最強最弱の戦闘兵機(レオパルド)   作:渚桜@戦闘兵機

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僕は機械人形。
それも、戦闘用に改良されたAI…

でも、僕は戦えない、失敗作なのだ。

処分場に隔離された僕の前に現れたのは、いるはずのない人間。

『君は、この世界をつまらない、くだらないと思わないか?」

そう言って、まずは僕を自分の住処へ連れて行くという事になり
処分場に作られた隠し扉を開け、ついに…

―『さぁ、出るぞ。君からすれば初めての外で初めての『反抗』だ!』―

そこで彼らが見た景色とは――


威圧。

僕はこの日、始めて外に出た。

正直、外には青空が広がり、空気が澄んでいて、綺麗な景色があると、戦闘用AIにはあるまじき期待をしていた。

 

だが『レベル』が全ての優劣を決めるこの世界。

根本っから腐っているこの世界に対して、一番遠い理想であることに、外に出て1秒でCPUが気づいてしまった。

 

草木は枯れ果て、近くビルやマンションは赤色のヒビが入り、崩れ始め、地面は乾燥しきって水分がほとんどない世界と化している。

 

「…なにがあったんだ。」

「全国規模で戦争があるのは知っているだろ?」

「はい。その戦争に勝つために私たち『レオパルド』は製造されたので。」

「君たちレオパルドは知らないだろうが、ラカスで内戦が起きてね… レベル1と2の者が連携し、レベル3の者を制圧しようとした」

 

男は俯き、落ち込んだ声でそう言った

 

「結果はどうなったんですか。」

男は目を瞑り、震えた声でこう答えた。

 

「見ての通り、惨敗…そして大量虐殺が行われた」

「敵…レベル3は何人いるんですか。」

 

もし人数が少なければ、僕が本気を出せば少しぐらい抵抗して、気持ちを変えることができるかもしれない。そう思い聞いた。だが、僕のその考えは速攻で潰えた。

 

「一人だ」

「一人?なぜ負けたんですか(ラカスにレベル3は一人なのか)」

「すぐに考え付くことだ。レオパルドを従え、武装しているから、武力で対抗できないレベル2、1は簡単に大量虐殺、そして内戦は終わった…」

「…内戦は始まってからどのぐらいの日時が経ったんだ」

「3日だ。」

「え。」

 

ラカス内のレベル1は約5万人、レベル2は約3万人

それが今ではレベル1は約500人、レベル2は約1000人にまで減っていた。

3日という短い時間で、約6万5000人という多人数を殺したのだ。

これが戦闘用人型AI レオパルド 本来の強さなのだ。

 

「レオパルドは何体いたんだ」

「3体だ」

(一体で1日約7222人か…)

 

失敗作である自分とは全く違う…

 

本当に『人を殺すため」だけに造られたAI…

建前では、自分であれば敵方一体は道連れにできる

 

そう思っていたが、口に出せなかった。

とうに本音が建前を超えていたからだ、本音は言わずともわかる…自分では歯が立たないとわかっている。

 

「残っているレベル1、2の者はどこにいるんだ?」

「ハッキリした場所はわからん、だが予想はついてる」

 

そう言うと男は近くの茂みに移動し、隠れながら何かを取り出し、拡げ始めだした

その厚紙のような物には、地図のような物が描かれていた

 

「何か、変な地図ですね」

それもそのはず、中心には大きな建物があり、その建物を円で囲うように他の建物が立っていた。

それも、外側に行くにつれて建物が小さく、古くなっている

それで大体わかった。 

だが男は丁寧に説明し始めた。

 

「この円形に建物が立っている場所、ここがラカスだ」

「やはり…」

 

予想は当たっていた。続けて男は話す。

「もうわかっているとは思うが、中心の建物がレベル3の住処、そこから外側に行くにつれレベル2、1の住処となっている」

これまた予想が的中する。

 

「という事は、残ったレベル2、1の人たちは…」

「あぁ、恐らくレベル3の住処、もしくは『あそこ』だ。」

『そこ』という言葉が少し気になった、『あそこ』と喋った時妙に力が入っていたからだ。

 

「『あそこ』っていうのは何だ?」

男は僕を4、5秒ほど見つめ、渋々口を開く…

すると、何もないはずの空中から声が聞こえてくる。

 

――「殲滅対象を発見しました。」――

 

音声を聞くまで、近くに居ることさえ気づかなかった。

だが、上を向かずともわかる。

『本物の』レオパルドだ。

 

凄まじい殺気と気配、威圧感と呼ぶには弱い。

そっとレオパルドの方を向く。

そこには…

 

空中戦にも対応できるように足の裏にブースターのようなものが付き

両腰から背中にかけ、半円の土台が浮遊し、銃や刀などの武器がいつでも取れるようになっている

 

肩甲骨のあたりから、機械的な翼もついている。

レオパルドは元々対陸戦闘兵器、飛行能力はないので、恐らく翼をつけることで飛行性能の向上も考えているのだろう。

 

そして、このレオパルドはいつでも僕たちを殺せるように、人差し指の先に付いている標準装備の銃口をこちらに向け警戒している。

 

それに対してこちらは…

標準装備のみ付いたレオパルド一体、戦闘に使えそうな物を持っていない丸腰当然の人間一人。

 

完全武装したレオパルド一機vs標準装備のレオパルド一機+人間

勝ち目なんて100%無い

 

どうすればいい…

 

この場から逃げようにも、相手は空中から追ってくる、絶対追いつかれる。

戦ったとしても、秒殺で負けるだろう…

そんな時、敵機のレオパルドが口を開くー

 

「外周時計回り警戒中のαよりマスターへ。廃棄レオパルド処分場の付近にて『レベル0該当人物と、標準装備のレオパルド一機を発見致しました。次の指示を求めます。」

 

レベル0…?そう言ったのか…?

レベルは1~3までしか無いはずでは…

だが、今聞くのは違う、あとでしっかりと説明してもらおう。

 

「あなた達一人と一機に対し、マスターが会いたいと仰っています。来るかどうかは自由とも仰っています。どうしますか?」

「一つ確認させろ。行かないと答えた場合、僕たちをどうする気だ」

この質問の回答次第では戦闘もやむを得ない。

さぁなんて返す…『本物のレオパルド』…!

 

そして敵機のレオパルドが口を開く――




最後まで読んでいただきありがとうございます。
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読んでくださった方はもちろん、登録して頂いた方々、ありがとうございます!

今回は改行するタイミングを少し意識してみました
少しでも読みやすくなっていれば幸いです…!

また、なにかご意見、アドバイスございましたお教えいただけると幸いです!

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