あと、書いているクロスオーバー作品の小ネタを少し。
参考「船医から始まり後に複数の船の船長になったレミュエル・ガリヴァーによる、世界の諸僻地への旅行記四編」から。
スーパーSF大戦・外典
ウマ娘の住む世界にてHN・ダルグニィ
さて、私こと日本に住む一般人のおっちゃん、ハンドルネーム・ダルグニィがこの世界線に紛れ込んだのは、今から大体一年前です。
大丈夫、私はこれが小説で流行りの異世界転移物! とか云う物では無い事は、経験上知っています。
ここに来る前にいた世界は時空融合現象とか云う謎の現象によって複数の世界が融合して出来た混沌世界だったのです。
大体の世界が国家単位で時空融合したのに対し、日本では1000を越える複数の世界が日本列島に融合した為に正義のスーパーロボット研究所やスーパー戦隊、仮面ライダー達ヒーローが現れたんですが、それらに敵対していた悪党らは世界征服を行ったり、他国を侵略したり、とにかく暴れたりして大混乱でした。
日本連合政府を立ち上げてヒーロー逹をまとめた加治総理大臣には頭が上がりません。
そんな状況に怖くもあり少しわくわくもしながら日々を生きていました、いつだったか格闘技大会が開かれたんですが、中には波動拳とか云う超能力みたいな格闘技を使うファイター達が居るかと思ったら魔法使いの女の子が出てきたりと、なんかとんでもない世界に来てしまったと、ごく普通の一般人の私はマジンガー博物館で最初の超合金のスーパーロボット、マジンガーZ(レプリカ)を見上げながら考えていたのですが、帰りに時空融合前の出身地である府中駅でブラついていたら時空融合の揺り戻しにでも巻き込まれたのか、この世界に来ていました。
違和感に気付いたのが、府中の大國魂神社の前の道の歩道を歩いていたら車道側に青く舗装された自転車専用レーンがあるな、と思っていたら後ろから若い女の子がそのレーンを物凄い勢いで駆け抜けていった光景を見た時でした。
筒状のケモ耳と尻尾を生やした女の子は時空融合した日本にもいませんでしたから、ここが別の世界っぽいと気付いた訳です。
エマーン人の女の子は首筋から2本の触手が生えてますが、あれはケモ娘とは言えませんので。
そこから、何の係累も居ない世界で戸籍を得たり仕事を探したり、ウンと苦労しましたが何とか生活は安定してきました。
この世界は私の出身世界とほぼ同一っぽい感じです。
それで精神的に落ち着いてきた状況なので、前々から興味を持っていたウマ娘について調べてみました。
おっさんが少女に興味を持つなんておかしい! と云うのは元の世界の常識です、こちらの世界では老若男女で熱狂的人気なんです。
この世界では競馬が無い代わりにウマ娘の競走とウイニングライブがあり、芸能人のアイドルよりもメジャーな娯楽なのです。
と云うか馬の代わりにウマ娘がいるっぽいです。
仕事の合間に府中の大國魂神社の参道にある図書館に通ってウマ娘に関して色々調べてみました。
色々な本が出版されていてそれぞれが違う結論を出しているし、時代によっても変わってきているので、ネットでも調べてみて、自分なりに仮説を立ててみました。
ちなみに、この世界の人間はウマ娘に心酔しており、以下の疑問を口に出すと碌な目に遭いませんので要注意です。
Q:人類の歴史の中に、何時からウマ娘が存在していたのか?
A:現在の考古学、並びに古生物学での結論は出ていません。
古生物学的な観点から考察してみれば、化石としてのウマ娘の痕跡は一万年も遡る事が出来ないらしいのです。
人類が猿人アウストラロピテクスから原人ホモ・エレクトゥス、旧人ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシスと段階を踏んで進化した軌跡を残しているにも関わらず、ウマ娘は約一万年前に突然出現した形らしい。
Q:ウマ娘は人類(ヒト上科)なのか?
