードもメールも電話も出ないから心配した」

 

「あ、ごめん。今日はちょっと集中しないといけないからそう言うのは全て電源切ってたんだ。本当に」

 

「いいよ。莉緒が無事ってだけで私はいいし。所でイラストって誰の為のやつなの?」

 

「えっとね。絵名に渡す為のイラスト。なんか、絵名に私が本気で描いたイラストが欲しいって言われちゃって」

 

「本気で描いたイラスト?」

 

「うん。これ、もうほとんど完成してて後は保存するだけ。間違ってもリセットしたら、まふゆでも本気で怒るから」

 

「そんな事しない」

 

 

まふゆはそう言ってパソコンのモニターを見て、しばらく画面を見た後に首を傾げて言ってきた

 

 

「よく分からない」

 

「まぁ、そう言われるとは思って」

 

「でも、莉緒らしさが出てていいと思う」

 

「……」

 

「このイラストの女の子の顔。どこか悲しそうだけど、笑ってるようにも見える。さすがRoiだね」

 

「知ってたのね」

 

「うん」

 

 

まぁ、私がRoiっていうのは絵名も知ってると思う。だから、本気で描いたイラストが欲しいって言ってきたんだろう。それに、なんか嬉しそうに言ってきたし

 

 

「でも、これを描くために来なかった……あ」

 

「そういう事。電源と言うかパソコンは使ってるけど、ナイトコードは通知切ってるし。スマホに関しては電源off。と言うか多分充電が無いから物理的に切れてると思う、試してみたら?」

 

「分かった」

 

 

まふゆはテーブルの上に置いてる私のスマホを手に取り電源を入れようとするが、電源が入らないのを知ったまふゆはベットに置いてある充電器をコンセントに刺してスマホを充電する

 

 

「そのイラスト完成するのはいつなの?」

 

「もうすぐだよ。何?ご飯食べたいの?」

 

「うん。瑞希達はファミレスで打ち上げしてるみたいだけど、私は莉緒の様子を見に来たから」

 

「あ、なんかごめん」

 

「別にいい。台所借りるね。オムライスでいい?」

 

「作ってくれるの?」

 

「うん。莉緒には色々と助けられてるし。あと、私がお腹空いた」

 

「あ、うん。じゃ、好きに台所使って」

 

「ありがとう」

 

 

まふゆはそう言って部屋から出ていく。私はそれを見て直ぐにナイトコードを開いてメッセージを確認すると。確かにまふゆ達からの大量のメッセージが届いていた。とりあえず、私はスマホ………

 

 

「はぁ。もう1つの使うか」

 

 

2台持ちで、充電していない方のスマホを使って瑞希に連絡を取る。流石に打ち上げ中なら出ないかなと思ったが直ぐに出てくれた

 

 

「もしもし?瑞希?ハピパ」

 

『ありがとう!じゃない!何してたの!?』

 

「ごめん。ちょっとイラスト描くのに通知とか電源とか切ってたから気づかなかった」

 

『もう、どれだけ心配したか。絵名なんか警察呼ぼうって』

 

 

すると、電話の向こうで絵名が何か反論していたが聞こえずらくて聞き取れなかった。でも、多分。そんなこと言ってない!とか言ってるんだろうね

 

 

「とりあえずごめん。プレゼントは届いてると思うけど、喜んでもらえたかな?」

 

『あ、うん。可愛い服だった。あれって前からボクが気になってた服だよね?よく知ってたね』

 

「絵名から聞いたの。だから、文句とお礼なら絵名に言ってね。じゃ、私まだ作業が残ってるから」

 

『了解。じゃ、またナイトコードで』

 

「うん」

 

 

私はそう言って通話を切る。そして、スマホをテーブルに置いて残りの仕上げを終わらす事に。

 

それから仕上げが終わった私は部屋から出てリビングへと向かう。そして、リビングの扉を開けて台所にいるまふゆを見て驚く

 

 

「あ、終わったの?」

 

「……」

 

「なんで私の髪を見て固まってるの?」

 

「えっと。なんでツインテールにしてるの?」

 

 

私が驚いた理由は、まふゆの髪型が何故かツインテールになっていたからだ。別に文句は無いが、まふゆのイメージとは違いすぎてびっくり

 

 

