最強最弱の戦闘兵機(レオパルド)   作:渚桜@戦闘兵機

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サナはマヒナのことをマスターとして認識する。

そして、マスターを認識したことにより、レオパルド本来の力を発揮する為のアップグレードが始まる―

アップグレードが終了し、再起動が終わると、自分にしか聞こえない声が聞こえ始め…
目の前には知らない女『トライ・ドア』が姿を現す。

予想外のことに、この女はレオパルドを製造した技術者の一人だという。
この女に『この声』について聞こうとしたとき―

外で大爆発音が鳴り響き、急いで外に出るとそこには―


命令。

「なんだ!?今の轟音は!」

「爆撃で食らったみたいだな…」

「音の大きさの割には揺れませんね」

「この家は耐震、対爆撃用に設計してるからね」

 

ますますマヒナの物造り能力の高さには驚かされる。

今いる部屋は入り口兼出口は通ってきた道の一本だけしかなく、他に部屋があるとは思えない。

 

そしてこの部屋には、家の設計図らしきものは見当たらない。

まさか独学でこんな耐久性能の高い家を建てたのか…?

 

「一旦外に出て、様子を見てきます。お二人は此処にいてください。」

「いや、俺も出る。作戦が変わるかもしれないからな。」

「マヒナと同じ理由で、私も外に出る…」

 

「では、絶対僕の背中から離れないでください。αがいた場合、逃げを最優先にできるようにします。」

 

「あぁ、頼んだぞサナ」

 

こうして先頭に僕、左斜め後ろにマヒナ、右斜め後ろにトライがいる形になり、外に出ることに…

 

玄関のドアの前に着き、3人に緊張が走る―

もしαがいた場合、家に逃げ込むことができない。奥は行き止まり、そこに完全武装のレオパルドを連れ込んでしまえば、袋の鼠…

どこに逃げるかも考えながら、恐る恐るドアを開けると―

 

 

―最悪だ―

 

 

「αよりマスターへ連絡。レオパルド一機、レベル0一名、新しくレベル2一名を発見。」

 

「βよりマスターへ連絡。警戒中、及び臨戦戦闘形態より、殲滅形態への移行を許可を求めます。」

 

「γよりマスターへ報告。βに引き続き、二名及び一機の殲滅許可を求めます。」

 

 

敵機のレオパルド3機、『α』『β』『γ』に待ち伏せされていた。

 

それも、逃げれぬように目の前にα、右上空にはβ、左上空にはγと…

絶対逃がさないように、今度は3機すべてが臨戦戦闘形態…

 

攻撃等の与える行動はできないものの、拘束や捕獲などの『相手の動きを止める』行動は許可されている状態で囲まれてしまった。

 

そんな中、2人が小声で喋りだす…

 

「サナ…お前だけ逃げろ…」

「あぁ…レオパルドの君だけなら逃げれる…」

 

「なぜですか、なぜ僕だけ…」

 

「この3機の狙いは俺だ…そしてライは巻き込まれている。このラカスを救うにはサナが鍵なんだ…だからサナだけでも逃げろ…」

 

「そんな…いくら何でも3人で行わなければ意味がないです…」

 

後ろにいる2人の顔を見ずとも、アップグレードし、性能が上がった今なら声だけで感情や表情、本音までも読み取れる。

 

2人とも必死で、焦っている。だが本心だ。

2人は本気で僕に逃げろといい、本気で僕がラカスの救いに≪希望≫になると信じている。

 

そして2人は何か合図をして、マヒナは僕に言い渡す。

 

「サナ!マスター権限で命令する!!!『あの場所』に逃げろ!!!」

「マヒナ…何言って…」

 

ズゥゥゥゥゥゥンー

 

頭の中で鈍い音がなる。嫌な予感がする。そしてその予想はすぐに的中する。

 

―マスターの命令を確認、受理しました。これより『あの場所』の名で保存されている地域への逃走を開始します。移動時間は2時間を予定しています。―

 

そんな、嫌だ。2人を、マスターを置いて逃げるのは嫌だ。

 

「さぁ!逃げろ!」

「行けぇ!」

「そんな…嫌d」

 

次の瞬間、自分の意志で体を動かせなくなった。

形態変化を止めることも出来ず、自分が勝手に変わっていくのを感じるしかできなかった。

 

―識別名『サナ』の逃走形態への移行完了。これより、逃走を開始します。―

 

 

足の裏に付属されているブースターが起動し、背中に付属された翼が広がる。

そして…

 

 

シュゥゥゥゥゥ…

 

ドンッ!!!!

 

 

一瞬で上空100mまで上昇し、さっきまでいた地上には砂埃が立ち、マスターとライ、レオパルドの姿が見えなかった。

 

 

「ライィィィィ!!」

「マヒナァァァァァァァァ!!!!」

 

この声は届かない。それでも叫ばずにはいられなかった。

 

―移動開始―

 

この声に、決められた方向に飛ばされながら、なんとかマヒナの方を見ると…

砂埃が消え始め、人影がほんの少しだけ見える。

その人影の方を向き、アップグレードして追加された『視覚拡大』を使うと…

 

「ッ…マヒ……ナ…」

 

マヒナは初めて僕と会った時と同じ顔をしていた。そう…

 

僕の方を向き、微笑んでいた。

 

「マヒ………マスター…」

 

 

 

―膨大なエネルギーの集束を確認。被害規模は約80kmと推測。ここでは巻き込まれる恐れあり。速度を上げ目的地に向かいます。―

 

スゥゥゥゥゥ……

 

バァァァァァン!!

 

自分の足元から爆音が聞こえた瞬間、一気に加速し目的地へ移動を再開した。

 

なんでだ。

 

なんで僕だけ。

 

僕だけでどうしろっていうんだ。

 

こんなので希望なんてなれるのか。

 

 

 

ドォォォォォォン!!!!!

 

 

 

集束したエネルギーが膨張し始め、大爆発を起こした。

 

他8ヶ国に戦慄が走った。

 

 

この日、ラカスが地図から消えたのだ。

 




第6話 命令。

読んでいただきありがとうございます。

前回読んでいただいた方からのアドバイスを受け、少々言葉遣い、段落を変えました
読みやすくなっていれば幸いです。

ご意見、ご感想の方よろしくお願いします。

今後とも『最強最弱の戦闘兵機(レオパルド)』をよろしくお願いいたします。

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