A:私の様なファンタジー脳には亜人(デミ・ヒューマン)の様に思えるけど、科学的にそんな区分は存在しない。
現人類であるホモ・サピエンス・サピエンスは霊長類ヒト上科ヒト科に属するほ乳類であり、同じヒト上科である類人猿(チンパンジー、ゴリラ、オランウータン)とは形態や行動の点で大きな差異が見られ、確実に別種であると理解出来ます。
霊長類は原始的な原猿ではキツネザルの様な尻尾や口吻を有し、進化の後も前肢後肢共に五本ずつの指を持っています。
その進化の果てで、狭鼻猿類や広鼻猿類、オナガザル上科、ヒト上科と進化と分岐を続けて北米と欧州を除く世界中に広く分布しているが、人間とウマ娘の様な共生関係を築いた霊長類は存在しません。
また、ヒト上科に含まれる人類と類人猿には「尻尾が存在しない」と云う特徴が存在します。
知っての通り、ウマ娘には尻尾が存在し、耳朶が側頭部ではなく頭部上部の左右に存在し、人類の物とは違い自由意志によって向きが変えられる草食動物様の長細い物が付いています。
にも関わらず、形態は人間の美意識の範疇のド真ん中に存在し、意識も走る事を好むと云う点を除けば人間の理解から外れた物ではありません。
Q:歴史的には何時からウマ娘はいるのか?
A:少なくとも四大文明の頃には確認されています。
考古学的視点から考察すると、紀元前五千年以前の古代エジプト王朝初期の神聖文字にその存在が確認され、またシュメール文明の楔形文字にもウマ娘と思われる人物の記述があります。
また、各地の神話にもウマ娘の存在が確認されるが、何故か神によってヒトの後に作られた者達や何処からかやって来た者達と云う記述が多く見られます。
日本の縄文時代にも土偶や縄文土器の形でウマ娘の存在が確認されますが、縄文早期以降であり日本列島が大陸から切り離され象などの大型動物が消えた時代に当たります。
この時代の日本列島から発掘された縄文人の化石の中にウマ娘の物と思われる頭骨と骨盤が発見されており、世界的にも最も古いウマ娘の痕跡として知られています。
Q:それでウマ娘は人間なの?
A:人間では無いかも知れませんが、人間と同等の知的生命体で有る事は確かです。
さて、現在では世界中の人類と共に生活を共にしているウマ娘ですが、古来よりウマ娘だけの部族という物は確認されていません。
これはウマ娘に男性に当たる存在が確認されていない事。ウマ娘と人間の男性がウマぴょいする事でウマ娘が誕生すると云う完全に人間の再生産サイクルの中に組み込まれている事が原因です。
生物界の中には強固な共生関係を築いている複数の種族による生物群が存在しますが、完全に別種として確立した種族の場合、種の融合の様な物は存在しません。
進化によって一度完全に別種として分化した種類の生物が交接しても次世代の種を残せない一世代交雑種しか遺せず、それが両親の優れた資質を受け継いだ新しい個体になっても孫世代が遺せない結果になってしまいます。
ウマ娘を交えて男性女性の関係を考えると、ウマ娘の場合は淡水魚の銀ブナの様な雌性生殖に近い生殖方法に似ている気がします。
種の存続と云う点では母体の影響だけが存在していて、同一種の雄の遺伝子(精子)が必要では無い無性生殖(完全なクローン)や、卵子が細胞分裂の刺激として精子を必要とするが遺伝子には全く影響を及ぼさない雌性生殖(染色体数が3~4倍体)が存在します。
そして、人間に比べて遙かに強靱な肉体を持つウマ娘の持つ遺伝子は人間と共通する所も多いが、DNAの塩基配列で見れば明らかに別の種類の生物です。
ウマ娘の素質と呼ばれる物は、個々人によって染色体の倍数が異なる事に生成される筋肉や腱、骨密度などに大きな差異となる、らしいです。
それによって短距離、マイル、中距離、長距離に適したスタミナや芝やダートに適した脚質などの素質としてウマ娘達に現れる事が知られています。
ただ確実にウマ娘はホモ・サピエンス・サピエンスよりも早く、長距離を走る事を可能にしている。
遺伝子から生成される、DNAから転写された特定の機能を持つ蛋白質によって細胞は生体化学反応を起こし細胞の生命活動が行われているが、ウマ娘特有の遺伝情報は一見して細身の骨格や筋肉組織に強靱さを付加している。
見かけは可憐なウマ娘が純粋な人間とは隔絶した体質を有するのはそういった理由があるからなのです。
にも関わらず飽くまで人間の男性(他のヒト上科種では無反応)とのウマぴょいが必要なウマ娘の再生産活動ですが、母と娘は完全に別の個体です。
これは科学では証明されていない別の世界の名馬たちの魂と資質が影響しているのだと認知されています。
何故その結論に至ったかは不明ですが、私は知っている。
Q:別世界の名バって?