「なんとなくかな」

 

「なんとなくって」

 

「どうかな?」

 

「え?あ、いいとは思うけど」

 

「そう」

 

 

まふゆはそれだけ行って普通に調理に戻るので、私はスプーンとかを用意しようと思ったのだが。既にテーブルの上にはスプーンとコップ。そしてお茶が置かれてあった。この子、将来いいお嫁さんになるね

 

一応、私がリビングに来た時にはオムライスは完成間近だったので私が椅子に座るとまふゆがオムライスを持ってきてくれた。ケチャップで電話出てと言う文字を書いて

 

 

「怒ってる?」

 

「ううん。気にしないで」

 

「いや、文字が」

 

「いいから食べて」

 

「あ、はい」

 

 

私は言われた通りオムライスを食べる前にケチャップで書かれた文字をぐちゃぐちゃにする。そして、オムライスを1口食べる前に気づく。これ、まふゆが作ったってことはあの子味覚があまり無いから味付けとか大丈夫なのか?

 

と思いながらも私はオムライスを1口食べる。すると、私は驚きのあまりスプーンを落としてしまう。そんな私を見てまふゆからの睨みを貰う

 

 

「何してるの」

 

「あ、いや。その」

 

「不味かったの?」

 

「不味くは無いんだけど。むしろ美味しいし」

 

「うん」

 

「味覚あるの?」

 

「一応はある。でも、よく分からないからレシピ通りの味付けにしてみた。私の舌を当てにして作ると変な味付けになるから」

 

「あ、なるほどね」

 

 

美味しいからびっくりしたけど、レシピ通りに作ったから美味しいのか。でも、そうだよね。まふゆの舌を信じて調理したら大変な事になるよね

 

それから、まふゆも自分のオムライスを作って椅子に座って食べ始める。味があまり分からないのかまふゆは何も言わずに食べていく。そんなまふゆを見て私は少し悲しくなる

 

 

「ねぇ。やっぱり分からないの?」

 

「うん」

 

「そっか」

 

「莉緒?」

 

「何?」

 

「別に莉緒が悔やむ必要は無いよ」

 

「まふゆ」

 

「それに莉緒も辛い事があるんだから、そっちを優先して。私の事は私で答えを見つける。だから、莉緒は莉緒の答えを。本当の莉緒を探してよ」

 

 

まふゆに言われて気づく。確かに私は逃げてた。劣等生の私から…………もう1人の私から。怖かったんだ。本当の事を知るのが、本当の私を見つけるのが。だから、逃げてた

 

 

「莉緒、気づいてないかもだけど。たまに莉緒じゃない誰かが出てくる時ある」

 

「え? 」

 

「この前、一緒に見たニュースの事覚えてる?」

 

「虐められてた子が虐めた子達を殺したってニュース?」

 

「うん」

 

「覚えてるよ」

 

「その時、話し声は莉緒だったけど目付きが莉緒じゃなかった。なんか別人みたいに凄く辛そうに見えた」

 

「っ……」

 

 

確かに私はまふゆのそのニュースの話をした時がある。たまたまテレビを一緒に見ててニュースの話で虐められてた子が虐めた子達を殺害。その後に自殺を測ったというのがやっていた

 

 

「莉緒、その時言ったよね。あれは誰も悪くないって。虐めてた子達も死んじゃって、虐められてた子も自殺。誰も居なくなったから。誰も悪くないし、傍観者の私達が責める権利は無いって」

 

「うん」

 

「虐め返す事は悪いって私達は思うかもだけど、それは虐められてた子からしたら関係無い話。それに、虐め返すって言葉よりも反撃したって言うのが正しい」

 

「そうだよ。虐め返したんじゃない。反撃したの。その勇気を傍観者の私達は否定して悪者扱いする。そんな世の中なんだよこの腐った世界は」

 

 

やり返したら悪い。手を出したら悪い。って言われるけど、じゃ、何もしないでただ我慢するだけがいい事なのか?誰にも相談出来なくて1人で抱え込んでる子はどうすればいい?簡単に大人は相談してね。とかほざいてるけどそんな簡単な話じゃない。それを分かってないくせに

 

と私は思っていると少し目の前が霞み始める。そして、ある声が聞こえてくる

 

 

そうだよね。1人で抱え込んだ僕達の事はどうするんだろうね。それに大人達からも見捨てられた私達は本当にどうするのが正解だったんだろうね…………

 

「莉緒?」

 

「何?」

 

「なんか顔が怖くなってるけど」

 

「え?」

 

「もしかして辛い事を思い出させちゃった?」

 

「そんな事ないよ」

 

「……じゃ、なんでそんなに手に力が入ってるの?それに血が出てる」

 

「……え?」

 

 

私はまふゆに言われて初めて気づく。左手を見てみると確かに力が入っており、力を入れ過ぎたのか手からは血が出ていた

 

 

あの時、僕達は協力したもんね。虐めてた子達を精神的に壊しちゃおうって。でも、君は僕には協力してくれなかった。虐められたからって手を出すのはダメって…………………………所詮、君も汚い大人の1人だったんだよね

 

「……うるさい」

 

「莉緒?」

 

うるさいって何さ。でも、君が動かなくても僕は君の身体を使ってなんでも出来る。だから、僕はあの子達を精神的に追い詰めた。そして、あの子達は自ら壊れちゃった………………君にも見せたかったよ。あの子達が壊れる姿

 

「うるさい!」

 

 

私はそう言ってテーブルの上にあったコッブを壁に投げつける。そして、耳を押さえて声を聞かないようにするが声は消えない

 

 

僕を否定するのは構わないよ?僕は君で言うと邪魔者だからね。でも、君が僕を否定するって事は本当の朝日莉緒から逃げるって事になるよ?

 

「うるさいうるさい」

 

本当に腐った世界だよね。やり返したら悪者になるんだから。傍観者からしたらそうかもしれないけど、当事者からしたらそんなのは関係ない。今すぐこの悲劇から逃げ出したい。助けて欲しい。悲しい、辛い、痛い、寂しい。様々な思いがあるんだから

 

「莉緒!?どうしたの?もしかしてまた私のせいで」

 

「だ、大丈夫」

 

 

まふゆはコップを投げた私を心配して近寄ってきて顔を覗き込んで聞いてくる。しかし、私の今の顔をまふゆに見せる訳には行かない。だって、凄く醜い顔をしてるから

 

 

やり過ぎは良くない。犯罪は良くない。人を殺すのは良くない。危害を加えられた事の無い奴らはそう簡単に言えるよね。でも、危害を加えられてずっと我慢してる人達からしたらそんなの関係ない。今すぐ殺してでも自由を手に入れたい。今すぐ普通の生活をしたい。そう思う事って間違いなのかな?

 

「うるさいなぁ!」

 

そこにいるまふゆちゃんだっけ?その子も大変な思いをしてるよね。周りから優等生のイメージを押し付けられて本当の自分が分からなくなって、感情とかが失われちゃったんだから…………それだって周りが悪いよね。勝手に優等生っていうイメージを付けてるんだから

 

「莉緒どうしたの?なんか辛そう」

 

まふゆちゃんも普通の生活。普通の女子高生としての生活がしたかったんだろうね。それを分かってて君は無視をした。まふゆちゃんの問題だからって…………………でも、それって傍観者としての意見だよね?まふゆちゃんはもしかしたら助けて欲しかったのかもよ?昔の君みたいに

 

 

確かに私は無視をした。まふゆの問題だからって思い込んで。でも、本当は違う。壊れて欲しかった。優等生の朝比奈まふゆが壊れて欲しかった。ほんの少しそう思っただけで

 

 

だから君も汚い大人の1人だった。でも、それを認めたくないから今こうしてまふゆちゃんを助けようと。救おうとしてるんだよね。自分の肯定するために

 

「り、莉緒。一旦ソファに座ろう。水持ってくるから」

 

今もだってまふゆちゃんは優しいよね。でも、本当の君を知ったらまふゆちゃんはどう思うかな?離れていくかな?それとも怒るかな?……………もう楽になったら?人殺しさん

 

「ぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「莉緒!?」

 

 

私は何が何やら分からなくなりその場で倒れる。倒れる際にまふゆが凄く心配そうにしていたのが見えた。そした、意識が消える前にまふゆの後ろにニヤリと笑っている私が見えた気がした




俺の煩悩のままに書いているので話が突然になってるかと思いますがご了承ください
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