A:別の世界で競走馬として活躍したサラブレッド達の事。
別の世界では奇蹄類のシマウマやロバの近縁種にウマ(エクウス・カバッルス)が存在し、人間に使役されていますが、その中でも競走に特化したサラブレッドで競馬で顕著な活躍をしたウマ達です。
優勝しても踊りませんがウイニングランはします。
そして別の世界にいた事のある私はニュースで聞いた覚えのある競走馬の名前を有名なウマ娘の中に見出す事があります。
トウカイテイオーとかオグリキャップとかハルウララとか。
でも別の世界で名馬だとしてもこっちの世界にいるとは限らないようです。
誰かディープインパクトって知りませんか?
ここからは文献を元に大きな妄想を膨らませて作ったほとんど創作の類いの話です。
そんなの聞いた事ねぇよって言われても、そうですね、としか返せない話なので話半分に思って下さい。
さて、長々と前提条件を述べてしまったが、どうしてウマ娘と云う存在がこうなったかは不明でありました。
諸説ありますが、ハッキリと確定した物はありません。
中にはウマ娘星からやってきた宇宙人説からウイルスや放射能による変異説まで色々です。
私はこの世界の事を詳しくは知りませんが、ほとんど同じような社会なのですが色々と歴史や出来事に差異があるみたいでしたので図書館の本を読んで調べてみました。
結果、大凡次の事が分かってきました。
Q:元の世界とこの世界の違いって?
A:有史以前の古代文明の存在や天空の城ラピュタの再発見とかです。
19世紀後半にヨーロッパで240年ぶりに再発見された天空の城ラピュタですが、プラトンの失われた地理誌『天空の書』にて有史以前に高度に発展した古代文明が相争い、核戦争による相互確証破壊によって滅びた後も、天空に逃れたラピュタ人(びと)だけがその高度文明の残滓を残した、と記述されています。
古代核戦争自体は古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』他、厩戸皇子(聖徳太子)が編纂させた日本最古の歴史書『国記』等、世界各地に神話の形で残されており、実際に古代都市跡に核攻撃にて発生したガラス状の痕跡が残されている事から確実視されています。
どうやら一時期のラピュタは古代文明の跡地を避けて(残留放射能を避けて?)古代核戦争後から北米大陸の西側を根拠地としていた形跡があります。
後に16世紀にレミュエル・ガリヴァーが記述したラピュタは第三の旅行記にて綴った日本列島の遙か東方にある島国パルニバービを地上の根拠地として周辺諸国を恫喝する恐怖政治を行う存在になっていました。
19世紀には廃墟と化して欧州へと迷走していた事から僅か300年の間にどのような出来事があったのかは不明ですが、16世紀当時までは全盛を誇っていたみたいです。
ガリヴァーの記述に基づくと、16世紀のラピュタは遙かな古代文明より続く都市国家であり、日本の遙か東方に存在するパルニバービ国の首都であり、奇妙な哲学に基づく学術都市であり、そこに住まう住民は全て学者であり男性でした。
これは女性を排除したのでは無く、余りに浮き世離れした男性科学者を忌避した現実主義の女性が地に足を付けた生活を望んだ為に自然とそうなったそうです。
ガリヴァーによると、学者達は思考のほとんどを科学に注いでいた学者の意識は直ぐに沈黙思想に籠もってしまい常に上の空である事から、生活を送る為に頭や目を叩く役割を持つ従者を引き連れているなどと書かれている。
ただ、それは学問の為の学問であり、実際に役立つものはほとんど無かった様だ。
例を挙げると、卵の殻を割る最も効率的な方法やドーナツの穴の実在を、ドーナツを食べた後に計測する方法だのだ。
そんな連中だから妙な事に拘って、訳の分からない理由で訳の分からない行動を執るのだから、空想に耽る男性に反する様に女性は現実主義が強くなり、ラピュタに行かず地上に残った地方領主や領民と共に生産活動を行っていた為、ラピュタには一人も人間の女性はいなかったそうだ。
だが学者とその従者だけでは都市国家の経営は成り立たないし、色々と発散する事も出来ない。
だが、彼らはそのねじ曲がってはいたが高度な科学技術でそれを代替する存在を作り上げていた。
ひとつは機械とも魔法ともつかない存在のゴーレムで、高度な思考と献身的な行動は良かったのだが、当然の如く女性機能が無かったので都市機能の維持に使われていた。
もうひとつが古代文明崩壊後、当時地上に存在していたガリヴァー第四の旅行記に記述されているフウイヌム国の住民の利用である。
彼らはロバに似た四足歩行の馬と呼ばれる奇蹄類のほ乳類の一種で、自らをフウイヌムと呼称していた。
高度な哲学と平和を愛する知的生命体であったとされている彼らをラピュタの科学者達は拉致・誘拐し生体改造にて女体化させた家畜種族・隷属種族として生み出したのがウマ娘の祖先では無いかと考えられる。
全てのウマ娘が容姿端麗なのもそう云った意図が存在するのであれば納得出来る。
隷属種族として生み出され容姿端麗にて平和を愛する存在と云われても、自らの同朋に対する愛情も強く、ウマ娘を粗雑に扱うラピュタの学者達に強い不満を抱いていたのは確かだった。
そんな彼女らの事を知った地上のパルニバービに住む女達も協力的であった事から、ラピュタから脱走したウマ娘らは大陸への玄関口であった日本列島(縄文時代初期の温暖化によって始まった海進によって大陸から切り離されたばかり)から全世界へと広まって行き現代の様に人類社会に普通に混ざって存在するまでに至った。
そして現在では天空の城ラピュタは崩壊し、フウイヌム国もパルビバーニ国も存在しない。 地理的に見ても現代の日本から北アメリカ大陸の間には大きな島は無く、大規模な地殻変動で海底に没したか、そもそも妄想の類いなのかも分からないが、太平洋戦争後に核実験の影響で海底に没したハイアイアイ諸島の例もあるので夢幻とばかりも言えないのだ。
江戸時代に震源不明のみなしご津波が数度押し寄せた記録もあるのでその内の一つがそうかも知れない。
人類のウマ娘の発生起源に関する学説は数多く存在する。
彼女らの走る姿やウイニングライブに魅了される人々は数多く、身近な隣人として生活をしているにも関わらずその正体は謎に包まれている。
多くの学者がその謎を解きほぐそうと仮説を巡らせてきたが、それも玉石混淆であり、これもその石の一つに過ぎませんが、貴方の好奇心を満たす一助になってくれれば幸いである。
HN・ダルグニィ
こんな事ばっかり考えて生きています。